文化行政のあり方 〜大阪市を例に〜

Download Report

Transcript 文化行政のあり方 〜大阪市を例に〜

文化行政のあり方
〜大阪市文楽補助金問題を例に〜
国際文化学部
1
情報コミュニケーション論講座
1026607c 林 優紀
S
目次
S 1・文楽、文楽協会について
S 2・文楽を取り巻く2つの軸
S 3・文化改革の二本柱と協会側の対応
S 4・考察、提言、論点
2
文楽とは…
・江戸時代初期から伝わる伝統芸能
・太夫、三味線、人形が一体となった総合芸術
・人形浄瑠璃の代名詞
3
文楽協会とは…
1963年
文楽協会設立
公演プロデュース、技芸員マネジメント・育成、
舞台技術の保持・育成など公演全般を受け持つ。
1984年
国立文楽劇場完成(大阪)
日本芸術文化振興会
文楽協会
東京・大阪公演のプロデュース、
舞台技術の保持・育成
地方・特別公演のプロデュース、
技芸員の報酬管理など
文楽協会の収支
2011年度補助金
公演ごとの収入
国:8.000万円
本公演
大阪府:2,070万円
大阪市:5,200万円
計 1億5,000万円
5
芸術文化振興会
報酬には関係ない
特別公演
1億円弱の収入
1,000万円の黒字
地方公演
1億円強の収入
3,000万円の赤字
→技芸員の養成費や人件費、
劇場費用などに使われる。
両者の軸の違い
芸術文化振興会
文化庁
大阪府
大阪市
• 「伝統文化を保護・
保全すること」を最
大の使命とする
• 大阪を代表する文化
として文楽を「都市
魅力の創造」に結び
つけたい
6
橋下氏の文楽改革の二本柱
S 1・補助金の見える化(透明化)
S 「養成費」から「経費補助」へ(上限〜2,000万円)
S +:用途の明確化
S —:事務作業の増加、制作力&広報活動さえも疎かに、立て替え費
S 2・インセンティブの導入(意欲刺激)
S 集客に連動して補助金を毎年変動させる仕組み(上限〜1,900万
円)
S +:制作力の強化
S —:集客力の指標の問題、集客力弱くても保存・継承する必要は?
7
文楽協会側の対応
S 協会の機能向上について
S 広報担当者の配置
S 技芸員とのコミュニケーション
S 新たな公演等の試み
S 街角文楽
S 文楽出前公演の充実
8
考察・提言
S 府・市側と文化庁・協会側の持つ軸の違いが見られる。
S 「伝統文化の保全」と「都市魅力創造の貢献」は両立する
のであろうか?
S ムダはなくした上で…、文楽を残す為には、演者など
「人」を大切にする必要があるのではないだろうか。
S 技芸員の月給増・支援
9
具体的な提言は…→
提言
支持
層
→現状のまま
→取り込む工夫
「難しい」を「易しく」
普通層
不明層
→関心をもたせる
10
論点
S 税金は、伝統芸能・分かりやすい芸術(ミュージカルな
ど)などどのような文化・芸術に使われるべきか。
S 文化(特にハイカルチャー)を保存する意義、税金をそ
こに投入する意味とは何か。
S 都市ブランドの構築に芸術を利用することはできるのか。
11