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サービス管理責任者研修テキスト
演習
「支援提供プロセスの
管理に関する演習」
<児童発達支援管理責任者>
平成24年10月4日・5日
支援提供プロセスの管理の実際(演習)
(目 次)
1 演習のねらい
2 演習の概要
3 演習の展開イメージ
4 演習の実施方法
(1)「支援提供プロセスの管理の実際 :事例研究①」
(アセスメント及び個別支援計画の作成)
(2)「支援提供プロセスの管理の実際 :事例研究②」
(モニタリングと個別支援計画の修正・変更)
(3)「支援内容のチェックとマネジメントの実際:模擬会議」
(支援会議等を想定した児童発達支援管理責任者の役割についての体験的
理解及び児童発達支援管理責任者の観点から支援内容を発展的に検証)
1.演習のねらい
・支援提供プロセス全般の流れ(手順)について、事例を活用しながら検証する。
・アセスメント、目標設定、個別支援計画の作成、モニタリングや評価による支援方針
の変更などに関する具体的な技術を習得する。
・児童の支援に従事する職員への助言や指導のあり方を理解し、助言・指導の方法を
学ぶ。
(1) 研修受講者全員が主体的に参加する。
(2) 多様な職種の受講者間での意見交換により、幅広い視点を持つ。
(3) グループごとの結論を導くための協働作業を展開する。
(4) 司会進行、記録、発表等の役割を分担して担う。
(5) 効果的なプレゼンテーション技術を学ぶ。
(6) 他者への助言をする者としての配慮や深い洞察力を養う。
2.演習の概要
1.「支援提供プロセスの管理の実際 :事例研究①」
※ 事例に基づき、以下の項目に重点を置いて演習を展開。
・利用者像の適切な把握のために必要なアセスメントの実施
・時間軸に配慮した支援目標を含む個別支援計画の作成
・短期目標や到達すべき目標(ゴール)などの段階的な目標設定の必要性
2.「支援提供プロセスの管理の実際:事例研究②」
※ 事例に基づき、以下の項目に重点を置いて演習を展開。
・モニタリングによる支援の管理及び効果等の確認
・利用者像の適切な把握のために必要な再アセスメントの実施
・アセスメント結果に基づく個別支援計画の変更・修正
・次のステージへの移行を想定した終了時評価の実施
3.「支援内容のチェックとマネジメントの実際:模擬会議」
※ 事例に基づき、以下の項目に重点を置いてロールプレイを実施。
・支援会議の場面を想定した会議の運営方法
・個別支援計画作成(修正)に際しての連携の持ち方
※ 演習を通じて、児童発達支援管理責任者の役割、視点を振り返り、確認する。
児童発達支援管理責任者研修のポイント
(アセスメント等)
○ 適切な発達支援を行うために必要な発達評価(成育歴を含む)について認識を深める
必要がある。 → 発達の評価方法、活用等について理解を深める。
(発達障害支援に関する知識)
○ 増加する発達障害児の療育ニーズに対応できるよう発達障害のアセスメント、支援等
について、事例を通じながら認識を深める必要がある。 → 発達障害に関する知識
(チェックリスト等を活用した評価・支援方法を含む)について、理解を深める。
(家族支援)
○ 療育は、子ども支援だけでなく家族支援が重要である。障害受容等保護者の心情に寄
り添ったサポートについて認識を深める必要がある。 → 障害受容など家族の心理機
制について学習するとともに、家族のエンパワメント支援について理解を深める。
(関係機関との連携)
○ 児童期は、短期間でライフステージが交代し、関係機関も多岐にわたる。切れ目のな
い継続的な支援を行うためには、相談支援専門員をはじめ医療・保健・教育などの多くの
関係機関との連携が必要である。 → 切れ目のない継続した支援の必要について、
理解を深める。また、連携のカギとなる個別支援会議(移行会議等)の開催・運営につい
て認識を深める。また、地域の発達支援システム構築について検討する地域自立支援
協議会への参画の重要性について認識を深める。
○ 必要に応じて、児童相談所との連携が必要である。 → 被虐待児童の支援に当たっ
て共通認識を持って児童の権利擁護を図ることの重要性について認識を深める。
3 演習の展開イメージ
・演習では、事例を用いて支援提供プロセスの全般を扱う。
・個別支援計画の作成プロセス、中間評価と修正プログラムの必要性、効果を学ぶ。
・これらの演習を通して、事業所が組織的に取り組むべき課題に対するマネジメント(児童
発達支援管理責任者の役割)について学ぶ。
一連の支援提供プロセス
2日目午後
演習1
事例検討
個別支援計画作成のアセスメントや到達目標の設定などに重点
3時間
2日目午後
演習2
模範支援会議
模擬支援会議により、サービス内容のチェック及び連携などに重点
1時間
3日目午前
演習3
事例検討
モニタリング、再アセスメント後の個別支援計画の変更・修正に重点
2時間
3日目午前
グループ討議
2時間
グループ討議
児童発達支援管理責任者の役割、視点を確認することに重点
4.演 習 の 実 施 方 法
(1)演習の方式
研修参加者全員が参加意識をもち、相互の意見交換により効率的に研
修効果を挙げるよう小グループで検討するバズセッション方式を基本とする。
(2)グループ構成と役割分担
受講者7~8名程度のグループに分けて実施。
また、各グループでは、演習ごとに司会進行、記録、発表の担当者を決
める。3つの演習と討議は同一メンバーで実施する。
(3)演習スタッフ
講師となる演習スタッフは、全体進行と助言を担当する統括する演習リー
ダー1名、会場内で各グループに対する助言などサポートを担当するファシ
リテーターを配置する。
(4)プレゼンテーションと全体総括
各演習とも、途中で全体発表(プレゼンテーション)を実施し、グループ間
での意見交換と演習リーダーからの助言に基づいて総括を行う。
演習講師の役割分担
氏
名
金丸 博一
嘉ノ海 令子
田村 満子
所
属
役
職
演習の役割
相談支援専門員
リーダー
(演習の統括)
こども発達支援センター るほろ
施 設 長
ファシリテーター
江東区こども発達センター
園
長
ファシリテーター
柏学園
岸 良至
こぐま学園
園
長
ファシリテーター
高野 康彦
三田谷学園
園
長
ファシリテーター
木場 由紀子
後藤 進
大西 延英
総合療育センター ひまわり学園
オリブ園
厚生労働省 社会・援護局 障害保健福祉部
障害福祉課 地域移行・障害児支援室
言語聴覚士
園
長
障害児支援専門官
ファシリテーター
ファシリテーター
サポーター
演 習 1
「支援提供プロセスの管理の実際:事例研究①」
(アセスメント及び個別支援計画の作成)
【獲得目標】
アセスメントや個別支援計画の作成に関する知識と技術を習得する。
【内 容】
受講者には、事前課題として、事例の概要を読み込んで演習に臨む。グループ内でそ
の共有を図るとともに、個別支援計画の作成のための演習を行う。
【研修企画運営のポイント】
□ 演習がスムースに進行出来るよう、アイスブレイクも疎かにしない。
□ 事前課題の事例選定等、十分な準備を行い実施する。
□ 演習1の目的・手順を明確にして演習に入る。
□ 本人の状態やニーズの把握というアセスメントと支援の課題整理に演習の力点を置く。
□ 個別支援計画の作成には、十分なアセスメントと支援の課題整理が必要であることを
明確にする。
第2日目午後
演習1の進行
3時間
13:10
13:30
(1)
14:00
(2)
ア
イ自
ス己
ブ
レ紹
イ介
ク
・事例の概要説明
・アセスメントと課題の整理
15:30
(3)
個別支援計画の作成
(1)アイスブレイクと自己紹介(20分)
(2)事例の概要説明とアセスメントと課題の整理(30分)
①事例の概要を説明する(若干の質疑応答、情報収集を含む)
②アセスメント内容の確認と課題についての整理
(3)個別支援計画の作成(90分)
①短期目標、到達目標、長期目標などの目標設定
②時間軸(支援提供期間)等の設定
③基本的な支援方針の策定
(4)個別支援計画に関する全体発表と意見交換(40分)
①各グループからのプレゼンテーション
②個別支援計画に関する質疑とコメント
16:10
(4)
全体発表と意見交換
(1)アイスブレイクと自己紹介
13:10~13:30(20分)
①演習を進めるにあたって、場の雰囲気を
和らげる
②グループ内で、氏名、職場、業務内容等
について自己紹介をする
アイスブレイクとは
会議前
カチ、カチ
会議前のウォーミングアップ
心ほぐし
イチ、ニイ
イチ、ニイ
身体ほぐし
お互いの不安や緊張をほぐし
参加者同士の関係性に変化を生み出す
【アイスブレイクのねらい】
お互いの不安や緊張をほぐす
参加者同士の出会いを促進する
参加者の主体性を引き出す
参加者同士の協働関係をつくる
“いま、ここ”に意識を集中する
会議テーマへのモチベーションを高める
アイスブレイクの効用
①身体の動きを取り入れると心身の
リラックスを促す
他人の発言を受け入れやすくなる
アイディアが出しやすくなる
②お互いに知ることで、相手に対する関心が高まる
前向きなエネルギーを引き出しやすい
③チームの一体感を高める
創造的で学び合える関係、参加者間の持続的な
協働関係をつくることができる
アイスブレイクは、本編へのつなぎ
楽しいだけではNG!!
スムーズな流れで移行できるように創ること!!
アイスブレイクが、会議の成功の9割を握る!
本編に関係のあるゴールにする
適切な時間であること
シンプルな内容であること
全員が参加できること
一緒にやろうぜ
パワー
(2)事例概要の説明と
アセスメントとニーズの整理
13:30~14:30(60分)
①事例の概要についての説明(10分)
②内容の確認および課題を領域(項目)別に
整理(50分)
情報提供 1
相談受付とプロフィール
*(H23年7月の時点でのプロフィール 3歳1ヶ月時)
氏名
〇〇〇〇
性別:男
生年月日:平成20年〇月
診断名
自閉症(○○市のB療育センターの小児科 K医師の診断)
医療情報
特記事項なし
身長:91㎝ 体重:14.5㎏ 頭囲:49㎝ 胸囲:52㎝
生育暦
妊娠時:つわりはしんどかったとのこと。 在胎38週
体重3005g 普通分娩 定頚0:4 寝返り0:10 四つ這
い0:8 始歩1:3 始語2:0くらい
療育手帳 軽度(H23 1
月交付)
家族構成
父、母、本児の3人家族。
家族状況
父/公務員 母/主婦業
父親について:見学の時か来園し、外来療育を開始してから
も、両親共に来園することもあった。そうした際、子どもへ声
かける様子は、頻繁に見られた。外来療育で個別指導に参
加した時は、本児が対応できない内容の時に、懸命に声を
かけて、教えようとする姿も見られた。仕事の休みは、ほぼ
土、日であり、家族で外出をしている様子。趣味はバイクだ
が、この一年はほとんど遠出はなく、ひらすらバイク磨きの日
があるとのこと。母親の要求には、ほぼ答えているとのこと。
母親について:はきはきとした口調で、こちらが尋ねたことに
は何でもスムースに答えてくれる。本児を出産するまで、就
労しており(看護師)、いつの日か子育てが一段落したら、再
就労したいとは話している。民間の幼児教育の教室には本
児が2才の時より通っているが、診断を受けた医師に、子ど
もにとってストレスなのではと言われ、まだ続けるかどうか悩
んでいるとのこと。地域の子育て教室にも、2歳半くらいまで
は、積極的に参加していた様子。父方の祖父母との関係は、
良好とのことだが、A園に通うことになり、夫が実家にあまり
行こうとしなくなった事が、気になっているとのこと。自身の実
家は県外、連絡は時々とっているが、帰省することは年に一
度あるかどうかとのこと。現在妊娠中だが、本児の時と同じ
ようにつわりはしんどかった様子で、そのことは不安につな
がるとのこと。
利用状況
他機関の
利用とA
園との連
携につい
て
家庭環境
週5日登園希望だが、今年度は週の中日など、休
みをとっていくことを勧めている。主に単独通園。
月に3回個別指導時は、母親参加の予定だが、当
面は出産、子育てのこともあり、できるだけ父親
が参加するとのこと。
クラス単位で月一回母子通園日がある。
9:45通園バスで登園、14:30に降園。土曜
日は月二回13時までクラス療育を実施している
が、基本的に父親が休みなので、土曜日は利用し
ないとのこと。その方が良いと園からも伝えてい
る。
○○市のB療育センターには、定期的に受診していた
が、「入園したら、もう行かなくていいですよね。」と母
親は言っていた。A園に入園したら、複数の療育機関
を利用する必要はないと感じている様子。父親は行か
せたい様子。A園としては、母親の意向に今のところは
合わせている。
祖父が勧めていた保育所へは、二度行っており、いつ
でも来て下さいと言われている。
母親の同僚だった人の勧めで、○○市民病院の言語
聴覚士による個別指導に通い始めており、現在5回
通ったとのこと。8月にその病院の担当の方が、A園の
様子を見に来る予定。
二階建ての一軒家。リビングには、滑り台があり、おも
ちゃ棚もあり、たくさんの玩具がそろっている。本児が
興味を持ちそうなものばかりで、おそらく手にとってい
つも遊んでいることと思う。一方で、絵カードがたくさん
あり、ネットを通じて入手したとのことだが、なかなか見
てもくれないし、手に取ることもないので、その使い方
を教えてほしいと、父親は家庭訪問時に言っていた。
本児用に、絵を描いたりが楽しめるようにと、テーブル
も用意されている。リビング横の和室も、本児が遊べ
るスペースになっており、小さめのトランポリンやビー
チボールがあった。
18
情報提供 2
事例の説明
*年少児3:1、平成23年7月に入園した時点の状況を、初回のアセスメントとします。
事例について
1歳半健診にて、療育機関を勧められ、2歳過ぎに自閉症と診断を受け、すぐに療育を受けることを勧められた。
いくつかの療育機関を見学した後、2:6にA園の外来療育を受け、3:1の時にA園に入園したケース。
療育体制
について
通園バスにて登園、クラス療育は、10~16人(12人ベース)の縦割りのクラス。
スタッフは、3~4人。個別指導に一人抜けることがあり、2~3人体制の時間帯もある。
事例における
A園に入園
するまでの状況
1歳を過ぎても、特に心配なことはなかったが、人見知りがないことは少し気になっていた。1歳半健診を
受ける前くらいには、名前を呼んでもなかなか振り向かないことに、不安を感じるようにはなってきた。そ
れでも、よく大人の膝の上には座り、笑顔もよく見せてくれたので、母親としては大きな不安にはつなが
らなかった。1歳半健診にて保健師より、指さしや呼名に反応がなかったことより、聴こえについて指摘さ
れ、総合療育センターの耳鼻科受診を勧められる。耳鼻科では、聴力に問題はないと言われ、ほっとし
たが、小児科受診を勧められた。そこで、発達検査を受け、2:3に自閉症と診断される。いくつかの療育
機関を見学しているうちに、第二子の誕生を早期に望んでいる両親としては、家庭の状況により、母子
通園をしなくても入園できることが可能なA園を利用することにした。半年間外来療育として、親子教室に
参加し、個別療育と合わせて週に1~2日利用していく中、妊娠していることがわかり、今回の入園、毎
日通園につながった。現在の家は、父方の実家と隣接し、父親はその地域で育っている。祖父も幼少か
らその地域の方であり、地域の方との交流も深く、知人が保育園を経営していることもあり、そこに入園
するように強く勧めていたため、A園への入園を決めてからは、実家に行きにくくなったとのこと。
平成23年度
7月(3:1時)の
母親のニーズ
運動:ジャンプができたらいいなと思います。両足を地面から離すことをまだ怖がっています。
手先のこと:たくさんの経験を積んで慣れてくれれば幸いです。上手になれとは言いません。クレ
ヨンはまだなぐり書きですが、何か書いてくれることをずっと待ちます。 ADL:トイレトレーニング
は園に慣れてから始めようと思います。自ら片づけに参加したり、手を洗ったりなど成長すれば
幸いですが、少しでも慣れてくれればよいと思っています。 ことば:まだ「飲みたい」「食べたい」
が言えないので、意思表示ができるようになればと思っています。 社会性:思いやりの面など育
てば素敵と思います。 その他:ことばの指導について気になっています。家での療育についての
アドバイスもしてほしいです。また、嫌なことがあると、当分泣き続けるので疲れます。
19
情報提供 3
事例の発達の状態
項目
食
状
態
項目
平成23年7月時点の状況
状
態
手づかみで食べることが多い。スプーンを回内筒握りで使用するこ
ともあるものの食べこぼしは非常に多い。ふりかけごはんを主に麺
類、汁物、肉料理を食べる。満腹になると食べ物を混ぜて遊び始め
る。
排
泄
パンツをはいている時に排尿、排便しても特に不快を
示すことなくそのまま過ごしている。家庭では紙オムツ
を着用している。
着脱動作に注意を向けることはほとんどない。脱衣では上衣
は両腕を抜いて裾を持ち上げた状態にすると引き抜くように
脱ぐ。下衣は足首まで下すと脱ごうとする。靴を脱ぐこと(+)
だが履くことには注意は向かない。
睡眠
リズ
ム
起床7:00~8:00、就寝21:00~22:00。午睡は毎
日ではないが1時間ほど寝ることは多い。母が添い寝
することでスムーズに入眠する。
概ね安定している。遊んでいる玩具を他児に取られると、その遊び
は終わってしまうなど持続しない。興味を示したものに手を伸ばそう
とするが、別のものが提示されると注意は移ってしまう。
認
知
形、色、文字などのマッチング(+)。簡単な積木の模倣構
成(-)。数字やアルファベット、乗物の名前に興味を示し
始める。
粗大
運動
トランポリンは膝の屈伸が見られるが跳ぶこと(-)。両足跳びは真似よ
うとするが動きはバラバラになる。階段は両足を揃えながら昇降する。
平均台は怖がって渡ろうとしない。30cm程の台からの飛び降り(-)。
微細
運動
言語
理解
日常的によく使われる言葉は状況判断と合わせて理解(+)。
「○○ちょうだい」「○○どれ?」という問いかけに対してはオ
ウム返しになり意図理解(-)。
言語
表出
数字やアルファベット、乗物の名前を、他者に向かってではない
が言うことはある。同様に「バイバイ」「行ってきます」など場面に
合わせて独り言のように言うことも聞かれ始めた。家では、「あ
けて!」「きて!」と言葉で要求するとのことだが、園ではない。
対人
関係
ミニカーや電車の絵本があれば、おとなしく一人で遊ぶこ
とが多い。スキンシップやくすぐり遊びなど期待して大人
に体を預けて要求する姿が見られるようになる。
集団
参加
興味のある活動には注意を向けるが持続はせず、別のものに
注意は移りやすい。着席して活動に参加する時間は短い。
描画
造形
描画では紙面の一部分でのなぐり描きがみられる。下絵への気づ
きは(-)。
造形はシールを貼ること(+)だが、注意は持続しにくい。また大人
の指さした場所へ視線を向けることは難しい。
音楽
リズ
ム
興味
関心
ミニカーでの遊び(寝転がりながら、並べて遊ぶ)はよく見られる。プラレールでの遊びは、家庭では多い様子。
ままごとの道具に興味はあり、よく食べ物のミニ模型を皿やなべに出し入れして遊んでいる。家では、マクドナルドと、ミスタードーナツ関係の玩
具がいくつもあり、よく遊んでいる様子。乗物や食べ物の絵本をよく見る。
事
着
脱
情緒
・
行動
おはじき通し(+)、ビーズ通しは両手の協応が難しく
(-)。積木積み6個(+)だが微調整は見られない。
楽器遊び、リトミックについて、特に興味を示すような様
子は見られないままで、その場を離れていこうとする。
20
提供情報 4
アセスメント結果
使用検査:新版K式発達検査
平成23年7月時点の状況
(枠内数値は、発達指数。括弧内は発達年齢)
歴年齢
全領域
姿勢・運動
認知・適応
言語・社会
3:1
60(22カ月=1:10)
53(20ヶ月=1:8)
57(21ヶ月=1:9)
66(24カ月=2:0)
検査の状況
「積木の塔」は6個まで通過。積木のずれを修正することはなかった。「積木の塔」を実施後自ら積木を並べ、10まで数えて
いるような言い方をしていた。形の弁別については、平面マッチング4/5で、はめ込みでの課題に比べると明らかに注意はそ
れ易い。はめ板は「マル、サンカク、シカク」と言いながらはめる。「円錯画模倣」は、じっと見本は見ていたが、対応できないまま
だった。「入れ子」は3つまでで、5個になると、小さいものの上に重ねても修正しなかった。「2個のコップ」は、両手でコップを持ち、
机を叩いて遊ぶ。犬が出てきても気にする様子ではなかった。「絵指示」では、6つ共に正しく指さすこと可。「絵の名称」では、
Ⅰ・Ⅱ共に嬉しそうに答えること可。身体各部については、尋ねても対応できなかった。手遊びの「頭肩ひざポン」の歌を歌うと、
それらしく対応することは可。
その他:補足
4月からの入園も可能だったのだが、第二子の出産(9月が出産予定日)のことと、父親の仕事の都合(年度末と年度
初めは特に忙しい状態であるため、少し入園をずらしたいとの意向あり。)により7月の入園となった。まもなく出産予定
だが、祖父母の協力は得られる予定であり(通園バスの送迎)、母親の状態に合わせて、当面は父親が個別療育等へ
参加していくことになっている。
入園後は、外来療育を利用していたこともあって、すぐにクラスの雰囲気には慣れ、情緒的に安定して過ごせている。
園庭や、室内ホールでの遊びでは、玩具を使っての砂場や部屋の片隅など、一か所でじっくりと遊ぶ様子がよく見られ
ている。自分が持っている玩具をとられそうになると、手を出して拒もうとするが、他の子どもが持っている物に興味を示
す様子は今のところない。クラス活動では、朝の集い時など関心のあるペープサートや絵本読みの時は、よく注目してい
るが、全般にはなかなか集中することはない。
入園して初回の個別指導は、父親がそばで見ていたが、はめ込みレベルのたくさんの教材・玩具で関わり、着席した
まま、よく集中して取り組むことができた。大人の「すごーい!」「じょうず!」「ヨーイドン!」「できた!」といった声かけに
よく反応し、何度もまねていた。時折、父親は「それはマルだね。」「青色はどれ?」といった言い方を本児にしていた。
21
記入様式 1
№
発
達
支
援
家
族
支
援
地
域
連
携
発達ニーズ・意向等
の把握
課題の整理表
初期状態の評価
(利用者の状況
・環境の状況)
グループ
利用者名
支援者の気になること
・推測できること
(事例の強み・可能性)
さん
解決すべき課題
(3)個別支援計画の作成
14:00~15:30(90分)
①到達目標の設定
(長期目標や短期目標等)
②支援内容の設定
(時間軸(支援提供期間)等を考慮)
(たたき台)個別支援計画
記入様式 2
利用者名
○到達目標
○川 金太郎
NO.1
作成年月日:
23年 7月 1日
長期(内容、期間等)
思いやりのある子になるよう支援します。
短期(内容、期間等)
お子さんの今の成長の状態を理解し、家庭での接し方についても一緒に考えていきましょう
○具体的な到達目標及び支援計画等
項 目
具体的な
到達目標
支援内容
(内容・留意点等)
支援期間
(頻度・時
間・期間等)
サービス提供機関
(提供者・担当者等)
発達支援
(基本的
生活習
慣)
トイレットトレーニング
家族支援
現在のお子さんの発達
の状況と、今後の成長
の見通しについて、理
解しましょう
家庭訪問や個別指導時に、園で実施した発達検査の結果について詳しく伝
1ヶ月
えていきます。その上で、言葉のこれからの成長について考えていきましょう。 (少なくと
も8月の中
また、ご家庭で絵カードを使う場合に、お子さんが少しでも関心を持てる内容
で、見通しの持てる生活に向けて、カードの使い方を具体的にお伝えします。 旬まで)
・本園個別指導担
当職員H
食事の時、好き嫌いを
減らし、スプーンを使っ
て食べこぼしなく、上手
に食べられるようになり
ましょう
食事の時は、できるだけ金太郎くんの隣で食べるようにし、スプーンの握り
方(手の甲を下にした3指での握りに向けて)を、必要に応じて握り直させて
いくようにします。また、左手で、常時食器を持つように声をかけていきます。
さらに、食べ残しが少なくなるように、金太郎くんが楽しい雰囲気で食事でき
るように、音楽や絵本、ペープサートなどを使っていきたいと思います。
・本園クラス担任
H、Fさん、Gさん
発達支援
(基本的
生活習
慣)
~一人でトイレでおしっ
こができるようになりま
しょう
園ではトレーニングパンツで過ごします。家庭でもできるだけトレーニングパ
ンツで過ごしましょう。園では登園してからは、一時間おきにトイレに連れて
行き、便器の前に数分は立ってみるように誘います。
6ヶ月
3ヶ月
・本園クラス担任
H、Fさん、Gさん
・本園言語聴覚士
Pさん
優先
順位
3
1
2
総合的な支援方針
これからは二人目のお子さんの出産に向けて何かと大変な日々を送っていかれることと思います。園でフォ
ローできることもあるかもしれませんので、遠慮なくお話し下さい。園では安定して過ごしている金太郎くんですが、家庭でもより落ち着
いて過ごせるように、具体的な接し方や遊びについて一緒に考えていきましょう。また、ご両親はもちろん、おじいちゃん、おばあちゃん
にも、お子さんの成長について、たくさん見ていただき、一緒に成長を確認していきたいと思います。
平成23年7月5日
利用者氏名
○川 銀次郎
○
印
川
児童発達支援管理責任者
所沢
四朗
所
沢
印
24
(たたき台)個別支援計画
記入様式 2
利用者名
○到達目標
NO.2
○川 金太郎
作成年月日:
23年 7月 1日
長期(内容、期間等)
思いやりのある子になるよう支援します。
短期(内容、期間等)
お子さんの今の成長の状態を理解し、家庭での接し方についても一緒に考えていきましょう
○具体的な到達目標及び支援計画等
項 目
発達支援
(手の操
作)
地域連携
具体的な
到達目標
支援内容
(内容・留意点等)
金太郎くんが関心のある
アルファベットや数字の書
いてある積み木や文字板
を使って、積み重ねたり、
並べたりして遊びましょう。
積木を重ねることには、わりとよく集中している金太郎くんです。
片手を使って慎重に重ねていますが、5,6個くらいで倒れてしま
います。両手を使って、もっと重ねていけるように、励ましていきた
と思います。他にも、手先を使った遊びについても、具体的に紹
介していきます。
金太郎くんが利用してい
る○○市民病院、2歳か
ら通っている幼児教室と
の連携を深め、地域の保
育所や幼稚園の情報につ
いて提供していきます。
金太郎くんが利用しているところのスタッフの方と、可能な範囲で
連携します。また、○川さんの住んでいる地域の保育所や幼稚園
が行っている保育や指導の内容について、詳しく調べて、報告し
ます。
支援期間
(頻度・時間・
期間等)
3か月
6ヶ月
優先
順位
サービス提供機関
(提供者・担当者等)
・個別指導担当職員H
・本園作業療法士Y
・金太郎くんのおとうさん
(積木や文字板の準備)
・B市おもちゃの修理ボラン
ティア Mさん
4
・D相談支援専門員
・Z幼稚園園長 K氏
・○○市民病院 言語聴覚
士R氏
・○○幼児教室 代表 Sさ
ん
5
総合的な支援方針
平成23年7月5日
利用者氏名
○川 銀次郎
○
川
印
児童発達支援管理責任者
所沢
四朗
所
沢
印
25
記入様式 2
グループ
個別支援計画
利用者名
○到達目標
作成年月日:
年
月
日
長期(内容、期間等)
短期(内容、期間等)
○具体的な到達目標及び支援計画等
具体的な
到達目標
項 目
支援内容
(内容・留意点等)
支援期間
(頻度・時間・期間等)
サービス提供機関
(提供者・担当者等)
優先
順位
総合的な支援方針
平成
年
月
日
利用者氏名
印
児童発達支援管理責任者
印
計画作成のポイント
•
•
•
•
障害児相談支援等に基づき個別支援計画を作成
本人や家族のニーズがきちんと反映されているか?
支援者側の押し付けになっていないか?
本人や家族を中心とした計画を、本人、家族と一緒に作っていく
過程こそが大切
→ 自分たちの支援計画をラフスケッチする力をつける
→ 自分たちの人生に責任を持つという視点
• 本人や家族が分かりやすい言葉で書く
• 支援内容を抽象的な言葉でごまかさない
(例 : 安定した生活、楽しい暮らし、薬がちゃんと飲めるように・・・etc)
• 具体的な目標、期間を設定する。数量化出来るように努める。
→ 定期的に評価を行う
• 小さなステップを踏むような計画になっているか
• 本人や家族が出来ることは、やらない
(4)個別支援計画に関する全体発表
発表に対する質疑応答と総括(意見交換)
15:30~16:10(40分)
①作成した個別支援計画を各グループから発表
②各グループの個別支援計画に関する発表に対
する意見交換、質疑
演習2
「模範支援会議」
(児童発達支援管理責任者の役割の体験的理解)
【獲得目標】
演習を通して、個別支援会議の運営、支援提供プロセス全般における児童の支援に従
事する者への指導助言などマネジメント方法に関する知識と技術を習得する。更に関係
機関との連携(地域自立支援協議会への参画)等、児童発達支援管理責任者の業務と
役割について再確認する。
【内 容】
演習を通して、児童発達支援管理責任者が行うべき業務と役割について、建設的・発
展的に検証する。その際、(1)支援プロセスの管理、(2)児童の支援に従事する職員へ
の指導助言、(3)関係機関との連携の3つのポイントにより行う。
【研修企画運営のポイント】
□ 演習の目的・手順を明確にして演習に入る。
□ 模擬会議演習の意味づけ(時間軸とストーリーの確認)を明確にし、支援者へのマネ
ジメントのポイントも確認する。
第2日目午後
演習2の進行
1時 間
16:20
17:30
模擬支援会議
(ロールプレイ)
模擬支援会議[ロールプレイ](70分)
・ ガイダンス(ロールプレイの目標、説明)
・ ロールプレイの実施
・ 振り返り
(1) 模擬支援会議(ロールプレイ)
16:20~17:30(70分)
本人及び家族に生じている新たな課題について確認し、
今後の支援の方向性について検討する。
・ロールプレイに関する説明(10分)
・グループごとに場面を確認し、目的を明確にし、役割を決定する(10分)
・ロールプレイの実施(20分)
・ロールプレイが終了した後のフィードバック(10分)
*サービス管理責任者の役割や機能、本人の気持ちなどについて、児童発達支援管理責
任者役、本人役、観察者などから意見や感想を述べてもらいグループとしてフィードバッ
クする。
個別の支援会議の種類
(1) 支援者会議 【深める支援会議】
事業所内で行われる児童の支援に当たる職員等が出席する会議。サービス
利用計画の作成・変更・修正のために、発達状況や家族のニーズ等の確認を
行うとともに、支援方針等について検討する。中間評価では、支援計画の達成
状況の確認を行うとともに、達成されない場合の原因の分析及び今後の対応
について検討する。また、新たな発達ニーズ、家族のニーズなども確認する。
(2) 連携会議 【つながる支援会議】
① 複数機関のサービス担当者会議
保育所や移動支援など、同時に複数のサービスを利用している場合の対
応等の情報共有、役割分担等について確認する会議
② 移行支援会議
保育所や学校等への移行を円滑に実施するための会議
③ 新たなニーズに対する支援検討会議
本人及び家族に生じている新たな課題について確認し、今後の支援の方
向性について検討する。
④ サービス利用計画(トータルプラン)のための会議
生活全体を支援するサービス利用計画作成のための会議
33
ロールプレイの設定
目的: 個別支援計画の作成・実施後に発生した
課題に対応するための個別支援会議(家族
支援のための地域連携会議)
内容: 本人及び家族に生じている新たな課題に
ついて確認し、今後の支援の方向性につい
て検討する会議とする。
34
ロールプレイについて(概要)
1.ロールプレイとは
・ 現実に起こる場面を想定して、複数の人がそれぞれ役を演じ、疑似体験を通じて、ある
事柄が実際に起こったときに適切に対応できるようにする学習方法の一つである。
・ 学習者は、役割を演じなければならないが、演じ方はたいてい演者の自由である。
・ 対人関係や態度・行動を通して行われる学習に用いられる。
2.ロールプレイのメリット
・ 意志決定過程にみられるような物事のプロセスについて学ぶ可能性が高くなる。
3.ロールプレイの方法
1)事前準備
・ シナリオ:準備の段階でシナリオを作成するか、役割だけを決めて自由に行うか、目的
によって決定する。
・ 時間:決まっているわけではない
・ オリエンテーション:実施する前に学習者にその目的を十分に説明する。
2)実施
・ 実施中にロールプレイをビデオに録画しておけば、後で見直すことができる。
3)フィードバック
・ ロールプレイ終了後、気づきや学びを話し合うことで、学習を深め、広げることが大切
ロールプレイ(ロールプレイイング)の目的
日常生活の中で、人は必ず様々な役割を背負って暮らしていることを考えますと、人生は
まさにドラマと言えます。その中で、常に同じような役割ばかりをこなしていますと、新たな人
間関係を作り出すことは大変難しくなります。
ロールプレイとは、参加者が自由な雰囲気の中で、あるテーマについて即興的に役割を演
じ、協同して、役割行動の変容を図るもので、日常生活におけるそれぞれの役割を見直し、新
しい状況に応じられるようになることを目的としています。
(1) 日常生活における自分の役割を見直し、日常生活での課題を解決する手がかりを得る。
(2) 参加者全員が、感情の解放をします。
(3) 新しい、突発的な状況に応ずることができます。
したがって、ロールプレイは日常生活のリハーサルとも言えるでしょう。参加者はうまく演ず
る必要はありません。大切なのは、いかに自分なりに自発性を発揮して演ずるかです。
自発性が回復されれば、ロールプレイでの新鮮な役割体験は、新しい役割を日常生活に
取り入れる原動力となります。
自発性とは、新しい状況においても、周囲と自分自身にとって、より適切な、望ましい対応
ができるということです。一般に、人は、新しい状況に対しては、他人の意見や自分の既有の
体験をよりどころとして対応してしまいがちです。自発性は、そのような自分の外側から規制し
てしまうのではなく、自然に自分の中から自分を動かしていくことです。
自発性は、まず役割をとること(役割取得)から、自発的に個性的に演ずること(役割演技)、
さらに、新しい役割を創造すること(役割創造)へと段階的に高まっていきます。
ロールプレイを行う上での注意
1) ロールプレイを理解しているファシリテーターをグループごとに配置すること
2) 事前準備(オリエンテーション):参加者が主体的に関われるように情報や知識の整理
3) 役割別の準備:各役割ごとに自分たちの役作りを行い,場面設定を話し合う
4) 役割演技・討議:役になりきって演ずる。時間内で場面を変えて複数回実施しても良い
5) 誰か一人が時間を占領しないこと
6) 振り返り(フィードバック):必ず自分の役やほかの役について感じたこと、考えたこと
を振り返る時間をとり、ロールプレイの後,他の人へ感情・しこりが残らないよう配慮
〈時間配分の参考例〉
1) 知識の整理(5分)
2) ロールプレイの実施
①役割別の準備(5分)
②1回目の演技(15分):個別支援会議の準備の支援者だけの話し合い
振り返り(5分)
③2回目の演技(15分):本人や家族も含めた関係者が参加した個別支援会議
振り返り(5分)
ロールプレイ(役割演技)演習の手順
1 変更要因、課題、会議の目的の確認
2 会議参加者(役割)の選定
3 配役(キャスティング)
4 配置・席順の決定
5 ロールプレイ(役割演技)の実施
6 振り返り(フィードバック)
38
ロールプレイの配役
何のために会議を開催するのかを明確にする。
(→ 今回は、家族状況の変化に伴う関係機関との連携が必要になり、解決に向け
た検討会議とします。)
どういう関係機関、関係者を招集するかについては、問題の所
在や目的を明確にした上で、児童発達支援管理責任者を中心に
選定する。
児童発達支援管理責任者
児童指導員
保育士
行政職員・児相等
管理者
相談支援専門員
母親
Aさん本人
39
ロールプレイ演習に入る前の課題の検討
-支援計画の中間評価や変更時の修正のポイント一定期間ごとの見直しはもちろんだが、支援をしていく中で
計画を見直す必要が出てくる場合があります。
ロールプレイを実施するにあたり、モニタリング情報、修正し
た個別支援計画等を提示しておき、変更要因等に関して、事
前に受講者の皆さんで検討してもらうようにすると、様々な意
見も出やすく、ロールプレイに入っていく上で、よりリアリィー
のある演習が行えるようになります。
発達状況や家族状況を確認し、どういう課題が発生したの
か、その課題を解決するには、どのような連携が必要である
のかを、テーマを絞った上で、ロールプレイ演習を通して体験
してもらいます。
40
ロールプレイ 想定資料(参考)
・通園施設W園 児童発達支援管理責任者
・相談支援専門員
・市教育委員会
(会議の司会者・進行役)
(対象となる子どもについて、在宅福祉サービスの利用を提案する。)
(対象となる子どもの姉の就学相談での評価と、就学に向けての意見を言う。
・特別支援教育コーディネーター (入所施設から学校に通う子どもの、個別支援計画の連携について意見を述べる)
・市保健福祉課
・市保健師
(対象となる子どもについて、在宅福祉サービスの利用に関してどれだけの支給が可能か、または
相談支援専門員や児童発達支援管理責任者からの提案に対して答えていく)
(保健師としてこれまで関わってきたことの話と、今後どのような支援が保健師としてできるかについて話
をする。)
・医療機関 ケースワーカー
(医療機関がこれまで関わってきたこと、本人の医学的所見について意見を述べる)
・E居宅介護事業所 サービス提供責任者 (事業所としてどのようなサービスの提供ができるかを話す。または、まだ
在宅福祉サービスを利用したことがないケースだけに、事業所が実施していることを紹介していく)
・H居宅介護事業所 サービス提供責任者 (基本的には上記Sさんと同じではあるが、E事業所と違って、ドライブに
連れていけるであるとか、別のメニューを提案していく。)
・地域生活支援センター 精神保健福祉士 (母親の状態を考えながら、母親の気持ちに寄り添った意見を言っていく
。母親の気持ちを会議の中でさらに引き出していく役割も担ってはどうか?)
・短期入所事業所
・N幼稚園 園長
Y園
サービス管理責任者
(短期入所のサービスを勧める役割。)
(対象となる子どもの姉が通っている園の園長。園の様子を報告する。)
・児童相談所 児童福祉司 (会議の流れによって、意見を求められる役割。場合により入所措置についての話もする)
・市社会福祉協議会 地域福祉課 (社会福祉協議会のヘルパーを派遣していくことについて、どんなことができるの
かの提案をしていく。)
・民生委員 主任児童委員 (地域の中で応援できること、通園における送迎などの応援などを提案していく。母親を
励ます立場。)
・通園施設W園 園長(対象となる子どもの園での状態の報告。また、母親の気持ちを代弁していく役割。)
41
ロールプレイ検討資料(配役表)
設
役
定
名
役
柄
配役(氏名を記入)
(利用者本人)
母
親
児童発達支援
管理責任者
相談支援専門員
42
振り返り(フィードバック)
10:10~10:30(20分)
役割を演じて体験したこと考えたことを全員が言葉にして分かち
合う。
…例えば
・ ○○役として、自分自身が感じたこと…
・ ○○役として、他者の役について、いつもの自分とは感じ方、見方、考
え方が違ったところ…
・ ○○役として、△△役に言動に抱いた感情……等
⇒演技であっても、思ったより内面が動かされることを経験する。
その内面のざわつき、揺れ、感情的な反応を表現し共有するこ
とでロールプレイによる気付きは深くなる。その気付きが会議
の機能を上げていく。
⇒分かち合うことで、役から離れられる(終わることが出来る)効果
もあるので時間がなくても必ず最後に行いましょう。
43
ロールプレイ振り返り整理表
役
名
振 り 返 り
(利用者本人)
母親
児童発達支援管理
責任者
相談支援専門員
44
演 習 3
「支援提供プロセスの管理の実際」
(モニタリングと個別支援計画の修正・変更)
【獲得目標】
「演習1」において使用したものと同じ事例を用い、追加情報に基づく中間評価と計画
の修正について、模擬支援会議で確認するとともに各グループで討議しながら計画を
修正する。(中期及び終期個別支援計画を作成する。)
【内 容】
• サービス開始後の中間評価(モニタリング)結果を踏まえ、再アセスメントし
個別支援計画を適切に修正
• 終了時の帰結を想定し、終了時評価を作成
【研修企画運営のポイント】
□
□
□
□
□
演習1で用いた事例と同様の事例を用い、中間評価結果を提示する
モニタリングによる個別支援計画の修正・変更に演習の力点を置く
状況やニーズの変化を捉え、適切な支援内容へ修正が必要なことを学ぶ
中間評価を踏まえ、中期個別支援計画を作成する
事業所として他機関との連携、質の向上に関する手立てにも視点を当てる
□ 事例の帰結を想定し、終了時評価までを作成することで、支援内容の振り
返りができるようにする
第3日目午前
演習3の進行
2時間
9:00
9:05
(1)
ガ
イ
ダ
ン
ス
10:15
10:50
(2)
(3)
課題の整理(中間評価)
個別支援計画の修正
全体発表
(1)ガイダンス(5分)
演習3の説明
(2)演習内容の確認と課題の整理(中間評価)と個別支援計画の修正 (70分)
① 中間評価に関する概要説明
② 発達状況、ニーズの変化、提供してきた支援内容等の確認(中間評価)を行う。
③ 目標設定や期間設定、支援内容の変更・修正の検討
④ 計画の再設定
(3)個別支援計画修正に関する全体発表(35分)
グループからのプレゼンテーション
(1)演習ガイダンスと役割分担
9:00~9:05(5分)
①演習3の進め方、留意事項の説明
(2) 課題の整理(中間評価)と
個別支援計画の修正
9:05 ~ 10:15(70分)
①6か月後のモニタリング結果に基づき、支援の評
価(中間評価)を行い、支援内容の分析、新たなニ
ーズの確認を行う。
②個別支援計画の変更・修正を行う。
・目標設定や期間設定、支援内容の変更・修正の検討
・計画の再設定
情報提供 5
事例の発達の状態
項目
食
事
着
脱
状
態
項目
スプーンを使用するが手づかみも多い。ふりかけごはん
を主に麺類、汁物、肉料理を食べる。声をかけると食べ終
わってから食器を一つずつ片づけること(+)。
排
下衣の脱衣(+)、上衣は片腕を抜くと自分で脱げる。着衣で
は下衣は自分で持ってはくこと(+)だが、同じ穴に両足が入
ることは多い。上衣は裾を手渡すと被って頭を出すこと(+)
腕を通すことは難しい。靴はリングを引っ張り履くこと(+)。
睡眠
リズ
ム
泄
平成24年2月時点の状況(3:7)
状
態
大人が誘うことによってトイレで排尿すること(+)。立位で排
尿する。予告排尿(-)。誘わないと失敗する。失敗した後「
おしっこ、でた」と伝える。排便は紙オムツにする。
起床7:00~8:00、就寝21:00~22:00。午睡
は毎日ではないが1時間ほど寝ることは多い。母
が添い寝することでスムーズに入眠する。
情緒
・
行動
概ね安定している。他児が不意に近づいた時に自分の遊び
を邪魔されると思ってか押しのけたり叩いたりすることがある。
大人からの叱責を理解できるようになってくると強い警戒を
示すようにもなる。
粗大
運動
両足連続跳び(+)、グーパー跳び(-)。片足立ち3秒、ケンケンは
真似ようとするが(-)。トランポリンの連続跳び(+)だがバランスは
崩しやすい。階段を片足で交互に登る(+)、降りるときは両足を揃
えながら降りる。ジャングルジムの登り降り(+)。
微細
運動
ビーズ通し(+)。洗濯バサミの開閉(+)。両手を協応させ
て物を挟むこと(-)。ハサミは回内で操作するため連続切り
(-)。積木積みは微調整しながら15個(+)。
言語
理解
日常的によく使われる言葉は状況判断と合わせて理解(+)。
「○○ちょうだい」という問いかけに対して、目の前にある物
の中から選んで手渡すこと(+)。
言語
表出
乗物やロゴやマークなど興味あるものについて表出すること
は多い。「ちょうだい」「行きたい」「できない」「痛かった」など場
面に合わせて使ったり要求手段として使ったりすることも増え
てきている。
認
知
形、色、文字などのマッチング(+)。簡単な積木の模倣構成(-)。
色名、大小理解(-)。ひらがな、数字、アルファベットは逐次読みだ
が読字(+)。乗り物(特に電車)、ロゴやマークへの興味大で覚えて
いるものも多い。
対人
関係
一人で遊ぶことは多いものの、大人の反応を楽しんで行動したり遊んだ
りすることも増えてきている。他児の玩具を取り上げようとしたり取り合っ
たりすること(+)。他児を真似たり一緒に行動しようとしたりすること(-)。
集団
参加
興味のある活動には進んで参加する姿が見られるようになってく
る。順番のある活動では自分の順番が回ってくることを期待して
早く名前を呼んでほしいことをアピールする。
描画
造形
描画はなぐり描き。ぬり絵では下絵を意識して塗るようになってき
ている。造形は自分で両面テープの剥離紙をとって貼り付けること
(+)。マッチング内容であれば一人ですることもあるが見守りを要
する
音楽
リズ
ム
楽器:太鼓を叩くこと(+)だが、大人の見本を真似たりリズムを
とったりすることは(-)。リトミック:参加することは少ないが興
味を示すと手拍子したりその場で跳んだりすることは見られる。
興味
関心
乗物(特に電車)、トミカやプラレール ロゴやマーク アルファベットや数字には興味を持っている。
NHKのおかあさんといっしょで、絵描き歌が始まると、あわててクレヨンを持ってきて、母親に描いてもらおうと要求してくるとのこと。
家に訪問した時、帰ろうとすると玄関のドアに立ち、ドアを開けさせないようにする。他の来客の時も、そのような行動を示している様子。
50
情報提供 6
事例の発達の状態
平成24年2月時点の状況
①ホールでの運動遊び【・トランポリン連続とび ・長縄(へび)・スイング】~他児もホールに
いて一緒に取り組めた。他児のすることはよく見るようになった。トランポリンに他児がいて
も跳ぶことがみられた。少し前なら誰かが乗ってくると降りていた。
②シールはり~担任の指さしたところはみることができる。指をずらしていくとじっと見続け
ること可。担任がやってみせ、3つめから自力で可。ただし担任の指さしは必要。
③洗濯ばさみ~洗濯ばさみには興味津々。持つ位置が定まらず、なかなか開かないが、
手渡すときに定位にしてあげるとうまくいく。3指を使用、はさむ位置は理解している。肘が
開くので手首はあまり回らない。前回よりもスムース。
④アンパンマン探し(提示されたいくつかの絵カードから、見つけ出すといった内容)~「ア
ンパンマンはど~こだ」に反応、大笑いをして口調を真似るが、探してはいない。手前側の
実際の
2,3枚のカードしか見えていない。机上の奥の方には目が行き届かない様子。担任がゆっ
個別療育
くり指さし、視線を移動させていく。指さしにはついてくる。「あんぱんまん、おった~(『い
2月○日
た!』という意味)」と言いながら見つけていくに大喜び。
実施分
⑤分割絵パズル(動物)2~6ピース~2P~4Pは自力で可。6Pは不可。「これ何」に対し
て応じること可。わざと間違えて母親、担任の反応を伺い、「あれ~!?」と大人が言うこと
母親と
を期待する、といったことを大喜びして何度も繰り返す。
本児の弟 ⑥チェーンつなぎ~やってみせると、意欲はみせる。片方を担任が持ち、もう片方を本児が
が参加。
持って取り組み、達成すると嬉しそう。4つ目からは、自分で両手を使ってできるようになる。
⑦アンパンマンのえかき歌~指をくわえてうれしそうに最後までみる。母親は、「指!」と注
意をしていた。
⑧描画=アンパンマンの目をかく~クレヨンをもつとすぐになぐり描きをする。しばらく自由
に描かせた後、担任がいくつかアンパンマンの絵を「め~、はな~、くち~、ほっぺ!」と言
いながら描き、輪郭を描いてから、「め~!」と声をかけてクレヨンを渡すと、それらしく描い
51
ていた。
提供情報 7
平成
23年度
2月
( 3: 7時 )
の 母 親
のニーズ
事例の説明
平成24年2月時点の状況
運動:片足立ち、ケンケンパーなどもできるといいなぁと思います。人の真似が少しできるようになっ
てきたので、人の真似をしながらいろんなことに挑戦してほしいものです。手先のこと:水筒から自分
でお茶をついで飲めるようになってほしいです。ヤクルトやプリンのふたを自分であけて食べられた
らと思います。お絵かきはまだできませんが、そのうち何か書いてくれるようになると思って、待って
あげようと思います。ADL:手づかみがまだまだ多いので、スプーン、フォークを使って食べてほしい
です。おしっこがでる前に母に言ってほしいです。パンツやズボンくらい自分で脱いだり履いたりして
ほしいです。片付けができないので自分が出したものは片付けてほしい。 ことば:指示された物を
持ってきたり、使ったりしてほしいです。会話のキャッチボールが少しでもできるとうれしいし、こっち
が尋ねたときに答えてくれるようになってほしいです。社会性:できることから少しずつでもいいから
お手伝いができるとうれしいです。いろんなことを経験して集団の中で楽しく過ごしてほしいです。そ
の他:幼稚園にも通わせることが夢ではありますが、本人の成長を尊重して柏学園でのびのびとた
くさんの経験ができればと思います。下の子以上に手がかかることがあり、もう4歳なのにと思うと悲
しくなりますが、この子のペースを考えてあげようと思います。
その他:補足
母方の祖母は、第二子の出産時に一ヶ月ほど一緒に生活をしたが、今後もA園に通うことについて賛成してく
れたとのこと。しかしながら、父方の祖父母は、来年度から幼稚園に通うことを強く勧めてくるとのこと。併行通
園ででも良いからと勧められている。そのため、園庭開放に連れて行ったが、他児と遊ぶわけでもなく、走り回
る本児の様子を見て、母親としてはまだ大きな集団への適応は難しいと考えている様子。さらに昨年末より、と
ある栄養食品を勧めてきたり、知人に紹介されたと鍼灸院への通院をすすめてきたりもするとのこと。全部は断
れないので、栄養食品については了承し、好きな食べ物に混ぜるなどしているとのこと。母親としては、困って
はいるものの可能な範囲で、その祖父母の提案は受け止めていきたいと思っている様子。
個別指導の時に、母親とは毎回話し合っているが、本児の成長について細かいところによく気づき、感心する
ことが毎回話の中で聞かれているものの、「年齢を考えれば、普通ならもっと前にできることなんですよね。」と
いった内容の発言も続いている。
52
(参考様式)
個別支援計画の中間評価
利用者名
到達目標
達成状況の評価
1
達成 ほぼ達成 未達成
2
達成 ほぼ達成 未達成
3
達成 ほぼ達成 未達成
4
達成 ほぼ達成 未達成
5
達成 ほぼ達成 未達成
6
達成 ほぼ達成 未達成
達成されない原因の分析
今後の対応(支援内容・方法の変更等)
53
(参考様式)
中間評価のための確認表
中間時の評価等
(1)当初目標の達成状況とそれに要した期間
(2)次のステップとして本人、保護者が希望する生活等とその後の実際
①
本人、保護者の希望
②
評価時の実際の生活状況
(3)サービス提供事業者との連携状況
54
個別支援計画
記入様式 3
利用者名
○到達目標
グループ
作成年月日:
年
月
日
長期(内容、期間等)
短期(内容、期間等)
○具体的な到達目標及び支援計画等
具体的な
到達目標
項 目
支援内容
(内容・留意点等)
支援期間
(頻度・時間・期間等)
サービス提供機関
(提供者・担当者等)
優先
順位
総合的な支援方針
平成
年
月
日
利用者氏名
印
児童発達支援管理責任者
印
グループ討議
「マネジメントの実際」
(児童発達支援管理責任者の役割と業務の検討)
【獲得目標】
演習・討議を通して、個別支援会議の運営、支援提供プロセス全般における児童の支
援に従事する者への指導助言などマネジメント方法に関する知識と技術を習得する。更
に関係機関との連携(地域自立支援協議会への参画)等、児童発達支援管理責任者の
業務と役割について再確認する。
【内 容】
演習・討議を通して、児童発達支援管理責任者が行うべき業務と役割について、建設
的・発展的に検証する。その際、(1)支援プロセスの管理、(2)児童の支援に従事する職
員への指導助言、(3)関係機関との連携の3つのポイントにより行う。
【研修企画運営のポイント】
□ 討議の目的・手順を明確にしてグループ討議に入る。
□ 事前課題の事業所評価について、報告を行い、今後の課題について討議を行い、業
務と役割を再確認するとともに、今後の参考とする。
□ 各地域での独自の取り組みを情報交換し、今後の参考とする。
□ 研修者自身の今までの仕事を振り返り、今後の仕事に繋げられるよう、児童発達支
援管理責任者としての自覚を促す。
第3日目午前・午後
グループ討議の進行
2時 間
11:00
12:00
(1)
児童発達支援管理責任者の
役割について検討
13:00 13:20
(1)続
昼食
13:35
14:00
(2)
(3)
全体発表
総括
(1)児童発達支援管理責任者の役割についての検討(80分)
・ ガイダンス(演習の目的、進め方について説明)。各グループで役割決定[進行・記録・発表]
・ 「支援内容」と「マネジメント内容」の両面からそれぞれのポイントを確認する
・ 事例検討を通してそのプロセスを発展的な観点から検証する
・ 児童発達支援管理責任者としての役割として事業のマネジメントを検証する。関係機関との連携、会議運営、
人材養成等のあり方について検証する
(2)全体発表(15分)
(3)総括(20分)
・ 研修全体を振り返り、講師陣によるコメント
(1)児童発達支援管理責任者の役割の検討
11:00~13:20(80分)
事前課題の参加者が作成してきた事業所評価について、グ
ループ内で、報告・検討を行う。
今後の課題を各参加者が報告し、児童発達支援管理責任者の役割について検
討を行い、どんな課題と視点が必要かを発展的に検証
(2)児童発達支援管理責任者の役割
についての全体発表 13:20~13:35(15分)
①3つほどのグループからのプレゼンテーション
②児童発達支援管理責任者の役割に関する意見交換、質疑とコメント
(参考)児童発達支援管理責任者の業務整理表①
業務内容
取組状況
課題
ウエイト
(1)支援プロセスの管理
見学案内
アセスメント
家族面談
支援計画の作成
支援計画案の修正
利用者・家族への支援計画の説明
モニタリング
支援の進行管理
個別支援会議の開催・運営
61
(参考)児童発達支援管理責任者の業務整理表②
業務内容
取組状況
課題
ウエイト
(2)事業管理
利用者数の適正化
利用期間の適正化
第三者評価の導入
利用者満足度調査の実施
経営への参画
事業展開への提案
リスクマネジメント
苦情受付責任者
62
(参考)児童発達支援管理責任者の業務整理表③
業務内容
取組状況
課題
ウエイト
(3)支援に従事する者への指導助言
利用者面接への同席
家族面接への同席
アセスメントへの指導と助言
課題の整理への指導と助言
支援計画作成への指導と助言
モニタリング
支援の進捗への助言
個別支援会議の開催・運営
研修の企画・実施(運営)
スーパーバイズ等の活用
63
(参考)児童発達支援管理責任者の業務整理表④
業務内容
取組状況
課題
ウエイト
(4)関係機関との連携
個別支援会議への出席
次ステージへの引継支援
地域自立支援協議会への参画
地域での連携事業への協力
施設見学・実習の受入れ
地域や他機関への事業PR
地域住民への普及啓発
社会資源の創出
64
(3)総括
13:35~14:00(25分)
① 講師陣によるコメント
② 講義や演習を通して、3日間の研修を総括し、
児童発達支援管理責任者の役割について再度確
認
講師・参加者相互のエンパワメントにより、今後の活躍を確認
児童発達支援管理責任者業務の要点整理
児童発達支援管理責任者となる方へ
「今だって大変なのに、そんな大変なこと
自分にできる訳ない…」と思われがちな
児童発達支援管理業務。
しかし、利用者への直接支援だけではな
く、人材育成、事業所運営、さらに地域
社会へと活躍が期待されるとてもやりが
いがある仕事です。
管理者となったからには、事業所内部か
ら関係機関へ、そして地域社会へと目を
向け足を運びましょう。
66
児童発達支援管理責任者業務の要点整理
児童発達支援管理責任者の業務整理
外部の関係機関
地域社会
(地域自立協議会)
事業所内
①支援プロセス ・進行管理 ・課題の整理 ・個別支援計画の修正
の管理
②職員への
指導助言
・指導と助言 ・人材育成
・質の向上
③関係機関と
の連携
・連携の要
・地域社会への発信
・社会資源の創出
④その他
・利用者満足度の向上
・第三者評価の導入
など
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児童発達支援管理責任者業務の要点整理
①支援プロセスの管理
●進行管理
・支援計画と時間軸はセットで提供
・時間軸の妥当性のチェックとタイムキーパー役
・ゴール設定(長期目標と短期目標)の妥当性のチェック
●個別支援会議の開催
●支援課題の整理と大方針の設定
●個別支援計画の作成または管理(←最も重要!!)
・児童発達支援管理責任者には最終的な責任がある。署名と
押印で責任の明確化を!
⇒個別支援の質を担保する役割
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児童発達支援管理責任者業務の要点整理
②支援に当たる者への指導助言
●適宜のスーパーバイズ
●「個別支援会議(事業所内カンファレンス)」の進行役として、議
論を深める
●「サービス利用計画書」に基づく、事業所としての「個別支援計
画」の作成
●研修等で off the job trainingを行う
●利用者面接、家族面接、見学案内に同席する等 On the J
ob Trainingを行う
…やってみせ、言って聞かせて、させてみて、 ほめてやらねば人は動かじ。話し合い、
耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。やっている、姿を感謝で見守って、
信頼せねば、人は実らず…。 山本五十六
69
児童発達支援管理責任者業務の要点整理
③関係機関との連携(その1)
●「サービス担当者会議(サービス利用計画作成会義)」への参加
・相談支援専門員と連携し、支援チームによるネットワーク構築
に寄与
⇒「サービス等利用計画書」をもとに「個別支援計画」を作成するこ
とで、地域や外部につながる支援になっていく
●必要に応じて、児童相談所と連携
・虐待児童の支援に当たって、共通認識を持って対応
顔の見える関係の“顔”になるってことですね!
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児童発達支援管理責任者業務の要点整理
③関係機関との連携(その2)
●自立支援協議会への参画 例えば…
・必要な支援が福祉計画に盛り込まれるように働き掛ける(ボト
ムアップ)、
・地域の工夫と知恵で、足りない資源を創出する、
・事例検討会を定例化し、地域の課題を地域で解決する仕組
みを作る、
・事業所の顔として地域活動や行事に積極的かつまめに参加
し、利用者が地域に溶け込む呼び水となる、
・事業の対象や効果を外部に解り易く説明し、PRする…
⇒事業所、利用者、障害者を地域社会へつなげる役割
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児童発達支援管理責任者業務の要点整理
④その他
●利用者満足度調査の実施
・支援者の自己満足に陥らないよう“利用者満足度”に注目し
て事業所を見直す
●第三者評価の導入
・客観的な評価に基づく質の向上へ
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グループ討議
理想の児童発達支援
管理責任者イメージを
共有するためにグルー
プ討議…
各自治体ではどんな演習を実
施しているのかについて情報交
換を行う。
意外なご当地ネタが地元での演
習企画のヒントになるかも……?
業務のウエイトを
円グラフで表現し
てみる…
「児童発達支援管
理責任者とは?」
をテーマにグルー
プ毎に自由にプレ
ゼンテーション…
「チェックリスト」を
作成して各自で業
務を総括する個人
ワーク…
73
74
都道府県研修の企画運営にあたって
-都道府県研修を実施するための事前の準備-
• 講義と演習の重点ポイントを明確に示す
• 事前学習会などの実施
– 講師は教示すべき内容を理解する
– ロールプレイの事前学習を行う
– ファシリテーターの役割を確認する
• 演習事例は自前で準備する
• 演習の流れを意識したスケジュール(進行表)を
作成
• 受講者が主体的に参加出来る工夫を検討する
H21年度サービス管理責任者指導者研修資料を一部改編
(参考資料)
ファシリテーターを担っていただく皆さんへ・・・
参加者の心の動きや状況を見ながら、実際にプログラムを進行して行く人のことを
ファシリテーター(促進者)と呼びます。ファシリテーターの媒介によって、参加者の本
来的な学びが促進され、体験したことを次のステップへと、結びつけることが容易にな
ります。
ファシリテーターとして求められること
その人の力、グループの力を引き出すために、ファシリテーターとしては、以下のよ
うな視点を持つことが望まれます。
参加者の主体性を引き出すこと
知識と体験を統合できるような素材の提供をすること
体験をより大きな気づきへと導くこと
参加者自らが主体的に考えられるような援助をすること
状況を見ながら適切な“介入”を行うこと
ファシリテーターは指導者ではないので、全ての解答を用意している必要は
ありません。「葛藤を誘う場面を用意すること」と、「主体的な発言を促すこと」
ができる促進者の役割です。
76
H21年度サービス管理責任者指導者研修資料を一部改編
ファシリテーターが介入するということ
介入とは、何等かの意図をもって相手にかかわっていくプロセスのこと。たとえば、ロー
ルプレイが円滑に進行していない時、実施のルールが守られていない時、グループでの
課題達成が難しいと判断された時、ふりかえり・わかちあいが進んでいない時、参加者か
ら質問を受けた時、などが考えられます。
介入はあくまでもその立場でおこなわれるものであって、主体的な学びのプロセスを妨
げないように配慮してください。ファシリテーターとしては、何らかの目的や意図をもって
かかわっているので、つい自分の思いを達成したいあまりに、気づきを押し付けるような、
ある種の“操作”をしがちです。その意味では、介入とは「しなくてはならないこと」ではなく
て、「必要があった時にあえて行なうもの」と考えていいかもしれません。進行が自然であ
れば「何もしない介入」もあるという認識が大切です。
ファシリテーターの基本姿勢
参加者の主体性を尊重し、操作的な言動はつつしむこと。 どのような過程を経て現在の
討議があるのか・・・・・・といったプロセスが見えていること、または理解しようと努めること。
開放的な雰囲気作りを心がけること。 問題の解答を教えるのではなく、解決は参加者自
身にまかせること。
良き促進者とは、何でも教えてくれる人ではなくて、迷った時に解決までの道筋を、さり
げなく示してくれる人のこと。参加者自身の成長の姿に、陰ながら満足できる人のこ
と・・・・・・と言うことができます。
参考資料
「児童発達支援管理ワークショップ」
(児童発達支援管理責任者の役割検討ツール)
いくつかの問題解決手法の例
【発散法】
• 自由連想法: ブレインストーミング
自由に意見・アイディアを多く出して
(自由奔放、質より量等) 、質を上げる
【収束技法】
• 帰納法:KJ法、親和図法
• 因果法:特性要因図
出所:高橋誠(1979)『問題解決手法の知識』日経文庫
http://www2.dwc.doshisha.ac.jp/akatoh/shajoh/shakai04.files/frame.htm#slide0028.htm
○問題の原因を追求するには,特性要因図の他にも連関図や系統図を利用する方法がある
○原因の追求が十分できたら,今度は解決策の策定となる.これには系統図やマトリックス図を用いる方法がある
ブレインストーミング
・ 自由奔放:自由に意見・アイディアを出す
・ 質より量:多く出れば質も上がる。
・ 批判厳禁:他人の意見・アイディアを批判しない
・ 結合改善:他人の意見・アイディアに便乗して良い
アイディアにする。
http://www2.dwc.doshisha.ac.jp/akatoh/shajoh/shakai04.files/frame.htm#slide0028.htm より
K J 法
(→川喜多二郎氏が考案)
• 用意するもの:大きな紙とカード、ペン
• 手順
①意見・アイディアをカードに記入
②カードを小グループに分ける
③小グループの表題を作る
④小グループを大グループ化する
⑤大グループの表題をつける
⑥大グループ間の関係を線等で結ぶ
http://www2.dwc.doshisha.ac.jp/akatoh/shajoh/shakai04.files/frame.htm#slide0028.htm より
品質管理
品質管理の進め方は、一般に, Plan - Do - Check - Action (PDCA) の
サイクルを廻すこと
初歩的な品質管理の手法として良く使われる
QCの7つ道具
パレード図
特性要因図
ヒストグラム
グラフ/管理図
チェックシート
散布図
層別
新QC7つ道具
親和図法
連関図法
系統図法
マトリックス図法
マトリックス・データ解析法
アロー・ダイヤグラム法
PDPC法
http://www.shiojiri.ne.jp/~hnaka/hidehiko/qc-tech/qc.htm より
親和図法
-バラバラな情報から、問題点を確定させるための手法-
似たもの同士をグループ化することにより、問題の所在、形態を明らかにす
る
(作成手順)
1.作成者でテーマを決める
2. 自由な発言をカードに書く
3. 親和間でカードをグループ化し、
標識をつける
4. カードをクループ10くらいに
編成し、全体を図解する
http://www.cc.kyoto-su.ac.jp/circle/cac-club/Sysado/sysad1-5/nqc1.html
特性要因図の作成
Cause-and-Effect Diagram
(作成手順)
• 特性の決定
– 問題とする特性を決め、その特性と背骨を書く。
• 主たる要因を挙げ、大骨を入れる。
– 要因の原因を挙げ、中骨を入れる。具体的なデータが取れるようにな
るまで原因を掘り下げ、逐次小骨、孫骨を入れる。
なぜ○○なのか?××だから、を繰り返す。
• 原因の重み付け
– 重要な原因を枠で囲む。
• 原因の確認
– データが取れる原因まで掘り下げたか。
– 目的に合った表現か。
– 特性に関係のない原因が入っていないか。
宮川宏之「どこでどう使うQC手法」ブレーンダイナミックスより
特性要因図例
宮川宏之「どこでどう使うQC手法」ブレーンダイナミックスより
系統図例
宮川宏之「どこでどう使うQC手法」ブレーンダイナミックスより
マトリックス図例
宮川宏之「どこでどう使うQC手法」ブレーンダイナミックスより