Transcript 塩霧室試験用丸棒試料の吸水及び乾燥過程の評価

塩霧室試験用丸棒試料の
吸水及び乾燥過程の評価
平成１４年 ３月４日（月）
電気工学科 所研究室
09E08 神野 信二
本研究の背景
送電用がいしなどに用いられつつある
シリコーンゴムの塩霧室試験用丸棒試料
の水浸劣化及び乾燥回復過程の評価
重量変化、表面粗さ、接触角、撥水性及び
水浸液の表面張力・導電率
の6つの観点から検討
図1 試料全体像と測定状態
重量変化率　[%]
0.6
}
98℃水浸
}75℃水浸
0.0
◆ 1回目
■ 2回目
▲ 3回目
● 4回目
＊ 5回目
＋ 6回目
-0.6
0
200
400
600
800
経過時間　ｔ　[ｈ]
図2 丸棒試料の水浸過程の重量変化
0.6
◆ 1回目
■ 2回目
重量変化率　[％]
▲ 3回目
● 4回目
＊ 5回目
＋ 6回目
0.0
} 75℃乾燥
}
98℃乾燥
-0.6
0
10
20
乾燥時間 √ｔ　[h 0 . 5 ]
30
図3 丸棒試料の乾燥過程の重量変化
2.5
75℃水浸
75℃水浸
98℃水浸
98℃水浸
算術平均粗さ Ｒａ [μｍ]
2.0
1.5
1.0
0.5
0.0
0
2000
4000
経過時間 t [h]
6000
図4 丸棒試料水浸部分のRaの時間的変化
75℃乾燥
98℃乾燥
2.5
75℃乾燥
98℃乾燥
算術平均粗さ Ｒａ [μｍ]
2.0
1.5
1.0
0.5
0.0
0
2000
4000
6000
乾燥時間 t　[h]
図5 丸棒試料乾燥部分のRaの時間的変化
100
75℃水浸
75℃水浸
98℃水浸
98℃水浸
75℃乾燥
75℃乾燥
98℃乾燥
98℃乾燥
接触角　［°］
75
50
25
0
0
1000
2000
3000
経過時間　ｔ　［ｈ］
4000
5000
図6 丸棒試料水浸部分の接触角
の時間的変化
75℃乾燥
98℃乾燥
100
75℃乾燥
98℃乾燥
接触角　[°]
75
50
25
0
0
1000
2000
3000
乾燥時間 t　[h]
4000
図7 丸棒試料乾燥部分の接触角
の時間的変化
5000
導電率 [μS／ｃｍ]
600
７５℃水浸
７５℃水浸
９８℃水浸
９８℃水浸
400
200
0
0
10
20
30
40
50
水浸時間 √ｔ　[ｈ 0.5 ]
60
70
図8 丸棒試料の水浸用液体の導電率の
時間的変化
(a) 75℃, 0 [h]
(d) 98℃, 0 [h]
(b) 75℃, 2305 [h]
(c) 75℃, 4270 [h]
(e) 98℃, 2305 [h]
(f) 98℃, 4270 [h]
図9 乾燥部分の撥水性の時間的変化
D
(a) 0 [h]
D
(ｄ) 864 [h]
W
(b) 0 [h]
W
(ｅ) 1368 [h]
(ｃ) 288 [h]
D
(ｆ) 1728 [h]
図10 75℃水浸部分の撥水性の時間的変化
W
(a) 0 [h]
W
(ｄ) 1416 [h]
(b) 144 [h]
D
(e) 2040 [h]
D
(ｃ) 288 [h]
W
(f) 2520 [h]
図11 98℃水浸部分の撥水性の時間的変化
まとめ
 重量変化率は水浸及び乾燥温度が高い
とその差の振幅が大きい。９８℃の場合、
グラスファイバー部分の吸水及び乾燥を
加えた変化となる。
 表面粗さは水浸及び乾燥部分とも一時
的に大きくなるが、その後は小さくなる。
温度の違いはあまり見られない。
 水浸用液体の表面張力及び導電率は、
グラスファイバー端部を98℃に水浸した
試料に、特に大きな変化が見られた。
 乾燥部の撥水性はＬＭＷ成分の溶出
がないため低下しない。しかし、水浸部
は水浸時には撥水性は低下するが、
乾燥時に回復する。回復の程度は温
度が９８℃の方がよい。
 接触角は水浸部の水浸劣化過程では
全体的に低下したが、乾燥過程での回
復は接触角は９８℃の方が大きくなる。
また、乾燥部の接触角は大きいまま一
定である。
今後の課題
 塩霧室試験用丸棒試料を切らずに、
グラスファイバー部の直接的な影
響を無くした状態での各特性の測
定。
 表面張力、導電率に変化を与えた
ＬＭＷ成分とグラスファイバー界面
成分の抽出。
表面張力 [ｍＮ／ｍ]
80
７５℃水浸
７５℃水浸
９８℃水浸
９８℃水浸
60
40
20
0
0
1000
2000
3000
経過時間 ｔ　[ｈ]
4000
5000
図12 丸棒試料の水浸用液体の表面張
力の時間的変化
試料Ⅰ(75℃乾燥)
試料Ⅲ(98℃乾燥)
2.5E-10
試料Ⅱ(75℃乾燥)
試料Ⅳ(98℃乾燥)
拡散定数 Ｄ [cm
2
/sec]
2.0E-10
1.5E-10
1.0E-10
5.0E-11
0.0E+00
1回目
2回目
3回目
4回目
乾燥回数
5回目
6回目
図13 丸棒試料乾燥過程の拡散定数