第13回(7月16日)

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Transcript 第13回(7月16日)

統計学
西 山
例題【2】
Ⅰ限ここまで
7/9
正常なブレーキなら時速40KMから急ブレーキをかけたと
き40メートルで止まれるはずとする。甘くなっていたブレー
キを修理して試したところ
41.8, 41.6, 41.1, 39.1, 39.2, 39.8, 40.7, 41.0, 40.6, 43.1
という結果になった(単位:メートル)。
「ブレーキは正常」それとも「ブレーキは甘い!」
ヒント:
標本平均=40.8
不偏分散=1.483
どんなT値を異常と判定する?
対立仮説(H1)による
40.8  40
T0 
 2.1
1.483
10
ひくいT値で
甘いと判定する?
異常
要注意は
高すぎるT値だけ
正常
異常
<片側検定>と呼びます
Ⅱ限ここまで
7/9
40.8  40
T0 
 2.1
1.483
10
このT値は大きすぎる
ブレーキは甘いようだ
限界値
正常
異常
検定は二択問題です
帰無仮説(仮置き)
対立仮説(異常状態)
 ブレーキは正常
vs ブレーキは正常でない
 ブレーキは正常 vs ブレーキは甘い <片側検定>
 ブレーキは正常 vs ブレーキがききすぎる <同じ>
• 血圧は正常 vs 高血圧!
• 運転技術は十分 vs まだ未熟
• 得点は合格 vs 得点は不合格
片側検定
標準値(T値)で限界値を決める点が勘どころ
検定の手順
1.
2.
3.
4.
5.
有意水準を決める(5%、10%、1%)
棄却域の設定: 両側か、片側か(右側か、左側か)
帰無仮説の母平均(μ)を前提する
サンプル結果をT値に直す。標準誤差が確定であれ
ば標準値(Z値)。
T値が棄却域に入るか?入れば棄却(結果異常)、入
らなければ採択(結果正常)。
ここまでが、検定の第一段階。第二段階があります。
統計的仮説検定の要点
検定とは二択問題です.つまり二つの命題のど
ちらかをデータをみて選びます.
正しいと仮定する命題を帰無仮説と呼び、もう一
方の命題を対立仮説と呼びます.
母平均を仮置きする値が帰無仮説です。
サンプル平均が棄却域に入れば帰無仮説は棄
却できます。棄却域は、普通、5%分もうけます。
【例題】棄却域の作り方がポイント
この問題
省略
あるメーカーの新型電池は耐久時間を1000時間と表示
している。最近、「すぐ切れる」というクレームが相次い
で寄せられた。そのため、20個のサンプルをとって、計
測してみると、以下の結果になった。
X  980
ˆ  720
2
このようなサンプルは
頻繁に出ますか?
電池の生産に異常はないと言えるか?
検定を二択にする
H0 :   1000 vs H1 :   1000
帰無仮説
(正常)
1000と仮定!
対立仮説
(短い)
【考え方】寿命が長すぎても問題なし
帰無仮説(=仮置き値): μ=1000時間
有意水準
5%
異常
5%
限界値
正常
95%
1000
【解答】
分散未知なので限界値はT分布で
980 1000
T0 
 3.3
720
20
このサンプルは偶然ではない
有意!
検定の第2段階
これが
Ⅰ限のテーマ
7/16
Ⅱ限
7/23のテーマ
検定ミス(=判断ミス)の可能性を調べます。
 第1種の過誤
 第2種の過誤
 検出力(=異常を発見できる確率)
【例題】: 5台検査体制の信頼度
無作為に5台の自動車を抜き取りブレーキ性能検
査をする.60Km/hからの停止距離の基準は60メー
トルである.
いま工場内に異常があり、停止距離が平均で2メー
トルも基準値を超えている。ブレーキ検査をして、こ
の異常に気がつくだろうか?但し、ブレーキを踏む
タイミングなどから、停止距離の測定値は2メートル
の標準偏差でばらつく.
H 0 : 元の平均() 60 vs H 1 : 元の平均() 62
正常
異常
教科書176ページ以降を参照
例題【2】の考え方
分散既知 ⇒ 正規分布が使える
この限界値は
61.47です.なぜ?
判断ミスに二通りあり
必要のない検査をした
意味では生産者危険
欠陥車に気が
つかないので
消費者危険
検査結果
正常
真
相
異常
第1種の
正常(H0) あいまい 過誤(α)
異常(H1)
第2種の
過誤(β)
検出
例題【2】の解答
第2種の過誤(β)
 PX  61.47 | H 1 
61.47  62 

 P Z 

0.894 

 PZ   0.56
 0.29
10回に3回は異常に
気がつかない!
検出力=1-0.29=0.71
例題に関するクイズ
無作為に5台の自動車を抜き取りブレーキ性能検査をする.
60Km/hからの停止距離の基準は60メートルになっている.5
回の測定値の結果は
59.3、 59.6、 62.7、 62.7、 62.3
となった。以下の検定を行いなさい。但し、ブレーキを踏むタイ
ミングなどから、停止距離の測定値は2メートルの標準偏差で
ばらつく.
H 0 : 元の平均() 60 vs H 1 : 元の平均() 62
正常
X  61.32
ˆ  2.85
2
異常
どんな結果は異常と決めましたか?
クイズの解答
異常なしと仮定して
Z0 
61.32  60.0
2
2
5
1.32

 1.48
0.894
限界値1.645を超えていないので、結果正常
検出漏れの確率は30%
どんな判断ミスが
心配?
Ⅰ限ここまで
7/16
検査結果
正常
真
相
異常
第1種の
正常(H0) あいまい 過誤(α)
異常(H1)
第2種の
過誤(β)
検出
【練習問題】 ―第3章から―
中心極限定理
正常なサイコロを20回振って出る目の数を平均し
た値は、概ねどのような確率分布に従うか?分布
図を描き、その平均と標準偏差を書き入れなさい。
母集団
【練習問題】 ―第4章<推定>
標準偏差=標準誤差
ランダムに9人(日本人)をとって身長のデー
タをとると、以下のようになった。
X  169
ˆ  81
2
日本人全体の平均身長はどの位だと推定さ
れますか?