Transcript PowerPoint プレゼンテーション
Slide 1
シックハウス対策としての住宅のアルデヒド類
濃度と換気性能に関する研究
ー木造実験住宅における放散源を用いた検証実験ー
2023017 渡部 裕介
Slide 2
はじめに
近年
ホルムアルデヒド等の化学物質による
室内空気汚染が問題となっている。
2003年7月施行 建築基準法改正
ホルムアルデヒド低減のための規制
(例えば、内装仕上げの制限等・・・)
換気設備は居室で換気回数0.5回/h以上とする。
建材の等級表示が改正された。
Slide 3
ホルムアルデヒド発散量に関する建材の等級表示
JIS、JAS ホルムアルデヒドの
新規格名称
発散速度(※1)
F☆☆☆☆ 0.005mg/m2h以下
F☆☆☆
0.005mg/m2h超
2
0.02mg/m h以下
F☆☆
0.02mg/m h超
0.12mg/m2h以下
F☆
0.12mg/m h超
2
2
内装の仕上げ JIS、JA
の制限
S旧名称
制限なし
使用面積を制
第3種ホルムアルデヒド
限(床面積の2 E0、FC0
発散建築材料
倍まで)
第2種ホルムアルデヒド 部分的使用の E 、F
1
C1
発散建築材料
み可
第1種ホルムアルデヒド
E2、FC2
使用禁止
発散建築材料
告示で定める区分
建築物に使用され5年経過したものは、制限なし
ホルムアルデヒド濃度が温度上昇とともに増加
することが知られている。
※1 夏期条件(28℃、相対湿度50%)の値
Slide 4
研究目的
従来の研究により建材等の放散量測定結果から
室内気中濃度の換算式がある。
しかし
単室条件だけである。
・建材等の吸着
・多数室では他室との空気の出入りがある。
実住宅における実験は行われていない。
本研究では
実大実験住宅の室内に合板を用いたホルムアルデヒ
ド放散源を設置し、冬季・夏季における室内ホルムア
ルデヒド気中濃度と換気量の関係について実験的検
証を行うことを目的とする。
Slide 5
実験住宅の概要
1階
浴
室
2階
洗
面
ト
イ
レ
ト
イ
レ
キッチン
洋室 NE
玄
関
納戸
和 室
リビング
ホール
主寝室
洋室 SE
平面図
場所:(財)ベターリビング筑波建築試験センター
在来軸組工法木造二階建住宅
Slide 6
換気システム(1)
熱交換器
第一種ダクト式 ダクトを用いて集中給排気
全熱交換により、排気の熱を回収
Slide 7
換気システム(2)
第三種ダクトレス
外壁面に排気ファン、給気口を設置
排気のみを運転
Slide 8
放散源の設置状況
1枚の大きさ:91cm×91cmの合板(表裏表面積
1.66m2)
合計:392枚
Slide 9
放散源の設置
放散源(合板 10 枚)
放散源(合板10枚)
JAS規格FC0の構造用合板を使用
合板設置量は床面積の5倍
Slide 10
放散源を床面積の5倍にした理由
居室における換気回数と内装材制限
居室(LDK、洋室、和室など)
最低0.5回/hの換気が法律上の義務
換気回数
内装材の制限
換気回数 第2種(FC1・E1) 床面積の0.3倍
0.5回以上 第3種(FC0・E0) 床面積の2.0倍
第4種(新規格)
無制限
換気回数 第2種(FC1・E1) 床面積の0.8倍
0.7回以上 第3種(FC0・E0) 床面積の5.0倍
第4種(新規格)
無制限
※夏季条件での値
+
3
倍
(
家
具
相
当
)
5倍
使用する建材の面積に0.5を乗じた値が床面積
を超えてはならない。
Slide 11
建材からのホルムアルデヒド放散量
デシケーター法 JIS A 1480に規定される
ガラスデシケーターを用いた方法
ガラスデシケーターの中に建材を入れ、蒸留水に吸着
させ、その水のホルムアルデヒド濃度を測定する方法
チャンバー法
JIS A 1901に規定される
小型チャンバーを用いた方法
小型チャンバーの中に建材を入れ、チャンバー内に空気
を流通させ、出口で捕集した空気から濃度や換気量等を
知ることによって時間当たりの放散速度を測定する方法
Slide 12
デシケーター法 放散量(mg/L)
デシケーター法による放散量測定結果
0.7
0.6
0.5
FC0(F☆☆☆)
0.4
冬季実験
0.3
夏季実験
新規格(F☆☆☆☆)
0.2
0.1
0.0
2/17
3/3
3/17 3/31 4/14 4/28 5/12 5/26
6/9
6/23
7/7
7/21
8/4
8/18
9/1
9/15 9/29 10/13 10/27
時間(JST)
放散量
製造直後、0.58mg/L
冬季実験期間中、3回の平均0.22mg/L
夏季実験期間中、2回の平均0.125mg/L
夏季に放散量が低減:木口アルミテープ無
Slide 13
測定スケジュール
窓開け
換気測定
1日目
換気測定
パッシブサンプリング(24時間)
2日目
パッシブサンプリング(24時間)
3日目
アクティブサンプリング(30分)
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
30分間の窓開け換気:
室内のホルムアルデヒド濃度を外気同等まで下げる
Slide 14
サンプリング方法
測定方法
DNPHを用いたアクティブサンプリング
バッジを用いたパッシブサンプリング
アクティブサンプリング
吸引ポンプを用いて強制的に室内の空気を
DNPHカートリッジにサンプリングする方法
ポンプ流量は1.0ℓ/minとし、30ℓ採気
パッシブサンプリング
24時間パッシブサンプラーに暴露してサンプ
リングする方法
Slide 15
サンプリング設置状況
アクティブサンプリング
パッシブサンプリング
Slide 16
空気質測定位置
浴室
洗面
ト
イ
レ
階段
階段
キッチン
ト
イ
レ
2FNE
玄関+廊下
納戸
2Fホール
和室+床間等
リビング
主寝室
2FSE
アクティブサンプリング(居室)5点
パッシブサンプリング(居室+非居室)10点
Slide 17
冬季の実験条件
※○の中の数字は実験条件番号
温度=23℃
換気システム
負荷
設定換気回数 C=2(cm2/m2)
温度=28℃
C=5(cm2/m2)
C=2(cm2/m2)
無
---
①
---
---
5倍
---
②、⑪
③
⑩
第一種ダクト式
5倍
0.4
④
---
---
第一種ダクト式+局所
5倍
0.5
⑦
---
---
第三種ダクトレス
5倍
0.4
⑤
⑥
---
第三種ダクトレス+局所
5倍
0.5
⑧
---
⑨
換気無し
換気システム:換気停止、第一種ダクト式、第三種ダクトレス
換気回数:住宅全体の容積に対して0.4回/h、0.5回/h
気密性能:高気密仕様(2cm2/m2 )、一般気密仕様(5cm2/m2 )
温度:エアコン暖房で 23℃、28℃
Slide 18
冬季のアクティブサンプリングによる
ホルムアルデヒドの住宅内平均濃度測定結果
1.6
23℃
28℃
140
120
無
60
40
1.2
HCHO濃度指針値(100μg/m )
無
80
無
3
換気
100
1.4
一
種
三
種
三
種
一
種
三
種
1.0
三
種
無
0.8
0.6
無
0.4
20
0.2
0
0.0
負荷
気密
①
無
2
②
5倍
2
③
5倍
5
④
5倍
2
⑤
5倍
2
⑥
⑦
5倍 5倍
5
2
実験条件
機械換気を行わない場合
⑧
5倍
2
⑨
5倍
2
⑩
5倍
2
換気回数実測値(回/h)
アクティブ HCHO濃度(μg/m3 )
160
⑪
5倍
2
指針値の7割程度
Slide 19
冬季のアクティブサンプリングによる
ホルムアルデヒドの住宅内平均濃度測定結果
1.6
23℃
28℃
140
120
無
60
40
1.2
HCHO濃度指針値(100μg/m )
無
80
無
3
換気
100
1.4
一
種
三
種
三
種
一
種
三
種
1.0
三
種
無
0.8
0.6
無
0.4
20
0.2
0
0.0
負荷
気密
①
無
2
②
5倍
2
③
5倍
5
④
5倍
2
⑤
5倍
2
⑥
⑦
5倍 5倍
5
2
実験条件
機械換気を行わない場合
機械換気
(換気回数0.4~0.5回/h)
⑧
5倍
2
⑨
5倍
2
⑩
5倍
2
換気回数実測値(回/h)
アクティブ HCHO濃度(μg/m3 )
160
⑪
5倍
2
指針値の7割程度
指針値の4割程度
Slide 20
冬季のホルムアルデヒドの1・2階平均濃度比較
3
2階 HCHO平均濃度( μg/m )
140
120
温度差換気
100
80
暖
60
寒
40
パッシブサンプリング
アクティブサンプリング
20
0
0
20
40
60
80 100 120 140
1階HCHO平均濃度(μg/m3)
2階は1階より濃度が高い
2階は1階の1.3倍
Slide 21
デシケーター法による
放散量から求めた換算室内濃度式
デシケーター法による放散量から求める室内濃度換算式
2
C 0 . 158 D 0 . 017
1
Q
1 . 09
t 23
55 h
100
S
C:気中濃度[ppm]
S:材料表面積[m2]
D:デシケーター値[mg/L]
Q:換気量[m3/h]
t:温度[℃]
h:相対湿度[%]
ppmからμg/m3への変換式
C:気中濃度[ppm]
m
273
C' C
103
22.4 273 t
C:
' 気中濃度[μg/m3]
m:分子量(HCHO=30.03)
t:温度[℃]
Slide 22
冬季のデシケーター法による
放散量から求めた換算室内濃度と実測値濃度の関係
3
HCHO実測値( μg/m )
200
150
100
50
0
0
50
100
150
200
デシケーター法換算値(μg/m3)
実測値より換算値が高い
Slide 23
冬季の換気回数とホルムアルデヒド濃度の関係
リビング(1階)
換算濃度曲線
3
HCHO濃度 [μg/m ]
140
120
160
アクティブサンプリング
D=0.24mg/L
D=0.19mg/L
100
60
20
120
アクティブサンプリング
D=0.24mg/L
D=0.19mg/L
100
80
40
140
3
HCHO濃度 [μg/m ]
160
主寝室(2階)
:28℃
他 :23℃
:負荷
0
80
60
40
20
:28℃
他 :23℃
:負荷
0
0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 1.6
換気回数[回/h]
0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 1.6
換気回数[回/h]
1階は右下がり線、2階はばらついている
温度差換気により1階から2階に空気が上昇している
Slide 24
チャンバー法による
放散速度を用いた換算室内濃度式
チャンバー法による放散速度を用いた室内濃度換算式
C:気中濃度[μg/m3]
L
C EF
n
EF:放散速度[μg/(m2/h)]
n:換気回数[回/h]
L:試料負荷率[m2/ m3]
チャンバー法が28℃設定のため、設定温度に補正する式
EFt EF28℃ 1.09 (t 28)
t:設定温度[℃]
Slide 25
冬季のチャンバー法による
放散速度を用いた換算室内濃度と実測値濃度の関係
160
ホルムアルデヒド放散速度
26.4μg/m 3
3
HCHO実測値( μg/m )
140
120
換気回数
0.4~0.5回/h
100
80
60
40
換気なし
20
0
0
20 40 60
80 100 120 140 160
チャンバー法換算値(μg/m3)
チャンバー試験時の換気回数0.5回/h
換気回数0.4~0.5回/hの場合は、実測値と換算値の相関あり
Slide 26
夏季の実験条件
※ ○の中の数字は実験条件番号
冷房28℃
換気システム
2
2
エアコン停止
2
2
2
2
負荷
設定換気回数
C=2(cm /m )
C=5(cm /m )
C=2(cm /m )
無
---
---
---
---
5倍
---
①、⑩
②
③
第一種ダクト式
5倍
0.4
④
---
---
第一種ダクト式+局所
5倍
0.5
⑤
---
---
第一種ダクト式+局所
5倍
0.7
⑥
---
---
第三種ダクトレス+局所
5倍
0.4
⑦
---
---
第三種ダクトレス+局所
5倍
0.7
⑧
---
⑨
換気無し
換気システム:換気停止、第一種ダクト式、第三種ダクトレス
換気回数:住宅全体の容積に対して0.4回/h、0.5回/h、0.7回/h
気密性能:高気密仕様(2cm2/m2 )、一般気密仕様(5cm2/m2 )
温度:28℃、33℃(満たないときはエアコン冷暖房)
Slide 27
夏季のアクティブサンプリングによる
ホルムアルデヒドの住宅内平均濃度測定結果
1.6
28℃
33℃
無
140
120
無
一
種
換気
100
80
HCHO濃度指針値(100μg/m 3 )
一
種
無
一
種
三
種
三
種
三
種
無
1.4
1.2
1.0
0.8
60
0.6
40
0.4
20
0.2
0
0.0
①
負荷 5倍
気密 2
②
5倍
5
③
5倍
2
④
5倍
2
⑤
⑥
5倍
5倍
2
2
実験条件
機械換気を行わない場合
⑦
5倍
2
⑧
5倍
2
⑨
5倍
2
換気回数実測値(回/h)
アクティブ HCHO濃度(μg/m3 )
160
⑩
5倍
2
指針値の9割程度
Slide 28
夏季のアクティブサンプリングによる
ホルムアルデヒドの住宅内平均濃度測定結果
1.6
28℃
33℃
無
140
120
無
一
種
換気
100
80
HCHO濃度指針値(100μg/m 3 )
一
種
無
一
種
三
種
三
種
三
種
無
1.4
1.2
1.0
0.8
60
0.6
40
0.4
20
0.2
0
0.0
①
負荷 5倍
気密 2
②
5倍
5
③
5倍
2
④
5倍
2
⑤
⑥
5倍
5倍
2
2
実験条件
機械換気を行わない場合
機械換気
(換気回数0.4~0.7回/h)
⑦
5倍
2
⑧
5倍
2
⑨
5倍
2
換気回数実測値(回/h)
アクティブ HCHO濃度(μg/m3 )
160
⑩
5倍
2
指針値の9割程度
指針値の6割程度
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夏季の換気回数とホルムアルデヒド濃度の関係
リビング(1階)
アクティブサンプリング
D=0.15mg/L
D=0.10mg/L
160
3
HCHO濃度 [μg/m ]
140
120
140
100
80
60
20
アクティブサンプリング
D=0.15mg/L
D=0.10mg/L
160
120
100
40
180
3
HCHO濃度 [μg/m ]
180
主寝室(2階)
:33℃
他 :28℃
0
80
60
40
20
:33℃
他 :28℃
0
0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 1.6
換気回数[回/h]
0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 1.6
換気回数[回/h]
冬季よりばらつきが少なくなっている
内外温度差が小さく、温度差換気が起こりにくい
Slide 30
まとめ
冬季23℃・夏季28℃環境下
ホルムアルデヒド指針値(100μg/m3)を
超えるものはなかった
換気回数0.5回/h程度
機械換気を行わない
3割程度濃度が下がる
デシケーター法の濃度換算式
換気回数と実測ホルムアルデヒド濃度の関係
換算濃度曲線を下回っていたことから安全側だといえる
チャンバー法の濃度換算式
実験条件とチャンバー法の設定条件が同じ場合
濃度換算式で実測値が推定できる
シックハウス対策としての住宅のアルデヒド類
濃度と換気性能に関する研究
ー木造実験住宅における放散源を用いた検証実験ー
2023017 渡部 裕介
Slide 2
はじめに
近年
ホルムアルデヒド等の化学物質による
室内空気汚染が問題となっている。
2003年7月施行 建築基準法改正
ホルムアルデヒド低減のための規制
(例えば、内装仕上げの制限等・・・)
換気設備は居室で換気回数0.5回/h以上とする。
建材の等級表示が改正された。
Slide 3
ホルムアルデヒド発散量に関する建材の等級表示
JIS、JAS ホルムアルデヒドの
新規格名称
発散速度(※1)
F☆☆☆☆ 0.005mg/m2h以下
F☆☆☆
0.005mg/m2h超
2
0.02mg/m h以下
F☆☆
0.02mg/m h超
0.12mg/m2h以下
F☆
0.12mg/m h超
2
2
内装の仕上げ JIS、JA
の制限
S旧名称
制限なし
使用面積を制
第3種ホルムアルデヒド
限(床面積の2 E0、FC0
発散建築材料
倍まで)
第2種ホルムアルデヒド 部分的使用の E 、F
1
C1
発散建築材料
み可
第1種ホルムアルデヒド
E2、FC2
使用禁止
発散建築材料
告示で定める区分
建築物に使用され5年経過したものは、制限なし
ホルムアルデヒド濃度が温度上昇とともに増加
することが知られている。
※1 夏期条件(28℃、相対湿度50%)の値
Slide 4
研究目的
従来の研究により建材等の放散量測定結果から
室内気中濃度の換算式がある。
しかし
単室条件だけである。
・建材等の吸着
・多数室では他室との空気の出入りがある。
実住宅における実験は行われていない。
本研究では
実大実験住宅の室内に合板を用いたホルムアルデヒ
ド放散源を設置し、冬季・夏季における室内ホルムア
ルデヒド気中濃度と換気量の関係について実験的検
証を行うことを目的とする。
Slide 5
実験住宅の概要
1階
浴
室
2階
洗
面
ト
イ
レ
ト
イ
レ
キッチン
洋室 NE
玄
関
納戸
和 室
リビング
ホール
主寝室
洋室 SE
平面図
場所:(財)ベターリビング筑波建築試験センター
在来軸組工法木造二階建住宅
Slide 6
換気システム(1)
熱交換器
第一種ダクト式 ダクトを用いて集中給排気
全熱交換により、排気の熱を回収
Slide 7
換気システム(2)
第三種ダクトレス
外壁面に排気ファン、給気口を設置
排気のみを運転
Slide 8
放散源の設置状況
1枚の大きさ:91cm×91cmの合板(表裏表面積
1.66m2)
合計:392枚
Slide 9
放散源の設置
放散源(合板 10 枚)
放散源(合板10枚)
JAS規格FC0の構造用合板を使用
合板設置量は床面積の5倍
Slide 10
放散源を床面積の5倍にした理由
居室における換気回数と内装材制限
居室(LDK、洋室、和室など)
最低0.5回/hの換気が法律上の義務
換気回数
内装材の制限
換気回数 第2種(FC1・E1) 床面積の0.3倍
0.5回以上 第3種(FC0・E0) 床面積の2.0倍
第4種(新規格)
無制限
換気回数 第2種(FC1・E1) 床面積の0.8倍
0.7回以上 第3種(FC0・E0) 床面積の5.0倍
第4種(新規格)
無制限
※夏季条件での値
+
3
倍
(
家
具
相
当
)
5倍
使用する建材の面積に0.5を乗じた値が床面積
を超えてはならない。
Slide 11
建材からのホルムアルデヒド放散量
デシケーター法 JIS A 1480に規定される
ガラスデシケーターを用いた方法
ガラスデシケーターの中に建材を入れ、蒸留水に吸着
させ、その水のホルムアルデヒド濃度を測定する方法
チャンバー法
JIS A 1901に規定される
小型チャンバーを用いた方法
小型チャンバーの中に建材を入れ、チャンバー内に空気
を流通させ、出口で捕集した空気から濃度や換気量等を
知ることによって時間当たりの放散速度を測定する方法
Slide 12
デシケーター法 放散量(mg/L)
デシケーター法による放散量測定結果
0.7
0.6
0.5
FC0(F☆☆☆)
0.4
冬季実験
0.3
夏季実験
新規格(F☆☆☆☆)
0.2
0.1
0.0
2/17
3/3
3/17 3/31 4/14 4/28 5/12 5/26
6/9
6/23
7/7
7/21
8/4
8/18
9/1
9/15 9/29 10/13 10/27
時間(JST)
放散量
製造直後、0.58mg/L
冬季実験期間中、3回の平均0.22mg/L
夏季実験期間中、2回の平均0.125mg/L
夏季に放散量が低減:木口アルミテープ無
Slide 13
測定スケジュール
窓開け
換気測定
1日目
換気測定
パッシブサンプリング(24時間)
2日目
パッシブサンプリング(24時間)
3日目
アクティブサンプリング(30分)
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
30分間の窓開け換気:
室内のホルムアルデヒド濃度を外気同等まで下げる
Slide 14
サンプリング方法
測定方法
DNPHを用いたアクティブサンプリング
バッジを用いたパッシブサンプリング
アクティブサンプリング
吸引ポンプを用いて強制的に室内の空気を
DNPHカートリッジにサンプリングする方法
ポンプ流量は1.0ℓ/minとし、30ℓ採気
パッシブサンプリング
24時間パッシブサンプラーに暴露してサンプ
リングする方法
Slide 15
サンプリング設置状況
アクティブサンプリング
パッシブサンプリング
Slide 16
空気質測定位置
浴室
洗面
ト
イ
レ
階段
階段
キッチン
ト
イ
レ
2FNE
玄関+廊下
納戸
2Fホール
和室+床間等
リビング
主寝室
2FSE
アクティブサンプリング(居室)5点
パッシブサンプリング(居室+非居室)10点
Slide 17
冬季の実験条件
※○の中の数字は実験条件番号
温度=23℃
換気システム
負荷
設定換気回数 C=2(cm2/m2)
温度=28℃
C=5(cm2/m2)
C=2(cm2/m2)
無
---
①
---
---
5倍
---
②、⑪
③
⑩
第一種ダクト式
5倍
0.4
④
---
---
第一種ダクト式+局所
5倍
0.5
⑦
---
---
第三種ダクトレス
5倍
0.4
⑤
⑥
---
第三種ダクトレス+局所
5倍
0.5
⑧
---
⑨
換気無し
換気システム:換気停止、第一種ダクト式、第三種ダクトレス
換気回数:住宅全体の容積に対して0.4回/h、0.5回/h
気密性能:高気密仕様(2cm2/m2 )、一般気密仕様(5cm2/m2 )
温度:エアコン暖房で 23℃、28℃
Slide 18
冬季のアクティブサンプリングによる
ホルムアルデヒドの住宅内平均濃度測定結果
1.6
23℃
28℃
140
120
無
60
40
1.2
HCHO濃度指針値(100μg/m )
無
80
無
3
換気
100
1.4
一
種
三
種
三
種
一
種
三
種
1.0
三
種
無
0.8
0.6
無
0.4
20
0.2
0
0.0
負荷
気密
①
無
2
②
5倍
2
③
5倍
5
④
5倍
2
⑤
5倍
2
⑥
⑦
5倍 5倍
5
2
実験条件
機械換気を行わない場合
⑧
5倍
2
⑨
5倍
2
⑩
5倍
2
換気回数実測値(回/h)
アクティブ HCHO濃度(μg/m3 )
160
⑪
5倍
2
指針値の7割程度
Slide 19
冬季のアクティブサンプリングによる
ホルムアルデヒドの住宅内平均濃度測定結果
1.6
23℃
28℃
140
120
無
60
40
1.2
HCHO濃度指針値(100μg/m )
無
80
無
3
換気
100
1.4
一
種
三
種
三
種
一
種
三
種
1.0
三
種
無
0.8
0.6
無
0.4
20
0.2
0
0.0
負荷
気密
①
無
2
②
5倍
2
③
5倍
5
④
5倍
2
⑤
5倍
2
⑥
⑦
5倍 5倍
5
2
実験条件
機械換気を行わない場合
機械換気
(換気回数0.4~0.5回/h)
⑧
5倍
2
⑨
5倍
2
⑩
5倍
2
換気回数実測値(回/h)
アクティブ HCHO濃度(μg/m3 )
160
⑪
5倍
2
指針値の7割程度
指針値の4割程度
Slide 20
冬季のホルムアルデヒドの1・2階平均濃度比較
3
2階 HCHO平均濃度( μg/m )
140
120
温度差換気
100
80
暖
60
寒
40
パッシブサンプリング
アクティブサンプリング
20
0
0
20
40
60
80 100 120 140
1階HCHO平均濃度(μg/m3)
2階は1階より濃度が高い
2階は1階の1.3倍
Slide 21
デシケーター法による
放散量から求めた換算室内濃度式
デシケーター法による放散量から求める室内濃度換算式
2
C 0 . 158 D 0 . 017
1
Q
1 . 09
t 23
55 h
100
S
C:気中濃度[ppm]
S:材料表面積[m2]
D:デシケーター値[mg/L]
Q:換気量[m3/h]
t:温度[℃]
h:相対湿度[%]
ppmからμg/m3への変換式
C:気中濃度[ppm]
m
273
C' C
103
22.4 273 t
C:
' 気中濃度[μg/m3]
m:分子量(HCHO=30.03)
t:温度[℃]
Slide 22
冬季のデシケーター法による
放散量から求めた換算室内濃度と実測値濃度の関係
3
HCHO実測値( μg/m )
200
150
100
50
0
0
50
100
150
200
デシケーター法換算値(μg/m3)
実測値より換算値が高い
Slide 23
冬季の換気回数とホルムアルデヒド濃度の関係
リビング(1階)
換算濃度曲線
3
HCHO濃度 [μg/m ]
140
120
160
アクティブサンプリング
D=0.24mg/L
D=0.19mg/L
100
60
20
120
アクティブサンプリング
D=0.24mg/L
D=0.19mg/L
100
80
40
140
3
HCHO濃度 [μg/m ]
160
主寝室(2階)
:28℃
他 :23℃
:負荷
0
80
60
40
20
:28℃
他 :23℃
:負荷
0
0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 1.6
換気回数[回/h]
0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 1.6
換気回数[回/h]
1階は右下がり線、2階はばらついている
温度差換気により1階から2階に空気が上昇している
Slide 24
チャンバー法による
放散速度を用いた換算室内濃度式
チャンバー法による放散速度を用いた室内濃度換算式
C:気中濃度[μg/m3]
L
C EF
n
EF:放散速度[μg/(m2/h)]
n:換気回数[回/h]
L:試料負荷率[m2/ m3]
チャンバー法が28℃設定のため、設定温度に補正する式
EFt EF28℃ 1.09 (t 28)
t:設定温度[℃]
Slide 25
冬季のチャンバー法による
放散速度を用いた換算室内濃度と実測値濃度の関係
160
ホルムアルデヒド放散速度
26.4μg/m 3
3
HCHO実測値( μg/m )
140
120
換気回数
0.4~0.5回/h
100
80
60
40
換気なし
20
0
0
20 40 60
80 100 120 140 160
チャンバー法換算値(μg/m3)
チャンバー試験時の換気回数0.5回/h
換気回数0.4~0.5回/hの場合は、実測値と換算値の相関あり
Slide 26
夏季の実験条件
※ ○の中の数字は実験条件番号
冷房28℃
換気システム
2
2
エアコン停止
2
2
2
2
負荷
設定換気回数
C=2(cm /m )
C=5(cm /m )
C=2(cm /m )
無
---
---
---
---
5倍
---
①、⑩
②
③
第一種ダクト式
5倍
0.4
④
---
---
第一種ダクト式+局所
5倍
0.5
⑤
---
---
第一種ダクト式+局所
5倍
0.7
⑥
---
---
第三種ダクトレス+局所
5倍
0.4
⑦
---
---
第三種ダクトレス+局所
5倍
0.7
⑧
---
⑨
換気無し
換気システム:換気停止、第一種ダクト式、第三種ダクトレス
換気回数:住宅全体の容積に対して0.4回/h、0.5回/h、0.7回/h
気密性能:高気密仕様(2cm2/m2 )、一般気密仕様(5cm2/m2 )
温度:28℃、33℃(満たないときはエアコン冷暖房)
Slide 27
夏季のアクティブサンプリングによる
ホルムアルデヒドの住宅内平均濃度測定結果
1.6
28℃
33℃
無
140
120
無
一
種
換気
100
80
HCHO濃度指針値(100μg/m 3 )
一
種
無
一
種
三
種
三
種
三
種
無
1.4
1.2
1.0
0.8
60
0.6
40
0.4
20
0.2
0
0.0
①
負荷 5倍
気密 2
②
5倍
5
③
5倍
2
④
5倍
2
⑤
⑥
5倍
5倍
2
2
実験条件
機械換気を行わない場合
⑦
5倍
2
⑧
5倍
2
⑨
5倍
2
換気回数実測値(回/h)
アクティブ HCHO濃度(μg/m3 )
160
⑩
5倍
2
指針値の9割程度
Slide 28
夏季のアクティブサンプリングによる
ホルムアルデヒドの住宅内平均濃度測定結果
1.6
28℃
33℃
無
140
120
無
一
種
換気
100
80
HCHO濃度指針値(100μg/m 3 )
一
種
無
一
種
三
種
三
種
三
種
無
1.4
1.2
1.0
0.8
60
0.6
40
0.4
20
0.2
0
0.0
①
負荷 5倍
気密 2
②
5倍
5
③
5倍
2
④
5倍
2
⑤
⑥
5倍
5倍
2
2
実験条件
機械換気を行わない場合
機械換気
(換気回数0.4~0.7回/h)
⑦
5倍
2
⑧
5倍
2
⑨
5倍
2
換気回数実測値(回/h)
アクティブ HCHO濃度(μg/m3 )
160
⑩
5倍
2
指針値の9割程度
指針値の6割程度
Slide 29
夏季の換気回数とホルムアルデヒド濃度の関係
リビング(1階)
アクティブサンプリング
D=0.15mg/L
D=0.10mg/L
160
3
HCHO濃度 [μg/m ]
140
120
140
100
80
60
20
アクティブサンプリング
D=0.15mg/L
D=0.10mg/L
160
120
100
40
180
3
HCHO濃度 [μg/m ]
180
主寝室(2階)
:33℃
他 :28℃
0
80
60
40
20
:33℃
他 :28℃
0
0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 1.6
換気回数[回/h]
0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 1.6
換気回数[回/h]
冬季よりばらつきが少なくなっている
内外温度差が小さく、温度差換気が起こりにくい
Slide 30
まとめ
冬季23℃・夏季28℃環境下
ホルムアルデヒド指針値(100μg/m3)を
超えるものはなかった
換気回数0.5回/h程度
機械換気を行わない
3割程度濃度が下がる
デシケーター法の濃度換算式
換気回数と実測ホルムアルデヒド濃度の関係
換算濃度曲線を下回っていたことから安全側だといえる
チャンバー法の濃度換算式
実験条件とチャンバー法の設定条件が同じ場合
濃度換算式で実測値が推定できる