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鹿児島玉龍高校 出前講義
2012年8月24日(金) 14:30~16:00
伝染病の予防:
敵を知り、己を知らば・・・
病原体の種類: ウイルス、リケッチア、細菌、真菌、寄生虫
感染の三大要因:病原巣➜感染源➜伝播経路➜感受性者
伝染病とは?
ヒトの伝染病: 痘瘡(天然痘、1980年根絶)、コレラ、・・・
伝染病予防法( 1897) ➜感染症法(1999)
動物の伝染病: 牛疫(2011年根絶)、口蹄疫、・・・
獣疫予防法(1897) ➜家畜伝染病予防法(1951)
人畜共通感染症: ペスト、狂犬病、インフルエンザ、・・・
新興感染症: エボラ出血熱(1976)、エイズ(1991)、ウエ
ストナイル熱(1999)、重症急性呼吸器症候群(SARS、
2003)、新型インフルエンザ(2009)
ペスト:中世の暗黒時代
1347年
1348年中頃
1349年初期
1349年後半
1950年
1351年
1351年以後
わずかな発生
ペスト菌は、イェルサンと北里
柴三郎が1894年に発見した。
モンゴル地
方の風土病が、
シルクロードの
交易の発達に
伴って欧州に
広がった。
全身に出血が起き、しばらく
すると黒ずんで、その後死亡
することから「黒死病」と呼ば
れた。ヨーロッパ人口の1/3か
ら2/3、約2,000万人から3,000
万人が死亡したとされている。
英国の大ペスト(1664–1666)
ロンドンで毎日6,000人が死亡
ペスト流行の仕組み
全身に菌が回り、患
者が咳をする度に周
囲にペスト菌をまき散
らす(肺ペスト)。これ
によって爆発的流行。
ペストの予防・制御
1.検疫(1377年開始): 貿易船の40日
間沖合停泊(ペストに罹った患者やネズミ
がいる船を着岸させない)➜病原体が不
明でも対策は可能!
2.ノミやネズミの駆除
3.患者の隔離
現在はペスト菌を殺滅できる抗生物質
があるので、早期に治療すれば死ぬこと
はない。
ペストに罹ったネ
ズミを吸血したノミ
がペスト菌をヒトに
運ぶとリンパ節が
腫れる(腺ペスト)。
自然界の保有動物
黄熱流行の仕組みと現状
原因究明に当った野口英世博士が犠牲
吸血
サ
ル
(
森
)
ネッタイシマカ
ヒ
ト
(
都
市
)
野生動物の間で循環するウイ
ルスを制御することは困難
● 都市部での蚊の駆除
● 致命率が30%程度もある
● 渡航前にワクチン接種
● 流行地では発生中の森に入ら
ない
● 防虫剤の利用
●
南米とアフリカからの症例数の推移
2004年 患者数 死亡数 致命率( % )
アフリカ 124
13
11
南米
111
52
47
合計
235
6 5
28
エキノコックス症
成虫
卵
捕
食
幼虫
汚染された山菜や沢水などを直接口に
したり、卵が付着した手指を介して感染
する。腸内で卵から孵化した幼虫は数
年から10数年で肝臓など様々な臓器へ
移行して特有の病巣を形成する。北海
道では毎年 10数名の患者が見つかっ
ている。
日本ザル、ワオキツネザル、
オランウータン等が死亡
1992年 釧路動物園
1994年 旭川動物園
キタキツネ等の野生動物
には餌を与えない! 「餌
付け」した後始末は?
狂犬病流行の仕組みと現状
野生保有動物
キツネ、アライ
グマ、スカンク、
コウモリ
●
●
伴侶動物
イヌ、ネコ
犬の予防注射でヒトは防げる
発症したら100%死亡、治療法なし
世界で年間 5万人以上が死亡
● 全ての哺乳動物が感染
● 唾液中のウイルスが咬
ヒト
傷や粘膜・傷口から侵入
清浄国
アジアでは野
生保有動物問
題まで辿り着
いていない
日本、台湾、
オーストラリ
ア、ニュー
ジーランド、
英国、アイル
ランド、ス
ウェーデン、
ノルウェー、
アイスランド、
ハワイ、グア
ム、フィジー
10000
1922年 家畜伝染病予防法
ワクチン接種の義務化
1950年 狂犬病予防法
登録とワクチン接種の義務化
1000
イヌ
ヒト
100
10
1
0
第
一
次
世
界
大
戦
関
東
大
震
災
敗
戦
1956年の6頭の犬の
発生を最後に国内で
の発生は止まった。
しかし、1970年には
ネパールで1名、
2006年にはフィリピ
ンで2名が感染し、帰
国後に死亡した。
日本における狂犬病発生の経過
狂犬病の脅威
患者写真はウィキペディアより
咬傷から侵入した狂犬病ウイルスは神経を通って脳に達
し、嚥下障害による恐水症状など興奮、麻痺、精神錯乱
などの神経症状が現れる。脳神経や全身の筋肉が麻痺
を起こし、昏睡期に至り、呼吸障害によって死亡する。
咬まれて直ぐに暴露後治療を受ければ発症しない。
暴露後処置:
世界保健機関(WHO)によれば、年間5万5000名が狂犬
病で死亡しており、その多く(30–50%)が子供たちである。主な感染は、狂犬病に
罹った犬に咬まれることで起きている。狂犬病で死んだ子供たちのほとんどは、咬
まれた後でワクチン接種を受けていない。 狂犬病の動物に咬まれ、ワクチンを接
種された人数は数百万人に達している。現在のワクチンは、発症を防ぐ効果が極
めて高いが、発生国の多くはアジアの貧しい国々であり、ワクチンを買う金がない。
予判現
防ら在
接なの
種い日
をが本
で
受、
恐は
け怖
よ 狂
うを犬
!味病
わの
う恐
前怖
には
報告した国の割合
イタリアにおける狂犬病発生の経過
2008年10月にキツネが散歩中のヒト
を襲ったため、安楽死させて調べたところ
狂犬病ウイルス陽性と判明した。幸いに
も、咬まれたヒトは暴露後処置(ワクチン
接種)を受けて発症には至らなかった。イ
タリアで最後の発生は1995年であった。
ワクチンを混ぜた餌が上空から散布さ
れたが、流行は止まらなかった。
初報
経過報告1
経過報告12
10/10/2008
29/10/2008
02/07/2009
1頭
1頭
1頭
経過報告36
16/02/2010
11頭
経過報告43
09/04/2010
19頭
キツネ
キツネ
飼いイヌ
キツネ
ウマ
ネコ
キツネ
キツネ
のア国よオ
人ル境びー
気プをスス
のス接ロト
観森すベリ
ア
光林るニ
ア
地帯 とお
1頭
1頭
1頭
9頭
1頭
1頭
14頭
5頭
殺処分
死亡
死亡
死亡
死亡
死亡
死亡
殺処分
イタリア政府は、この事態を収束させることは困難であり、風土病と
なったと考えられるとした。発生は現在も収まっていない。
米国の野生動物において確認された狂犬病 1958~2008
暴米
露国
措で
置は
を毎
受年
け数
て名
いが
る狂
犬
病
の
1995
1996
1997
1998
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
4
4
4
1
5
1
3
3
8
1
3
1
2
4
キ
ャ
ン
プ
場
で
コ
ウ
モ
リ
に
咬
ま
れ
る
ニューヨーク州など
東部で広がっている。
アライグマは都会で
も繁殖する。
アライグマ
スカンク
スカンク
変異株
コウモリ
キツネ
CDC: Human Rabies
九州におけるアライグマの捕獲数
350
300
250
200
150
100
50
北海道や関東・関西の山に
は外来種のアライグマが陣取っ
ている(ブラックバスと同じ)。
九州では長崎県で最も早く確
認され、2005年には佐賀県でも
捕獲され、福岡、大分、熊本で
も観察されている。
飼い犬の登録と狂犬病予防
接種が必ずしも徹底されておら
ず、日本に狂犬病が侵入した
場合には深刻な事態になりか
ねない。
長
崎
県
佐
賀
県
0
1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009
フランスでは2009年、
2011年に、オランダでは
2012年にアフリカで入手
した犬を不法に持込み、
それが狂犬病を発症し
たことで大問題となって
いる。
麻薬の密輸入が絶え
ない中で、狂犬病は・・・
12000
992
690
506
10000
その他
342
8000
253
6000
韓国
タイ
4000
フィリ
ピン
2000
中国
0
2004
2005
2006
2007
2008
不法入国および不法上陸
法務省入国管理局
周囲を海囲まれている
から海外悪性伝染病が侵
入しないと過信することは
禁物である。テロリスト等
が様々な病原体を持ち込
んで散布する可能性は皆
無ではない。
ワクチン接種率と狂犬病の広がり方
狂犬病に罹った1頭の犬が3頭に咬み付くと仮定
ペットフード協会が
:ワクチン接種済み
:ワクチン未接種
:狂犬病
調べた犬の飼育頭
接種率40%
接種率80%
数は 1,300万頭余り
で、それらの登録頭
数は 52%、予防注
射頭数は 39%に過
ぎない。
不法入国者の持
込み等によって狂犬
病が侵入したら、犬
で蔓延し、アライグ
マの中にも定着する
ここで感染は止ま
だろう。
る。WHOは70%以
法律で定められた
上の接種率を勧告
登録と予防接種を遵
している。
守しよう。
痘瘡(天然痘、ヒトだけが感染、1980年根絶)
古代から発生していた
免疫:同じ病気に罹り難くなる
紀元前1100年のミイラに痕跡
致命率が高い:20~95%
子供の成長を祝う「七五三」
人痘法
古代インドで開発された予防法
元気な時に人為的に感染させる
18世紀までに世界各国に普及
牛痘法
エドワード・ジェンナーが1798年に実施
「牛痘にかかった者は痘瘡に罹患しない」
緒方 洪庵(1810~1863)日本近代医学の祖
1849年種痘の「苗」を入手し、普及
大坂に適塾を開き、人材を育てた
福澤諭吉、大村益次郎、長与専斎、佐野常民
など明治初期に大活躍した偉人
WHO痘瘡根絶計画(1967年開始)
冷蔵庫がない熱帯地域におけるワクチンの寿命
1968
1969
1970
1971
1972
1975
1977
発生国数
33
30
23
15
17
5
2
患者数
80,098
54,257
31,846
52,769
64,577
19,278
6
世界保健機関(WHO)憲章 前文(抜粋)
健康とは、病気ではないとか、弱っていないということではなく、肉
体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが 満たさされた状
態にあることをいいます。
人種、宗教、政治信条や経済的・社会的条件によって差別される
ことなく、最高水準の健康に恵まれることは、 あらゆる人々にとって
の基本的人権のひとつです。
世界中すべての人々が健康であることは、平和と安全を達成する
ための基礎であり、その成否は、個人と国家の 全面的な協力が得ら
れるかどうかにかかっています。
健康増進や感染症対策の進み具合が国によって異なると、すべて
の国に共通して危険が及ぶことになります。
健康を完全に達成するためには、医学、心理学や関連する学問の
恩恵をすべての人々に広げることが不可欠です。 勉強する目的は?
一般の市民が確かな見解をもって積極的に協力することは、人々
の健康を向上させていくうえで最も重要なことです。
新たに確認または大陸を超えたウイルス性疾病
疾病名
1957
1959
1967
1969
1976
1977
1981
1991
1993
1994
1994
1997
1998
1999
2003
2003
2003
2009
アルゼンチン出血熱
ボリビア出血熱
マールブルグ病
ラッサ熱
エボラ出血熱
リフトバレー熱
エイズ
ベネズエラ出血熱
ハンタウイルス肺症候群
ブラジル出血熱
ヘンドラウイルス病
高病原性鳥インフルエンザH5N1
ニパウイルス病
西ナイル熱(大陸移動)
重症急性呼吸器症候群(SARS)
サル痘(大陸移動)
高病原性鳥インフルエンザH5N1
新型インフルエンザH1N1
自然宿主
ネズミ
ネズミ
?
マストミス
オオコウモリ?
ヒツジ、ウシなど
チンパンジー
ネズミ
ネズミ
ネズミ?
オオコウモリ
カモ
オオコウモリ
野鳥
キクガシラコウモリ
齧歯類
カモ
人・豚・鳥
初発国
アルゼンチン
ブラジル
ドイツ
ナイジェリア
ザイール
アフリカ
アフリカ
ベネズエラ
米国
ブラジル
オーストラリア
香港
マレーシア
米国
中国
米国
全世界
メキシコ
エボラ出血熱: 現時点で、致命率が最も高い病気
年
2011-2
2008
2007
2007
2005
2004
2003
2001-2
2001-2
2000
1996
1996
1996
1994
1994
1979
1977
1976
1976
国
ウガンダ
コンゴ
ウガンダ
コンゴ
コンゴ
スーダン
コンゴ
コンゴ
ガボン
ウガンダ
南アフリカ
ガボン
コンゴ
コートジボワール
ガボン
スーダン
コンゴ
スーダン
コンゴ
計
ウイルス型
Sudan
Zaire
Bundibugyo
Zaire
Zaire
Sudan
Zaire
Zaire
Zaire
Sudan
Zaire
Zaire
Zaire
Ivory Coast
Zaire
Sudan
Zaire
Sudan
Zaire
症例数
53
32
149
264
12
17
178
59
65
425
1
91
315
1
52
34
1
284
318
死亡数
16
14
37
137
10
7
157
44
53
224
1
66
254
0
31
22
1
151
280
致命率(%)
2,299 1,490
現在も原因ウイルスが潜む野生動物種は特定されていない。
44
25
71
83
41
88
75
82
53
100
72
81
0
60
65
100
53
88
65
ウガンダにおける発生 2012年
ウガンダ保健省は、エボラ出血熱
による16名の死亡を含め53名の疑い
症例に達すると報告。 協力組織:
WHO、米国疾病制御予防センター
(CDC)、国境なき医師団(MSF)
国境なき医師団(MSF)
自分が生きることは、他の人
の役に立つことで支えられる
MSFは26人からなる緊急対
応チームを派遣。疫学、医療、
給排水・衛生、物資輸送などの
専門家で構成しています。メン
バーはいずれも、エボラ出血熱
を含むさまざまな"希少疾患"の
流行に何度も対応した経験があ
り、研究を重ねたアプローチを
採用しています。
インフルエンザ流行史
1890
H2N8
1900 スペイン風邪( 1918~19年):世界の約
1910 50%(6億人)が感染し、 2,000万人以上が
H3N8
H1N1
ス
ペ
イ
ン
風
邪
1920
1930
1940
1950
1860
H2N2
1970
H3N2
1980
H1N1
香
港
風
邪
ソ
連
風
邪
1990
死亡した。日本でも半数(2,400万人)が感染
し、30万人以上の死亡者が出た。
ウイルス分離:豚で1930年、ヒトで1933年
アジア風邪(1957年):船が主な輸送機関
だった時代に、わずか7ヶ月間で世界に広
がった。
季節性インフルエンザ:香港風邪(1968年)
とソ連風邪(1977年)を指す。
高病原性鳥インフルエンザHPAI H5N1:香
港で1997年に発生し、2003から世界各地の
家禽と野鳥に広がっている。
2000 H5N7
HPAI
2010
新型インフルエンザH1N1 2009:
H1N1 豚・鳥・ヒトのウイルス遺伝子
の融合体、メキシコで発生
2009
ウイルスの構造と受容体
ウイルス表面にあるヘマグルチニ
ン(赤血球凝集素、16種類)とノイ
ラミニダーゼ(9種類)の組合せで
型別する。これらの糖蛋白は変異
が大きく、インフルエンザの種類
が多い要因となっている。
ウイルス粒子成分を規定している
RNA遺伝子は8文節からなる。
100nm
トリ ウイルス
ヒト ウイルス 受容体(レセプター)は鍵と鍵穴の
関係で、一致したウイルスだけが
細胞内に侵入し、増殖できる。不
一致であれば感染しない。
Α2-6 レセプター
Α2-3 レセプター
ヒト細胞
トリ細胞
水禽類(カモなど)
α2-3
H1~H16
(α2-3)
「種の壁」を越え
ることは、頻繁
に起きるもので
はないが・・・・
ブタ
α2-3、α2-6
ニワトリ
α2-3
ウマ
α2-3
H1、H3
(α2-3、α2-6)
H5、H7
(α2-3)
H3、H7
(α2-3)
H5N1
ヒト
α2-6
α2-6、α2-3
肺にはα2-3
が存在する
H1、H2、H3
(α2-6)
通常は同一動物種内での流行
動物細胞
αレセプター
ウイルスのH型
(αレセプター対応)
矢印の形と太さは、感染の頻度を示す
インフルエンザ・ウイルスの流行模式
スペイン風邪
2000万人以上の
死亡は、戦争によ
る死亡数をはるか
に上回る。単年当
りの死亡数は中世
のペスト以上であ
り、史上最悪の伝
染病であった。
中外製薬
年少者と高齢者の死亡率が高かった従来とは異なり、ス
ペイン風邪では20~40歳の健康成人が死亡者の半数を占
めた。働き手を失った家族は、その後も苦しい生活を強いら
れた。死亡者の多くは、細菌性肺炎を併発し、1週間以内に
死亡したとされる。
この時ウイルスは未だ
発見されていなかったの
でワクチンはなく、細菌に
有効な抗生物質も発見さ
れていなかった。これらの
ことが、社会活動を止め
られない青壮年の被害を
高めた側面がある。後年
の研究でトリウイルスに
由来することが判った。
世界流行インフルエンザ H1N1 2009の誕生
季節性
ヒトH3N2
古典的
ブタH1N1
97-98
×
98
×
⇒
北アメリカ地域で ヒト⇔ブタ 軽症
ユーラシア
3種混合
3種混合
H1N1
H1N2
ブタH1N1
新型
H1N1 2009
2000 -
09
⇒
PB2
PB1
PA
HA
NP
NA
MP
NS
⇒
3種混合
H3N2
×
⇒
PB2
PB1
PA
HA
NP
NA
MP
NS
トリ
H?N?
2種混合
H3N2
×
古典的
ブタH1N1
新型インフルエンザ 2009 による週間死亡数の推移(全世界)
1400
1200
1000
800
600
米国とメキシコで新型インフルエンザA/H1N1感が発生していることが
4月24日に発表された。 当初伝えられた
致命率は10%と高く、
大きな衝撃を与えた。WHOは4月28日に
新型インフルエンザ警
戒レベルを「3」から「4」に引き上げ、
翌日には「5」へ、
6月12日には「6」へと引き上げた。
400
200
0
20000
累積死亡数の推移(全世界)
その後、致命率は0.01%以下と判明したが、
15000 南半球が冬を迎えウイルスが強毒化する懸念
が表明された。しかし、週間死亡数は、
2010年4月末までに1万8000名
10000 12月21日の1176名をピークに減少した。
が亡くなったが、これまでの季節
性インフルエンザによる死亡数よ
5000
り遥かに少なかった。推定致命
率は、0.01%以下。
0
2009
2009
2010
~5/2
~12/21
~5/2
新型インフルエンザ 2009 に
よる日本の年齢別死亡数
35
30
25
死亡数は198
名で、季節性イン
フルエンザの約
1000名(基礎疾患
者を含めると約1
万名)を下回っ
た。
:基礎疾患あり
:基礎疾患なし
20
新型インフルエンザによる
年齢別死亡率(対10万)
10歳未満の健康な子
供達の死亡率が際立っ
て高かったが、ワクチン
接種は基礎疾患のある
高齢者が優先された。
そして、重度の基礎疾
患のある高齢者がワク
チン接種後に死亡した。
4
3.5
3
2.5
2
15
1.5
10
1
5
0
0.5
0 ~ 4 5 ~ 9 10 ~ 15 ~ 20 ~ 30 ~ 40 ~ 50 ~ 60 ~ 70 ~ 80 ~
14
19
29
39
49
59
69
79
5歳階級
10歳階級
0
0 ~ 4 5 ~ 9 10 ~ 15 ~ 20 ~ 30 ~ 40 ~ 50 ~ 60 ~ 70 ~ 80 ~
14
19
29
39
49
59
69
79
5歳階級
10歳階級
インフルエンザの予防
ワクチン接種: 糖尿病や免疫低下のある方は、流行期の前に毎
年接種する。 ウイルスが毎年変化するので、それに合わせてワクチ
ンは毎年作り変えている。100%防ぐことはできなくとも、症状を軽くし
てくれる。
人混みを避ける: 自覚症状が出る前から呼気中にウイルスが排
出される。流行情報を把握し、不可欠な外出も迂回路などで対処。マ
スクの着用は完全に防がないけれども、乾燥した空気に湿り気を与
え、喉を保護してくれる(室内の加湿器と同じ効果)。
手洗い、うがい、洗顔: ウイルスで汚れた手で目や鼻をこすると
粘膜からウイルスが侵入する。うがいと同時に、洗顔によって付着し
たウイルスを取り除く。
十分な栄養と休養: 基礎体力を保持する。徹夜などで疲れた時
は感染し易い。
咳エチケット: 周囲のヒトにウイルスをまきちらさない。
早めの受診: 高熱が出始めたら、抗ウイルス薬治療(タミフルな
ど)を含めて医師の適切な判断を仰ぐ。
世界流行インフルエンザウイルス誕生を防ぐために
1997年香港 高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)H5N1の人への感染
5月に3歳男児が原因不明で死亡したのを皮切りに、年末までに18人が感染し、6
人が死亡した(致命率 33%)。 8月にトリウイルスだと判明したが、ヒト型に変異す
ることなく直接感染したことの謎が残った。それまでは、養鶏場などでヒトが稀に直
接感染することがあっても軽症で済んでいた。
2003年 HPAI H5N1の再発
11月に、中国の北京で24歳男性の死亡例
が発生した。同時期に韓国で家禽にH5N1
が初めて確認され、 発生は2004年9月まで
続いた。さらに、発生は東南アジアに広がっ
た。
現時点で、ヒト・ヒト感染は起きていない!
ヒト型H5N1ウイルスは未発生!
渡りのルート
2005年4月 HPAI H5N1の世界流行
何十万羽もの渡り鳥が集まる中国中央の青海湖で野鳥が死に始めた。その後の
数週間で様々な種の6,345羽の鳥が死亡した。これは、高病原性鳥インフルエンザ
が野鳥の大量死を引起した最初の報告事例である。水禽類はH1~H16の全ての
型に感染するが、軽症でほとんど死なないとされてきた。コブハクチョウなどの大型
水禽類が世界各地に渡り、H5N1を広げ、家禽での流行を引起すことになった。
水禽類とは、「水掻き」のある鳥類
カモ等の水禽類のインフルエンザは、一般的に消化器系感染であり、ウイルスは糞
便中に排出される。すなわち、池や湖はH5N1ウイルスで汚染されている。
マガモ
アヒル
家畜化
雁(ガン、カリ)
ガチョウ
家畜化
アジアの伝統的稲作では、水田にアヒルを放して除草作業などを手伝わせている。
アヒルが放たれている水田
地帯でHPAIが発生してい
る。これが野鳥の鴨や雁など
と自然交配を含めた濃厚接
触を重ねて、春には北方の
繁殖地へ渡っていく。シベリ
アの繁殖地で別の集団に感
染が広がり、それらのカモ類
が秋になると日本や韓国に
渡ってきてニワトリへの感染
源となる。こうした生態系の
FAO: 鳥インフルエンザの理解
営みを変えられるか?
家禽におけるH5N1の発生
死亡して見つかった数は平均で
約1割であり、全群が殺処分され
るのでこの8年間で6,300万羽が
犠牲になった。平均すると毎年
770万羽となる。命あるものを殺処
分する心の痛み・・・
20,000,000
18,000,000
16,000,000
14,000,000
12,000,000
10,000,000
8,000,000
6,000,000
4,000,000
2,000,000
0
2012年1~8月の発生状況
:継続中(家畜)
:終息(家畜)
:終息(野生動物)
:情報なし
淘汰数
死亡数
2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012
高病原性鳥インフルエンザH5N1
のヒト感染状況 (2012年8月10日現在)
患者数: 608名
死者数: 359名
致命率: 59%
120
100
80
死亡数
生存数
あなたは、鶏と
心中できますか?
患者数 死者数
191
159
インドネシア
168
60
エジプト
123
61
ベトナム
43
28
中国
21
19
カンボジア
25
17
タイ
8
5
アゼルバイジャン
12
4
トルコ
17
6
その他
イラク、ラオス、パキスタン、ナイジェリア、
バングラディッシュ、ミャンマー、ジブチ
60
40
20
0
2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012
鳥インフルエンザA(H5N1)のヒト感染例:年齢、転帰別
2010年2月8日現在、総数441例
死亡(260例)
生存(181例)
症
例
数
年齢層
死亡数
生存数
季
節
性
イ
ン
フ
ル
エ
ン
ザ
70歳
以上
世界保健機関(WHO)の勧告
病気になったか死亡した動物を調理し
たり、喫食してはいけない。それは非常
に危険である。
● 流行地においては、自宅で食用と殺し
てはならない。
鼻や喉からH1N1は感染
せず、ホコリとともに大量の
ウイルスを吸込んで肺に達
した場合にのみ感染する。
●
写真はFAO日本事務所
アジアにおけるH5N1発生の8割以上が
庭先養鶏で起きている。国内発生が起き
ても、市販の鶏肉や卵を食べることに
よって感染することはない。
発イ日
生ン本
状フに
お
況ル
エけ
ン
ザる
の鳥
2004年2月
京都府京丹波町
2007年2月
岡山県高梁市
2004年1月
山口県阿東町
2010年10月
北海道稚内市大沼
カモの糞
2008年5月
北海道佐呂間町
オオハクチョウ
2008年4月
秋田県小坂町
オオハクチョウ
2008年5月
北海道別海町
オオハクチョウ
2004年3月
京都府・大阪府
ハシブトガラス
2008年5月
青森県十和田市
オオハクチョウ
2005~2006年 H5N2
茨城県(2ヶ所)
2005~2006年 H5N2
埼玉県(1ヶ所)
2009年 H7N6
愛知県豊橋市(ウズラ)
2007年3月
20110-11年には10月の北海道に始まり
熊本県相良村
2004年2月
全国で野鳥や公園の白鳥が感染し、家
クマタカ
大分県九重町 禽では 9県 24農場(宮崎 13件、千葉、
愛知、三重で各 2件、島根、奈良、和歌
2007年1月
宮崎県(清武町・新富町・日向市) 山、大分、鹿児島で 各1件)。
世界は一つ、健康は一つ(One World, One Health)
「FAO、OIE、WHO、インフルエンザ連携国連機構、
UNICEF、世界銀行」が2008年に合同で打ち出した、動物・
人間・生態系の接点における感染症のリスクを低減する
ための戦略的枠組み。
人間の生活圏
越境性疾病: 国境を越え
て蔓延する人、家畜、動物
の伝染病。
新興感染症: これまで知ら
れていない新疾病。人、家
畜、動物の接点で発生。
開発
野生動物
が暮らす
森
原人て野
体にい生
に感た動
進染病物
化し原の
、体間
新がに
た家存
な畜在
病やし
土地と水の使用に関する
決定が健康に対して実質的で
密接な関係を持っており、生態系の回復力の変化および病気の出現
と拡大の様相の変化が現われる。 地球規模での病気の予防、広域
調査、定期検査、制御、および緩和を図るべきである。
地球の誕生: 約46億年前
原始大気と原始海洋の誕生
最初の生命体(原核生物)
35億年前の最古の化石
緑藻類などの真核生物
10億年前
1991年5月普賢岳の噴火
二酸化炭素
CO2
酸素
O2
アオミドロ
原始大気
起源
その後
現在
大量
原始地球から
脱ガス
石灰岩CaCO3
地下有機物(化石燃料)
0.03%
ただし増加中
生物の光合成
縞状鉄鉱などの酸化物
その後は大気中に蓄積
成層圏のオゾンO3層
21%
なし
大気と水に恵まれた地球で生命が誕生し進化してきた
大
気
中
ガ
ス
濃
度
炭酸ガス
CO2
酸素
O2
46
35
地
球
誕
生
原
始
生
物
27
10
5.1
3.7
4.4
2.1
500万年前
人類の出現
ほ乳類の出現
脊椎動物の上陸
陸上植物の出現
脊椎動物の出現
緑藻類などの真核生物
光合成を行うラン藻類(シアノバクテリア)
ミラーの実験 「化学進化」
原始大気と放電でアミノ酸ができる
地球にも寿命があ
り、地殻活動などの
環境変化により絶滅
した種もいる。人類
は?
ダーウィンの著書 1859年
「種の起源」 進化論
パスツールの実験 1862年
「生物は生物からしか生まれない」
生物の系統発生学的位置
病原体
高等生物: 動物界、植物界、菌界
真性細菌
古細菌
Procaryote
原核生物
寄
生
虫
Eucaryote
真核生物
ウイルスはエネルギー生産、蛋白合成に係わる酵素系を欠如しており、この図には含まれない
動物界
菌界
植物界
消
化
吸
収
光
合
成
分類学に基づいて動物界と植
物界に大別したのはリンネ
(1707 - 1778)であったが、ヘッ
ケルが原生生物界を加えた系
統発生図を描き(3界説) 、ホイ
タッカー(1920 - 1980)は原生生
物界にモネラ界を、植物界に菌
界を付け加えて「5界説」を唱え
た(1959)。
真核生物、多細胞
原生生物界 真核生物、単細胞
モネラ界
生物の分類
原核生物、単細胞
生物の系統発生図
微生物の菌類・細菌類
などが中心。生産者や
消費者の遺体や排出物
の有機物を無機物に分
解し、もとの環境に返
す。
菌界
太陽
一次消費者を食べる生物
肉食動物
二次消費者
動物界
分解者
一次消費者
植物界
生産者を直接食べる生物
草食動物
生産者
大地・大気・水
エネルギー(生態)ピラミッド
自分で栄養素を作る
光合成植物
肉眼
光学顕微鏡
電子顕微鏡
1031年 ベルリン工
科大学のクノールと
ルスカが開発
X線解析
新技術の開発!
濾過性病原体
"contagium vivum fluidum"
= soluble living germ
科学と宗教は
車の両輪
世界観
仏教
仏陀釈迦牟尼の教え
キリスト教
イエスの教え
自然科学
宗教
生物学、医学、農学、工学、・・・
社会科学
イスラム教
科学
マホメットの教え
法学、経済学、・・・
人文科学
現実によって動く心の世界の解明と導き
歴史、心理学、文学、・・・
2000年変わらぬ世界
現実にある事象の解析と解決方法の提示
日進月歩の世界
生命観