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サービス管理責任者研修テキスト
分野別演習
「サービス提供プロセス
の管理に関する演習」
<児童(児童デイサービス)>
平成22年9月9日・10日
サービス提供プロセスの管理の実際(分野別演習)
(目 次)
1 分野別演習のねらい
2 分野別演習の概要
3 分野別演習の展開イメージ
4 演習の実施方法
(1)「サービス提供プロセスの管理の実際 :事例研究①」
(アセスメント及び個別支援計画の作成)
(2)「サービス提供プロセスの管理の実際 :事例研究②」
(モニタリングと個別支援計画の修正・変更)
(3)「サービス内容のチェックとマネジメントの実際:模擬会議」
(支援会議等を想定したサービス管理責任者の役割についての体験的理解
及びサービス管理責任者の観点から支援内容を発展的に検証)
1.分野別演習のねらい
・サービス提供プロセス全般の流れ(手順)について、事例を活用しながら検証す
る。
・アセスメント、目標設定、個別支援計画の作成、モニタリングや評価による支援
方針 の変更などに関する具体的な技術を習得する。
・サービス提供職員への助言や指導のあり方を理解し、助言・指導の方法を学ぶ。
(1) 研修受講者全員が主体的に参加する。
(2) 多様な職種の受講者間での意見交換により、幅広い視点を持つ。
(3) グループごとの結論を導くための協働作業を展開する。
(4) 司会進行、記録、発表等の役割を分担して担う。
(5) 効果的なプレゼンテーション技術を学ぶ。
(6) 他者への助言をする者としての配慮や深い洞察力を養う。
2.分野別演習の概要
1.「サービス提供プロセスの管理の実際 :事例研究①」
※ 事例に基づき、以下の項目に重点を置いて演習を展開。
・利用者像の適切な把握のために必要なアセスメントの実施
・時間軸に配慮した支援目標を含む個別支援計画の作成
・短期目標や到達すべき目標(ゴール)などの段階的な目標設定の必要性
2.「サービス提供プロセスの管理の実際:事例研究②」
※ 事例に基づき、以下の項目に重点を置いて演習を展開。
・モニタリングによるサービスの管理及び効果等の確認
・利用者像の適切な把握のために必要な再アセスメントの実施
・アセスメント結果に基づく個別支援計画の変更・修正
・次のステージへの移行を想定した終了時評価の実施
3.「サービス内容のチェックとマネジメントの実際:模擬会議」
※ 事例に基づき、以下の項目に重点を置いてロールプレイを実施。
・支援会議の場面を想定した会議の運営方法
・個別支援計画作成(修正)に際しての連携の持ち方
※ 演習を通じて、サービス管理責任者の役割、視点を振り返り、確認する。
児童分野の研修のポイント
(アセスメント等)
○ 適切な発達支援を行うために必要な発達評価(成育歴を含む)について認識を深める
必要がある。 → 発達の評価方法、活用等について理解を深める。
(発達障害支援に関する知識)
○ 増加する発達障害児の療育ニーズに対応できるよう発達障害のアセスメント、支援等
について、事例を通じながら認識を深める必要がある。 → 発達障害に関する知識
(チェックリスト等を活用した評価・支援方法を含む)について、理解を深める。
(家族支援)
○ 療育は、子ども支援だけでなく家族支援が重要である。障害受容等保護者の心情
に寄り添ったサポートについて認識を深める必要がある。 → 障害受容など家族の
心理機制について学習するとともに、家族のエンパワメント支援について理解を深め
る。
(関係機関との連携)
○ 児童期は、短期間でライフステージが交代し、関係機関も多岐にわたる。切れ目のな
い継続的な支援を行うためには、相談支援専門員をはじめ医療・保健・教育などの多くの
関係機関との連携が必要である。 → 切れ目のない継続した支援の必要について、理
解を深める。また、連携のカギとなる個別支援会議(移行会議等)の開催・運営について認
識を深める。また、地域の発達支援システム構築について検討する地域自立支援協議会
への参画の重要性について認識を深める。
3 演習の展開イメージ
・演習では、事例を用いてサービス提供プロセスの全般を扱う。
・個別支援計画の作成プロセス、中間評価と修正プログラムの必要性、効果を学ぶ。
・これらの演習を通して、事業所が組織的に取り組むべき課題に対するマネジメント(サー
ビス管理責任者の役割)について学ぶ。
一連のサービス提供プロセス
2日目午後
演習1
事例検討
個別支援計画作成のアセスメントや到達目標の設定などに重点
4時間
3日目午前
演習2
事例検討
モニタリング、再アセスメント後の個別支援計画の変更・修正に重点
2時間
※都道府県では3時間
3日目午後
演習3
3時間
総括ワーク
模擬支援会議により、サービス内容のチェック及び連携などに重点
サービス管理責任者の役割、視点を確認することに重点
4.演 習 の 実 施 方 法
(1)演習の方式
研修参加者全員が参加意識をもち、相互の意見交換により効率的に研
修効果を挙げるよう小グループで検討するバズセッション方式を基本とする。
(2)グループ構成と役割分担
受講者6~7名程度のグループに分けて実施。
また、各グループでは、演習ごとに司会進行、記録、発表の担当者を決める。
3つの演習は同一メンバーで実施する。
(3)演習スタッフ
講師となる演習スタッフは、全体進行と助言を担当する統括する演習リー
ダー1名、会場内で各グループに対する助言などサポートを担当するファシ
リテーターを配置する。
(4)プレゼンテーションと全体総括
各演習とも、途中で全体発表(プレゼンテーション)を実施し、グループ間
での意見交換と演習リーダーからの助言に基づいて総括を行う。
演習講師の役割分担
氏
名
加藤 正仁
加藤 淳
金丸 博一
所
属
役
職
演習の役割
うめだ・あけぼの学園
園
長
リーダー
(演習の統括)
発達センターちよだ
施 設 長
ファシリテーター
コーディネーター
ファシリテーター
柏学園
嘉ノ海 令子
あかしや学園
竹谷 志保子
うめだ・あけぼの学園
園
長
地域支援専門員
ファシリテーター
ファシリテーター
田村 満子
江東区こども発達センター
園
長
ファシリテーター
藤原 敦美
帯広児童養育センター
所
長
ファシリテーター
光真坊 浩史
厚生労働省 社会・援護局 障害保健福祉部
障害福祉課 地域移行・障害児支援室
障害児支援専門官
サポーター
演 習 1
「サービス提供プロセスの管理の実際:事例研究①」
(アセスメント及び個別支援計画の作成)
【獲得目標】
アセスメントや個別支援計画の作成に関する知識と技術を習得する。
【内 容】
受講者には、事前課題として、事例①の概要を読み込んだ上で、「支援のための課題
整理」を課す(指定様式)。グループ内でその共有を図るとともに、個別支援計画の作成
のための演習を行う。
【研修企画運営のポイント】
□ 演習がスムースに進行出来るよう、アイスブレイクも疎かにしない。
□ 事前課題の事例選定等、十分な準備を行い実施する。
□ 演習1の目的・手順を明確にして演習に入る。
□ 本人の状態やニーズの把握というアセスメントと支援の課題整理に演習の力点を置く。
□ 個別支援計画の作成には、十分なアセスメントと支援の課題整理が必要であることを
明確にする。
第2日目午後
演習1の進行
4時間
13:10 25 13:35
(1)
(2)
ア
イ自
ス己
ブ
レ紹
イ介
ク
ガ
イ
ダ
ン
ス
14:35 14:50
(3)
事例の概要説明
アセスメントと課題の整理
休
憩
(
15
分
)
16:10
(5)
(6)
個別支援計画
の作成
全体発表と
意見交換、
演習1の総括
ガイダンス
(演習2)
(2)演習方法のガイダンスと役割分担(10分)
①演習1~3進行に関するガイダンス(演習目標の確認)
②演習1~3の役割分担を行う
(3)事例の概要説明とアセスメントと課題の整理(60分)
①事例の概要を説明する(若干の質疑応答、情報収集を含む):10分
②アセスメント内容の確認と課題についての整理:50分
①短期目標、到達目標、長期目標などの目標設定
②時間軸(サービス提供期間)等の設定
③基本的な支援方針の策定
(5)個別支援計画に関する全体発表(60分)
①各グループからのプレゼンテーション
②個別支援計画に関する質疑とコメント
(6)演習2のガイダンス(20分)
①演習2のガイダンス
17:30
(4)
(1)アイスブレイクと自己紹介(15分)
(4)個別支援計画の作成(80分)
17:10
(1)アイスブレイクと自己紹介
13:10~13:25(15分)
①演習を進めるにあたって、場の雰囲気を
和らげる
②グループ内で、氏名、職場、業務内容等
について自己紹介をする
(2)演習ガイダンスと役割分担
13:25~13:35(10分)
①演習の進め方、留意事項の説明
②演習1~3の役割分担を行う
(3)事例概要の説明と
アセスメントとニーズの整理
13:35~15:05(60分)
①事例の概要についての説明(10分)
②内容の確認および課題を領域(項目)別に
整理(50分)
情報提供 1
相談受付とプロフィール
*(H20年4月の時点でのプロフィール 3歳3ヶ月時)
氏名
性別:男
診断名
医療情報
生育暦
本事業所利
用に到るま
での経過
家族構成
家族状況
利用状況
他機関との
連携
住居の状況
所見
情報提供 2
事例の説明
* H20年4月(3歳3ヶ月)時点の状況を、初回のアセスメントとします。
事例について
療育体制
について
事例における
平成19年度
(前年度)の
発達状況の概要
平成19年4月
(2歳時)の
母親のニーズ
平成20年4月
(3歳時)の
母親のニーズ
情報提供 3
事例の発達の状態
項目
状
態
項目
食事
排泄
着脱
睡眠
リズム
情緒
・
行動
認知
粗大
運動
微細
運動
言語
理解
言語
表出
対人
関係
集団
参加
描画
造形
音楽
リズム
興味
関心
平成20年4月時点の状況
状
態
提供情報 4
アセスメント結果
平成20年4月時点の状況
<心理評価>
使用検査:新版K式発達検査
歴年齢
全領域
(枠内数値は、発達指数。括弧内は発達年齢)
姿勢・運動
認知・適応
検査時の様子と所見
クラスの中での様子
言語・社会
記入様式 1
№
発
達
支
援
家
族
支
援
地
域
連
携
発達ニーズ・意向等
の把握
課題の整理表
初期状態の評価
(利用者の状況
・環境の状況)
グループ
利用者名
支援者の気になること
・推測できること
(事例の強み・可能性)
さん
解決すべき課題
(4)個別支援計画の作成
15:20~16:10(50分)
①到達目標の設定
(長期目標や短期目標等)
②支援内容の設定
(時間軸(サービス提供期間)等を考慮)
個別支援計画
記入様式 2
利用者名
○到達目標
グループ
作成年月日:
年
月
日
長期(内容、期間等)
短期(内容、期間等)
○具体的な到達目標及び支援計画等
具体的な
到達目標
項 目
支援内容
(内容・留意点等)
支援期間
(頻度・時間・期間等)
サービス提供機関
(提供者・担当者等)
優先
順位
総合的な支援方針
平成
年
月
日
利用者氏名
印
サービス管理責任者
印
(5)個別支援計画に関する全体発表
発表に対する質疑応答と総括(意見交換)
16:10~17:10(60分)
①作成した個別支援計画を各グループから発表
②各グループの個別支援計画に関する発表に対
する意見交換、質疑とコメント
(6)演習2のガイダンス
17:10~17:30(20分)
演習2についてのガイダンス
演 習 2
「サービス提供プロセスの管理の実際」
(モニタリングと個別支援計画の修正・変更)
【獲得目標】
「演習1」において使用したものと同じ事例を用い、追加情報に基づく中間評価と計画
の修正について、模擬会議で確認するとともに各グループで討議しながら計画を修正す
る。(中期及び終期個別支援計画を作成する。)
【内 容】
• サービス開始後の中間評価(モニタリング)結果を踏まえ、再アセスメントし
個別支援計画を適切に修正
• 終了時の帰結を想定し、終了時評価を作成
【研修企画運営のポイント】
□
□
□
□
□
演習1で用いた事例と同様の事例を用い、中間評価結果を提示する
モニタリングによる個別支援計画の修正・変更に演習の力点を置く
状況やニーズの変化を捉え、適切な支援内容へ修正が必要なことを学ぶ
中間評価を踏まえ、中期個別支援計画を作成する
事業所として他機関との連携、質の向上に関する手立てにも視点を当てる
□ 事例の帰結を想定し、終了時評価までを作成することで、支援内容の振り
返りができるようにする
第3日目午前
演習2の進行
2時間
(3時間)
8:30
10:30
10:00
(1)
課題の整理(中間評価)
個別支援計画の修正
(2)
(3)
模擬支援会議
(ロールプレイ)
全体発表
(1)演習内容の確認と課題の整理(中間評価)・個別支援計画の修正(90分)
①発達状況、ニーズの変化、提供してきたサービスの内容等の確認(中間評価)を行う。
②目標設定や期間設定、支援内容の変更・修正の検討
③計画の再設定
国の指導者養成研修では、演習2の
所要時間を3時間から2時間に短縮し
(2)模擬支援会議(60分)
ました。そのため、全体発表の時間を
①ロールプレイ演習の説明
演習3に、本来演習3で行うべき模擬会
②支援会議の設定(テーマ決め、役割の検討)
議を演習2で実施しています。
③ロールプレイの実施
④振り返り
都道府県研修では、演習2を「課題の
整理及び個別支援計画の修正」2時間、
(3)個別支援計画修正に関する全体発表(60分)
「全体発表」1時間の配分にし、「模擬
①各グループからのプレゼンテーション
支援会議」は告示カリキュラム通り、演
②個別支援計画修正・模擬支援会議に関する質疑とコメント
習3で実施してもいいでしょう。
(1) 課題の整理(中間評価)と
個別支援計画の修正
8:30~10:00(90分)
①6か月後のモニタリング結果に基づき、サービスの
評価(中間評価)を行い、支援内容の分析、新たな
ニーズの確認を行う。
②個別支援計画の変更・修正を行う。
・目標設定や期間設定、支援内容の変更・修正の検討
・計画の再設定
情報提供 5
個別支援計画の修正のためのモニタリングの情報
平成20年10月時点の状況
情報提供 6
個別支援計画の修正のためのモニタリングの情報
事例の発達の状態
平成20年10月時点の状況
項目
状
態
項目
食事
排泄
着脱
睡眠
リズム
情緒
・
行動
認知
粗大
運動
微細
運動
言語
理解
言語
表出
対人
関係
集団
参加
描画
造形
音楽
リズム
興味
関心
状
態
情報提供 7
個別支援計画の修正のためのモニタリングの情報
アセスメント結果
平成20年10月時点の状況
<心理評価>
使用検査:新版K式発達検査
歴年齢
全領域
(枠内数値は、発達指数。括弧内は発達年齢)
姿勢・運動
認知・適応
:
検査時の様子と所見
クラスの中での様子
言語・社会
(参考様式)
個別支援計画の中間評価
利用者名
到達目標
達成状況の評価
1
達成 ほぼ達成 未達成
2
達成 ほぼ達成 未達成
3
達成 ほぼ達成 未達成
4
達成 ほぼ達成 未達成
5
達成 ほぼ達成 未達成
6
達成 ほぼ達成 未達成
達成されない原因の分析
今後の対応(支援内容・方法の変更等)
(参考様式)
中間評価のための確認表
中間時の評価等
(1)当初目標の達成状況とそれに要した期間
(2)次のステップとして本人、保護者が希望する生活等とその後の実際
①
本人、保護者の希望
②
評価時の実際の生活状況
(3)サービス提供事業者との連携状況
個別支援計画
記入様式 3
利用者名
○到達目標
グループ
作成年月日:
年
月
日
長期(内容、期間等)
短期(内容、期間等)
○具体的な到達目標及び支援計画等
具体的な
到達目標
項 目
支援内容
(内容・留意点等)
支援期間
(頻度・時間・期間等)
サービス提供機関
(提供者・担当者等)
優先
順位
総合的な支援方針
平成
年
月
日
利用者氏名
印
サービス管理責任者
印
(2) 模擬支援会議(ロールプレイ)
10:10~11:10(60分)
①個別支援計画に基づく連携会議を開催する。
②本人及び家族に生じている新たな課題について確
認し、今後の支援の方向性について検討する。
・ロールプレイに関する説明(10分)
・グループごとに場面を確認し、目的を明確にし、役割を決定する(20分)
・ロールプレイの実施(15分)
・ロールプレイが終了した後のフィードバック(15分)
*サービス管理責任者の役割や機能、本人の気持ちなどについて、サービス管理責任者
役、本人役、観察者などから意見や感想を述べてもらいグループとしてフィードバックする。
個別の支援会議の種類
(1) 支援者会議
事業所内で行われるサービス提供職員等が出席する会議。サービス利用計
画の作成・変更・修正のために、発達状況や家族のニーズ等を確認をおこうと
ともに、支援方針等について検討する。中間評価では、支援計画の達成状況
の確認を行うとともに、達成されない場合の原因の分析及び今後の対応につ
いて検討する。また、新たな発達ニーズ、家族のニーズなども確認する。
(2) 連携会議
① 複数機関のサービス担当者会議
保育所や移動支援など、同時に複数のサービスを利用している場合の対
応等の情報共有、役割分担等について確認する会議
② 移行支援会議
保育所や学校等への移行を円滑に実施するための会議
③ 新たなニーズに対する支援検討会議
本人及び家族に生じている新たな課題について確認し、今後の支援の方
向性について検討する。
④ サービス利用計画(トータルプラン)のための会議
生活全体を支援するサービス利用計画作成のための会議
今回のロールプレイの設定
目的: 個別支援計画の修正後に位置付けられた
個別支援会議(家族支援のための地域連
携会議)
内容: 本人及び家族に生じている新たな課題に
ついて確認し、今後の支援の方向性につい
て検討する会議とする。
36
ロールプレイについて(概要)
1.ロールプレイとは
・ 現実に起こる場面を想定して、複数の人がそれぞれ役を演じ、疑似体験を通じて、ある
事柄が実際に起こったときに適切に対応できるようにする学習方法の一つである。
・ 学習者は、役割を演じなければならないが、演じ方はたいてい演者の自由である。
・ 対人関係や態度・行動を通して行われる学習に用いられる。
2.ロールプレイのメリット
・ 意志決定過程にみられるような物事のプロセスについて学ぶ可能性が高くなる。
3.ロールプレイの方法
1)事前準備
・ シナリオ:準備の段階でシナリオを作成するか、役割だけを決めて自由に行うか、目的
によって決定する。
・ 時間:決まっているわけではない
・ オリエンテーション:実施する前に学習者にその目的を十分に説明する。
2)実施
・ 実施中にロールプレイをビデオに録画しておけば、後で見直すことができる。
3)フィードバック
・ ロールプレイ終了後、気づきや学びを話し合うことで、学習を深め、広げることが大切
ロールプレイ(ロールプレイイング)の目的
日常生活の中で、人は必ず様々な役割を背負って暮らしていることを考えますと、人生は
まさにドラマと言えます。その中で、常に同じような役割ばかりをこなしていますと、新たな人
間関係を作り出すことは大変難しくなります。
ロールプレイとは、参加者が自由な雰囲気の中で、あるテーマについて即興的に役割を演
じ、協同して、役割行動の変容を図るもので、日常生活におけるそれぞれの役割を見直し、新
しい状況に応じられるようになることを目的としています。
(1) 日常生活における自分の役割を見直し、日常生活での課題を解決する手がかりを得る。
(2) 参加者全員が、感情の解放をします。
(3) 新しい、突発的な状況に応ずることができます。
したがって、ロールプレイは日常生活のリハーサルとも言えるでしょう。参加者はうまく演ず
る必要はありません。大切なのは、いかに自分なりに自発性を発揮して演ずるかです。
自発性が回復されれば、ロールプレイでの新鮮な役割体験は、新しい役割を日常生活に
取り入れる原動力となります。
自発性とは、新しい状況においても、周囲と自分自身にとって、より適切な、望ましい対応
ができるということです。一般に、人は、新しい状況に対しては、他人の意見や自分の既有の
体験をよりどころとして対応してしまいがちです。自発性は、そのような自分の外側から規制し
てしまうのではなく、自然に自分の中から自分を動かしていくことです。
自発性は、まず役割をとること(役割取得)から、自発的に個性的に演ずること(役割演技)、
さらに、新しい役割を創造すること(役割創造)へと段階的に高まっていきます。
ロールプレイを行う上での注意
1) ロールプレイを理解しているファシリテーターをグループごとに配置すること
2) 事前準備(オリエンテーション):参加者が主体的に関われるように情報や知識の整理
3) 役割別の準備:各役割ごとに自分たちの役作りを行い,場面設定を話し合う
4) 役割演技・討議:役になりきって演ずる。時間内で場面を変えて複数回実施しても良い
5) 誰か一人が時間を占領しないこと
6) 振り返り(フィードバック):必ず自分の役やほかの役について感じたこと、考えたこと
を振り返る時間をとり、ロールプレイの後,他の人へ感情・しこりが残らないよう配慮
〈時間配分の参考例〉
1) 知識の整理(5分)
2) ロールプレイの実施
①役割別の準備(5分)
②1回目の演技(15分):個別支援会議の準備の支援者だけの話し合い
振り返り(5分)
③2回目の演技(15分):本人や家族も含めた関係者が参加した個別支援会議
振り返り(5分)
ロールプレイ(役割演技)演習の手順
1 変更要因、課題、会議の目的の確認
2 会議参加者(役割)の選定
3 配役(キャスティング)
4 配置・席順の決定
5 ロールプレイ(役割演技)の実施
6 振り返り(フィードバック)
ロールプレイの配役
何のために会議を開催するのかを明確にする。
(→ 今回は、家族状況の変化に伴う関係機関との連携が必要になり、解決に向け
た検討会議とします。)
どういう関係機関、関係者を招集するかについては、問題の所
在や目的を明確にした上で、サービス管理責任者を中心
に選定する。
サービス管理責任者
児童指導員
保育士
行政職員
管理者
相談支援専門員
母親
Aさん本人
ロールプレイ演習に入る前の課題の検討
-支援計画の中間評価や変更時の修正のポイント一定期間ごとの見直しはもちろんだが、支援をしていく中で
計画を見直す必要が出てくる場合があります。
ロールプレイを実施するにあたり、モニタリング情報、修正し
た個別支援計画等を提示しておき、変更要因等に関して、事
前に受講者の皆さんで検討してもらうようにすると、様々な意
見も出やすく、ロールプレイに入っていく上で、よりリアリ
ティーのある演習が行えるようになります。
発達状況や家族状況を確認し、どういう課題が発生したの
か、その課題を解決するには、どのような連携が必要である
のかを、テーマを絞った上で、ロールプレイ演習を通して体験
してもらいます。
ロールプレイ
想定資料(参考)
(会議の司会者・進行役)
・通園施設W園 サービス管理責任者
・相談支援専門員
・市教育委員会
・市保健福祉課
・市保健師
(対象となる子どもについて、在宅福祉サービスの利用を提案する。)
(対象となる子どもの姉の就学相談での評価と、就学に向けての意見を言う。)
(対象となる子どもについて、在宅福祉サービスの利用に関してどれだけの支給が可能か
、または相談支援専門員やサービス管理責任者からの提案に対して答えていく)
(保健師としてこれまで関わってきたことの話と、今後どのような支援が保健師としてできるかに
ついて話をする。)
・医療機関 ケースワーカー
べる)
(医療機関がこれまで関わってきたこと、本人の医学的所見について意見を述
・E居宅介護事業所 サービス提供責任者 (事業所としてどのようなサービスの提供ができるかを話す。また
は、まだ在宅福祉サービスを利用したことがないケースだけに、事業所が実施していること
を紹介していく)
・H居宅介護事業所 サービス提供責任者 (基本的には上記Sさんと同じではあるが、E事業所と違って、ド
ライブに連れていけるであるとか、別のメニューを提案していく。)
・地域生活支援センター 精神保健福祉士 (母親の状態を考えながら、母親の気持ちに寄り添った意見を言
っていく。母親の気持ちを会議の中でさらに引き出していく役割も担ってはどうか?)
・短期入所事業所
・N幼稚園 園長
Y園
サービス管理責任者
(短期入所のサービスを勧める役割。)
(対象となる子どもの姉が通っている園の園長。園の様子を報告する。)
・児童相談所 相談員 (会議の流れによって、意見を求められる役割。場合により入所、措置についての話
もする)
・市社会福祉協議会 地域福祉課 (社会福祉協議会のヘルパーを派遣していくことについて、どんなことが
できるのかの提案をしていく。)
・民生委員 主任児童委員 (地域の中で応援できること、通園における送迎などの応援などを提案していく。
母親を励ます立場。)
ロールプレイ検討資料(配役表)
設
役
定
名
(利用者本人)
母
親
児童デイサービス
サービス管理責任者
相談支援専門員
役
柄
配役(氏名を記入)
振り返り(フィードバック)
役割を演じて体験したこと考えたことを全員が言葉にして分かち合
う。
…例えば
・ ○○役として、自分自身が感じたこと…
・ ○○役として、他者の役について、いつもの自分とは感じ方、
見方、考え方が違ったところ…
・ ○○役として、△△役に言動に抱いた感情……等
⇒演技であっても、思ったより内面が動かされることを経験する。そ
の内面のざわつき、揺れ、感情的な反応を表現し共有すること
でロールプレイによる気付きは深くなる。その気付きが会議の機
能を上げていく。
⇒分かち合うことで、役から離れられる(終わることが出来る)効果
もあるので時間がなくても必ず最後に行いましょう。
ロールプレイ振り返り整理表
役
名
(利用者本人)
母親
児童デイサービス
サービス管理責任者
相談支援専門員
振 り 返 り
演 習 3
「マネジメントの実際」
(サービス管理責任者の役割と業務の検討)
【獲得目標】
演習1と演習2を通して、模擬支援会議の運営、サービス提供プロセス全般におけるサ
ービス提供者の指導助言などマネジメント方法に関する知識と技術を習得する。更に関
係機関との連携(地域自立支援協議会への参画)等、サービス管理責任者の業務と役割
について再確認する。
【内 容】
演習を通して、サービス管理責任者が行うべき業務と役割について、建設的・発展的に
検証する。その際、(1)支援プロセスの管理、(2)サービス提供職員への指導助言、(3)
関係機関との連携の3つのポイントにより行う。
【研修企画運営のポイント】
□ 演習3の目的・手順を明確にして演習に入る。
□ 業務と役割の検証に際して、「実施出来た業務や役割」、「課題となった業務や役割」
といった視点から実施出来るよう、例示資料を明示する。
□ 模擬会議演習の意味づけ(時間軸とス トーリーの確認)を明確にし、支援者へのマ
ネジメントのポイントも確認する。
□ 各地域での独自の取り組みを情報交換し、今後の参考とする。
□ 研修者自身の今までの仕事を振り返り、今後の仕事に繋げられるよう、サービス管
理責任者としての自覚を促す。
第3日目午後
演習3の進行
3時 間
10:40 10:50
(1)
ガ
イ
ダ
ン
ス
12:00
(2)
全体発表
(計画修正と個別支
援会議の運営)
13:00
休
憩
(
60
分
)
14:00
(3)
サービス管理
責任者の役割
について検討
14:40
(4)
全体発表と総括
(1)演習3のガイダンス(10分)
・演習の目的、進め方について説明
(2)全体発表(70分)
①各グループからの個別支援計画の修正および個別支援会議の運営に関するプレゼンテーション
②個別支援計画修正、個別支援会議の運営に関する質疑とコメント
(3)サービス管理責任者の役割についての検討(60分)
・ 「サービス内容」と「マネジメント内容」の両面からそれぞれのポイントを確認する
・事例検討を通してそのプロセスを発展的な観点から検証する
・サービス管理責任者としての役割として事業のマネジメントを検証する。関係機関との連携、会議運営、人材
養成等のあり方について検証する
(4)全体発表と総括(40分)
・各グループからのプレゼンテーション
・研修全般についての意見交換、総括
(1) 演習3のガイダンス
10:40~11:00(20分)
①演習3の目的、進め方の説明
(2) 全 体 発 表
10:50~12:00(70分)
①各グループからのプレゼンテーション
②個別支援計画修正及び模擬支援会議の
運営等に関する質疑とコメント
③事例の取り組み例を参考に提示
(3)サービス管理責任者の役割の検討
13:00~14:00(60分)
①演習1と2及び模擬支援会議を踏まえ、自らの事業所に照らし
合わせサービス管理責任者の役割について、記入様式4を用
いてふり返りを行う
事例検討を通して、それぞれのプロセスにおいて、あるいは自らの事業マネジメント
に置き換えた場合、どんな課題と視点が必要かを発展的に検証
・ サービス編 ・・・・・自分の事業所だったら、この事例にどう取り組むか?
・ マネジメント編・・・サービス管理者として、この事例にどう取り組むか?
②グループ内で検討すべきポイントを確認
③グループ内で確認したポイントを重点に様式5・6に記入し、
検討を実施
記入様式 4
ふり返りシート
(1)サービス(支援プロセス)編・・・自分の事業所であったら、この事例にどう取り組むか? 何が課題か?
(2)マネジメント編・・・サービス管理者として、この事例にどう取り組むか? 何が課題か?
記入様式 5
サービス管理責任者の役割(まとめ)
グループ
サービス管理責任者の
事項
備考
留意すべき視点
支援過程
相談~計画~
モニタリング~
再計画~終結
研修
会議運営
連絡調整
その他
具体的役割
(4)サービス管理責任者の役割についての全
体発表と研修の全体総括
14:00~14:40(40分)
①各グループからのプレゼンテーション
②サービス管理責任者の役割に関する意見交換、
質疑とコメント
③講義や演習を通して、3日間の研修を総括し、
サービス管理責任者の役割について再度、全体
で討議
講師・参加者相互のエンパワメントにより、今後の活躍を確認
参考資料
「サービス管理ワークショップ」
(サービス管理責任者の役割検討ツール)
いくつかの問題解決手法の例
【発散法】
• 自由連想法: ブレインストーミング
自由に意見・アイディアを多く出して(自由奔放、質より
量等) 、質を上げる
【収束技法】
• 帰納法:KJ法、親和図法
• 因果法:特性要因図
出所:高橋誠(1979)『問題解決手法の知識』日経文庫
http://www2.dwc.doshisha.ac.jp/akatoh/shajoh/shakai04.files/frame.htm#slide0028.htm
○問題の原因を追求するには,特性要因図の他にも連関図や系統図を利用する方法がある
○原因の追求が十分できたら,今度は解決策の策定となる.これには系統図やマトリックス図を用いる方法がある
ブレインストーミング
・ 自由奔放:自由に意見・アイディアを出す
・ 質より量:多く出れば質も上がる。
・ 批判厳禁:他人の意見・アイディアを批判しない
・ 結合改善:他人の意見・アイディアに便乗して良い
アイディアにする。
http://www2.dwc.doshisha.ac.jp/akatoh/shajoh/shakai04.files/frame.htm#slide0028.htm より
K J 法
(→川喜多二郎氏が考案)
• 用意するもの:大きな紙とカード、ペン
• 手順
①意見・アイディアをカードに記入
②カードを小グループに分ける
③小グループの表題を作る
④小グループを大グループ化する
⑤大グループの表題をつける
⑥大グループ間の関係を線等で結ぶ
http://www2.dwc.doshisha.ac.jp/akatoh/shajoh/shakai04.files/frame.htm#slide0028.htm より
品質管理
品質管理の進め方は、一般に, Plan - Do - Check - Action (PDCA) の
サイクルを廻すこと
初歩的な品質管理の手法として良く使われる
QCの7つ道具
パレード図
特性要因図
ヒストグラム
グラフ/管理図
チェックシート
散布図
層別
新QC7つ道具
親和図法
連関図法
系統図法
マトリックス図法
マトリックス・データ解析法
アロー・ダイヤグラム法
PDPC法
http://www.shiojiri.ne.jp/~hnaka/hidehiko/qc-tech/qc.htm より
親和図法
-バラバラな情報から、問題点を確定させるための手法-
似たもの同士をグループ化することにより、問題の所在、形態を明らかにす
る
(作成手順)
1.作成者でテーマを決める
2. 自由な発言をカードに書く
3. 親和間でカードをグループ化し、
標識をつける
4. カードをクループ10くらいに
編成し、全体を図解する
http://www.kyoto-su.ac.jp/circle/cac-club/Sysado/sysad1-5/nqc1.html
特性要因図の作成
Cause-and-Effect Diagram
(作成手順)
• 特性の決定
– 問題とする特性を決め、その特性と背骨を書く。
• 主たる要因を挙げ、大骨を入れる。
– 要因の原因を挙げ、中骨を入れる。具体的なデータが取れるようにな
るまで原因を掘り下げ、逐次小骨、孫骨を入れる。
なぜ○○なのか?××だから、を繰り返す。
• 原因の重み付け
– 重要な原因を枠で囲む。
• 原因の確認
– データが取れる原因まで掘り下げたか。
– 目的に合った表現か。
– 特性に関係のない原因が入っていないか。
http://leo.aichi-u.ac.jp/~tsaito/N72.html 宮川宏之「どこでどう使うQC手法」ブレーンダイナミックスより
特性要因図例
http://leo.aichi-u.ac.jp/~tsaito/N72.html
宮川宏之「どこでどう使うQC手法」ブレーンダイナミックスより
系統図例
http://leo.aichi-u.ac.jp/~tsaito/N72.html 宮川宏之「どこでどう使うQC手法」ブレーンダイナミックスより
マトリックス図例
http://leo.aichi-u.ac.jp/~tsaito/N72.html 宮川宏之「どこでどう使うQC手法」ブレーンダイナミックスより