東アジア文化論(10/7)

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講義HP:
http://ds.cc.yamaguchi-u.ac.jp/
~imai/eastasia/eastasia.html
東アジア文化論(10/7)
『成長するアジアと日本の位置づけ』
参考テキスト:「2010年のアジア
次世代の成長シナリオ」
出版:東洋経済新報社
野村総合研究所(著)
ISBN4-492-44335
定価1,600円+税
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前回の宿題

3年前のタイの50年来の記録的水害(
洪水)について、その原因や現在の状況
など、関連するものについて調べる。
注意事項:ホッチキスでとめないこと、折
り曲げないこと、すべてのページに記名
のこと
地域形成のメカニズムとは?
1.メガ・リージョナリズムの台頭
1970、80年代の世界経済の大きな構造的変動
に伴い、従来のヨーロッパにおける地域協力の深
化(ECからEUへ)に加え、アジア太平洋経済協
力機構(APEC)、北米自由貿易協定(NAFTA)な
どの大型の地域協力枠組み=メガ・リージョナリ
ズム(「開かれた地域主義」の下に大国・中小国
を包含する)が次々と台頭した。
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地域形成のメカニズムとは?
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2.メガ・リージョナリズムとは?
メガ・リージョナリズムの特徴として以下のことが挙げられる。
①アメリカや中国といった大国の参加と関与を得て、中
小国とともに地域を形成すること。
②経済発展、経済規模、政治制度の異なる国々が参加
していること。
③柔軟で開放的、包括的な性格を有していること。
④地域主義による利益を無差別で適用するが、自由化
の達成目標については各国の事情を勘案すること。
開かれた地域主義を原則としつつ、グローバルな政治・
経済制度との調和を図り、域内の経済的相互依存の促
進と管理を目指したものである。
地域形成のメカニズムとは?
3.アジア太平洋経済協力機構(APEC)
APEC発足にあたっては、1980年代末に進行していた
ヨーロッパにおける単一市場形成の動きに対処し、ヨー
ロッパが閉鎖市場になることをけん制し、その対抗措置と
して設立された。APECは、開かれた地域協力によって経
済のブロック化を抑え、域内の貿易・投資の自由化を通じ
て、世界貿易機関(WTO)のもとでの多角的自由貿易体
制を維持・発展することを目的とした。APECは非公式な
フォーラムであって、メンバーを法的に拘束しない緩やか
な協力の、枠組という性格を持たないという特徴を持つ。
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地域形成のメカニズムとは?
ASEAN
米州
オセアニア
フィリピン、インドネシア、
1989年
アメリカ オーストラリア
マレーシア、シンガポール、
(発足時)
カナダ ニュージーランド
タイ、ブルネイ
日本、韓国
中国、香港、
台湾
1991年
1993年
メキシコ
1994年
チリ
1998年
その他
ベトナム
ペルー
パプアニューギ
ニア
ロシア
地域形成のメカニズムとは?
4.APECの特徴及び周囲へ与えた影響
第二次世界大戦後のアジア太平洋の秩序
が、基本的に二国間枠組みで取り決められ
てきた。例えば、軍事同盟や経済面でも多
角的な地域取り決めはなかった(ASEANや
民間レベルを除く)。
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地域形成のメカニズムとは?
4.APECの特徴及び周囲へ与えた影響
APECの最大の特徴は、複数国間で多角的
な地域取り決めを行うことである。
例えば、APEC首脳・閣僚会議は地域の首脳、閣
僚が一堂に会する唯一の機会である。
特に首脳会議は、域内の課題にとどまらず、テロ
問題等、国際社会全体の課題につき首脳同士が
直接意見交換する貴重な場を提供。
「地域」としての東アジア
このような背景を受け、現在の東アジアが形成さ
れるに至り、それまでの経緯及び特徴としては、以
下の3つが挙げられる。
1.冷戦構造下の東アジアの政治・安全保障システム
・東アジアは米国と「ハブ・スポークス関係(アメリカと各国
の2国間関係のみを重視する戦略)」と呼ばれる安全保障
関係を構築した。アジア諸国に横のつながりを強化させな
い目的。
2.東アジア諸国の権威主義から民主主義への体制移行
・民主主義への移行により、中産階級社会の台頭。
・日本企業や華僑(中国・台湾・香港・マカオ以外の国家・
地域に移住しながらも、中国の国籍を持つ漢民族)を中
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心とするビジネスネットワークの拡大。
「地域」としての東アジア
3. 東アジアの独特の経済発展
・ 1980年代以降,東アジア諸国は経済自由化政策を競っ
て採用し、世界中から資本や技術を受け入れたこと。
・ 「雁行(がんこう)型経済発展」と称される様に、発展段階
の異なる国々が地域一体となって経済的発展を遂げたこ
と。
・ 1970年代には新興工業経済群(NIES)、1980年代には、
東南諸国連合(ASEAN)各国が、そして1990年代には中
国の高度経済成長を成し、1997年にASEAN+3(日、中、
韓)の枠組みが成立した。東アジア共同体の成立。
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「地域」としての東アジア
これらの要因から、東アジア(共同体)
は、ヨーロッパ諸国のような制度面から
統合を進めた(EU:欧州連合)とは異な
り、東アジアでは、市場が先行した「地
域」が形成されたと言える。
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今週の宿題

GMS(東南アジアに深く関係)とは何かにつ
いて調べる。
次回の講義終了時に、A4のレポート用紙にて、
次回の講義レポートの次に重ねて提出
注意事項:ホッチキスでとめないこと、折り曲げ
ないこと、すべてのページに記名のこと