2_4 換気設備の基礎 - 空気調和・衛生工学会

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[Last Update 2015/04/30]
建築環境工学・建築設備工学入門
<空気調和設備編>
<換気設備>
換気設備の基礎
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換気の目的
室内の空気と外気を入れ替えること
または
入れ換わること
計画的に室内空気を入れ換える
換 気
汚染空気
・ 室内の汚染物質を排出(空気質の改善)
・ 酸素の供給(呼吸・燃焼器などで消費)
・ 室内の水蒸気を排出(湿度の調整) など
排気
新鮮空気
(外気)
室内に風を通して外気を入れる
通 風
排熱
外気
室内空気
・
・
・
・
空気質の改善, 酸素の供給, 湿度の調整
室内の温熱環境改善
冷房負荷の削減
建物の冷却(ナイトパージ) など
換気の方法
機械換気
と
自然換気
機械換気
換 気
汚染空気
排気
・ 送風機や排風機による強制換気
・ 一定の換気量が確保されるが動力必要
・ 一般に換気量は20~ 30 m3/(h・人)程度
新鮮空気
(外気)
自然換気
通 風
排熱
外気
室内空気
・ 温度差換気と風力換気がある
・ 動力は不要であるが換気量が小さく不安定
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室内の汚染物質
喫煙 (浮遊粉じん・
一酸化炭素など)
燃焼器具
家具・建材
人(二酸化炭素・
水蒸気・体臭など)
(ホルムアルデヒド・
接着剤など)
(二酸化炭素など)
カビ
(微生物など)
主な汚染物質等
 室内発生ガス(一酸化炭素, 二酸化炭素, 窒素酸化物、オゾン など)
 ちり・埃、カビなどの環境微生物、放射性物質(ラドン など)、アスベスト
 揮発性有機化合物(VOC)
 水蒸気、熱、臭気 など
ホルムアルデヒドなどの 揮発性有機化合物などは、
シックハウス症候群 ・ シックビル症候群 を発症する原因の一つとされる
※症状例 皮膚・目・鼻・喉への刺激、めまい・吐気・頭痛、集中力低下 など
一酸化炭素の人体影響
濃度ppm
人体影響
200 2~3時間以内に前頭に軽度の頭痛
400 1~2時間で前頭痛や吐き気、2.5~3.5時間で後頭痛
800 45分間で頭痛・めまい・吐き気がして、2時間で失神
1,600 20分間で頭痛・めまい・吐き気がして、2時間で死亡
3,200 5~10分間で頭痛・めまい、30分間で死亡
6,400 1~2分間で頭痛・めまい、死亡10~15分で致死の危険
12,800 1~3分間で死亡
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二酸化炭素の人体影響
濃度
人体影響
0.1%
1,000ppm
呼吸器・循環器・大脳などの機能に影響
4%
40,000ppm
耳鳴り・頭痛・血圧上昇などの兆候
8~10%
20%
意識混濁、けいれんなどを起こし呼吸停止
中枢障害を起こし、生命が危険
●外気のCO2濃度は350ppm程度
●都市部では高濃度化する(400~450ppm程度)
●地球規模で、 CO2濃度は年々上昇している
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建築物環境衛生管理基準
平成14年10月11日政令第309号
浮遊粉じんの量
空気 1m3につき0.15mg以下
一酸化炭素の含有率
10ppm以下(厚生労働省令で定める特別の事情がある
建築物にあっては、厚生労働省令で定める数値)
二酸化炭素の含有率
1,000ppm以下
温度
17~28℃
居室における温度を外気の温度より低くする場合は、
その差を著しくしないこと。
相対湿度
40~70%
気流
0.5m/s以下
ホルムアルデヒドの量
空気 1m3につき0.1mg以下
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換気回数
換気回数
換 気 量 [ m3/h ]= 換気回数× 室容積[ m3 ]
換気回数 [ 回/h ]=
換気量[ m3/h ]
室容積 [ m3 ]
建築基準法では、換気回数を
住宅居室 0.5回/h 以上、その他居室 0.3回/h 以上 と定めている
全ての建築物で24時間換気可能な機械換気設備の設置が義務付
2時間で
室と同体積の
新鮮空気
流入
換気回数
0.5回/h
2時間で
室と同体積の
室内空気
流出
室内空気の汚染と換気
換気回数
 発生した汚染物質は、瞬時に室内で
均等に拡散すると仮定する。
室内 汚染質濃度 [個]
 換気がない場合、室内の汚染質濃度
は時間経過とともに高くなる。
汚染質の発生量:12個/秒の場合
経過時間 [秒]
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換気と室内汚染濃度
換気回数
汚染物質の発生条件(5個/h)
に換気回数2.5回/hの換気をする。
排気
(室内空気)
室内 汚染質濃度 [個]
外気流入
(新鮮空気)
時間経過
経過時間 [時間]
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換気と室内汚染濃度
換気回数
汚染物質の発生条件(5個/h)
に換気回数2.5回/hの換気をする。
排気
(室内空気)
室内 汚染質濃度 [個]
外気流入
(新鮮空気)
時間経過
経過時間 [時間]
12
換気と室内汚染濃度
換気回数
汚染物質の発生条件(5個/h)
に換気回数2.5回/hの換気をする。
排気
(室内空気)
室内 汚染質濃度 [個]
外気流入
(新鮮空気)
時間経過
経過時間 [時間]
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換気と室内汚染濃度
換気回数
汚染物質の発生条件(5個/h)
に換気回数2.5回/hの換気をする。
排気
(室内空気)
室内 汚染質濃度 [個]
外気流入
(新鮮空気)
時間経過
20
経過時間 [時間]
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換気と室内汚染濃度
換気回数
汚染物質の発生条件(5個/h)
に換気回数2.5回/hの換気をする。
排気
(室内空気)
室内 汚染質濃度 [個]
外気流入
(新鮮空気)
20
時間以降
定常状態
経過時間 [時間]
室内汚染濃度と必要換気量
ザイデルの式
室内の汚染質濃度
汚染物質発生:M,換気量:Qが
維持されているとき
M
Co 
Q
Cs
定常状態
初期値
室内の汚染質発生なしで、
換気量:Qが維持されているとき
Co
経過時間 [時間]
室内濃度を Cp 基準値としたい場合
M
Cp  C  Co 
Q
t 
必要換気量は
M
Q
Cp  Co 
C:
Co:
M:
Q:
室内の汚染質濃度 [m3/m3]
外気の汚染質濃度 [m3/m3]
汚染質発生量 [m3/h]
換気量 [m3/h]
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機械換気の方式
第1種換気
第2種換気
第3種換気
給気ファン+排気ファン
給気ファンのみ
排気ファンのみ
 安定した換気量が確保できる
 室内は、「陽圧」となる
 室内は、「陰圧」となる
 給排気量バランス調整により、
室内を「陽圧」,「陰圧」のどちら
にも設定可能
 他室などから汚染空気が流
入しない
 室内の汚染空気が他空間
に漏れない
 確実な給気量が供給できる
 確実な排気量が確保できる
 適用用途や形態が広範である
全般換気・局所換気
全般換気
室全体を換気し、室内の汚染物質
を低く保つ
 汚染物質が室内に一様に分布する場合
 居室の一般的な換気に用いられる
局所換気
局所的に発生する、室内の汚染物質、
臭気・水蒸気・熱などを排出する
 工場
 厨房、トイレ、浴室 など
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局所換気(住宅)
局所換気の目安
室
名
目安となる換気量
台所ガス熱源(フード付き)
30KQまたは300m3/hの大なる方(K:理論排ガス量、Q:燃料消費量)
台所電気
300m3/h
浴室
100m3/h
洗面所
60m3/h
便所
400m3/h
洗濯所
60m3/h
フード形状の有効換気量
(a)排気フードなし
(b)排気フードⅠ型
(c)排気フードⅡ型
d
h
H L
V=40KQ
V=30KQ
H:1m以下
L:H/10以上
V:換気扇等の有効換気量[㎥/h]
K:燃料の単位燃焼量当たりの理論廃ガス量[㎥/kWh]
Q:火を使用する設備または器具の実況に応じた燃料消費量[kWまたはkg/h]
H
S
V=20KQ
H:1m以下
h:5cm以上
S:H/2以下
d:10°以上
取り入れ空気の鮮度
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排気口
汚染質発生点
新鮮空気
室内で
汚染された
空気
点P
吸気口
室内
空気齢
余命
空気の寿命
空気齢
新鮮な空気が汚染物質発生点に到達するまでの時間
 汚染物質の室内分布は一様でない
 余命時間が短ければ、汚染物質をより迅速に排出できる
発 行
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
(SHASE: The Society of Heating, Air Conditioning and Sanitary Engineers of Japan)