Transcript 第13講

サービスとホスピタリティの
マーケティング
マーケティングの広がり
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マーケティング小史
• 19世紀から20世紀初頭にかけてのマーケ
ティングは「モノ」を大量に生産し、大量に販
売していくことが課題
• 「生産志向のマーケティング」から「販売指向
のマーケティング」へと移行したが、「生産」
「販売」に関心
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4Pマーケティング
• 1960年にマッカーシーがPで始まる4つの
用語でマーケティング活動を整理
– Product
– Price
– Place
– Promotion
(製品)
(価格)
(流通)
(プロモーション)
• 顧客を想定し4つの要素を組み合わせていく
というフレームを提示
3
IMCと4C
• シュルツらがマーケティング活動全体が顧客
へのコミュニケーション活動であるととらえ「統
合されたマーケティングコミュニケーション(I
MC)」という考え方を提起
• IMCをベースに4Cという考え方を提示
• 4Pは企業サイドからの活動分類
• 4Cは4Pを顧客サイドからみた分類
4
4Pと4C
4P
4C
Product
→
Customer Value
→
Customer Cost
→
Convenience
→
Communication
双方向のコミュニケーション
製品
Price
価格
Place
流通
Promotion
プロモーション
価値
対価
利便性
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1969年の大事件
• コトラーとレヴィによる「マーケティングのコン
セプトを拡張して適用すべきという主張の論
文が発表」
• モノを中心とした従来の考え方を広げ、サー
ビス(無形の財)、アイデア、人、土地などへも
応用が可能であることを主張
• 論争ののち、コトラーらの主張に基づき実践
と理論が展開される
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製品概念の拡張
• マーケティング・コンセプトの拡張において重
要な意味をもったのは製品概念の拡張
• 主体別に製品を提示
教会
警察
慈善団体
大学
博物館
政治家
幸福
人々を守るサービス
人々の幸福感
教育
文化の理解
誠実な政治
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「無形財」のマーケティング
• ここでは「無形財」の意味での「サービス」
• サービス(無形財)の特徴
無形性
同時性(不可分性)
変動制
消滅性
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無形性
•
•
•
•
本質的に無形
購入前には五感で感じることはできない
購入する前にサービス自体の評価は不可能
顧客に対して不確か
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同時性
• 非分離性ともいう
• 生産と消費が時間的・空間的に分離不可能
• 提供している間は享受され続ける
• サービス財の生産には提供者と享受者が必
要
• 相互作用により内容やレベルに影響
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変動性
•
•
•
•
生産においてレベルに差が生じる
状況によって提供するサービスが異なる
変動性は信頼を失う可能性「大」
均質化と標準化が重要
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消滅性
• 貯蔵・在庫することができない
• 需要が季節変動するときに問題
– オフシーズンに割引などで顧客を分散
– ピーク時にパートで対応
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サーブカル
• ServiceとQualityからなる造語
• 顧客がサービスに対して持っている期待と実
際に受けたサービスとのギャップを測定し、そ
のサービス品質の改善に役立てるもの
– Reliability
– Assurance
– Tangibles
– Empathy
– Responsiveness
信頼性
保証
有形の部分
共感
対応
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サーバクション・システム
• ServiceとProductionをつなげた造語
• サービスがどのように提供されるかを示した
もの
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サーバクション・ミックス
目に見えない部分
目に見える部分
顧客B
内装・店舗・雰
囲気など
組織と
システム
場を取り巻く
環境
顧客A
店員・ウェイ
ターなど
サービスを提
供する接遇員
ベネフィットの束
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見えない部分の重要性
• 接遇員は決定的に重要な存在
• サービスの質に関連する接遇員の要素
–
–
–
–
対応の親切さ丁寧さ
商品知識の深さ
仕事への愛情や熱意
満足感
• したがって、接遇員に対する内的マーケティング
が必要
• 内的マーケティングや店舗運営を支えるシステ
ムは「見えない部分」であるが重要
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サービスが生産される「場」
•
•
•
•
接遇員
接遇員と相対する場である店内の雰囲気
「見える部分」を支えている「見えない部分」
来店している他の客
• それらの相互作用が作り出す「場」がサービ
スが生産される「場」
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経験価値マーケティング
• 消費の場やプロセスを重視するもの
• 消費者は単なるモノの消費をしているのでは
ない
• 消費のプロセスの中で商品の価値が実現
• 動的でプロセス的な認識に立つ考え方
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消費の場における5つの要素
•
•
•
•
•
Sense
Feel
Think
Act
Relate
感覚的経験価値(五感)
情緒的経験価値(心)
認知的経験価値(思考)
肉体的経験価値(活動)
準拠集団や文化との関連付け
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ホスピタリティ・マーケティング
• ホスピタリティ製品とは観光やレストランなど
の業界とそれらに関連する業界において提
供
• ホテル事業とレストラン事業を中心にし、観光
事業がこのホスピタリティ事業と旅行事業と
から構成されるとしている
• つまり、旅行・ホテル・レストランがホスピタリ
ティ・ビジネス
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ホスピタリティ商品とは
• 食事を例
– おいしいのは当然
– 楽しい食事
– かけがえのない人との楽しい語らいのひと時
• 旅を例
– 楽しい旅
– 未知の人との出会い
– くつろぎの時間
– 素敵な思い出
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ホスピタリティ商品の特徴
• 無形財としてのサービスと同じ商品特性を持
つ
• 顧客とともに価値を作っていくという「共創」の
側面を持つ
• 「消費の場・消費のプロセスにおいてその商
品価値を実現する」形のない商品
• 単なるサービス財の提供とは異なる
• 顧客との相互作用関係を創造
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