資料組織概説 第13回 分類作業と図書記号

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Transcript 資料組織概説 第13回 分類作業と図書記号

資料組織概説 第12回
分類作業と請求記号
2011年12月13日(火)
第4時限
R101教室
復習小テスト
1. 日本十進分類法の略称は何か?
2. 日本十進分類法の第一次区分で「3」は何を
表すか?
3. 日本十進分類法で「図書館、図書館学」はど
ういう記号で表されるか?
4. 日本十進分類法で言葉から記号を検索でき
るツールを何と言うか?
5. 形式区分で「01」は何を表すか?
分類作業のプロセス
• 分類方針の策定
– 分類表の選択
– 分類番号と資料配置の関係
– 分類表の適用範囲
• 個々の資料の分類作業
– 資料内容の把握
– 分類表へのあてはめ
分類方針の策定(1)
• 分類表の選択
– 図書館の種類・特性により適切な分類表を選
定する
– 館種(公共、学校、大学、専門)
– 資料の数や構成(主題分野、資料形態、言語)
– 利用方式(開架か閉架か)
– 書架分類に使うのか書誌分類に使うのか
分類方針の策定(2)
• 日本の図書館では、特別な理由がない限り
日本十進分類法の採用が無難
– 日本でほぼ唯一の一般分類表
– わかりやすく実用的
– 多くの図書館での採用実績
– JAPAN/MARCデータに付与されている
– 専門の委員会で改訂が行われている
• 改訂への対応をどうするかは図書館にとって大きな
問題(過去の分類を直すのか?)
分類方針の策定(3)
• 資料配置と分類番号の関係の確認
– 同じ階では分類番号順に並べるのが原則
• ただしブロックごとに分ける場合も
– 和書と洋書は混配か分けるか
• 公共図書館は分離、大学図書館は混配が多い
– 別置資料の確認
• 参考資料、雑誌、新聞、地図、楽譜
• 大型本、文庫・新書、和装本、パンフレット類、視聴
覚資料、電子資料
• 貴重書、特別コレクション、郷土資料、児童書
分類方針の策定(4)
• 分類表の適用範囲の確認
– 各館の事情に合わせて方針を決める
– 分類番号の桁数を制限するところが多い
– 逆に特定分野の資料が多いため独自の展開
をするところも
– 適用細則・マニュアルとして文書化
個々の資料の分類作業(1)
• 資料内容の把握―どこに着目するか
– タイトル
• 資料の内容を表現していることが多い(文学作品は別)
– 著者
• 既存の著作の分類実績
– 目次
– 序文、あとがき、解説、参考文献
– 本文
• 拾い読み(全部読まなければならない本は読んでもわ
からない)
– 外部の情報
• MARCデータの分類、辞典などの参考図書、書評など
個々の資料の分類作業(2)
• 分類表へのあてはめ
– 本表の階層関係をたどって適切な区分肢を
探すのが原則
– 相関索引の利用
• 必ず本表に立ち返って注記等を確認する
– 分類規程、ローカルの適用細則を守る
– 分類の重出
• 複数の主題を持つ資料では、配架位置を決定す
る分類記号のほかに書誌上の分類記号を付与し
て検索の手がかりにする
請求記号 call number
• 図書館資料の排架場所を示す記号
• 排(配)架記号、排(配)架番号という場合も
• 閉架式図書館で、目録を検索し、書名や著
者名に加えて排架場所を示す記号を申請書
に記入して出納を請求したのが名前の由来
• 開架式では通常、分類記号と図書記号との
組み合わせ
• 閉架式の場合は受入順番号も使われる
請求記号とラベル
• 巻号 配置場所 資料ID
請求記号
3
図書館2階 002489573 312.1/H/3
• 原敬日記 / 原奎一郎編||ハラ タカシ ニッキ
東京 : 福村出版 , 1965.3-1967.4
6冊 ; 22cm
312.1
分類記号
H
図書記号(著者記号)
3
(巻冊番号)
図書記号(1)
• 同一分類記号内の図書を個別化し、順序付
けるために与える記号
• 分類記号と図書記号を合わせて請求記号
• 受入順記号法、年代記号法、著者記号法な
どがあるが、著者記号を使う場合が多い
• 分類記号も図書記号も同一の場合、資料の
個別化のため補助記号を与える(ラベルの3
段目)
– 著作、版次、巻冊、複本など
図書記号(2)
• 受入順記号法
– 同一分類記号のなかで到着順に一連の順序数を
あてる方法
– 単純で分かりやすいが、複本や同じ著者の著作
が集まらない
• 年代記号法
– 資料の刊行年を記号化して示す
– ブラウン法、ビスコー法、メリル法、ランガナタン法
などがある
– 同一時期の資料が集まるが、発行点数が多い時
期の資料の個別化が困難
著者記号
• 同一分類内の資料を著者名順に排列する
ための図書記号の一種
• 頭字式
– 著者の頭文字1字または2字を利用(カタカナ、
ひらがな、アルファベット)
– 例) 赤川次郎→ア(または「アカ」「あ」「あか」
「A」「AK」等)
– 公共図書館などで採用
著者記号表
• 著者名の綴りをあてはめて、頭文字と数字
を組み合わせた記号に変換するための一
覧表
• 代表例としてカッター・サンボーン著者表
• 日本著者記号表
– カッター・サンボーン表をもとに森清が作成
• 著者記号表をコンピュータに持ち、著者名
から自動的に変換できる
• 蔵書数が多い大学図書館などで採用
日本著者記号表の使用法
• 日本人名はヘボン式ローマ字でつづる
• 著者名のはじめ何文字かを表中にあてはめ、該当
する数字を頭字につける
• (例)原→Hara →Hの項を見る
• 11 H
12 Hag
13 Hagi
(中略)
29 Hand
31 Har
32 Harad
33 Hari
Hara はここに該当。ゆえにH31
装備 preparation
• 分類と目録作成の後、排架する前に図書館資料
を利用可能な状態に準備する一連の作業
– 『図書館情報学用語辞典』第3版 丸善, 2007
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蔵書印、登録印
図書ラベルの貼付
図書フィルムの貼付
返却期限票
バーコード
ICタグ
cf. ブッカー
第12回のまとめ
• 図書館の種類・特性により適切な分類表を
選定し、分類方針を策定
• 日本では日本十進分類法の採用が有利
• 分類作業ではまず資料内容を把握し、分類
規程に従いつつ適切な分類記号を与える
• 図書記号は同一分類記号内の資料を個別
化し、順序付けるための記号
• 著者記号は同一分類記号内の資料を著者
名順に排列するための図書記号