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Metabolic Syndrome ～ インスリン抵抗性から内臓脂肪蓄積へ ～ Metabolic Syndrome 日本人における診断基準 -2005年 内臓脂肪（腹腔内脂肪）蓄積 ウエスト周囲径 男性 ≧85cm 女性 ≧90cm 上記に加え以下のうち2項目以上 血清トリグリセリド値 ≧150mg/dL かつ ／または HDLコレステロール値 ＜40mg/dL（男女とも） 収縮期血圧 ≧130mmHg かつ ／ または 拡張期血圧 ≧85mmHg 空腹時血糖 ≧110mg/dL ❈CTスキャンなどで内臓脂肪量測定を行うことが望ましい。 ❈ウエスト径は立位，軽呼気時，臍レベルで測定する。脂肪蓄積が著明で臍が下方に偏位している場合は肋骨下縁と 前上腸骨棘の中点の高さで測定する。 ❈メタボリックシンドロームと診断された場合，糖負荷試験が薦められるが診断に必須ではない。 ❈高TG血症，低HDL血症，高血圧，糖尿病に対する薬剤治療をうけている場合は，それぞれの項目に含める。 ❈糖尿病，高コレステロール血症の存在はメタボリックシンドロームの診断から除外されない。 メタボリックシンドローム診断基準検討委員会：日本内科学会雑誌 2005; 94(4), 188-203 Metabolic Syndrome ウエスト周囲径各民族特定値 国／民族集団 ヨーロッパ人 ウエスト周囲径 男性 女性 ≧94cm ≧80cm 男性 女性 ≧90cm ≧80cm 中国人 男性 女性 ≧90cm ≧80cm 日本人 男性 女性 ≧85cm ≧90cm 中南米民族 暫定的に，南アジア人の recommendationsを使用。 サハラ以南のアフリカ民族 暫定的にヨーロッパ人のデータを使用 東地中海・中近東（アラブ）民族 暫定的にヨーロッパ人のデータを使用 米国では臨床の場ではATP-Ⅲの基準値（男性 ≧102cm，女性≧88cm）を引き続き使用する見込み 南アジア民族 中国人，マレー人，インド人に基づく 内臓脂肪面積とウエスト径の関係 日本内科学会雑誌 94（4）188-203. 2005 Metabolic Syndrome 内臓肥満 脂質代謝異常 高血圧 高血糖 動脈硬化 メタボリックシンドローム 生活習慣の偏り 内臓脂肪蓄積 アディポ サイトカイン 分泌異常 代謝異常 遺伝素因 糖尿病 高脂血症 動脈硬化 高血圧 メタボリック シンドロームの概念 ちょっとの魔法？ 肥満 耐糖能異常 脂質代謝異常 高血圧 一つ一つはちょっとでも、 これらの合併は心血管ｲﾍﾞﾝﾄを 相乗的に増大させる。 ４つすべてそろうと 死にいたることが多い 死の四重奏！ 逆にこれら４つをちょっとでいいから良く できたら、心血管ｲﾍﾞﾝﾄは減少するか？ メタボリックシンドロームの危険因子の 保有数と冠動脈疾患発症オッズ比 30 31.34 25 冠動脈疾患 発症オッズ比 20 15 9.70 10 5 5.09 1.00 0 0 1 2 3～4 危険因子の数 （危険因子：高BMI、高血糖、高血圧、高トリグリセリド血症） 労働省作業関連疾患総合対策研究：宿主要因と動脈硬化性疾患に関する研究（松澤佑次） 平成7年度研究報告書 内臓脂肪面積とリスクファクター保有数 の関係 男性（n=479） リ ス ク フ ァ ク タ ー 数 2.5 女性（n=181） P＜0.001 リ ス ク フ ァ ク タ ー 数 2.0 1.5 1.0 0.5 0 VFA（cm2） 2.5 P＜0.001 2.0 1.5 1.0 0.5 0 VFA（cm2） 内臓脂肪面積（VFA）と今回の診断基準によるリスクファクター数、Kruakal-Wallist 検定（Mean±SE） （投稿準備中） 現在の肥満度別、糖尿病有病者の割合 －男性（40～59歳）－ % 30 糖尿病が強く疑われる人 20 28.6 10 14.5 5.9 7.7 0 18.5未満 18.5～ 22未満 22～ 25未満 BMI 25～ 30未満 30以上 （平成14年度糖尿病実態調査） 日本人の１人１日当たりの栄養素等 摂取量の推移（1955年を基準とした比較） 5 動物性脂質 4.6 4 脂質 3 2.7 動物性たんぱく質 2.0 2 たんぱく質 1.2 1.0 0.7 1 炭水化物 0 1955 60 65 70 75 80 85 エネルギー量 90 97 （伊藤千賀子） 日本人のBMIの推移 26～29歳 BMI 24.0 男 性 30歳代 肥満者1,300万人 23.0 22.0 BMI 24.0 40歳代 女 性 50歳代 60歳代 肥満者1,000万人 23.0 標準BMI 22.0 標準BMI 21.0 21.0 20.0 1950 1960 1970 1980 1990（年） 20.0 1950 1960 1970 1980 1990（年） BMI=体重（kg）/身長（m）2 BMI25以上が肥満 減量早期における内臓脂肪量と 皮下脂肪量の変化 脂肪量の減少率（％） 0 皮下脂肪量 10 減量治療（1000kcal/day） 開始時より連日、前腹脂肪厚 内臓脂肪量 20 （内臓脂肪に相当）と皮下脂肪 * 厚を測定し、第1日目からの * 減少率で評価した。 * 30 * * * * *：p<0.05 vs 第1病日 0 5 10 15 治療日数（日） Li Y. et al.:Exp.Biol.Med 2003; 228: 1118-1123 一部改変 中年肥満女性に対する 10週間の減量指導の効果 《有経者166名》 体重65.5kg→62.5kg BMI TC 《閉経者166名》 体重62.8kg→60.6kg 中性 空腹時 LDL 脂肪 ｲﾝｽﾘﾝ BMI 0 0 減 少 -5 率 （ ％ -10 ） 減 少 -5 率 （ ％ -10 ） -15 -15 -20 -20 -25 -25 TC 中性 空腹時 LDL 脂肪 ｲﾝｽﾘﾝ 川久保 清：日本臨床、59（suppl.3）..137.