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2013/8/27
早稲田大学
中村 祐介、桑原幸朗、山中由也
2重井戸型ポテンシャルに捕捉された
冷却原子気体の非平衡初期分布緩和過程
に対する非平衡Thermo Field Dynamics
冷却原子系における緩和過程
Thermo Field Dynamics
非摂動ハミルトニアンが取るべき構造
幾つかパラメータが残る
それを決定する繰り込み条件
量子輸送方程式が導出される
2重井戸型模型に対する数値計算
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冷却原子系における緩和過程
冷却原子系
・真空中に原子気体を捕捉
・実験制御性が高い
・遅い非平衡過程
熱場の量子論の
研究に最適な系
位置
重心
実験の例:2成分フェルミ気体の衝突
時間
時間[ms]
約1秒かけて平衡へ
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2重井戸型模型
・2つの調和振動子型トラップを接続した模型
・「井戸間の移動」 + 「井戸内の熱緩和」
以後簡単の為、BECなしの1成分ボース気体のみを扱う。(多成分やフェルミオンでも出来る)
ハミルトニアン
井戸のインデックス
井戸内のモード
:井戸間のホッピング
:井戸内の相互作用
:調和振動子の固有関数
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Thermo Field Dynamics
TFDでは演算子の自由度を倍化することで、熱的状況を純粋状態で記述する
熱的な混合状態期待値:
ただし
倍加された空間の純粋状態
i.e. 熱的真空
分布関数。
平衡ならBose-Einstein分布。
非平衡なら時間依存する未知関数
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TFDのハミルトニアン
全ハミルトニアン
もともとの全ハミルトニアンが
ならば、
Cf. 密度行列の時間発展演算子は
ではなく、Liouville演算子
TFDのハミルトニアンは
相互作用描像を定義して、摂動計算するのに必要
非摂動ハミルトニアン
はどうあるべきか?
非平衡ではナイーヴに
とするのは良くない。
幾つか仮定をおいて、非摂動ハミルトニアンが持つべき構造を求める
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非摂動ハミルトニアンの一般形
仮定1:演算子について2次以下
仮定2:大域的位相変換(
)の下で不変
等を含まない
仮定3:密度行列はエルミートで規格化されている
※BECがない場合を想定
非摂動ハミルトニアンの一般形
実数パラメータ3つ分(
)の自由度がある。
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熱的Bogoliubov変換
熱的Bogoliubov変換
は熱的真空を消去しない
熱的Bogoliubov変換
熱的真空の生成消滅演算子
2種類の演算子がある!
を導入
演算子:
演算子:熱的真空上の倍加されたFock空間
は分布関数
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で書いた非摂動ハミルトニアン
を含む
Heisenberg方程式
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3つパラメータの意味
演算子で見ると分かる
演算子でみても良く分からない
: 粒子のエネルギー
: 粒子の寿命の逆数
・・・
: 粒子数の時間変化
は非エルミートだが、問題はない
そもそも熱的ブラ真空と熱的ケット真空が共役ではない為
物理量は全て実、交換関係は保存、etc.
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繰り込み条件
に含まれる3つ未知パラメータ
演算子のon-shell自己エネルギー
は
に関する繰り込み条件で決める。
演算子の伝搬関数は2×2の行列構造
演算子のon-shell自己エネルギー
も2×2の行列構造
繰り込み条件
実数8つ分の式に見えるが、Sの対称性により独立なのは3つだけ。
3つ未知パラメータは
一意に決定される!
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量子輸送方程式の例
型相互作用で摂動の2次
と
の時間依存性は見やすさの為省略
衝突項
non-Markov型
過去を忘れる効果
エネルギー保存
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2重井戸型模型の数値計算
ハミルトニアン
想定する状況
左の井戸に
熱平衡の気体
左右の井戸を繋ぐ
量子輸送方程式
熱平衡
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井戸間のポッピング
数値計算結果
粒子数の偏りとエントロピーの
依存性
古典力学の
摩擦ありの
バネ振動と同様
の増加に伴って、単調減衰から減衰振動へ
が大きすぎても、小さすぎても緩和は遅い
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数値計算結果
の繰り込みの効果
の繰り込みは重要!
を繰り込まないと、途中で粒子分布が負になって、破綻
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まとめ
非平衡TFDにおいて、非摂動ハミルトニアンが取るべき構造
という3つのパラメータ
は準粒子のエネルギー
は準粒子の寿命の逆数
は分布関数の時間変化
これらは自己エネルギーに対するon-shell繰り込み条件に
よって決定される
2重井戸型模型の数値計算
直感的に正しい振る舞い
の繰り込みが緩和には重要である
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