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(1)証券会社の業務
・証券会社の収益構造
05年度
04年度
10年度
09年度
08年度
07年度
06年度
委託手数料
19.2%
18.2%
26%
24%
26%
31%
31%
引受手数料
6.1
8.5
4
3
6
6
7
募集手数料
その他手数
料
17.8
14.1
10
10
10
8
8
29.8
28.6
35
38
31
26
26
20.4
26.3
17
16
22
25
25
6.7
5.3
7
7
5
4
3
28400
21294
34628
38271
43036
28757
トレーディン
グ損益
金融収支
純営業収益
23826
億円
東京証券取引所「東証総合取引参加者決算状況」
1
・証券会社の収支状況(2001年3月期)
2
○証券会社の収益構造
– 景気・金融取引の繁閑の影響
• その他手数料、トレーディング収益、委託売買手数
料の割合が大きい
– その他手数料:投資信託の信託報酬(事務代行手数
料) 、M&A手数料、顧客資産の投資アドバイス・一任運
用からの手数料
– 委託売買手数料の割合は、規模の小さい証券会社程大
きい
• 引受手数料の割合はそれ程大きくない
– 大手証券会社程大きい
3
・証券会社の業務とインサイダー取引
• 証券会社は証券発行の引受やM&Aの業務を行い、
かつ自己売買も行っており、インサイダー取引にな
らないか?
• インサイダー(内部者)取引
– 証券市場における不公正な取引の1つ
– 金融商品取引法166条:会社関係者等が会社に関する重
要事実を知りながら、その事実の公表前に当該会社発行
の証券の取引を行うことを禁止
• 会社関係者等:発行会社関係者(役員・従業員・主要株主)、情報
受領者(会社関係者から直接重要事実の伝達を受けた者)
• 重要事実:株式発行、配当異動、合併、新製品・新技術の企業化、
主要株主の異動、手形の不渡り、決算情報等
• 証券会社は、業務部門間での情報の交流を遮断し
ている(ファイアーウォール)
4
(2)証券業の再編と新規参入
①大手証券会社の再編
• 戦後~1997年まで大手4社(野村・大和・日興・山一)体制
– 97年11月:山一証券経営破綻
– 98年6月:日興・トラベラーズ(後のシティグループ)提携
• リテール:日興コーディアル証券、ホールセール:日興シティグループ証券
– 98年7月:大和証券・住友銀行提携
• リテール:大和証券、ホールセール:大和証券SMBC
– リーマン・ブラザーズの破綻
• 英銀バークレイズと野村証券が分割して買収
– ベアー・スターンズとメリル・リンチはそれぞれ、大手銀行のJ.P.モルガ
ン・チェースとバンク・オブ・アメリカに救済され、吸収される。
– ゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーは独立を維持しているが、
銀行持株会社に転換
5
• 98年の再編で、日興も大和も財務基盤強化と
• 野村証券:
• 2008年1月:不正会計問題による日興の信用不安という状
況の下で、シティが日興を完全子会社(株式交換方式)
• 08年9月:野村証券、リーマン・ブラザーズの欧州・中東部
門とアジア太平洋部門を買収
• 09年5月:シティ、経営危機により日興証券を売却、三井住
友銀行が5450億円で買収(SMBC日興証券)
– 日興コーディアル証券と日興シティグループ証券の株式・債券引受
部門を買収
• 09年9月:三井住友銀行、大和証券は大和証券SMBCの
合弁解消
6
• ホールセール業務:
• リテール業務:
• ホールセールとリテールとの分離
– アメリカではホールセール専門の証券会社(インベストメン
ト・バンク)とリテール専門の証券会社に伝統的に分かれ
ている
• ホールセールとリテールとが分かれている理由
– 業務・報酬体系・組織構造の違い→文化の違う組織を1
つに統合することのデメリット
– ホールセール:専門性が強く商品(業務)別縦割り組織、フ
ラットで機動性の高い組織、実績主義の報酬体系
• cf. 加野忠『金融再編』文芸新書 第6章ウォール街文化をどう
迎えるか
7
• ホールセール業務とリテール業務
– 外資系証券:基本的にホールセールのみ
– 日系大手証券:
• 大和:ホールセールとリテールを分離
– 大和証券と大和証券キャピタル・マーケッツ(CM)(大和証券
SMBCを大和証券キャピタル・マーケッツに社名変更)
• 野村:これまでは一体、リーマン買収に伴い専門職向け人事
報酬体系を導入
– ホールセール部門・管理部門の社員は人事報酬制度に関し、
従来型か「特定社員」処遇(業績連動型報酬、部門間人事異動
なし、企業年金なし)かを選べる
– 銀行系証券:
• みずほ、SMBC日興は共に一体
– 銀行系+外資
• 三菱UFJモルガンスタンレー証券:一体
– 但し、機関投資家向け証券売買とトレーディングはモルガンス
タレーMUFG証券が担う(世界的に一体運用するため)
8
②ネット証券
• ネット取引による格安手数料の提供
– ネット証券の登場による手数料率の急低下
• 売買代金の 0.03~0.1%
• 野村での取引:売買代金100万円で1.16%(野村ネット&コー
ル取引:0.1%)
• 個人の株式売買:
– ネット取引比率の急上昇、現在90%超
• ネット証券以外の証券会社の対応策
– 資産管理型営業:顧客の資産状況・投資目的に合わ
せた資産運用アドバイスの提供
– ラップ口座:証券会社が顧客の大まかな指示(要求利
回り、リスク許容度)に基づき預けられた資金を運用、
手数料は取引金額とは関係なく残高の一定比率
9
・株式委託売買手数料率の推移
日経09.10.07.
日経06.11.18.
10
– 信用取引:投資家が証券会社から株式の買付資金(売付株券)を借りて、売
買すること。
– ネット取引の63%が信用取引(10年度)
• cf. 個人の株式取引全体の中での信用取引の割合:57.8%(10年)
– 5社に集中、アメリカでも同様
– 寡占化の理由
• 一旦知名度の高いネット証券会社ができると、
– 09年10月マネックス証券とオリックス証券が合併発表:システム統合効果
• 野村証券は系列のネット証券会社ジョインベスト証券(06年設立)を09年11月に
吸収合併:ネット証券としての生き残りの難しさ
• 株式売買サービスの差別化:
– 定額手数料、無期限信用取引、少額取引の手数料無料化(松井)
– PTSによる夜間取引サービスの提供 → 2011年には撤退の動き(マネック
ス、カブドットコム、松井)
• 提供サービスの多様化
– 投信販売、為替証拠金取引FX
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・証券会社の収益構造
・ネット証券会社の
信用取引依存度
(=金融収支比率)
09年度 10年度
松井
2007
年度
40%
26%
30%
楽天
29
22
22
SBI
28
22
23
5
7
証券会 7
社全体
日経09.10.07.
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③外資系証券会社
• グローバルな組織を生かしたトレーディング・資産運用
→自己売買業務
• デリバティブ・証券化等での金融技術の強み
• 日本でも投資銀行業務を強化
– M&A、不良債権・企業再生ビジネス
• 株式市場での外国人投資家の取引増大
→外資系証券会社による委託売買の増大
・日系証券会社との合弁という形もある
・日興シティ、モルガン・スタンレーと三菱UFJ
・日系会社の顧客基盤が狙い
・
– メリルリンチ:山一買収による本格進出→縮小
– GSの個人向け夜間株式取引市場PTS→撤退
– 富裕層向けプライベートバンキング業務は強化
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