Transcript ものづくり温故知新
ものづくり温故知新 瀬尾和哉 温故知新 温故知新(おんこちしん): 昔のことを良く知り、そこから新しい知識や道 理を得ること. 子曰く、 故 ( ふる ) きを 温 ( たず ) ねて新しきを知らば、 以て 師と為すべし。」 ( 孔子 が言われた。『先人の学問、過去の事柄を研究 し、現実にふさわしい意義が発見できるようであれば、 人の師となることができるだろう。』) エンジニアは何を頼りに最適設計しているか? スポーツバイメカニクスの専門家 「五輪チャンピオンの動きは、磨き上げられた芸術品だ。 チャンピオンの動きは、最適から遠く外れているはずが ない。彼らを真似しましょう。」 「ま、そうでしょうけど、何か宗教がかってる。」 エンジニアは、客観的で合理的なものづくり方法を 探している。 最適な製品を作る為には、どうしたらよいのか? 脈々と続いてきた生物進化に学びましょう. →遺伝的アルゴリズム(GA, Genetic Algorithm) 遺伝的アルゴリズム 生物進化を模倣した最適化手法 仮定、というか真実: 良い親からは、良い子供が生まれるはずだ。 生殖、淘汰&突然変異を経て、生物は進化していくんだ。 初期集団の生成 遺伝的アルゴリズムの流れ 1 0 ・・・・・・・・・・・・・・ 箱の数だけ繰り返す 0~1の 乱数発生 0.5以上 0.5未満 1 0 ある個体の遺伝子情報 人口分行い初期集団完成 乱数≦交叉率 交叉 交叉実行 乱数>交叉率 一点交叉 親 a 交叉なし 画一的な交叉 交叉 b 子 a c b d (人口÷2) 回繰り返す 交叉点 突然変異 一個体ずつ判定 乱数≦突然変異率 乱数>突然変異率 突然変異 1 0 1 ・・・・ 1 0 0 全個体 繰り返す 不変 反転 10 1 0 10 ・・・・ 10 10 10 評価・選択 次世代の親群を決定する 人口の大きさ 制約条件 ランク 1 初めに生成した ランク 個体群 2 評価・選択 世 ランク3の 交叉・突然変異を 中から選択 終えた個体群 混雑度の 導入 ランク 1次 親 y ランク 2代 子 ランク3 の 親 候 補 群 A ランク 1 xランク 2 ランク 3 Aの混雑度 = x+y 目的関数 個体間の距離 ランク 4 GA、如何でしたか? 案外、簡単でしょ? GAを使って、 最適な飛行機の翼、 最適なラグビーのハイパント、 最適な缶の形、、、、 様々なものが産み出されています。 普通は、コンピュータを使ってGAをしますが、 今日は、手計算をしましょう。 車購入の例 ex) •価格 •快適性 •性能 •定員 •デザイン •モテモテ度 -性能 多目的最適化 Pareto-optimal Solutions(非劣解) 価格 相反する目的関数が複数存在 唯一の最適解はない パレート解 Vilfredo Pareto, 1848-1923 片持ち梁の多目的最適化 P べか d l 目的を2つ設定する。 f1:質量[kg] f2:反り[mm] f1&f2の両方を最小化したい。 ∵f1は小さい方が材料代かからない&エコ、 f2も小さい方が梁が壊れない。 ? dとlを幾つにしたら、 f &f を最小化できるか? 1 2 GAで多目的最適化 P=1000[N] 片持ち梁(はり) べか d l d2 質量[kg] f1 7800 l 4 3 l 7 反り[mm] f2 1.0310 d 4 ただし、以下の条件を満たせ! l f2<50[mm] 9375 6<d<36[mm]、90<l<540[mm] 3 d では、サイコロを振って、dとlの遺伝子を決めましょう。