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情報資源組織論 第12回 請求記号と装備、 オンライン目録と書誌ユーティリティ 2013年12月17日(火) 第4時限 R101教室 復習小テスト 1. すべての主題に対応した分類項目を分類表に 用意する方式の分類法を何というか? 2. 1.に対して、複数の区分原理で分類した記号 を組み合わせて表示する方式の分類法を何と いうか? 3. 国立国会図書館分類法は上記1.と2.どちら の分類法か? 4. 国立国会図書館分類法の手本になったのは? 5. 上記2.の分類法の代表的なものは? 6. 世界で最もよく利用されている十進分類法は何 か? 請求記号 call number • 図書館資料の排架場所を示す記号 • 排(配)架記号、排(配)架番号という場合も • 閉架式図書館で、目録を検索し、書名や著 者名に加えて排架場所を示す記号を申請書 に記入して出納を請求したのが名前の由来 • 開架式では通常、分類記号と図書記号との 組み合わせ • 閉架式の場合は受入順番号も使われる 請求記号とラベル • 巻号 配置場所 資料ID 請求記号 3 図書館2階 002489573 312.1/H/3 • 原敬日記 / 原奎一郎編||ハラ タカシ ニッキ 東京 : 福村出版 , 1965.3-1967.4 6冊 ; 22cm 312.1 分類記号 H 図書記号(著者記号) 3 (巻冊番号) 図書記号(1) • 同一分類記号内の図書を個別化し、順序付 けるために与える記号 • 分類記号と図書記号を合わせて請求記号 • 受入順記号法、年代記号法、著者記号法な どがあるが、著者記号を使う場合が多い • 分類記号も図書記号も同一の場合、資料の 個別化のため補助記号を与える(ラベルの3 段目) – 著作、版次、巻冊、複本など 図書記号(2) • 受入順記号法 – 同一分類記号のなかで到着順に一連の順序数を あてる方法 – 単純で分かりやすいが、複本や同じ著者の著作 が集まらない • 年代記号法 – 資料の刊行年を記号化して示す – ブラウン法、ビスコー法、メリル法、ランガナタン法 などがある – 同一時期の資料が集まるが、発行点数が多い時 期の資料の個別化が困難 著者記号 • 同一分類内の資料を著者名順に排列する ための図書記号の一種 • 頭字式 – 著者の頭文字1字または2字を利用(カタカナ、 ひらがな、アルファベット) – 例) 赤川次郎→ア(または「アカ」「あ」「あか」 「A」「AK」等) – 公共図書館などで採用 著者記号表 • 著者名の綴りをあてはめて、頭文字と数字 を組み合わせた記号に変換するための一 覧表 • 代表例としてカッター・サンボーン著者表 • 日本著者記号表 – カッター・サンボーン表をもとに森清が作成 • 著者記号表をコンピュータに持ち、著者名 から自動的に変換できる • 蔵書数が多い大学図書館などで採用 日本著者記号表の使用法 • 日本人名はヘボン式ローマ字でつづる • 著者名のはじめ何文字かを表中にあてはめ、該当 する数字を頭字につける • (例)原→Hara →Hの項を見る • 11 H 12 Hag 13 Hagi (中略) 29 Hand 31 Har 32 Harad 33 Hari Hara はここに該当。ゆえにH31 装備 preparation • 分類と目録作成の後、排架する前に図書館資料 を利用可能な状態に準備する一連の作業 – 『図書館情報学用語辞典』第3版 丸善, 2007 • • • • • • 蔵書印、登録印 図書ラベルの貼付 図書フィルムの貼付 返却期限票 バーコード ICタグ cf. ブッカー 書誌レコードと所蔵レコード • 目録データベースでは、書誌情報と所蔵情報を別 のレコードとして持つことが多い • レコード – データベースにおいて、規定の形式のデータ項目の集 まりで、一つの単位として扱われるもの • 書誌レコード – 個々の資料に対する書誌的事項のレコード – 書名、著者名、出版に関する事項など • 所蔵レコード – 個々の資料の所蔵にかかわる事項のレコード – 所蔵館、登録番号、排架場所、請求記号など オンライン目録の作業過程(1) • 作業用ファイルへ目録データ作成 • 目録データベースの重複チェックから始まる • 完全な複本の場合→所蔵レコードの追加の み • 流用入力(既存書誌データの利用) – 目録データベース中の書誌レコードを利用 – 外部データベース(JAPAN/MARC等)の利用 オンライン目録の作業過程(2) • オリジナル入力 – 利用できる書誌データがない場合、カタロガー が一からデータを入力 • 入力データの点検(機械的なチェック、人の 目によるチェック) • 作業用ファイルから公開用ファイルへの データ移動 – 夜間処理などで自動的に行われる オンライン目録作業の流れ 所蔵あり 所蔵データ追加 所蔵なし 重複 チェック 新規目録 データ作成 既存の目録 データの利用 が可能か? YES 流用 入力 NO オリジナル 入力 所蔵データ追加 <BB00108632> ハリー・ポッターと賢者の石 / J. K. ローリング 作 ; 松岡佑子訳||ハリー ポッター ト ケンジャ ノ イシ 東京 : 静山社 , 1999.12 462p ; 22cm ISBN:4915512371 高校 図書室 900311697 933.7/R/1 本館 図書館地階 002649481 J/R/1 本館 図書館地階 002649482 J/R/1 流用入力(1) • 目録データベース中の既存の書誌の利用 • 図書館概論 / 塩見昇編著. -- 三訂版. 東京 : 日本図書館協会 , 2001.4 284p ; 26cm ISBN:4820401009 図書館概論 // 塩見昇編著. 塩見昇編著. –--四訂版. 三訂版. 図書館概論 東京 : 日本図書館協会 , 2001.4 東京 : 日本図書館協会 , 2004.4 284p ;; 26cm 26cm 284p ISBN:4820401009 ISBN:4820404008 •書誌データ作成後、所蔵データ作成 流用入力(2) • 外部データベース(JAPAN/MARC等)のデータ を利用 251 $A史記 $F司馬遷 270 $A東京 $B徳間書 店 $C2005.11 275 $A8巻 $B19cm MARC ファイル ダウンロード MARC形式 レコード フォーマット変換 TITL: 史記 / 司馬遷 PUB: 東京 : 徳間書店 , 2005.11 PHYS: 8巻 , 19cm 目録システム の形式のレ コード 書誌データの検索 •書誌データ作成後、所蔵データ作成 オリジナル入力 書名 史記 責任 表示 司馬遷 版 改訂版 出版 事項 形態 東京:○○書店, 2005 8巻 ; 19cm 全項目を一から入力 •書誌データ作成後、所蔵データ作成 MARC machine readable catalog[ing] • 書誌記述、標目、所在記号などの目録記入に記載 される情報を、一定のフォーマットにより、コン ピュータで処理できるような媒体に記録すること、 または記録したもの 『日本目録規則1987年版改定3版』用語解説 • もともとは米国議会図書館(LC)で開発された フォーマットのことで、磁気テープにデータを収録し て提供。世界中で利用されている – LC-MARCからUS MARCさらにMARC21に改訂 JAPAN/MARC(ジャパン・マーク) • 国立国会図書館に納本された資料の書誌(日本 全国書誌)の機械可読データ – 米国議会図書館(LC)のMARCが手本 – 日本語処理で独自の拡張 • 国立国会図書館の書誌データの作成および提 供 >書誌データ作成ツール>JAPAN/MARCマ ニュアル・フォーマット に説明がある • NDL-OPACで書誌データのダウンロードが可能 • 国際的な書誌情報交換にも利用される TRC MARC • (株)図書館流通センターが販売している MARC • JAPAN/MARCより新刊のデータが早く作 成される • 本とMARCデータをセットで図書館に納入 するサービスを行っている 共同目録作業 cooperative cataloging • 複数の図書館が共同で全体の目録(総合 目録)を作ると同時に個々の目録も作成 • 市販のMARCを導入し、共同で利用 • どこか一つの図書館がオリジナル入力した 書誌データは共有財産となり、以後、他の 図書館が利用できる • 作業を分担するという意味で分担目録作業 (shared cataloging)とも言われる • 書誌ユーティリティを利用して行われる 書誌ユーティリティとは • Bibliographic utilityの訳語 • 「国または地方レベルの総合目録の作成、 維持、提供、利用を中心とした情報システ ムのサービス、またはその提供機関」 宮澤彰『図書館ネットワーク:書誌ユーティリティの世 界』国立情報学研究所, 2002. pp.3-4 • 参加館によるオンライン共同目録構築が活 動の中心 • NII(日)、OCLC(米)、 ABES(仏)、CALIS (中)、KERIS(韓)など各国に存在 書誌ユーティリティと共同目録 書誌ユー ティリティ 総合目録データベース MARC ロ ー カ ル 目 録 図書館A ロ ー カ ル 目 録 図書館B ロ ー カ ル 目 録 図書館C OCLC (Online Computer Library Center) • 世界で最初の、そして最大の書誌ユーティリティ • 1967年Ohio College Library Centerとして発足 • 1971年オンライン共同目録システム開発 – 当初の参加館は49だったが、5年後には850に急増 – 現在では世界中から多くの図書館が参加 – WorldCat (共同目録の検索サイト)を提供 • 会員制の非営利団体だが、さまざまなサービス を有料で提供 • 研究開発、実験プロジェクトも積極的に推進 日本の書誌ユーティリティ: 国立情報学研究所(NII) • 目録所在情報サービス (NACSIS-CAT/ILL) – NACSIS-CAT(目録システム) • 全国の大学図書館、県立図書館等が参加 • US MARC, JAPAN/MARCなどを導入 • 独自のデータ構造、プロトコル(CATP)、目録情報の基 準を策定 • 目録データはWebcat PlusやCiNiiで公開 – NACSIS-ILL(ILLシステム) • NACSIS-CATで作成した目録データを利用し、ILL メッセージのやりとりを電子化したシステム 遡及入力(変換) retrospective conversion • カード目録時代のデータを遡ってコンピュータに 入力する作業 • 利用者にとってはカード目録を検索せずに済む ことになり便利 • 遡及入力が完了したカード目録は廃棄が可能 • カードから入力する場合と現物から入力し直す 場合がある • 費用がかかる 第12回のまとめ • 請求記号は分類記号と図書記号(著者記 号)から成る • オンライン目録の作業過程では、既存の書 誌データやMARCを利用して目録作業の 効率化が図られている • 書誌ユーティリティとはオンライン共同目録 の作成を中心とした情報システム提供機関 – 国立情報学研究所(NII)、OCLC • カード目録データをコンピュータ化する遡及 入力