(5月25日講義分(0530修正版))

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伝達事項
質問: W = −U にしなくて良いのか?どういう時に
“−” (マイナス符号) がつくのか?
解答:
質問: テスト勉強は計算を中心にやるべきですか?
どうやって勉強すれば物理が出来るようになりま
すか?
解答:
3章 仕事とエネルギー
仕事(定義)
摩擦力に逆らって床の上の物体を力 F N で d m 移動するのに
必要な仕事量 W は、以下のように定義される。
d(m)
F(N)
W = F(N)•d(m) = Fd(N•m)
仕事 W = Fd(J)
ゆっくりと床の上の2 kg の物体を 3 m 持ち
上げるのに必要な仕事量 W を求める。重力
加速度は g のままとする。
3m
W = 2g(N)•3(m) = 6g(N•m) = 6g (J)
W = m(kg)g(m•s-2)h(m) = mgh (J)
F = 2g N
位置エネルギー
床の上の h m の位置にある m kg の物体が持
つ位置エネルギー U J を求める。重力加速度
h(m) F = mg(N) は g のままとする。
U = m(kg)g(m•s-2)h(m) = mgh (kg•m2•s-2)
= mgh (J)
位置エネルギー U J は、床の上の m kg の物
体を h m 持ち上げるのに必要な仕事量 W と
等しい。
h(m)
W = m(kg)g(m•s-2)h(m) = mgh (J)
U(J) = W(J)
F = mg(N)
即ち、物体は仕事量 W を受け取って、位置
エネルギー U J を得たと考えられる。
位置エネルギー ⇔ 運動エネルギー
宇宙空間を、速度 v (m/s) で転がる質量 m kg の球がある。
この球がもつ運動エネルギー K J を求める。重力加速度は
g とする。
K = (1/2)m(kg)v2 (m•s-1)2
v(m•s-1)
= (1/2)mv2 (kg•m2•s-2) = (1/2)mv2 (J)
K(J) = (1/2)mv2 (J)
床面から h(m) の高さにある物体の位置エ
ネルギー U J は U = mgh(J)。
h(m)
v(m•s-1)
この物体を自由落下させると速度を増しな
がら落下する (等加速度運動)。
位置エネルギーが運動エネルギーに変換さ
れた。
力学的エネルギー保存則
UH = mgh(J)
KH = 0 (J)
床面から h(m) の高さにある物体の位置エ
ネルギー U J は U = mgh(J)。
この物体を自由落下させると速度を増しな
がら落下する (等加速度運動)。
h(m)
v(m•s-1)
UL = 0 (J)
KL = (1/2)mv2(J)
位置エネルギー U が運動エネルギー K に
変換された。U と K は互いに交換可能
即ち、
UH = −KL
mgh(J) = −(1/2)mv2(J)
全エネルギー E は
E = UH + KH = UL + KL = 一定
(力学的エネルギー保存則)
運動エネルギー ⇔ 仕事
外力を加えて初速度 v0 (m/s) を速度 v1 (m/s) に変化させた時
速度変化は外力による仕事 W によってもたらされたと考える。
v0 (m•s-1)
v1 (m•s-1)
W(J)
K0 = (1/2)mv02
K1 = (1/2)mv12
K1 − K 0 = W
速度変化 v0 → v1 (m/s) による運動エネルギー変化 K1 − K0 は
外力による仕事 W に等しい。
K1 > K0 の時
W > 0 (仕事Wにより運動エネルギー K ↑)
K1 < K0 の時
W < 0 (始状態→終状態で K ↓)
(運動エネルギーから仕事Wを取り出した)
ポテンシャルエネルギー
位置エネルギーは数あるポテンシャルエネルギーの一つ
位置エネルギー:重力場中のポテンシャルエネルギー
m1•m2
重力(重力場に発生する力) F = G
r2
m1: 物体1の質量, m2: 物体2の質量, r: 物体間距離, G: 重力定数
電場エネルギー(電位):電場中のポテンシャルエネルギー
q1•q2
静電相互作用(クーロン力) F = k
r2
q1: 物体1の電荷, q2: 物体2の電荷, r: 物体間距離, k: 比例定数
重力と重力加速度
位置エネルギーは数あるポテンシャルエネルギーの一つ
位置エネルギー:重力場中のポテンシャルエネルギー
m1•m2
重力(重力場に発生する力) F = G
r2
m1: 物体1の質量(kg), m2: 物体2の質量(kg), r: 物体間距離(m),
G: 重力定数(kg•m3•s-2)
ここでm1に地球の質量M1、r に地球の半径Rを代入すると
M1•m2
M1
F=G
= (G 2 ) m2 = gm2 = m2g (= mg)
R2
R
即ち、重力加速度は
M1
g = (G 2 )
R
演習
◯ 質量 5 kg の小球が 30° の斜面を 2 m の高さから転がった。
以下の問いに答なさい。斜面の摩擦力と小球の半径は無視
できるものとする。
(1) 物体のもつ位置エネルギー
U (J) を求めなさい。
(2) 物体に働く垂直抗力を求めよ。
2m
30°
(3) 斜面に平行な方向に物体が受ける力を求めよ。
(4) 物体が斜面の下まで下りた時の位置エネルギーはいくらか。
(5) 物体が斜面の下まで下りた時の運動エネルギーはいくらか。
(6) 物体が斜面の下まで下りた時の速度はいくらか。斜面と床面
は滑らかにつながっているものとする。
演習
◯ 質量 5 kg の小球が 30° の斜面を 2 m の高さから転がった。
以下の問いに答なさい。斜面の摩擦力と小球の半径は無視
できるものとする。
mg•cos(30°)
(1) 物体のもつ位置エネルギー
U (J) を求めなさい。
30°
30°
鉛直上向きを正にとると
−mg
2
U = mgh = 5(kg)×g(m/s )×2(m)
2m
30°
= 10g J または 98 J
−mg•cos(30°
(2) 物体に働く垂直抗力を求めよ。 (鉛直上向きを正にとると)
物体に働く重力 F1 = −mg = −5(kg)×g (m/s2) = −5g (N)
垂直抗力 F2’ = −球が斜面を垂直に押す力 F2 = mg•cos(30°)
= 5g(√3/2) = (5√3/2)g (N)
演習
◯ 質量 5 kg の小球が 30° の斜面を 2 m の高さから転がった。
以下の問いに答なさい。斜面の摩擦力と小球の半径は無視
できるものとする。
−mg•sin(30°)
30°
(3) 斜面に水平方向に物体が受ける力F3を求めよ。
30°
鉛直上向きを正にとっているので
−mg 2m
30°
F3 = −mg•sin(30°) = −5g(1/2)
= −5g/2 (N)
(4) 物体が斜面の下まで下りた時の位置エネルギー UU はいくらか。
UU = mgh = 5(kg)×g(m/s2)×0(m) = 0 J
(5) 物体が斜面の下まで下りた時の運動エネルギー KU はいくらか。
KU = UU − U = 0 − 10g = −10g J
答 斜面に平行下向きに10g J
演習
◯ 質量 5 kg の小球が 30° の斜面を 2 m の高さから転がった。
以下の問いに答なさい。斜面の摩擦力と小球の半径は無視
できるものとする。
(6) 物体が斜面の下まで下りた時
の速度はいくらか。斜面と床面
は滑らかにつながっているもの
とする。
2m
30°
鉛直上向きを正にとっているので
KU = −10g(J) = −(1/2)mv2 = −(1/2)×5(kg)×v2(m/s)2 = −5v2/2
−5v2/2 = −10g(J)
v2 = (2/5)×10g = 4g
|v| = √4g = 2√g m/s
答 斜面に平行下向きに2√g m/s
公式 (試験に出すので暗記すること)
速度 v = at
1
距離 D = 2 at2
力 F = ma
重力 F = mg
回転運動
(自由落下)速度 v = gt
1 gt2
(自由落下)距離 D =
2
摩擦力 F = μN
m1•m2
万有引力 F = G
r2
復元力 F = −kx
接線方向速度 v = rω
振動数(周波数) f = 1/T
向心加速度 a = rω2
1
単振動振動数 fv = 2π
仕事 W = Fd
位置エネルギー U = mgh
√
k
m
1
運動エネルギー K = 2 mv2
v: 速度(m•s-1); g: 重力加速度(m•s-2); t: 時刻(s); D or d: 距離(m);
a: 加速度(m•s-2); F: 力(N); m: 質量(kg); N: 垂直抗力(N); μ: 摩擦係
数(無次元); r: 半径(m); ω: 角速度(rad/s); T: 周期(s); f: 振動数(s-1
or Hz); x: 変位(m); k: バネ定数(N•m-1); W: 仕事(J); h: 高さ(m);
G: 重力定数(kg•m3•s-2)
演習
① 下線のとことに入る数値をべき乗を使って表しなさい(有効数字2桁)。
30 km =
m=
mm =
cm
15 cm =
m=
km =
mm
3.0 kg =
g=
mg =
mg
1.0 m3 =
L=
mL =
mL =
cc
② 高さ49 mの屋上から物体を落としたときの速度と時間の
関係をグラフに描きなさい。ただし、鉛直下向きの変位を負
とする。
③ 高さ49 mの屋上から物体を落としたときの物体の変位と
時間の関係をグラフに描きなさい。ただし、屋上の位置を
原点とし、鉛直下向きの変位を負とする。
演習
④ 質量4 kgの物体が下図の斜面に静止していた時、下記の量を計算
しなさい。ただし鉛直上向きを正の方向とし、
重力加速度をgとする。また物体と斜面の間
に摩擦力は生じないものとする。
F : 物体に働く重力
N : 斜面が物体を押し返す垂直抗力
5m
45°
U : 物体の位置エネルギー(物体の高さは物体の一番低い点の高さと
する)
W : 斜面に沿って物体を図示した位置まで移動するのに必要な仕事
K : 物体が斜面に沿って滑った時、地面につく直前の運動エネルギー
U : 物体が斜面に沿って滑った時、地面につく直前の速度
演習
⑤ 質量200 gの物体を地面に置いたまま150 cm移動した。ただし、
鉛直上向きを正にとり、地面と床の摩擦係数μ = 10(無次元)、
重力加速度をgとする。
F1 : 物体に働く重力
N : 斜面が物体を押し返す垂直抗力
F2 : 物体と床面の摩擦力
W : 物体を150 cm移動するのに必要な仕事
K : 10 m/s の速度で物体を押した直後の物体の運動エネルギー
U : 10 m/s の速度で物体を押した後、物体が静止するまでの距離
演習
⑥
長さ 800 cmのヒモの先端に質量1 kgの重
りをつけて、5秒間で1回転で回転している。
このヒモと物体についての以下の問いに答え
なさい。円周率はπのままで良い。
800 cm
(1) ヒモによる向心加速度a (m/s2) を求め
なさい。
(2) ヒモの張力を求めなさい。
(3) 図の位置から物体が回転運動を始めた時、物体のx軸(横軸)上
の座標をグラフで表しなさい。
(4) (3)のグラフを数式で表しなさい。
(5) 円周の接線方向の物体の速度vを求めなさい。
演習
⑦ バネ定数k = 10 N•m-1のバネに質量10 g の物体がぶらさがってい
る時、下記の問いに答えなさい。ただし重力加速度をgとし、鉛直上
向きを正にとる。
(1) この物体がバネにぶら下がった時のバネの伸びを計算すること
(2) この物体が単振動した時の振動数を計算すること。
(3) この物体の重さとバネの張力が釣り合う位置から、物体を10 cm
ほど下に引いた。手を離した瞬間の物体に働く復元力を求めなさ
い。
(4) (3)の時、この物体の単振動中の最大速度を求めなさい。
(5) (4)で求めた最大速度がでる位置を答えなさい。