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理科教育研究Ⅱ
4班:電流とその利用(静電気と電流除く)
252312 塩崎 龍一
252322 古本 沙耶香
252323 三角 真
252326 吉田 周作
242308 宮 先鋒
科学用語
回路
電流
導線
直列つなぎ
直列回路
並列つなぎ
並列回路
電圧
オームの法則
電気抵抗
導体
絶縁体
半導体
超伝導
エネルギー
電気エネルギ-
電力
電力量
電気が流れる道すじ
回路を流れる電気 単位はアンペア,1A=1000mA,記号はI
電流を流すために使われる金属の線
回路をつくるときに,電流の流れ道すじが一つの輪になるつなぎ方
直列つなぎの回路
回路をつくるときに,電流の流れ道すじが途中でわかれるつなぎ方
並列つなぎの回路
電流を流すはたらきの大小を表す量,単位はボルト,記号はV
流れる電流Iは電圧Vに比例するという関係
電流の流れにくさ
電流が流れる物質
電流が流れない物質
電気を通す導体と電気を通さない絶縁体の中間の性質をもつ物質
超低温である金属の抵抗の大きさが0になる現象
電気がもっているようないろいろな働きをする能力
電気がもつエネルギー
1秒あたりに使う電気エネルギーの量(単位はW)。1Vを加え,1Aの電流を流
したときに使われた電力が1W
電力と時間の積 単位はジュール(J) ,そのほかワット秒(Ws),ワット時(W
h)なども使われる
電力量について
• 電力・・・1秒あたりに使う電気エネルギーの量。
• 電力量・・・(ある時間電流を流した時の),電気回路において電気が
する仕事。または電気によるエネルギーの総量。
(電力×時間)
教科書には電力量については電力と時間の積としか記載されていな
い。
電力 電力量 電気エネルギー
電流によって熱エネルギーが発生する
電気エネルギーがすべて熱エネルギーに変わったとすると,
電力量=電気エネルギー=熱エネルギー
となる。したがって,熱エネルギーによって、水の上昇温度がわかる。
単位はすべてジュール
(記号J)である。
学びのストーリー
小学校までの既習事項
小学校三年生「電流の通り道」
• 電流を通す繋ぎ方と通さない繋ぎ方があること。
• 電気を通すものと通さないものがあること。
• 乾電池に豆電球などを繋ぎ,電気を通す繋ぎ方や電気を通すものを
調べ,電機の回路についての考えを持つことができるようにする。
小学校四年生「電気の働き」
• 乾電池の数や繋ぎ方を変えると,豆電球の明るさやモーターの回り
方が変わること。
• 光電池を使ってモーターを回すことなどができること。
• 乾電池や光電池に豆電球やモーターなどを繋ぎ,乾電池や光電池
の働きを調べ,電気の働きについての考えを持つことができるように
する。
小学校五年生「電流の働き」
・電流の流れているコイルは,鉄心を磁化する働きがあり,電流の向
きが変わると,電磁石の極が変わること。
・電磁石の強さは,電流の強さや導線の巻数によって変わること。
電磁石の導線に電流を流し,電磁石の強さの変化を調べ,電流の働
きについての考えをもつことができるようにする。
小学校六年生「電気の利用」
・電気は,つくりだしたり蓄えたりすることができること。
・電気は光,音,熱などに変えることができること。
・電熱線の発熱は,その太さによって変わること。
・身の回りには,電気の性質や働きを利用した道具があること。
手回し発電機などを使い,電気の利用の仕方を調べ,電気の性質や
働きについての考えを持つことができるようにする。
教科書比較
大日本図書
東京書籍
教育出版・啓林館
回路と電流の向き
直列・並列回路の紹介
電流の大きさ
直列・並列回路における電流
電圧の大きさ
直列・並列回路における電圧
オームの法則
学校図書
大日本図書
東京書籍
教育出版・啓林館
合成抵抗の大きさ
物質の種類と抵抗
物質の種類と抵抗
合成抵抗の大きさ
電力の大きさ
熱量の大きさ
電力量の大きさ
電気エネルギーと環境
学校図書
学びのストーリーにおける教科書比較
5社の教科書を比較してみたところ明確な違いとして3点があげられ
た。
「学校図書と他4社の違い」
回路と電流の向きの後に直列回路、並列回路の記述が他4
社にあるが学校図書では直列回路、並列回路の記述がなく
電流の大きさの後に直接、直列回路、並列回路における電
流に入っている
「東京書籍と他4社の違い」
物質の種類と抵抗と合成抵抗の大きさの順序が東京書籍で
は他4社とくらべると逆になっている
「東京書籍・大日本図書と他3社の違い」
東京書籍・大日本図書では単元の最後に電気エ
ネルギーと環境についての記述があるが他3社
では記述がない
5社の教科書比較から考える学びのストーリー
回路と電流の向き
直列・並列回路の紹介
電流の大きさ
直列・並列回路における電流
電圧の大きさ
直列・並列回路における電圧
オームの法則
物質の種類と抵抗
合成抵抗の大きさ
電力の大きさ
熱量の大きさ
電力量の大きさ
電気エネルギーと環境
実験①豆電球に流れる電流の大きさを調べ
よう。
Q.豆電球に流れ込む時と出る時で,電流の
大きさは変わるのだろうか?
• 方法:
①豆電球に流れ込む電流I 1 をはかる。
②豆電球から流れ出る電流I2をはかる。
• 結果:I1とI2が等しいことがわかる。
予備実験①の成果
• 予備実験の成果:豆電球の前
と後で電流が変わることなく,
全く変わらない値を示した。
• 考察:これらのことから,あまり
時間をかけないで良い実験で
あることがわかる。アンケートな
どの事前の調査を行い,豆電
球の前後での電流の大きさの
生徒の認識によって進め方を
変えると良いと考える。
• 電流計を同時に2つつないで演
示しても良いと思われる。
どちらも0.4Aを示している。
実験②直列回路や並列回路を流れる電流
を調べよう。
Q.直列回路と並列回路では,電流の流れ方にどのような違いがあるのだろうか?
• 方法:
<並列回路>
①並列回路を作る。
①直列回路をつくる。
②電球abの分岐前の電流I1をはかる。
②電球abに流れ込む電流I1をはかる。
③電球aに入り込む電流I2をはかる。
③電球aとbの間の電流I2をはかる。
④電球bに入り込む電流I3をはかる。
④電球abからながれでる電流I3をはかる。
⑤電球abの分岐がつながったあとの電流I4
をはかる。
<直列回路>
• 結果:直列ではI1=I2=I3,並列ではI1=I2+I3=I4となる。
実験③回路のいろいろな区間の電圧を調
べよう。
Q.電圧の大きさは,回路のいろいろな区間では,どのようになっているだろうか?
• 方法:
<直列回路>
<並列回路>
①回路を作る。
①回路を作る。
②豆電球abの両端の電圧V1をはかる。
②豆電球abの両端の電圧V1をはかる。
③ab間とaの手前との電圧V2をはかる。
③aの両端の電圧V2をはかる。
④ab間とbの後の電圧V3をはかる。
④bの両端の電圧V3をはかる。
⑤電源の両端のV4をはかる。
⑤電源の両端の電圧V4をはかる。
• 結果:直列回路V1=V2+V3=V4,並列回路V1=V2=V3=V4
予備実験②③の成果
考察:
• 実験②③は,かなり精度よく行える実験である。これらの実験は,セットにして
考えることが望ましい単元であると考える。これらの実験を通して,電流や電圧
に対して,水のモデルなどを使った考え方を利用して理解させることができる実
験だと考える。
• 回路づくりをしやすいように配置を工夫したり導線の色を区別したりしても良い。
• 実験では異なる電圧の電球を用いる。これは並列回路での電流の差を生み,直列
回路での電圧の差を生む。
• 電源装置で実験をする場合,班ごとに回路に働く電圧の差が生じにくいが,電圧
をかけすぎて電球を切らすことがある。電池の電圧の誤差は0.1ボルトほどで
あったため,班ごとの実験値の差は小さい。新品の電池を用いると良い。
実験④電熱線にかかる電圧を変えて電流
の変化を調べよう。
Q.電熱線にかかる電圧を変えると電流の大きさはどのように変化
するだろうか?
• 方法:
①回路を組み立てる。
②電熱線aにかかる電圧Vを変えて電流Iをはかる。
③電熱線bにかかる電圧Vを変えて電流Iをはかる。
結果
ニクロム線
300
300W
33Ω
0mA
30mA
60mA
93mA
125mA
157mA
500W
18Ω
0mA
55mA
110mA
165mA
220mA
275mA
250
200
電
流 150
(mA)
ニクロム
線
0V
1V
2V
3V
4V
5V
33Ω
18Ω
100
50
0
0
1
2
3
電圧(V)
4
5
6
結果
セメント抵抗
600
500
400
電
流 300
(mA)
10Ω
20Ω
200
30Ω
100
0
0
1
2
3
電圧(V)
4
5
6
予備実験④の成果
考察:
• ここでは電流は電圧に比例するということを念頭において行う。精
度はかなり良いが,新しい抵抗と古い抵抗を混ぜると正確な値が出
ないときがある。また,リード線などによっても変わる可能性を
疑って予備実験に望むと良い。
• 電源装置や,電流計,電圧計などを同時に使う初めての実験になる
ので,それによって違いが出ないか,電流計や電圧計が壊れていな
いかなど調べる必要がある。
• 最終的に,どのようにして比例のグラフまで持っていくかも考える
必要がある。
• ニクロム線もセメント抵抗も10Vかけると30秒弱で著しい熱を発す
るため,2V間隔での実験より1V間隔の実験の方が,安全性が高い。
実験⑤:電圧を変えたときの水の温度変化
を調べよう。
Q.電熱線によって上昇する水の温度は電力や時間とどのような関
係があるのだろうか?
• 方法:
①装置を組み立てて発泡ポリスチレンのコップに水100gをい
れ、しばらく経ってから水温をはかる。
②電圧を一定にして電流を流す。
③一分ごとに電圧と電流の大きさが変化しないことを確認し、水
をゆっくりかき混ぜながら、一分ごとに水の温度をはかる。5分
後に電流を止める。
実験⑤:電圧を変えたときの水の温度変化
を調べよう。
• 結果:
①電力が一定の場合,水の上昇した温度は,電熱線に電流を流し
た時間に比例する。
②電力が大きいほど,一定時間の電熱線の発熱が大きく,水の温
度が上昇する。
③電流を流した時間が一定の場合,水の温度上昇,つまり電熱線
の発熱量は電力の大きさに比例する。
蒸留水(100g) 6Ω
A
V
0
1
2
3
4
5
計
℃
0.45
3
20.0
20.0
21.0
21.1
21.2
21.5
1.5
0.65
4
21.0
21.5
22.1
22.7
23.1
23.5
2.5
0.85
5
21.0
21.0
22.0
22.7
23.0
23.7
2.7
4Ω
0.98
6
20.0
20.0
21.8
22.5
23.1
24.0
4.0
理論値 6Ω
A
V
℃
60
120
180
240
300
0.50
3
0.21
0.43
0.64
0.86
1.07
0.52
3
20.7
21.0
21.1
21.7
22.0
22.1
1.4
0.61
4
21.0
21.1
22.0
22.3
23.0
23.5
2.5
A
V
1.00
6
20.0
21.0
22.1
23.5
24.1
25.5
5.5
℃
0
1
2
3
4
5
計
1.4
6
20.8
21.9
24.0
25.1
27.0
28.1
7.3
1.25
5
0.89
1.79
2.68
3.57
4.46
1.5
6
1.29
2.57
3.86
5.14
6.43
4Ω
0.67
4
0.38
0.76
1.14
1.52
1.90
0.83
5
0.60
1.19
1.79
2.38
2.98
1.00
6
0.86
1.71
2.57
3.43
4.29
A
V
℃
60
120
180
240
300
0.75
3
0.32
0.64
0.96
1.29
1.61
1
4
0.57
1.14
1.71
2.29
2.86
水道水(100g) 6Ω
A
V
0
1
2
3
4
5
℃
計
0.50
3
22.5
23.0
23.1
23.5
24.0
24.1
1.6
0.63
4
23.0
23.2
23.5
24.0
24.2
24.7
1.7
0.81
5
22.5
23.0
23.9
24.8
25.5
26.0
3.5
1.00
6
22.0
23.0
24.1
25.0
26.1
27.2
5.2
A
V
℃
0.45
3
20.0
20.0
21.0
21.1
21.2
21.5
1.5
0
1
2
3
4
5
計
0.65
4
21.0
21.5
22.1
22.7
23.1
23.5
2.5
0.85
5
21.0
21.0
22.0
22.7
23.0
23.7
2.7
0.98
6
20.0
20.0
21.8
22.5
23.1
24.0
4.0
0.52
3
20.7
21.0
21.1
21.7
22.0
22.1
1.4
0.61
4
21.0
21.1
22.0
22.3
23.0
23.5
2.5
1.00
6
20.0
21.0
22.1
23.5
24.1
25.5
5.5
理論値
A
V
℃
60
120
180
240
300
0.50
3
0.21
0.43
0.64
0.86
1.07
0.67
4
0.38
0.76
1.14
1.52
1.90
0.83
5
0.60
1.19
1.79
2.38
2.98
1.00
6
0.86
1.71
2.57
3.43
4.29
装置を使う 蒸留水(100g)
6Ω 理論値
6Ω
A
V
℃
0
1
2
3
4
5
計
1.00
6
20.6
21.0
22.0
23.1
24.0
24.8
4.2
4Ω
1.4
6
21.8
22.5
24.0
25.1
26.6
27.9
6.1
理論値より低い!
A
V
60
120
180
240
300
℃
0.50
3
0.21
0.43
0.64
0.86
1.07
0.67
4
0.38
0.76
1.14
1.52
1.90
0.83
5
0.60
1.19
1.79
2.38
2.98
1.00
6
0.86
1.71
2.57
3.43
4.29
1
4
0.57
1.14
1.71
2.29
2.86
1.25
5
0.89
1.79
2.68
3.57
4.46
1.5
6
1.29
2.57
3.86
5.14
6.43
4Ω 理論値
A
V
℃
60
120
180
240
300
0.75
3
0.32
0.64
0.96
1.29
1.61
コップ3個
コップを3つ重ねる
蒸留水(100g) 4Ω
A
V
0
1
2
3
4
5
計
℃
コップ1個
1.4
6
21.1
22
24
25
27
28
6.9
A
V
℃
0
1
2
3
4
5
計
1.4
6
20.8
21.9
24.0
25.1
27.0
28.1
7.3
少し理論値に近づいた!
理論値
A
V
℃
60
120
180
240
300
0.75
3
0.32
0.64
0.96
1.29
1.61
1
4
0.57
1.14
1.71
2.29
2.86
1.25
5
0.89
1.79
2.68
3.57
4.46
1.5
6
1.29
2.57
3.86
5.14
6.43
混ぜるだけ 蒸留水(100g)
A
V
℃
0
1
2
3
4
5
計
20.5
20.8
20.9
21.0
21.0
21.0
0.5
ただ混ぜるだけで水温が上昇した!
混ぜてから実験(蒸留水100g) 4Ω
A
V
℃
0
1
2
3(0)
4(1)
5(2)
6(3)
7(4)
8(5)
計
1.4
6
21.0
22.8
22.8
22.8
23.8
25.0
26.2
28.0
29.5
6.7
混ぜてないとき
混ぜただけで1.8℃
A
V
上昇している!
0
1
2
℃
3
4
5
混ぜないときと比べ,
計
温度の上昇は低く
なった。
1.4
6
20.8
21.9
24.0
25.1
27.0
28.1
7.3
予備実験⑤の成果
考察:実験の中ではこれが最も難しいものであると考える。
• この実験において,上昇温度の理論値を計算した上で実験を行った。
そうすると,実験結果を大きく上回る結果と大きく下回る結果が出
た。下回る結果については,熱が外に逃げたことによって説明する
ことができる。大きく上回ったものについては,理由がよく分から
ず,ほかの文献地を調べても上回る数値は見られない。
• 私たちが考える理由としては,混ぜた時の温度上昇によるものだと
考えた。実際に混ぜるだけの時では,温度上昇があったが,それを
考慮しても理論値を大幅に上回っている。理由はわからないが,
コップを二重にして断熱の精度を上げると,より精度の高い実験結
果が得られることがわかった。さらに装置を用いると理論値を下回
る結果が出た。(装置の周りにも発泡スチロールがつめてある。)
• 生徒に装置を組み立てさせるとき,理解度が低いと時間がかかる可
能性がある。
• 実験後の水は30分以上かかっても室温へは戻らないため,予備に何
個か室温の水を準備しておく必要がある。