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場の理論における厳密くりこみ群について
伊藤 悦子@素粒子論研究室
4.繰り込み群の流れと多様体の変形
素粒子の間に働く力の大きさや素粒子の質量などは、考えているエネルギースケールによっ
て、その見掛けの大きさが変化して見えます。そして、測定するエネルギースケールによって、
素粒子間の相互作用の形までも変わっているようにみえます。
そのような異なるエネルギースケール間の相互作用の定数の変化を記述する方程式が繰り
込み群の方程式と呼ばれます。
今回のポスターでは、その中でも、厳密なくりこみ群と呼ばれる方法について、その基本的な
アイデアを簡単に説明します。
CP(N)模型:次の計量で表せる定曲率の複素多様体
1.繰り込み群を用いて何を知りたいか
●繰り込み群の流れを見る。
物理をみるスケールを変えると、理論がどのようにみえるか知ることができる。
これをβ関数の式に代入。
●固定点の理論を研究する。
繰り込み群変換をしても、不変な理論には高い対称性が存在する。繰り込み群
方程式を使って、それがどのような理論か知ることができる。
結合定数λは半径の逆数に対応
2.摂動論的くりこみと非摂動論的繰り込み群
結合定数λに関するβ関数と、場の異常次元(γ)を得る。
☆摂動論的くりこみ☆
結合定数の大きさが小さいと仮定
異常次元の役割:
時空の座標を
としたとき
ターゲット空間の座標である、場を
ミクロに見る時(UVの理論):
異常次元(γ)が負なので、ミクロに見る(xを小さくしていく)変換に対して、ターゲット
の座標である、
も小さくなっていく。
は、有限個のカウンター項で発
散を消去できないので、摂動論
的にはくりこみ不可能。
→
摂動論的くりこみの問題点
ミクロ(UV)
●λが小さいと仮定している。
●グラフを次々計算しないとくりこみができるのかわからない。
●次元の高い相互作用をくりこむことができない。(相互作用の形が制限される。)
座標が縮んだ分、半径が大きくなったように見える!
☆非摂動論的くりこみ群☆
Schwinger関数の生成汎関数Z[J]はカットオフ(Λ)依らないと仮定
→ 物理量はくりこみによって変わらないと仮定
5.固定点の理論
繰り込み群変換を行っても、不変である、固定点での理論を構成する。ベータ関数は、摂動
論的繰り込みの結果では、
リッチ平坦な理論
物理は変えないで、解像度(1/Λ)を変える
今の非摂動論的繰り込み群の結果では、
とスケール変換したときの作用Sの変化を書いたものが繰り込み群方程式
リッチ平坦なもの以外にも存在?
仮定
3.非線形シグマ模型
a >0の時、(異常次元が負→マクロに見ていくとターゲットの座標も引き伸ばされる時)
メトリックを使って、ターゲット空間の線素は次のように書ける:
スカラー場の空間の計量
極座標で書き直すと、
この模型に対する繰り込み群方程式:
原点から、無限遠までの距離や体積は発散。 無限遠での角度方向の長
さは一定。
メトリック部分に対するβ関数:
無限遠では、半径
のシリンダーに近づく。半径は
任意の値でβ=0となっている。
3次元ユークリッド空間に埋め込んだ図。