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サービス管理責任者研修テキスト
演習
「支援提供プロセスの
管理に関する演習」
<児童発達支援管理責任者>
平成25年9月26日・27日
支援提供プロセスの管理の実際(演習)
(目 次)
1 演習のねらい
2 演習の概要
3 演習の展開イメージ
4 演習の実施方法
(1)「支援提供プロセスの管理の実際 :事例研究①」
(アセスメント及び個別支援計画の作成)
(2)「支援提供プロセスの管理の実際 :事例研究②」
(モニタリングと個別支援計画の修正・変更)
(3)「支援内容のチェックとマネジメントの実際:模擬会議」
(支援会議等を想定した児童発達支援管理責任者の役割についての体験的
理解及び児童発達支援管理責任者の観点から支援内容を発展的に検証)
1.演習のねらい
・支援提供プロセス全般の流れ(手順)について、事例を活用しながら検証する。
・アセスメント、目標設定、個別支援計画の作成、モニタリングや評価による支援方針
の変更などに関する具体的な技術を習得する。
・児童の支援に従事する職員への助言や指導のあり方を理解し、助言・指導の方法を
学ぶ。
(1) 研修受講者全員が主体的に参加する。
(2) 多様な職種の受講者間での意見交換により、幅広い視点を持つ。
(3) グループごとの結論を導くための協働作業を展開する。
(4) 司会進行、記録、発表等の役割を分担して担う。
(5) 効果的なプレゼンテーション技術を学ぶ。
(6) 他者への助言をする者としての配慮や深い洞察力を養う。
2.演習の概要
1.「支援提供プロセスの管理の実際 :事例研究①」
※ 事例に基づき、以下の項目に重点を置いて演習を展開。
・利用者像の適切な把握のために必要なアセスメントの実施
・時間軸に配慮した支援目標を含む個別支援計画の作成
・短期目標や到達すべき目標(ゴール)などの段階的な目標設定の必要性
2.「支援提供プロセスの管理の実際:事例研究②」
※ 事例に基づき、以下の項目に重点を置いて演習を展開。
・モニタリングによる支援の管理及び効果等の確認
・利用者像の適切な把握のために必要な再アセスメントの実施
・アセスメント結果に基づく個別支援計画の変更・修正
・次のステージへの移行を想定した終了時評価の実施
3.「支援内容のチェックとマネジメントの実際:模擬会議」
※ 事例に基づき、以下の項目に重点を置いてロールプレイを実施。
・支援会議の場面を想定した会議の運営方法
・個別支援計画作成(修正)に際しての連携の持ち方
※ 演習を通じて、児童発達支援管理責任者の役割、視点を振り返り、確認する。
児童発達支援管理責任者研修のポイント
(アセスメント等)
○ 適切な発達支援を行うために必要な発達評価(成育歴を含む)について認識を深める
必要がある。 → 発達の評価方法、活用等について理解を深める。
(発達障害支援に関する知識)
○ 増加する発達障害児の療育ニーズに対応できるよう発達障害のアセスメント、支援等
について、事例を通じながら認識を深める必要がある。 → 発達障害に関する知識
(チェックリスト等を活用した評価・支援方法を含む)について、理解を深める。
(家族支援)
○ 療育は、子ども支援だけでなく家族支援が重要である。障害受容等保護者の心情に寄
り添ったサポートについて認識を深める必要がある。 → 障害受容など家族の心理機
制について学習するとともに、家族のエンパワメント支援について理解を深める。
(関係機関との連携)
○ 児童期は、短期間でライフステージが交代し、関係機関も多岐にわたる。切れ目のな
い継続的な支援を行うためには、相談支援専門員をはじめ医療・保健・教育などの多くの
関係機関との連携が必要である。 → 切れ目のない継続した支援の必要について、
理解を深める。また、連携のカギとなる個別支援会議(移行会議等)の開催・運営につい
て認識を深める。また、地域の発達支援システム構築について検討する自立支援協議
会への参画の重要性について認識を深める。
○ 必要に応じて、児童相談所との連携が必要である。 → 被虐待児童の支援に当たっ
て共通認識を持って児童の権利擁護を図ることの重要性について認識を深める。
3 演習の展開イメージ
・演習では、事例を用いて支援提供プロセスの全般を扱う。
・個別支援計画の作成プロセス、中間評価と修正プログラムの必要性、効果を学ぶ。
・これらの演習を通して、事業所が組織的に取り組むべき課題に対するマネジメント(児童
発達支援管理責任者の役割)について学ぶ。
一連の支援提供プロセス
2日目午後
演習1
事例検討
個別支援計画作成のアセスメントや到達目標の設定などに重点
3時間
2日目午後
演習2
模範支援会議
模擬支援会議により、サービス内容のチェック及び連携などに重点
1時間
3日目午前
演習3
事例検討
モニタリング、再アセスメント後の個別支援計画の変更・修正に重点
2時間
3日目午前
グループ討議
2時間
グループ討議
児童発達支援管理責任者の役割、視点を確認することに重点
4.演 習 の 実 施 方 法
(1)演習の方式
研修参加者全員が参加意識をもち、相互の意見交換により効率的に研
修効果を挙げるよう小グループで検討するバズセッション方式を基本とする。
(2)グループ構成と役割分担
受講者7~8名程度のグループに分けて実施。
また、各グループでは、演習ごとに司会進行、記録、発表の担当者を決
める。3つの演習と討議は同一メンバーで実施する。
(3)演習スタッフ
講師となる演習スタッフは、全体進行と助言を担当する統括する演習リー
ダー1名、会場内で各グループに対する助言などサポートを担当するファシ
リテーターを配置する。
(4)プレゼンテーションと全体総括
各演習とも、途中で全体発表(プレゼンテーション)を実施し、グループ間
での意見交換と演習リーダーからの助言に基づいて総括を行う。
演習講師の役割分担
氏
名
所
属
役
職
演習の役割
相談支援専門員
リーダー
(演習の統括)
こども発達支援センター るほろ
施 設 長
ファシリテーター
田村 満子
江東区こども発達センター
園
長
ファシリテーター
岸 良至
社会福祉法人こぐま福祉会
法人統括
ファシリテーター
あさひが丘学園
園
ファシリテーター
金丸 博一
嘉ノ海 令子
水流 純大
木場 由紀子
加藤 正仁
柏学園
総合療育センター ひまわり学園
うめだ・あけぼの学園
長
言語聴覚士
園
長
ファシリテーター
ファシリテーター
田中 真衣
厚生労働省 社会・援護局 障害保健福祉部
障害福祉課 障害児・発達障害者支援室
主査
サポーター
大西 延英
厚生労働省 社会・援護局 障害保健福祉部
障害福祉課 障害児・発達障害者支援室
障害児支援専門官
サポーター
演 習 1
「支援提供プロセスの管理の実際:事例研究①」
(アセスメント及び個別支援計画の作成)
【獲得目標】
アセスメントや個別支援計画の作成に関する知識と技術を習得する。
【内 容】
受講者には、事前課題として、事例の概要を読み込んで演習に臨む。グループ内でそ
の共有を図るとともに、個別支援計画の作成のための演習を行う。
【研修企画運営のポイント】
□ 演習がスムースに進行出来るよう、アイスブレイクも疎かにしない。
□ 事前課題の事例選定等、十分な準備を行い実施する。
□ 演習1の目的・手順を明確にして演習に入る。
□ 本人の状態やニーズの把握というアセスメントと支援の課題整理に演習の力点を置く。
□ 個別支援計画の作成には、十分なアセスメントと支援の課題整理が必要であることを
明確にする。
第2日目午後
演習1の進行
3時間
13:10
13:30
(1)
14:00
(2)
ア
イ自
ス己
ブ
レ紹
イ介
ク
・事例の概要説明
・アセスメントと課題の整理
15:30
(3)
個別支援計画の作成
(1)アイスブレイクと自己紹介(20分)
(2)事例の概要説明とアセスメントと課題の整理(30分)
①事例の概要を説明する(若干の質疑応答、情報収集を含む)
②アセスメント内容の確認と課題についての整理
(3)個別支援計画の作成(90分)
①短期目標、到達目標、長期目標などの目標設定
②時間軸(支援提供期間)等の設定
③基本的な支援方針の策定
(4)個別支援計画に関する全体発表と意見交換(40分)
①各グループからのプレゼンテーション
②個別支援計画に関する質疑とコメント
16:10
(4)
全体発表と意見交換
(1)アイスブレイクと自己紹介
13:10~13:30(20分)
①演習を進めるにあたって、場の雰囲気を
和らげる
②グループ内で、氏名、職場、業務内容等
について自己紹介をする
アイスブレイクとは
会議前
カチ、カチ
会議前のウォーミングアップ
心ほぐし
イチ、ニイ
イチ、ニイ
身体ほぐし
お互いの不安や緊張をほぐし
参加者同士の関係性に変化を生み出す
【アイスブレイクのねらい】
お互いの不安や緊張をほぐす
参加者同士の出会いを促進する
参加者の主体性を引き出す
参加者同士の協働関係をつくる
“いま、ここ”に意識を集中する
会議テーマへのモチベーションを高める
アイスブレイクの効用
①身体の動きを取り入れると心身の
リラックスを促す
他人の発言を受け入れやすくなる
アイディアが出しやすくなる
②お互いに知ることで、相手に対する関心が高まる
前向きなエネルギーを引き出しやすい
③チームの一体感を高める
創造的で学び合える関係、参加者間の持続的な
協働関係をつくることができる
アイスブレイクは、本編へのつなぎ
楽しいだけではNG!!
スムーズな流れで移行できるように創ること!!
アイスブレイクが、会議の成功の9割を握る!
本編に関係のあるゴールにする
適切な時間であること
シンプルな内容であること
全員が参加できること
一緒にやろうぜ
パワー
(2)事例概要の説明と
アセスメントとニーズの整理
13:30~14:30(60分)
①事例の概要についての説明(10分)
②内容の確認および課題を領域(項目)別に
整理(50分)
情報提供① センターで聞き取り
4歳0か月時点
基礎情報(成育歴)
U ちゃん
母乳 ・ 混合 ・ 人工 (哺乳力) 普通 ・ 弱
栄養法
(断乳)1歳8ヶ月 (離乳食)10ヶ月~ 3歳6ヶ月
診断
軽度左片麻痺、精神運動発達遅滞
運動
発達
その他
首座り
寝返り
おすわり
はいはい
つかまり立ち
つたい歩き
ひとり歩き
身体障害者手帳 1級
療育手帳 A
精神
1
1
1
1
2
2
9ヶ月
歳 1ヶ月
歳 4ヶ月
歳 9ヶ月
歳 9ヶ月
歳 0ヶ月
歳11ヶ月
微笑み
人見知り
指差し
動作模倣
指示理解
始語
二語文
2
3
4
3
手 当: 特児 ・福祉・その他
医療証: 乳 ・ その他
歳
歳
歳
歳
9ヶ月
0ヶ月
6ヶ月
0ヶ月
0ヶ月
未
未
情報提供② センターでの面接情報 4歳0か月時点
家族・家庭での様子
相談支援専門員の聞き取りとほぼ同様であったが、母親は今後の発達に漠然とした不安をもち本
児とのかかわり方がわからない様子。慣れている家庭での活発な状況と保育所での大人しい状況と
のギャップをどのようにとらえていいかがわからない様子。
弟の育児もあり、本児がいる時は極力自宅で過ごすようにしている。
母親が気になっていること
医療型児童発達支援センターでは、周りの子どもがあまり動かないので、本児の落ち着きなさが目
立って感じていたが、いまではそう感じない。保育所にはやっと慣れてきたようだが、大人しく、部屋の
真ん中で立ち止まってぼっとしていることがあるが、お友だちの誘いかけがないとどうしていいかわか
らない様子。
母親のニーズ
・どのように関わればいいかわからない
・コミュニケーションが取れない
・左手をつかわない
本児の様子
センターでは担任の近くにいることが多く、お友達の様子をしっかりと見ている。友達が遊んでいる
玩具をチラチラとみているが、近寄らない。気になる玩具(カラコロツリーなど)の転がるものや音が出
るもの)が空いているとすぐに近寄り遊ぶが、奪合われても取り返しにはいかない。手遊びなどは、保
育士の正面にいるとしっかり見ている。
新版K式検査
姿勢・運動1:6
認知適応2:3
言語・社会1:0
情報提供③ 子どもの状況
食事
4歳2か月時点
・右手回内握りでスプーンを使用できます。
・自分からお椀等に左手を添えることはないですが、一緒に手を添えるとしばらくは左手も使えま
す。
・食材を適当な大きさにすることはなく、すくえた物や刺さったものを全部口に入れます。大きいも
のは、手で口に押し込んでしまいます。
・お友達がお箸を使っていることに興味があり、握り箸ですがお箸で突き刺して使えます。
排泄
・日中はパンツで過ごしています。
・時間排泄の成功することが多いです。
・モジモジしながらズボンを触るときには、確実におしっこが出るようです。
・和式便座で排泄は、右に傾いてかがんでしまいます。
・洋式便器では、お尻がはまるので落ち着いて座れているようです。
着脱
・お友達が着替えていても、真似をするようなことはなく、大人からの働きかけが必要なようです。
・パンツやズボンは、下ろすきっかけを作ってあげるとそれから自分ですることは増えてます。
・左手は、服を持つ際に大人が誘導してあげると両手で服を扱えるようです。
あそび
・自由あそびでは自由に園庭を歩いていることが多く、特に好きな遊具や場所はまだ決まってな
いようです。
・ブランコは職員の膝の上に座ることやバケットタイプシートであれば、乗せてあげれば嫌がらな
いようです。
・ままごとなどでは、お友だちの行動をよく見ています。
・お集まりの時にお友達の様子や動いている人が気になるようです。体が落ち着くBOX椅子に座
集団参加 ると少し先生方をみれるようです。
・スタッフが手などを大きく動かすとそこに注目し、歌や手遊びの模倣ができるようです。
・離席してしまう時には、苦手な場面や嫌なときが多いようです。
対人・
・お友達と一緒に遊びたいという気持ちからお友達に近づいていく姿が見られます。
コミュニケー ・おもちゃのやり取りなどは、大人が間に入る必要があるようです。
ション
記入様式 1
№
発
達
支
援
家
族
支
援
地
域
連
携
発達ニーズ・意向等
の把握
課題の整理表
初期状態の評価
(利用者の状況
・環境の状況)
グループ
利用者名
支援者の気になること
・推測できること
(事例の強み・可能性)
さん
解決すべき課題
(3)個別支援計画の作成
14:00~15:30(90分)
①到達目標の設定
(長期目標や短期目標等)
②支援内容の設定
〈時間軸(支援提供期間)等を考慮〉
記入様式 2
グループ
個別支援計画
利用者名
○到達目標
作成年月日:
年
月
日
長期(内容、期間等)
短期(内容、期間等)
○具体的な到達目標及び支援計画等
具体的な
到達目標
項 目
支援内容
(内容・留意点等)
支援期間
(頻度・時間・期間等)
サービス提供機関
(提供者・担当者等)
優先
順位
総合的な支援方針
平成
年
月
日
利用者氏名
印
児童発達支援管理責任者
印
計画作成のポイント
•
•
•
•
障害児相談支援等に基づき個別支援計画を作成
本人や家族のニーズがきちんと反映されているか?
支援者側の押し付けになっていないか?
本人や家族を中心とした計画を、本人、家族と一緒に作っていく
過程こそが大切
→ 自分たちの支援計画をラフスケッチする力をつける
→ 自分たちの人生に責任を持つという視点
• 本人や家族が分かりやすい言葉で書く
• 支援内容を抽象的な言葉でごまかさない
(例 : 安定した生活、楽しい暮らし、薬がちゃんと飲めるように・・・etc)
• 具体的な目標、期間を設定する。数量化出来るように努める。
→ 定期的に評価を行う
• 小さなステップを踏むような計画になっているか
• 本人や家族が出来ることは、やらない
(4)個別支援計画に関する全体発表
発表に対する質疑応答と総括(意見交換)
15:30~16:10(40分)
①作成した個別支援計画を各グループから発表
②各グループの個別支援計画に関する発表に対
する意見交換、質疑
演習2
「模範支援会議」
(児童発達支援管理責任者の役割の体験的理解)
【獲得目標】
演習を通して、個別支援会議の運営、支援提供プロセス全般における児童の支援に従
事する者への指導助言などマネジメント方法に関する知識と技術を習得する。更に関係
機関との連携(地域自立支援協議会への参画)等、児童発達支援管理責任者の業務と
役割について再確認する。
【内 容】
演習を通して、児童発達支援管理責任者が行うべき業務と役割について、建設的・発
展的に検証する。その際、(1)支援プロセスの管理、(2)児童の支援に従事する職員へ
の指導助言、(3)関係機関との連携の3つのポイントにより行う。
【研修企画運営のポイント】
□ 演習の目的・手順を明確にして演習に入る。
□ 模擬会議演習の意味づけ(時間軸とストーリーの確認)を明確にし、支援者へのマネ
ジメントのポイントも確認する。
第2日目午後
演習2の進行
1時 間
16:20
17:30
模擬支援会議
(ロールプレイ)
模擬支援会議[ロールプレイ](70分)
・ ガイダンス(ロールプレイの目標、説明)
・ ロールプレイの実施
・ 振り返り
(1) 模擬支援会議(ロールプレイ)
16:20~17:30(70分)
本人及び家族に生じている新たな課題について確認し、
今後の支援の方向性について検討する。
・ロールプレイに関する説明(10分)
・グループごとに場面を確認し、目的を明確にし、役割を決定する(10分)
・ロールプレイの実施(20分)
・ロールプレイが終了した後のフィードバック(20分)
*児童発達支援管理責任者の役割や機能、本人の気持ちなどについて、児童発達支援管
理責任者役、本人役、観察者などから意見や感想を述べてもらいグループとしてフィード
バックする。
個別の支援会議の種類
(1) 支援者会議 【深める支援会議】
事業所内で行われる児童の支援に当たる職員等が出席する会議。支援利
用計画の作成・変更・修正のために、発達状況や家族のニーズ等の確認を行
うとともに、支援方針等について検討する。中間評価では、支援計画の達成状
況の確認を行うとともに、達成されない場合の原因の分析及び今後の対応に
ついて検討する。また、新たな発達ニーズ、家族のニーズなども確認する。
(2) 連携会議 【つながる支援会議】
① 複数機関の支援担当者会議
保育所や移動支援など、同時に複数のサービスを利用している場合の対
応等の情報共有、役割分担等について確認する会議
② 移行支援会議
保育所や学校等への移行を円滑に実施するための会議
③ 新たなニーズに対する支援検討会議
本人及び家族に生じている新たな課題について確認し、今後の支援の方
向性について検討する。
④ 支援利用計画(トータルプラン)のための会議
生活全体を支援する支援利用計画作成のための会議
ロールプレイの設定
目的: 個別支援計画の作成・実施後に発生した
課題に対応するための個別支援会議(家族
支援のための地域連携会議)
内容: 本人及び家族に生じている新たな課題に
ついて確認し、今後の支援の方向性につい
て検討する会議とする。
ロールプレイについて(概要)
1.ロールプレイとは
・ 現実に起こる場面を想定して、複数の人がそれぞれ役を演じ、疑似体験を通じて、ある
事柄が実際に起こったときに適切に対応できるようにする学習方法の一つである。
・ 学習者は、役割を演じなければならないが、演じ方はたいてい演者の自由である。
・ 対人関係や態度・行動を通して行われる学習に用いられる。
2.ロールプレイのメリット
・ 意志決定過程にみられるような物事のプロセスについて学ぶ可能性が高くなる。
3.ロールプレイの方法
1)事前準備
・ シナリオ:準備の段階でシナリオを作成するか、役割だけを決めて自由に行うか、目的
によって決定する。
・ 時間:決まっているわけではない
・ オリエンテーション:実施する前に学習者にその目的を十分に説明する。
2)実施
・ 実施中にロールプレイをビデオに録画しておけば、後で見直すことができる。
3)フィードバック
・ ロールプレイ終了後、気づきや学びを話し合うことで、学習を深め、広げることが大切
ロールプレイ(ロールプレイイング)の目的
日常生活の中で、人は必ず様々な役割を背負って暮らしていることを考えますと、人生は
まさにドラマと言えます。その中で、常に同じような役割ばかりをこなしていますと、新たな人
間関係を作り出すことは大変難しくなります。
ロールプレイとは、参加者が自由な雰囲気の中で、あるテーマについて即興的に役割を演
じ、協同して、役割行動の変容を図るもので、日常生活におけるそれぞれの役割を見直し、新
しい状況に応じられるようになることを目的としています。
(1) 日常生活における自分の役割を見直し、日常生活での課題を解決する手がかりを得る。
(2) 参加者全員が、感情の解放をします。
(3) 新しい、突発的な状況に応ずることができます。
したがって、ロールプレイは日常生活のリハーサルとも言えるでしょう。参加者はうまく演ず
る必要はありません。大切なのは、いかに自分なりに自発性を発揮して演ずるかです。
自発性が回復されれば、ロールプレイでの新鮮な役割体験は、新しい役割を日常生活に
取り入れる原動力となります。
自発性とは、新しい状況においても、周囲と自分自身にとって、より適切な、望ましい対応
ができるということです。一般に、人は、新しい状況に対しては、他人の意見や自分の既有の
体験をよりどころとして対応してしまいがちです。自発性は、そのような自分の外側から規制し
てしまうのではなく、自然に自分の中から自分を動かしていくことです。
自発性は、まず役割をとること(役割取得)から、自発的に個性的に演ずること(役割演技)、
さらに、新しい役割を創造すること(役割創造)へと段階的に高まっていきます。
ロールプレイを行う上での注意
1) ロールプレイを理解しているファシリテーターをグループごとに配置すること
2) 事前準備(オリエンテーション):参加者が主体的に関われるように情報や知識の整理
3) 役割別の準備:各役割ごとに自分たちの役作りを行い,場面設定を話し合う
4) 役割演技・討議:役になりきって演ずる。時間内で場面を変えて複数回実施しても良い
5) 誰か一人が時間を占領しないこと
6) 振り返り(フィードバック):必ず自分の役やほかの役について感じたこと、考えたこと
を振り返る時間をとり、ロールプレイの後,他の人へ感情・しこりが残らないよう配慮
〈時間配分の参考例〉
1) 知識の整理(5分)
2) ロールプレイの実施
①役割別の準備(5分)
②1回目の演技(15分):個別支援会議の準備の支援者だけの話し合い
振り返り(5分)
③2回目の演技(15分):本人や家族も含めた関係者が参加した個別支援会議
振り返り(5分)
ロールプレイ(役割演技)演習の手順
1 変更要因、課題、会議の目的の確認
2 会議参加者(役割)の選定
3 配役(キャスティング)
4 配置・席順の決定
5 ロールプレイ(役割演技)の実施
6 振り返り(フィードバック)
ロールプレイの配役
何のために会議を開催するのかを明確にする。
(→ 今回は、家族状況の変化に伴う関係機関との連携が必要になり、解決に向け
た検討会議とします。)
どういう関係機関、関係者を招集するかについては、問題の所
在や目的を明確にした上で、児童発達支援管理責任者を中心に
選定する。
児童発達支援管理責任者
児童指導員
保育士
行政職員・児相等
管理者
相談支援専門員
母親
Aさん本人
ロールプレイ演習に入る前の課題の検討
-支援計画の中間評価や変更時の修正のポイント一定期間ごとの見直しはもちろんだが、支援をしていく中で
計画を見直す必要が出てくる場合があります。
ロールプレイを実施するにあたり、モニタリング情報、修正し
た個別支援計画等を提示しておき、変更要因等に関して、事
前に受講者の皆さんで検討してもらうようにすると、様々な意
見も出やすく、ロールプレイに入っていく上で、よりリアリィー
のある演習が行えるようになります。
発達状況や家族状況を確認し、どういう課題が発生したの
か、その課題を解決するには、どのような連携が必要である
のかを、テーマを絞った上で、ロールプレイ演習を通して体験
してもらいます。
ロールプレイ 想定資料(参考)
・通園施設W園 児童発達支援管理責任者
・相談支援専門員
・市教育委員会
(会議の司会者・進行役)
(対象となる子どもについて、在宅福祉サービスの利用を提案する。)
(対象となる子どもの姉の就学相談での評価と、就学に向けての意見を言う。
・特別支援教育コーディネーター (入所施設から学校に通う子どもの、個別支援計画の連携について意見を述べる)
・市保健福祉課
・市保健師
(対象となる子どもについて、在宅福祉サービスの利用に関してどれだけの支給が可能か、または
相談支援専門員や児童発達支援管理責任者からの提案に対して答えていく)
(保健師としてこれまで関わってきたことの話と、今後どのような支援が保健師としてできるかについて話
をする。)
・医療機関 ケースワーカー
(医療機関がこれまで関わってきたこと、本人の医学的所見について意見を述べる)
・E居宅介護事業所 サービス提供責任者 (事業所としてどのようなサービスの提供ができるかを話す。または、まだ
在宅福祉サービスを利用したことがないケースだけに、事業所が実施していることを紹介していく)
・H居宅介護事業所 サービス提供責任者 (基本的には上記Sさんと同じではあるが、E事業所と違って、ドライブに
連れていけるであるとか、別のメニューを提案していく。)
・地域生活支援センター 精神保健福祉士 (母親の状態を考えながら、母親の気持ちに寄り添った意見を言っていく
。母親の気持ちを会議の中でさらに引き出していく役割も担ってはどうか?)
・短期入所事業所
・N幼稚園 園長
Y園
サービス管理責任者
(短期入所のサービスを勧める役割。)
(対象となる子どもの姉が通っている園の園長。園の様子を報告する。)
・児童相談所 児童福祉司 (会議の流れによって、意見を求められる役割。場合により入所措置についての話もする)
・市社会福祉協議会 地域福祉課 (社会福祉協議会のヘルパーを派遣していくことについて、どんなことができるの
かの提案をしていく。)
・民生委員 主任児童委員 (地域の中で応援できること、通園における送迎などの応援などを提案していく。母親を
励ます立場。)
・通園施設W園 園長(対象となる子どもの園での状態の報告。また、母親の気持ちを代弁していく役割。)
ロールプレイ検討資料(配役表)
設
役
定
名
(利用者本人)
母
親
児童発達支援
管理責任者
相談支援専門員
役
柄
配役(氏名を記入)
振り返り(フィードバック)
17:00~17:20(20分)
役割を演じて体験したこと考えたことを全員が言葉にして分かち
合う。
…例えば
・ ○○役として、自分自身が感じたこと…
・ ○○役として、他者の役について、いつもの自分とは感じ方、見方、考
え方が違ったところ…
・ ○○役として、△△役に言動に抱いた感情……等
⇒演技であっても、思ったより内面が動かされることを経験する。
その内面のざわつき、揺れ、感情的な反応を表現し共有するこ
とでロールプレイによる気付きは深くなる。その気付きが会議
の機能を上げていく。
⇒分かち合うことで、役から離れられる(終わることが出来る)効果
もあるので時間がなくても必ず最後に行いましょう。
ロールプレイ振り返り整理表
役
名
(利用者本人)
母親
児童発達支援管理
責任者
相談支援専門員
振 り 返 り
演 習 3
「支援提供プロセスの管理の実際」
(モニタリングと個別支援計画の修正・変更)
【獲得目標】
「演習1」において使用したものと同じ事例を用い、追加情報に基づく中間評価と計画
の修正について、模擬支援会議で確認するとともに各グループで討議しながら計画を
修正する。(中期及び終期個別支援計画を作成する。)
【内 容】
• 支援開始後の中間評価(モニタリング)結果を踏まえ、再アセスメントし個別
支援計画を適切に修正
• 終了時の帰結を想定し、終了時評価を作成
【研修企画運営のポイント】
□
□
□
□
□
演習1で用いた事例と同様の事例を用い、中間評価結果を提示する
モニタリングによる個別支援計画の修正・変更に演習の力点を置く
状況やニーズの変化を捉え、適切な支援内容へ修正が必要なことを学ぶ
中間評価を踏まえ、中期個別支援計画を作成する
事業所として他機関との連携、質の向上に関する手立てにも視点を当てる
□ 事例の帰結を想定し、終了時評価までを作成することで、支援内容の振り
返りができるようにする
第3日目午前
演習3の進行
2時間
9:00
9:05
(1)
ガ
イ
ダ
ン
ス
10:15
10:50
(2)
(3)
課題の整理(中間評価)
個別支援計画の修正
全体発表
(1)ガイダンス(5分)
演習3の説明
(2)演習内容の確認と課題の整理(中間評価)と個別支援計画の修正 (70分)
① 中間評価に関する概要説明
② 発達状況、ニーズの変化、提供してきた支援内容等の確認(中間評価)を行う。
③ 目標設定や期間設定、支援内容の変更・修正の検討
④ 計画の再設定
(3)個別支援計画修正に関する全体発表(35分)
グループからのプレゼンテーション
(1)演習ガイダンスと役割分担
9:00~9:05(5分)
①演習3の進め方、留意事項の説明
(2) 課題の整理(中間評価)と
個別支援計画の修正
9:05 ~ 10:15(70分)
①6か月後のモニタリング結果に基づき、支援の評
価(中間評価)を行い、支援内容の分析、新たなニ
ーズの確認を行う。
②個別支援計画の変更・修正を行う。
・目標設定や期間設定、支援内容の変更・修正の検討
・計画の再設定
情報提供④ 面接記録
4歳8か月時点の記録
家族・家庭での様子
弟と遊ぶ場面が増え、2人でおもちゃのやり取りをしている。主導権は弟だが、なんとなくほんわかと
楽しそうな雰囲気で過ごす。
父親が仕事から帰ってくると2人の遊びに入ったり、姉弟でダイナミックな遊びをせがむことがある。
祖父母も敬老の日の参観に来てくれたり、遊び相手になってくれるようにはなった。
母親が気になっていること
保育園では相変わらず大人しいが、お友だちの動きについていくことが増えた。自分から動き始める
ことはあまりなく、誘われて遊ぶことが多い。
場所や周りの雰囲気、お友達の関わり次第で、本児の様子が変わる。
言葉が出ないので、どうにかして自分の気持ちを伝える方法を持てないだろうか。
児童発達支援センターでは、自由に遊んでいるように見える。先生への要求などは増えているよう
だが、強くは求めていない。
本児の様子
場面等については、初めの印象で活動を決めているみたいである。ウロウロもかなり探索的で、物
がある場所などはよく知っている。保育所での過ごし方を再考することでもっと本人らしく活動できるの
ではないかと思える。
新版K式検査
姿勢・運動2:0
認知適応3:0
言語・社会1:3
情報提供⑤ 子どもの状況
食事
4歳8か月時点
・持ち方や操作に不安定なところもありますが、改良スプーンを使用し、自分で食べることが出来
ています。
・お箸に対する興味も高くなっており、エジソン箸でチャレンジする場面が見られます。
・食べたいもの、すくうものを明確にして、道具を使用できるようです。
排泄
・日中はパンツで過ごしています。
・時間排泄の成功はほぼ確実です。
・一連の動作も自分から行えています。
・和式で排泄をする際、姿勢の不安定さが見られます。
・「シー」とズボンを触り、自分からおしっこを伝えることがあります。
着脱
・大人の関わりが必要ですが、左右の手を通すことや頭通すことは出来ています。
・トイレでのパンツやズボンを脱ぐことは成功していますが、部屋での替えは動作開始時の誘導
が必要なようです。
あそび
・自由あそびでは園庭を歩くことは好きですが、特にうさぎを見にいくことが好きです。
・ブランコは好きで、乗りたがります。持ち手を持続的に握ることは難しいですが、(特に左手がは
ずれてバランスを崩してしまう)短い時間であればバランスを取り、一人で乗ることが出来ていま
す。
・ままごとなどでは、お友だちの行動をよく見て真似、大人やお友だちに渡すことがあります。
集団参加
・お集まりでは離席をすることもありますがBOX椅子に座り、参加できています。
・スタッフに注目し、歌や手遊びの模倣が増えてきました。
・嫌なときは「嫌だ」と言葉で相手に伝えることが出来ます。
対人・
コミュニケー ・お友達に「貸して」を伝えることが難しいときもありますが、一緒に遊びたいという気持ちからお
友達に近づいていく姿が見られます。
ション
(参考様式)
個別支援計画の中間評価
利用者名
到達目標
達成状況の評価
1
達成 ほぼ達成 未達成
2
達成 ほぼ達成 未達成
3
達成 ほぼ達成 未達成
4
達成 ほぼ達成 未達成
5
達成 ほぼ達成 未達成
6
達成 ほぼ達成 未達成
達成されない原因の分析
今後の対応(支援内容・方法の変更等)
(参考様式)
中間評価のための確認表
中間時の評価等
(1)当初目標の達成状況とそれに要した期間
(2)次のステップとして本人、保護者が希望する生活等とその後の実際
①
本人、保護者の希望
②
評価時の実際の生活状況
(3)サービス提供事業者との連携状況
個別支援計画
記入様式 3
利用者名
○到達目標
グループ
作成年月日:
年
月
日
長期(内容、期間等)
短期(内容、期間等)
○具体的な到達目標及び支援計画等
具体的な
到達目標
項 目
支援内容
(内容・留意点等)
支援期間
(頻度・時間・期間等)
サービス提供機関
(提供者・担当者等)
優先
順位
総合的な支援方針
平成
年
月
日
利用者氏名
印
児童発達支援管理責任者
印
グループ討議
「マネジメントの実際」
(児童発達支援管理責任者の役割と業務の検討)
【獲得目標】
演習・討議を通して、個別支援会議の運営、支援提供プロセス全般における児童の支
援に従事する者への指導助言などマネジメント方法に関する知識と技術を習得する。更
に関係機関との連携(地域自立支援協議会への参画)等、児童発達支援管理責任者の
業務と役割について再確認する。
【内 容】
演習・討議を通して、児童発達支援管理責任者が行うべき業務と役割について、建設
的・発展的に検証する。その際、(1)支援プロセスの管理、(2)児童の支援に従事する職
員への指導助言、(3)関係機関との連携の3つのポイントにより行う。
【研修企画運営のポイント】
□ 討議の目的・手順を明確にしてグループ討議に入る。
□ 事前課題の事業所評価について、報告を行い、今後の課題について討議を行い、業
務と役割を再確認するとともに、今後の参考とする。
□ 各地域での独自の取り組みを情報交換し、今後の参考とする。
□ 研修者自身の今までの仕事を振り返り、今後の仕事に繋げられるよう、児童発達支
援管理責任者としての自覚を促す。
第3日目午前・午後
グループ討議の進行
2時 間
11:00
12:00
(1)
児童発達支援管理責任者の
役割について検討
13:00 13:20
(1)続
昼食
13:35
14:00
(2)
(3)
全体発表
総括
(1)児童発達支援管理責任者の役割についての検討(80分)
・ ガイダンス(演習の目的、進め方について説明)。各グループで役割決定[進行・記録・発表]
・ 「支援内容」と「マネジメント内容」の両面からそれぞれのポイントを確認する
・ 事例検討を通してそのプロセスを発展的な観点から検証する
・ 児童発達支援管理責任者としての役割として事業のマネジメントを検証する。関係機関との連携、会議運営、
人材養成等のあり方について検証する
(2)全体発表(15分)
(3)総括(20分)
・ 研修全体を振り返り、講師陣によるコメント
(1)児童発達支援管理責任者の役割の検討
11:00~13:20(80分)
事前課題の参加者が作成してきた事業所評価について、グ
ループ内で、報告・検討を行う。
今後の課題を各参加者が報告し、児童発達支援管理責任者の役割について検
討を行い、どんな課題と視点が必要かを発展的に検証
(2)児童発達支援管理責任者の役割
についての全体発表 13:20~13:35(15分)
①3つほどのグループからのプレゼンテーション
②児童発達支援管理責任者の役割に関する意見交換、質疑とコメント
参考様式
今後の課題としていることで、貴事業所が(個人的な思いで可)最も重視していこうとしていることは
どんなことでしょうか。優先順位の高い順番で少なくとも3項目以上ご記入してください。
優先順位
1
2
3
4
5
事業所としての重点的な今後の課題
参考様式
児童発達支援管理責任者の役割(まとめ)
グループ
児童発達支援管理責任者の
事項
備考
留意すべき視点
支援過程
相談~計画~
モニタリング~
再計画~終結
研修
会議運営
連絡調整
その他
具体的役割
(参考)児童発達支援管理責任者の業務整理表①
業務内容
(1)支援プロセスの管理
見学案内
アセスメント
家族面談
支援計画の作成
支援計画案の修正
利用者・家族への支援計画の説明
モニタリング
支援の進行管理
個別支援会議の開催・運営
取組状況
課題
ウエイト
(参考)児童発達支援管理責任者の業務整理表②
業務内容
(2)事業管理
利用者数の適正化
利用期間の適正化
第三者評価の導入
利用者満足度調査の実施
経営への参画
事業展開への提案
リスクマネジメント
苦情受付責任者
取組状況
課題
ウエイト
(参考)児童発達支援管理責任者の業務整理表③
業務内容
(3)支援に従事する者への指導助言
利用者面接への同席
家族面接への同席
アセスメントへの指導と助言
課題の整理への指導と助言
支援計画作成への指導と助言
モニタリング
支援の進捗への助言
個別支援会議の開催・運営
研修の企画・実施(運営)
スーパーバイズ等の活用
取組状況
課題
ウエイト
(参考)児童発達支援管理責任者の業務整理表④
業務内容
(4)関係機関との連携
個別支援会議への出席
次ステージへの引継支援
自立支援協議会への参画
地域での連携事業への協力
施設見学・実習の受入れ
地域や他機関への事業PR
地域住民への普及啓発
社会資源の創出
取組状況
課題
ウエイト
(3)総括
13:35~14:00(25分)
① 講師陣によるコメント
② 講義や演習を通して、3日間の研修を総括し、
児童発達支援管理責任者の役割について再度確認
講師・参加者相互のエンパワメントにより、今後の活躍を確認
児童発達支援管理責任者業務の要点整理
児童発達支援管理責任者となる方へ
「今だって大変なのに、そんな大変なこと
自分にできる訳ない…」と思われがちな
児童発達支援管理業務。
しかし、利用者への直接支援だけではな
く、人材育成、事業所運営、さらに地域
社会へと活躍が期待されるとてもやりが
いがある仕事です。
管理者となったからには、事業所内部か
ら関係機関へ、そして地域社会へと目を
向け足を運びましょう。
児童発達支援管理責任者業務の要点整理
児童発達支援管理責任者の業務整理
外部の関係機関
地域社会
(地域自立協議会)
事業所内
①支援プロセス ・進行管理 ・課題の整理 ・個別支援計画の修正
の管理
②職員への
指導助言
・指導と助言 ・人材育成
・質の向上
③関係機関と
の連携
・連携の要
・地域社会への発信
・社会資源の創出
④その他
・利用者満足度の向上
・第三者評価の導入
など
児童発達支援管理責任者業務の要点整理
①支援プロセスの管理
●進行管理
・支援計画と時間軸はセットで提供
・時間軸の妥当性のチェックとタイムキーパー役
・ゴール設定(長期目標と短期目標)の妥当性のチェック
●個別支援会議の開催
●支援課題の整理と大方針の設定
●個別支援計画の作成または管理(←最も重要!!)
・児童発達支援管理責任者には最終的な責任がある。署名と
押印で責任の明確化を!
⇒個別支援の質を担保する役割
児童発達支援管理責任者業務の要点整理
②支援に当たる者への指導助言
●適宜のスーパーバイズ
●「個別支援会議(事業所内カンファレンス)」の進行役として、議
論を深める
●「支援利用計画書」に基づく、事業所としての「個別支援計画」
の作成
●研修等で off the job trainingを行う
●利用者面接、家族面接、見学案内に同席する等
On the Job Trainingを行う
…やってみせ、言って聞かせて、させてみて、 ほめてやらねば人は動かじ。話し合い、
耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。やっている、姿を感謝で見守って、
信頼せねば、人は実らず…。 山本五十六
児童発達支援管理責任者業務の要点整理
③関係機関との連携(その1)
●「支援担当者会議(支援利用計画作成会義)」への参加
・相談支援専門員と連携し、支援チームによるネットワーク構築
に寄与
⇒「障害児支援利用計画書」をもとに「個別支援計画」を作成するこ
とで、地域や外部につながる支援になっていく
●必要に応じて、児童相談所と連携
・虐待児童の支援に当たって、共通認識を持って対応
顔の見える関係の“顔”になるってことですね!
児童発達支援管理責任者業務の要点整理
③関係機関との連携(その2)
●自立支援協議会への参画 例えば…
・必要な支援が福祉計画に盛り込まれるように働き掛ける(ボト
ムアップ)、
・地域の工夫と知恵で、足りない資源を創出する、
・事例検討会を定例化し、地域の課題を地域で解決する仕組
みを作る、
・事業所の顔として地域活動や行事に積極的かつまめに参加
し、利用者が地域に溶け込む呼び水となる、
・事業の対象や効果を外部に解り易く説明し、PRする…
⇒事業所、利用者、障害者を地域社会へつなげる役割
児童発達支援管理責任者業務の要点整理
④その他
●利用者満足度調査の実施
・支援者の自己満足に陥らないよう“利用者満足度”に注目し
て事業所を見直す
●第三者評価の導入
・客観的な評価に基づく質の向上へ
グループ討議
理想の児童発達支援
管理責任者イメージを
共有するためにグルー
プ討議…
各自治体ではどんな演習を実
施しているのかについて情報交
換を行う。
意外なご当地ネタが地元での演
習企画のヒントになるかも……?
業務のウエイトを
円グラフで表現し
てみる…
「児童発達支援管
理責任者とは?」
をテーマにグルー
プ毎に自由にプレ
ゼンテーション…
「チェックリスト」を
作成して各自で業
務を総括する個人
ワーク…
都道府県研修の企画運営にあたって
-都道府県研修を実施するための事前の準備-
• 講義と演習の重点ポイントを明確に示す
• 事前学習会などの実施
– 講師は教示すべき内容を理解する
– ロールプレイの事前学習を行う
– ファシリテーターの役割を確認する
• 演習事例は自前で準備する
• 演習の流れを意識したスケジュール(進行表)を
作成
• 受講者が主体的に参加出来る工夫を検討する
H21年度サービス管理責任者指導者研修資料を一部改編
(参考資料)
ファシリテーターを担っていただく皆さんへ・・・
参加者の心の動きや状況を見ながら、実際にプログラムを進行して行く人のことを
ファシリテーター(促進者)と呼びます。ファシリテーターの媒介によって、参加者の本
来的な学びが促進され、体験したことを次のステップへと、結びつけることが容易にな
ります。
ファシリテーターとして求められること
その人の力、グループの力を引き出すために、ファシリテーターとしては、以下のよ
うな視点を持つことが望まれます。
参加者の主体性を引き出すこと
知識と体験を統合できるような素材の提供をすること
体験をより大きな気づきへと導くこと
参加者自らが主体的に考えられるような援助をすること
状況を見ながら適切な“介入”を行うこと
ファシリテーターは指導者ではないので、全ての解答を用意している必要は
ありません。「葛藤を誘う場面を用意すること」と、「主体的な発言を促すこと」
ができる促進者の役割です。
H21年度サービス管理責任者指導者研修資料を一部改編
ファシリテーターが介入するということ
介入とは、何等かの意図をもって相手にかかわっていくプロセスのこと。たとえば、ロー
ルプレイが円滑に進行していない時、実施のルールが守られていない時、グループでの
課題達成が難しいと判断された時、ふりかえり・わかちあいが進んでいない時、参加者か
ら質問を受けた時、などが考えられます。
介入はあくまでもその立場でおこなわれるものであって、主体的な学びのプロセスを妨
げないように配慮してください。ファシリテーターとしては、何らかの目的や意図をもって
かかわっているので、つい自分の思いを達成したいあまりに、気づきを押し付けるような、
ある種の“操作”をしがちです。その意味では、介入とは「しなくてはならないこと」ではなく
て、「必要があった時にあえて行なうもの」と考えていいかもしれません。進行が自然であ
れば「何もしない介入」もあるという認識が大切です。
ファシリテーターの基本姿勢
参加者の主体性を尊重し、操作的な言動はつつしむこと。 どのような過程を経て現在の
討議があるのか・・・・・・といったプロセスが見えていること、または理解しようと努めること。
開放的な雰囲気作りを心がけること。 問題の解答を教えるのではなく、解決は参加者自
身にまかせること。
良き促進者とは、何でも教えてくれる人ではなくて、迷った時に解決までの道筋を、さり
げなく示してくれる人のこと。参加者自身の成長の姿に、陰ながら満足できる人のこ
と・・・・・・と言うことができます。
参考資料
「児童発達支援管理ワークショップ」
(児童発達支援管理責任者の役割検討ツール)
いくつかの問題解決手法の例
【発散法】
• 自由連想法: ブレインストーミング
自由に意見・アイディアを多く出して
(自由奔放、質より量等) 、質を上げる
【収束技法】
• 帰納法:KJ法、親和図法
• 因果法:特性要因図
出所:高橋誠(1979)『問題解決手法の知識』日経文庫
http://www2.dwc.doshisha.ac.jp/akatoh/shajoh/shakai04.files/frame.htm#slide0028.htm
○問題の原因を追求するには,特性要因図の他にも連関図や系統図を利用する方法がある
○原因の追求が十分できたら,今度は解決策の策定となる.これには系統図やマトリックス図を用いる方法がある
ブレインストーミング
・ 自由奔放:自由に意見・アイディアを出す
・ 質より量:多く出れば質も上がる。
・ 批判厳禁:他人の意見・アイディアを批判しない
・ 結合改善:他人の意見・アイディアに便乗して良い
アイディアにする。
http://www2.dwc.doshisha.ac.jp/akatoh/shajoh/shakai04.files/frame.htm#slide0028.htm より
K J 法
(→川喜多二郎氏が考案)
• 用意するもの:大きな紙とカード、ペン
• 手順
①意見・アイディアをカードに記入
②カードを小グループに分ける
③小グループの表題を作る
④小グループを大グループ化する
⑤大グループの表題をつける
⑥大グループ間の関係を線等で結ぶ
http://www2.dwc.doshisha.ac.jp/akatoh/shajoh/shakai04.files/frame.htm#slide0028.htm より
品質管理
品質管理の進め方は、一般に, Plan - Do - Check - Action (PDCA) の
サイクルを廻すこと
初歩的な品質管理の手法として良く使われる
QCの7つ道具
パレード図
特性要因図
ヒストグラム
グラフ/管理図
チェックシート
散布図
層別
新QC7つ道具
親和図法
連関図法
系統図法
マトリックス図法
マトリックス・データ解析法
アロー・ダイヤグラム法
PDPC法
http://www.shiojiri.ne.jp/~hnaka/hidehiko/qc-tech/qc.htm より
親和図法
-バラバラな情報から、問題点を確定させるための手法-
似たもの同士をグループ化することにより、問題の所在、形態を明らかにす
る
(作成手順)
1.作成者でテーマを決める
2. 自由な発言をカードに書く
3. 親和間でカードをグループ化し、
標識をつける
4. カードをクループ10くらいに
編成し、全体を図解する
http://www.cc.kyoto-su.ac.jp/circle/cac-club/Sysado/sysad1-5/nqc1.html
特性要因図の作成
Cause-and-Effect Diagram
(作成手順)
• 特性の決定
– 問題とする特性を決め、その特性と背骨を書く。
• 主たる要因を挙げ、大骨を入れる。
– 要因の原因を挙げ、中骨を入れる。具体的なデータが取れるようにな
るまで原因を掘り下げ、逐次小骨、孫骨を入れる。
なぜ○○なのか?××だから、を繰り返す。
• 原因の重み付け
– 重要な原因を枠で囲む。
• 原因の確認
– データが取れる原因まで掘り下げたか。
– 目的に合った表現か。
– 特性に関係のない原因が入っていないか。
宮川宏之「どこでどう使うQC手法」ブレーンダイナミックスより
特性要因図例
宮川宏之「どこでどう使うQC手法」ブレーンダイナミックスより
系統図例
宮川宏之「どこでどう使うQC手法」ブレーンダイナミックスより
マトリックス図例
宮川宏之「どこでどう使うQC手法」ブレーンダイナミックスより