教材3_カイ二乗検定の応用(メンデル遺伝)2013
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Transcript 教材3_カイ二乗検定の応用(メンデル遺伝)2013
カイ二乗検定の応用
カイ二乗検定はメンデル遺伝の分離比や計数(比率)データの
標本(群)の差の検定にも利用できる
2
2
n
(
O
E
)
(
観測値
期待値
)
2
i
i
期待値
Ei
i 1
i 1
n
p 値 CHIDIST ( , f )
2
自由度
f 2n 1
1遺伝子座の場合:例
例:F1のエンドウの交配から赤花80,白花30を得た.3:1に分離
するかを検定せよ.
観測値
帰無仮説 分離比は3:1である
形質A
対立仮説 分離比は3:1でない 形質B
合計
p-値
理論値
80
82.5
30
27.5
110
0.659658
検定 p-値 0.6597
帰無仮説は棄却できないので,3:1に分離しないという証拠はない
1遺伝子座の場合:予習問題
例:F1のエンドウの交配から赤花105,白花15を得た.3:1に分
離するかを検定せよ.
2遺伝子座の場合:例
例: 「花色赤色・草丈が高い×花色白色・草丈が低い」を交配した
F1はすべて花色赤色・草丈が高いとなった.F1同士を交配し
た結果,下の表のような分離比を得た.これは9:3:3:1の分離
比かどうかを検定する.
遺伝子型
表現型
赤ー高ー
赤色・草丈高い
65
9
160×9/16=90
赤ー低低
赤色・草丈低い
50
3
160×3/16=30
白白高ー
白色・草丈高い
30
3
160×3/16=30
白白低低
白色・草丈低い
15
1
160×1/16=10
160
16
計
観測値 分離比
期待値
エクセルでの計算の手順
帰無仮説: 分離比は9:3:3:1である
対立仮説: 分離比は9:3:3:1でない
観測値
A-B-
A-bb
aaB-
aabb
合計
p-値
65
50
30
15
160
4.49E-05
理論値
分離比
90
30
30
10
p 値 4.493 10
9
3
3
1
5
5%の有意水準で帰無仮説は棄却され,9:3:3:1に分離しない
と結論される
練習:次のデータでは9:3:3:1に分離しているか
F1のエンドウの交配から以下の結果を得た.9:33:1に分離するかを
検定せよ.
遺伝子型
表現型
赤ー高ー
赤色・草丈高い
80
9
160×9/16=90
赤ー低低
赤色・草丈低い
35
3
160×3/16=30
白白高ー
白色・草丈高い
30
3
160×3/16=30
白白低低
白色・草丈低い
15
1
160×1/16=10
160
16
計
観測値 分離比
理論値
頻度データの性質
1.等分散性を示さない
分散分析,t検定などでは分散が等しいことが検定の条件
頻度では0%や100%の値をとると分散は0になる
2.正規分布に従わない
3.パーセントで表記してしまうと,もともとの個数の違いが失われる
カイ二乗検定
右のような分割表で
示されるデータを
検定するときに
カイ二乗検定を利用できる
なおa, b, c, dの値は3より小さいと精度が落ちるとされるので,な
るべく観測度数を増やして検定することが望ましい.
カイ二乗検定は近似法であり,検出力も劣るためにコンピュータが
利用できるならば,二項検定やフィッシャーの正確確率検定を用い
る方がよい
カイ二乗検定の例
例:トノサマガエルのオタマジャクシをA,B2つの方法で飼育し,
成体まで生存した数と死亡数を調査した結果は以下のようになっ
た.2つの飼育方法で生存数に違いがあるかを有意水準5%で検
定せよ.
飼育法
生存数
死亡数
計
A
255
73
328
B
190
30
220
計
445
103
548
帰無仮説:2つの飼育方法には生存率に違いはない.
対立仮説:2つの飼育方法には生存率に差がある.
カイ二乗値とp-値の計算
2つの飼育法による生存数の違いをカイ二乗検定するための表
飼育法
A
B
計
生存数
死亡数
計
255
73
190
30
445
103
328
220
548
カイ二乗値その1
カイ二乗値その2
5.857828
6.987332
p値その1
p値その2
0.015508 大きい方のp値を採用する
0.008209
p 値 0.0155
したがって,5%の有意水準で帰無仮説は棄却され,2つの
飼育方法には生存数に差があると結論できる.
カイ二乗検定の予習問題
カブトムシを宍道湖北側の山から採集してきた腐葉土と宍道湖の
南側の山から採集してきた腐葉土で幼虫を飼育,成体まで生存し
た数と死亡数を調査した結果は以下のようになった.腐葉土の採
集地点の違いで生存数に違いがあるかを有意水準5%で検定せよ.
腐葉土
宍道湖北側
宍道湖南側
生存数
死亡数
247
44
335
90