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http://risk.kan.ynu.ac.jp/matsuda/2011/111125MOE.pptx
愛知目標で自然をどう守るか?
科学者にできることは?
CoFRaME
• 松田裕之 横浜国立大学
– 2011年11月25日, 14:00-14:30 :
– 関東地方生物多様性座談会, 航空会館(新橋)
• 今日の内容
– 愛知目標 合意の秘訣(SMART)
– 知床世界遺産と科学者の役割
– 利用と保全の調和を目指す(里山、里海とMAB)
– 愛知目標 今後の課題
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SMART=科学者(DIVERSITAS)の弁えごと
CoFRaME
目標11:2020年までに、少なくとも陸域及び内陸水域の17%、また
Time-limited(時限を区切る)
Measurable(測定可能)
15
沿岸域及び海域の10%、特に、生物多様性と生態系サービスに特
Ambitious(野心的)
別に重要な地域が、効果的、衡平に管理され、かつ生態学的に代
Realistic(現実的)
表的な良く連結された保護地域システムやその他の効果的な地域
Scientific(科学的)
をベースとする手段を通じて保全され、また、より広域の陸上景観
又は海洋景観に統合される
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10月27日のCOP10菅首相演説
CoFRaME
http://www.kantei.go.jp/jp/kan/statement/201010/27speech.html
http://www.kantei.go.jp/foreign/kan/statement/201010/27speech_e.html
• 特筆すべきは「生態系サービス」という言葉を使わずに
「自然の恵み」Gift of natureと表現していたこと
• Life in harmony, into the future(命の共生)を主題とし、
利用と保全の調和を目指した。
日本のhospitalityもてなしの体制と心はほぼ完璧でした。
これが愛知ターゲットと名古屋議定書の合意をもたらしたかもしれません。
スタッフが奉仕も含めたくさんいて待たない
会場内がきれい。日本人はごみを出さない
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愛知目標とCOP10の成果
CoFRaME
• 気候変動条約の京都議定書と比べて数値目標が
少ないか曖昧(保護区の定義が不明確)
• 京都議定書が先進国だけの行動計画なのに対し、
途上国、先住民の意見が重視される
• 各国が独自の目標を立て、独自の取り組みをする
ことを推奨する(生物多様性戦略)
• IPBES(CBD版IPCC)の設置を決めた(これは成果か
?)
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世界の反捕鯨派
Susan Liebermann
立場の異なる科学者同士の「妥協」
• 10.20Pew環境グループの副行事
CoFRaME
元IWC
日本代表団
– MPA面積の数値目標を巡るナイロビでの対立
(Conservation Internationalが15%、中国が6%。しか
し数字の議論に既になっていた)
– Sue Liebermanからのメール「海洋保護区MPAは単
一種の季節禁漁でも良い(クロマグロ産卵場の産卵
魚の禁漁でよい)」
– 10.20副行事の開催
– MPA面積10%が愛知目標に盛り込まれる
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http://risk.kan.ynu.ac.jp/matsuda/2010/101020PSE.pdf
10/20松田
CoFRaME
松田の演題
Spawning and
immature bluefin
tuna: the impact of
no-take zones
クロマグロの産卵親魚と未
成魚:禁漁区の効果
20日Pew副行事
MPAと大型浮魚
6
Comments
10/20松田
• MPA is one of management measures and especially effective
for benthic/sedentary animals/plants. 海洋保護区は管理手法
の1つであり、特に底生・固着性生物に有効
• No-take of pelagic spawners needs a large area of MPA. It may
be a solution of numerical goal for MPA in the 2020 target. 浮
魚類の産卵親魚の禁漁には広大なMPAが必要だが、これは
MPAの数値目標を達成する解となり得る
• MPA for a target species in spawning season is useful.
単一魚種、産卵期に特化したMPAが有効
• Save spawners and immatures!産卵親魚と子供を守れ!
CoFRaME
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http://www.jfa.maff.go.jp/j/kokusai/kanri_kyouka/index.html
CoFRaME
Statement on PBT regulation by Japan Gov.
May 11, 2010
1.背景・趣旨 大西洋クロマグロについては、(ワシントン条約)により本種の国際取引や公海か
らの持込みを禁止すべきとの提案がなされました。
(2)特に、太平洋クロマグロは、ア 全漁獲量の7割強が我が国によるものである、イ 我が国周辺
水域内に産卵場が存在する、ウ 韓国・メキシコによる漁獲もその多くが我が国に輸出されて
いる等、我が国にとって重要な資源となっています。我が国は、太平洋クロマグロの最大の漁
業国かつ消費国として、その持続的利用に大きな責任・・・
2.今後の対応
(1)基本的な対応 未成魚の漁獲を抑制・削減し、大きく育ててから漁獲する・・・
(2)施策
ア 国内における資源管理の強化
(a)沖合漁業管理 大中型まき網漁業を対象として、休漁、漁獲サイズの制限、個別漁獲割当等
、漁業実態に応じた適切な管理措置を導入。
(b)沿岸漁業管理 曳き縄等の自由漁業を対象として、将来の隻数制限を視野に入れ、届出制
に移行するとともに、漁獲実績報告の提出を義務化。
(c)養殖業管理 養殖の実態について正確な把握を図るため、・・・養殖場を登録するとともに、
養殖業者に対して養殖実績報告の提出を義務化。
イ 国際交渉への対応・・・・
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http://www.wwf.or.jp/activities/2010/05/828013.html
WWF Japan welcomed Japan Gov statement
CoFRaME
今回の発表は、太平洋のマグロ類の資源管理を、国際的なリードするものにとしても期待されます。
2010年5月12日
WWFジャパン、水産庁発表の「太平洋クロマグロの資源管理強化」を歓迎
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今日の内容
CoFRaME
• 愛知目標 合意の秘訣(SMART)
• 知床世界遺産と科学者の役割
• 利用と保全の調和を目指す(里山、里海とMAB
)
• 愛知目標 今後の課題
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知床世界遺産科学委員会
が直面した「矛盾」
CoFRaME
• 政府は漁協に新たな規制なしと
公約(公文書にて確認)
• IUCNは保護レベル強化を求める
読売新聞
→漁協の自主規制強化しかない
• 3年後に海域管理計画(1年後に
素案)
• 登録海域を1kmから大陸棚がほ
ぼ含まれる範囲まで拡大
11
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05/12/16
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CoFRaME
聞
12
スケトウダラの産卵場と禁漁区
Mitsutaku Makino’s idea
CoFRaME
産卵場
禁漁区(1995~)
禁漁区(2005~)
13
羅臼漁協資料
知床世界遺産の取り組
みを賞賛したIUCN
2008/2/21 10:45
10:38
CoFRaME
(28)調査団は、知床世界遺産の保護について、特に2005年の世界遺産委員会とIUCN(国
際自然保護連合)技術評価書からの勧告に対し、日本は良好な進捗を遂げている旨確認し
た。調査団は、特に(知床遺産の)全てのレベルの関係者が遺産の顕著で
普遍的な価値を確実に維持し、次の世代へとそのままの形で引き
継ごうとする強い責任感に感銘を受けた。これは、北海道知事、斜里町長、
羅臼町長が2005年10月に署名した「世界の宝、しれとこ宣言」によくあらわれている(別添C
参照)。また、調査団は、地域コミュニティや関係者の参画を通したボトム
アップアプローチによる管理、科学委員会や個々の(具体的目的に沿った)
ワーキンググループの設置を通して、科学的知識を遺産管理に効果的
に応用していることを賞賛する。これらは、他の世界自然遺産地
域の管理のための素晴らしいモデルを提示している。
14
IUCN知床調査報告書
http://www.rinya.maff.go.jp/j/press/hozen/080605.html
世界に認められた知床の漁業共同管理
• International Association for the Study of the Commons (初代
会長E. Ostrom) の選ぶ世界のインパクト・ストーリー(2010年)
http://www.iasc-commons.org/impact-stories
地域環境網会員
CoFRaME
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今日の内容
CoFRaME
• 愛知目標 合意の秘訣(SMART)
• 知床世界遺産と科学者の役割
• 利用と保全の調和を目指す(里山、里海とMAB
)
• 愛知目標 今後の課題
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生物多様性条約
Convention on Biological Diversity
•
1992年地球サミットで採択
–
•
CoFRaME
気候変動枠組み条約、森林原則宣言
翌1993年発効(米国は参加せず=第3原則)
CBDの3原則
1. 生物多様性の保全
2. その構成要素の持続可能な利用
3. 遺伝資源を利用する利益の公正な配分
•
生物多様性国家戦略の策定
17
生物多様性総合評価(JBO)の概要
1. 生物多様性の損失は全ての生態系に及び、全体的に
は今も続いている。特に、陸水、沿岸・海洋、島嶼生
態系における損失が大きく、現在も続く傾向にある。
2. 開発・改変の影響力が最も大きいが、新たな損失の
速度はやや緩和されている。
3. 里地里山等の利用・管理の縮小は、なお緩やかに増
大している。
4. 外来種の影響は顕著である。
5. 地球温暖化の危機は、特に一部の脆弱な
生態系で影響が懸念が大きい。
• 海外の生態系への負荷が問題
CoFRaME
国連大高等研・里山里海評価
CoFRaME
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国連大学「日本里山里海評価」の考え
国連「ミレニアム生態系評価」の考え
CoFRaME
人類の福利
間接駆動要因
•安全
•基本的物資
•健康
•よい人間関係
•選択の自由
•
•
•
•
•
人口動態(都市化、高齢化)
経済的要因(交通、全球化)
社会政治的要因
文化的・宗教的要因
科学・技術(情報化)
日本の国家戦略
生態系サービス
•生物多様性
•基盤サービス
•供給サービス
•調整サービス
•文化サービス
1.
2.
3.
•
過剰利用
利用不足
撹乱
温暖化
*生物多様性国家戦略(2003,2007,2010)
直接駆動要因
A) 土地利用変化
モザイク構造
B) 気候変動
C) 外来種
D) 乱獲
E) 環境汚染
F) 利用不足
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http://risk.kan.ynu.ac.jp/matsuda/2010/100619Env.ppt
先進国の中で豊かな日本の自然
• 日本の自然は、先進国の中では豊かな方
–
–
–
–
–
–
固有種の多い島国であり、
南北に長く気候変動に頑健
降水量が多く、
水田は人と自然の調和を図る取組み
近年では食糧と木材の大半を輸入に頼り、
国内の生態系を疲弊させなかった
• 日本の生物多様性国家戦略には他国で重視しない人
間の利用不足(Underuse)が生物多様性の3つの危機
の2番目に挙げられている。
• CoP10でも「Harmony of Human with Nature」を全体標
語に掲げ、利用不足を国際的な危機要因の一つとして
認知する可能性がある。
CoFRaME
ユネスコ (国連教育科学文化機関;UNESCO)
「人間と生物圏(MAB)」計画 (1971年発足)
人類と環境との間に生じる衝突や問題の解決を目
的とした,研究および能力強化のための国際プログ
ラム
世界遺産条約 (1972年採択)
傑出した文化遺産・自然遺産を
保護するための国際条約
酒井暁子氏作成
CoFRaME
MAB計画(14のプロジェクト)
プロジェクト8:生物圏保存地域(BR)の指定
1976年~
生物圏保存地域(ユネスコ・エコパーク)
=陸上・沿岸・海洋生態系の保護区
生物多様性の保全と人間生活の調和,
および地域社会の持続的発展を実現する場
109カ国 564ヶ所(2010年10月現在)
→ 世界的ネットワークを形成
[東アジア生物圏保存地域ネットワーク;EABRN]
酒井暁子氏作成
CoFRaME
BR登録地109カ国 564ヶ所
酒井暁子氏作成
CoFRaME
現在登録に向け活動中の地域
知床(世界自然遺産)
只見ブナ林(福島県只見町)
対馬照葉樹林(対馬市)
南アルプス(3県10市町村)
綾照葉樹林(宮崎県綾町)
西表
酒井暁子氏作成
CoFRaME
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今日の内容
CoFRaME
• 愛知目標 合意の秘訣(SMART)
• 知床世界遺産と科学者の役割
• 利用と保全の調和を目指す(里山、里海とMAB
)
• 愛知目標 今後の課題
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http://risk.kan.ynu.ac.jp/matsuda/2010/101030YNU.pdf
COP10の成果と課題
CoFRaME
• 会議が始まってようやく生物多様性が茶の間に
報道されるようになった
• 年寄りの自然体験を孫子に伝えることができれ
ば、日本の自然はまだ大丈夫
• もてなしと資金援助が合意をもたらした
Lafcadio Hearn の日本人観の成果
• 日本政府は私心なく合意自体を成果とみなした
→最も公正な議長国
• 今後の課題:科学者の役割が問われる
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http://risk.kan.ynu.ac.jp/matsuda/2005/TMReportA.html
生態リスクマネジメント手続きの基本形(2005.7版)
CoFRaME
社会的
合意形成
社会
科学者
0. 問題提起
科学的
手続き
1. 問題点の吟味
2.管理範囲の絞込みと利害関係者の招待
3.協議会・科学委員会などの設置
4.「避けるべき事態」の定義
5. 定量的評価指標の列挙
6. 影響因子の分析とモデル構築
7. 放置した場合のリスク評価
合意できないとき
は再設定
非
現
実
的
な
ら
目
標
の
修
正
8. 管理の必要性と目的の合意
9.数値目標の仮設定
10.モニタリング項目の決定
11.制御可能項目・手法の選定
13.リスク管理計画と目標の合意
12.目標達成の実現性の評価
14.管理の実施とモニタリング
15. 管理とモニタリングの継続
必要に応じ改訂
16.目的・目標の達成度の評価
管理計画終了
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順応的リスク管理
7つの鉄則
1.
2.
3.
4.
5.
6.
7.
CoFRaME
用いた仮説を明記する
方策の変え方を予め決めておくこと
評価基準を定めること
不確実性を考慮したリスク管理を行うこと
想定内を増やすこと
信頼関係を築くこと
現在の判断が間違いかも知れないと自覚
松田裕之・西川伸吾 (2007) 自然再生事業における十の助
言と八つの戒め. 日本ベントス学会誌. 62:93-97.
2006/10/1
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⑦現在の我々の判断が間違い
かも知れないという自覚
CoFRaME
• 順応的管理は、水産資源や野生動物などの個
体群管理においては明解
• 問題点=生態系的取組みにおける順応的管理
は、理論的にも未熟
• 順応的生態系管理が未熟であり、管理の実施に
おいて、疑いをもって望む責任と謙虚さが必要
• 単純さを求めよ、しかし、それを信じるな!
Seek simplicity, but distrust it!
2006/9/12
Alfred N Whitehead
30
環境問題は、伝統知でより統一的に把握できる
環境用語は歴史が浅い=将来見直されるかも
• 非市場的価値
–External-market value
• 生態系サービス
CoFRaME
•勿体無い
–Mottainai
•自然の恵み
–Ecosystem services
–Gift of nature
• リスク/ベネフィット
•程ほど
–Risk/benefit
• (自然の)管理責任
–Stewardship
• フードマイレージ
–Food Mileage
• 公衆含意
–Public involvement
• 契約
–Contract
–moderate
•自然への畏敬
–Awed by nature
•地産地消
–Local foods for local consumption
•話し合い
–Mutual consensus
•宜しくお願いします
–“Regards”without request
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名古屋議定書
CoFRaME
生物資源から得られる利益の公正な分配
ABS (Access and Benefit Sharing)
•
•
•
•
遺伝子資源は製薬会社などの宝の山
「著作権」は生物にある→途上国に還元
派生物まで含めるか?条約発効以前もか?
最大の問題は法律
COP10で一番忙しかった科学者は?
– CBDは枠組み条約。詳細は各国が定める
– 先進国自身は途上国に還元する法律を作れる
– 途上国の法律を先進国には適用できない
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科学者の政策提言とは
CoFRaME
• 気候変動枠組み条約のIPCC(気候変動に関する政府間
パネル)に倣い、IPBES(生物多様性と生態系サービスに
関する政府間科学政策プラットフォーム)の設立
• 先進国と途上国の対立を調停する→
科学者組織(学界)が正しいと思うことを提案する
→現場を見ずに締約国の対立を煽る?
• 松田「一人当たり生態負荷の国間格差を是正する」→無
視される
• ある2020年目標案「世界の水産資源を2020年までに
MSY水準まで回復する」→松田「禁漁しても不可能な資源
もある。シロナガスクジラは半世紀以上禁漁しているが、
まだ初期資源の1%以下。不可能な目標は立てるべきで
33
はない」
http://risk.kan.ynu.ac.jp/matsuda/2011/111125MOE.pptx
科学者の役割(松田案)
ルブチェンコ氏「科学者
の社会的責任」
• 広い視野を持ち、
CoFRaME
• 相対的に正しいと確
信がもてることを語る
• 将来評価が見直され
る恐れを感じる
• 自らの価値観でなく社
会の選択に資する知 • 批判だけでなく、対案
を示す
識を提示し、
• 市民にわかる言葉で • 自分の専門を押し売
りしない
語る
• 国を動かす前に人心
を説得すること
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生存捕鯨と沿岸捕鯨をめぐる「ダブルスタンダード」という誤用
──生存捕鯨をめぐる日本政府の時代錯誤的対応の環境思想的分析
(『朝日新聞』ボツ原稿⇒松田裕之氏HP掲載)
CoFRaME
http://risk.kan.ynu.ac.jp/matsuda/2002/kitoh.html
•
•
•
•
•
一九八〇年代後半から、各地の先住民の諸権利の保証に対して世界的な機運の高まり
の中で、一部の急進的な団体を除いては、反捕鯨の立場からも最低限彼らの権利を何
らかの形で保証するのは当然の責務として考えられてきた。
日本の沿岸捕鯨が、いくら、文化的な面から伝統捕鯨との連続性があるとしても、少しで
もまじめに考えれば、根本的に違いがあることは明らかである。
一九八〇年代の終わりから、先住民の権利の保障が大きな課題となり、非西洋社会で
の欧米流の利用を排除した保護に対してさまざまな問題が投げかけられる中で、マイノリ
ティの人たちの利用も含めた環境にかかわる権利をきちんと保証すべきだという、「環境
正義」の考え方が大きな力を持ってきた。
「伝統」を固定的に考えることに対しては再考が必要で、マイノリティの権利を確保した上
で、伝統文化、近代技術、環境の資源的な、また社会的な関係をきちんと詰めた形の議
論が必要になってくる。また、商業捕鯨と生存捕鯨の中間に位置する日本の沿岸捕鯨の
再開も、どのような枠組みで認めていくかという議論もその中でされるべきである。
沿岸捕鯨の再開に向けての努力は、ここで述べた世界的な思想状況の大きな転換の
中で捉えていくことが必要であるはずなのに、日本政府は、先住民の少数民族の問題を
、日米の国家間の問題の中で処理し、マイノリティの人たちの権利を奪うという、時代錯
誤的な対応にでてしまい、国際的な信用という点でも大きな汚点を残すことになった。
鬼頭秀一氏のスライド6/18掲載。7.2福田官房長官見直し
日本に輸入される生態負荷
EF消費
EF輸出
EF輸入
CoFRaME
EF生産
生産阻害地
森林地
漁場
牧草地
WWF & GFN (2010)
Japan Ecological Footprint Report 2009
耕作地
炭素負荷(x0.1)
-1
-0.5
0
0.5
1
36
生態負荷(Ecological Footprint, gha)