1 - 公衆衛生ねっと

Download Report

Transcript 1 - 公衆衛生ねっと

東日本大震災とリハビリテーション
-リハビリテーション専門病院としての支援共同活動-
一般財団法人みちのく愛隣協会
東八幡平病院
及川忠人
リハビリテーション・ケア合同研究大会札幌2012
イブニングセミナー 札幌コンベンションセンター
2012-10-11 16:30~17:30
講演内容要旨
1)東日本大震災の初動期の対応
2)検案医の派遣支援活動
3)県内各リハ専門病院の支援活動
 4)千葉県「こころのケア」チーム支援活動
 5) 陸前高田市保健医療福祉未来図会議
 6) 「こころのデイケア」巡回型支援共同活動
7)災害時支援活動の課題と留意点

平成23年(2011年)
3月11日
午後2時46分
三陸沖を震源とするマグニチュード
9.0の巨大地震が東日本全体に
大災害をもたらしました。
三陸沿岸は地震後の大津波により
悲惨な人的・物的大災害となった。
初動期の対応
初動期の対応(1)
被災地への帰郷までの経過:
2011年3月11日午後2時46分、演者は関連学
会主席で岡山県津山市に居りました。
 盛岡在住の次男の妻より「大変激しい、長時
間の地震があり、家の中におれず、車中で避
難している」とのメイルがあった。
 直ちに帰宿、テレビを見ると、宮城県仙台空
港が「黒い波」に覆われる厳しく信じられない
大津波現場の映像に驚き、言葉を失った。

初動期の対応(2)
東八幡平病院の被災状況は、携帯電話で現場の
状況を把握出来た。
 南病棟病室スプリンクラーの誤作動で出水。余震も
予測され副院長指示で、南病棟の患者さんの半分
を東病棟廊下に、残りの半分を介護老人保健施設
「希望(のぞみ)」のロビーに緊急避難移動を安全に
行い、リハ部全員の共同食事介助で平穏であった。。
 幸い人的被害が皆無であり、空路伊丹~秋田便を
確保、病院に到着したのは3月13日(日)午後2時頃
であった。看護部長、事務長から震災直後から3日
間の経過報告を受け、その労に感謝した。

初動期の対応(3)
通勤職員の移動用のガソリンおよび自家発電
用の軽油、ボイラー用のA重油等の確保が困
難で深刻で関係者への協力要請を行った。
 通勤困難職員は近隣宿舎を確保、食事は病
院栄養部から提供を受ける緊急体制とした。
 食料不足顕在化し、関連社会福祉法人「カナ
ンの園カナン牧場」から定期的なパン提供をお
願いして、病院職員の栄養確保に寄与した。
 3月11日~13日の緊急避難時後の安全管理
は業者に連絡し、緊急対応の第三者確認を
行った。

東北地方太平洋沖地震・岩手県医師会
災害対策本部設置への対応
平成23年3月11日14時46分 マグニチュード9.0地震発生
 同日15時30分:岩手県医師会に災害対策本部を設置
 6日以内に60%余震が起こることが予測
 14:50 県立中部病院真瀬医師と連絡、県庁への参集を要請
 15:12 EMIS(広域災害救急医療情報システム)にて厚労省

から全国のDMAT待機要請
 15:20 岩手医大秋富医師県庁参集
 15:30 県立磐井、久慈、中央DMAT待機中
 16:35 日赤県支部から盛岡赤十字病院が患者受け入れ可能

であることを確認
 16:03 厚労省がDMAT参集拠点を仙台医療センターに決定
 16:08 厚労省がDMAT参集拠点として福島県立医大病院を

追加決定
 16:46 宮城県、福島県から全国のDMATに派遣要請がある

16:48 岩手医大DMATを県立久慈病院に派遣

県立久慈病院で受け入れた負傷者は、県立二戸

病院に搬送すること
 16:50 県立中部病院DMATが県立釜石病院の支援に向

かうとの連絡あるも道路通行止めにより派遣中止
 17:00 本県へのDMAT派遣要請の検討
 17:30 EMISにて厚労省に対して全国のDMAT派遣要請

参集拠点は岩手医大付属病院を指定
 17:48 厚労省から全国DMATの参集拠点として茨城県・

筑波メデイカルセンター病院と岩手県・岩手医大

付属病院を追加したとの連絡あり(メール)
 18:15 県立胆沢病院対応不可(防災本部情報)沿岸部

からの負傷者搬送は、岩手医大へ搬送予定
 18:15 県立磐井病院軽傷者の受け入れ可能
 20:30 岩手医大付属病院への全国DMAT参集状況
北海道1チーム待機、青森県1チーム参集完了、
2チーム移動中、秋田県5チーム移動中、1チーム待機中、山形
県チーム準備中、 DMAT派遣状況:岩手医大DMAT1チーム
が二戸病院へ、二戸病院DMATチームが県立久慈病院へ

郡市医師会への日本医師会・情報提供

3月12日第1報:各県医師会(青森県医師会、宮城県医師
会、秋田県医師会からの初動情報等
 3月12日18:00 通信インフラが破壊されており、情報がほ
とんど入らない状況、県警察と連携して検死を行うも、警察
医中心で忙しく対応している
 3月12日16:00 東北地方は一部ののぞいて、すべてイン
フラが壊滅状態になっている
(日医石井常任理事)
 介護施設では食糧不足があり、職員みんなが炊きだし同
然の状態
 福島第一原発の状況が一番心配である。今すでにメルトダ
ウンしているのであれば、もし爆発が起こればチェルノブイ
リと同じ状態になるだろう。30キロ先の岩城市に万単位の
人々が避難してくる予想が立つ、その時の状態が大変心
配である
東北地方太平洋沖地震:情報提供第二報
平成23年3月13日12:00 日本医師会災害対策本部では、
被害地域の県医師会、郡市医師会と連絡を取り、必要な医
療支援、物資などの要求の把握に努める
 すでに現時点ではDMATが投入されており、急性期災害医
療の役割に比して、検死の役割が重要となる
 また週明けの15日頃から避難住民などの健康維持や慢性
期疾患の管理が大切なり、残された医療資源の中で現地と
協力しながら、継続が必要
 短期的中期的な支援体制を早急に組む必要がある
 平成23年3月14日には一定の検討依頼を出す予定
 3月12日福島第一原発の従業員の被爆

1・2号機にて非常用炉心冷却装置注水不能

1号機付近から発煙
 13日11:00原発付近から搬送された要除洗被爆者が19名

検案医の派遣支援活動
岩手県医師会への派遣医要請の経過
3月11日(金) 午後7時20分(発災後5時間後)
「岩手県警察」から
遺体検案医応援の要請
↓
3月12日(土) 午前8時
県内の県警嘱託医へ
検案協力を要請(4名確保)
↓
3月13日(日) 午後2時
各郡市医師会長へ検案協力を依頼
(岩手郡医師会では医師会役員を中心に6名の派遣を決定し連絡)
検案医の派遣活動
岡山県津山市から東八幡平病院に戻り、現
場の被災状況を岩手県医師会に連絡した。
 沿岸被災地検案医の不足が深刻で、地元各
医師会に検案医派遣検討の要請があり、役
員会で協議し、岩手郡医師会役員を主に述
べ6名の検案医派遣を早期に実施した。
 発災の3月11日(金)から7日目の3月17日
(木)に県警車両で陸前高田市米崎中学校に
行き、神奈川県警検案部隊と協力し検案書
作成等の活動支援を実施した。

3月17日(木)検案医派遣現場
陸前高田市中心部
(被災後)
(被災前)
米崎中学校の海岸線の被災状況
検案活動が行われた米崎中学校体育館
遺体数と身元判明数
700
600
3月16日
遺体数621体
500
3月20日
身元判明数398体
400
遺体数
検案数
4,635人
4,634人
身元判明数
身元不明数
4,173人
461人
(平成23年8月16日現在)
300
自衛隊・米軍・海上保安庁による
大規模捜査 (4月1日~3日)
200
100
0
3月
4月
5月
(岩手県内)
検案医派遣数
検案医派遣数と遺体搬入数
30
死体搬入
700
数
検案医派遣数
死体搬入数
25
600
500
20
400
15
300
10
200
5
100
0
0
3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 6 6 6 6 6 6 6 6 6 6 6 6 6 6 6 7 7 7 7 7 7 7 7 7 7
/ / / / / / / / / / / / / / / / / / / / / / / / / / / / / / / / / / / / / / / / / / / / / / / / / / / / / / / / / / / / / / / / / /
1 1 1 1 1 2 2 2 2 2 3 2 4 6 8 1 1 1 1 1 2 2 2 2 2 3 2 4 6 8 1 1 1 1 1 2 2 2 2 2 3 1 3 5 7 9 1 1 1 1 1 2 2 2 2 2 1 3 5 7 9 1 1 1 1 1
1 3 5 7 9 1 3 5 7 9 1
0 2 4 6 8 0 2 4 6 8 0
0 2 4 6 8 0 2 4 6 8 0
1 3 5 7 9 1 3 5 7 9
1 3 5 7 9
津波被害に遭った県立病院
(岩手県立高田病院)
気仙川
海抜6m
約
1.3km
高田松原
壊滅的大被災を受けた県立高田病院
7万本の松のうち唯一残った松
検案医としての経験
神奈川県警遺体検案処理班の方々が6~7人で
グループとなり、御遺体一例一例を丁寧に対応
された。
 小生は検案書類を作成する作業を担当しなが
ら約40体の検案書に関わった。その中には入
院中の患者さんや医療スタッフ、お見舞い客も
含まれており、巨大津波の猛威に言葉が無く
頭を殴られるような衝撃であった。
 御遺体を確認にこられる家族は意外に少なか
ったが時々家族の悲鳴と嗚咽が響いていた。

大船渡市の被災状況
大船渡湾口の防潮堤は吹き飛ばされました
大津波災害時の防潮堤
大船渡湾の湾口防波堤は南堤約290m,北堤
約244m、最大水深38mであった。
 今回の津波はこれらの防潮堤、防波堤を安々
と超えたばかりか、破壊してしまった。これは
一体何故なのか?
 これらの人的物的被害を出しながら「想定外」
のひと言で片付けてしまっていいのか?
 陸前高田の防潮堤は海側の一線堤、陸側の
二線堤からなる。一線堤は約1.9km高さ三m
天端巾3.8m,規定巾約12m,二線堤は長さ約2
km高さ約5.5m規定巾約14mであった。

大船渡駅も跡形も無くなりました。
大船渡駅のプラットホーム
須崎川上流の漂流したタグボート
演者の生家が奇跡的に残りました
直ぐ下の須崎川は瓦礫に埋もれていました。
すぐ下までボートが漂流された
生家に見舞いに行き梅の花が咲いていた
被災地避難民の受け入れ対応
被災地避難住民の受け入れ対応
発災から3週間目の3月月末から4月上旬にか
けて沿岸被災地避難者への支援要請を八幡
平市より要請された。
 近隣ホテルに約50名の被災地避難者が到着、
健康講話、食事・運動等の学びの場、押し花
作り、健康チェック等を行ない、リハビリテー
ション支援も合わせて実施した。
 この間毎週1回特別外来を設置し被災地住民
の診療を行った。ほとんどの方が「九死に一
生を得た」体験談を話され、被災者の生の体
験を聴くことが重要であることを学んだ。

避難民の方々の印象的な二症例

太平洋戦争末期1945年7月14日釜石は米軍
海軍の艦砲射撃攻撃を受けた。その方の父親
は、そのまま帰らなかった。今回の大槌の被
災状況は戦争の惨状を超えていると語ってい
た。目の前で自分の家族、母家が流される記
憶は鮮烈に心の傷として残っていた。

地震後、中学生の子供のことが気になり、高
田一中へまづ向うことにした。そのことが偶然
にも自分の命を救うことになるとは予想出来な
かった。
各リハビリテーション専門病院の活動
各リハビリテーション専門病院の活動
いわてリハビリテーションセンターの活動:
被災直後から岩手県医師会災害対策本部の
リハビリテーション部門を担当し、岩手県地
域リハビリテーション広域支援センターの立
場から沿岸部支援センターとの連携を重視
して被災地のほとんどの広域支援諸活動を
担った。(現地支援センターとの連携活動)
 川久保病院の活動:
大船渡市を中心として医療支援とリハビリ
テーション支援を担い、被災患者さんの適応
判別や行政機関との連携に寄与した。

現地の被害状況とDMATそして
JMAT、JMAT-岩手
DMATについて
岩手DMAT(7チーム) 各都道府県DMAT(29県から128チーム)
 岩手医大
北海道、青森県、秋田県、
茨城県、群馬県、埼玉県、千
 県立中央病院
葉県、東京都、神奈川県、新
 県立胆沢病院
潟県、富山県、石川県、山梨
 県立磐井病院
県、長野県岐阜県、愛知県、
 県立久慈病院
滋賀県、京都府、大阪府、兵
 県立中部病院
庫県、奈良県、和歌山県、島
根県、鳥取県、岡山県、山口
 県立二戸病院
県、徳島県、高知県宮崎県
(阪神淡路大震災後にDMATが組織され、数年前から訓練も開始している。)
JMAT岩手の活動
JMAT撤退後の継続的支援(6月下旬から実施)
県立病院が全壊した、山田町、大槌町,陸前
高田市を支援することにした。
海岸近くの平地にある県立病院は全壊、
高台や奥地にある県立病院は無傷であった。
J-MAT岩手の活動
内陸から沿岸への
肋骨道路を利用した
対応
平成24年7月1日より開
始されて岩手郡医師会
は県立山田病院を後方
支援を継続した。
山田町支援
JMAT岩手
盛岡市医師会
岩手郡医師会
二戸医師会
県立山田病院設診療所
日曜日・祝日の支援
大槌町支援
JMAT岩手
紫波郡医師会
花巻市医師会
県立大槌病院仮設診療所
土曜日・日曜日・祝祭日の支援
陸前高田支援
JMAT岩手
北上市医師会
一関市医師会
奥州市医師会
その他各診療部会
岩手県医師会陸前高田診療所
水曜日・木曜日(15時~18時)
日曜日・土曜日(11時~16時)
祝祭日は休診
大槌町・瓦礫の中たくましく咲く鈴蘭の花
(平成23年5月21日県医師会撮影)
千葉県「心のケア」の支援活動
への参加
こころのケアチーム活動内容の概要










1 宣伝活動
こころのケアに関するチラシの配布、代表者聞き取り
2 スクリーニング、啓発
避難者への声かけ・面接、必要時、精神科医療へ
3 個別面接
※企業、民間等職員のスクリーニングも開始
保健チーム、救護班等からのfollowケース
4 精神科外来(週1回:米崎コミセン)
5 市役所職員等スクリーニング・個別面接
6 啓発・健康促進
教員や母子を対象に研修会・リラクゼーション
※6/13、AM保健所、PM一中でアルコール研修会
こころのケアチームの状況










◆こころのケアチーム全体調整
岩手県精神保健福祉センター(電話:019-629-9617)
t1 市立高田第一中学校内(毎日9-17)
チーム東京、千葉県チーム、児童家庭支援センター大洋、
日本臨床心理士会、NICCO、日赤こころのケアセンター
(1)面接・相談、(2)訪問・巡回、(3)電話相談
2 米崎町コミュニティーセンター内こころのケア外来
チーム東京(金13-15)
3 秋田赤十字病院
隔週1回(地元スタッフのこころのケア・支援、県立高田
高校)
千葉県「こころのケア」活動行程(1)
2011年5月2日(月)
 陸前高田市立第一中学校到着11:30
 旭神経内科病院チームに合流し、東京都
チームと日本PT協会チームと協議
 午後米崎コミュニテイセンターの石木院長に
旭先生を紹介、「こころのケア」についての
現状を協議した。こころの相談や「こころの
ケア」外来のパンフレットの配布を行った。
 17:20合同Meeting:不眠、インフルエンザ、
米崎コミセンでは精神科外来が増加している。
自殺念慮について留意点を旭先生がスタッフ
に配布した。

千葉県こころのケア活動過程(2)





5月4日 8:30 高田第一中学着(前日一関泊)
8:40 「こころのケア」東京チームの申し送りとして、
こころのケア外来活動が増加し、活動支援が必要。
10:00 高田第一中学には避難所が開設中で約26
名が生活支援を受けていた。その後「うつ状態」の
患者さんの訪問診察を行う。
12:00 県立大船渡病院精神科医師と面談、精神科
ケアの患者さんは少ないが、自殺未遂等は少ない
が存在する、退院受皿が無いのが深刻な悩み。
13:20 仮設住宅に関して市担当課長と面談。こころ
のケアへの配慮と、交流の場の必要を指摘した。
コミュニケーションを取る空間がいることを強調。
高田市立第一中学校校庭
仮設診療所の運用(秋田赤十字病院)
明治三陸大津波の碑
小高い避難所(公民館)
こころのケアチームへの支援の課題





陸前高田市全体のインフラ(電気・水道等)の整備の
目途が立っていない。壊滅状態である。
漁業・農業および関連産業が壊滅的被害が甚大であ
り、生活基盤が喪失しているので、緊急な支援と復興
計画の策定が必要である。
生き残った中高年の喪失感は極めて大きなものであり、
将来への希望・目標を早く作ることが極めて重要であ
る。ストレス外来設置へ繋ぐこと
消防隊・自衛隊・役場職員の捜索活動も疲労困憊の
状態であり、これらの方々へのrespite care が必要
である。高田市と大船渡市広域圏での対応が必要。
「こころのケア」を要する地域住民の増加への対応が
必要で心療内科、広域支援体制を形成への方向。
陸前高田市の諸課題
大津波による被災に加えて土地の地盤沈下が明ら
かであり、農業・漁業の仕事がなくなり、今後の復
興・復旧計画が遅くなる懸念がある。
 遺体収容業務にある消防団の疲労が目立つが、行
方不明者が多数認められ、家族の見つからない人
はそのまま活動を続行している。
 県立高田病院の損傷が激しく、入院機能の必須であ
ることが見通して、7月下旬に仮診療所設置の方向
であり、ベッド確保は10月の予定。
 早急に市・県・國に知らせて早く支援を得ることが現
場の緊急課題であることをアピールすべきである。

FREE TALKINGでの討議内容
5月4日(水)16:00~於 高田第一中学校
 神戸市チーム:仮設住宅のコミュニテイ作り
に苦労があった。入居者の健康作りと支援が
重要となる。
 岐阜県チーム:水道等のライフラインの復旧
が重要で、避難所や仮設住宅に助け合いが
観られ、他者を気遣う人が多いのが印象的。
 三重県チーム:点在する訪問地への道路が
悪く、取り残された人の存在が気になった。
 福井チーム:子供も大人も「こころのケア」が
必要である。地域のリーダーの情報把握が
為されていた。

東日本大震災にかかる
第6回 陸前高田市保健医療福祉
包括ケア会議
平成23年4月26日(火)14:00~15:30
陸前高田市立第一中学校(避難所兼保健チーム拠点)
陸前高田市
岩手県大船渡保健所
岩手県一関保健所
公衆衛生ボランティア一同
※このPowerPointは、上記日程で行われた会議において使用した内容に、当日の出
席者の皆様からのご意見等をふまえ、加筆修正し作成したものです。
※内容についてのお問い合わせは下記までお願いします。
日本赤十字秋田看護大学 佐々木亮平 [email protected]
平成23年4月25日現在の被災概況
(被災から44日目)
1 死者: 1,381名
 2 行方不明者: 811名
※在避難者
 3 負傷者: 調査中(不明)
避難所で生活をされている方
※在宅通所避難者
 4 避難所: 87ヶ所
在宅で食事や物資等の支援を
受けている方
 5 避難者: 15,299名
 (⇒在避難者3,432名、在宅通所避難者11,867名)
 6 損壊家屋: 3,368棟


全壊3,159棟、大規模半壊97棟、半壊85棟、
一部損壊27棟

7 浸水被害面積:約2.5k㎡(市街地の86%)

陸前高田市の8町位置関係
略図
日本百景 高田松原
医療支援チームの状況①













1 高田町(高田エリア)
避難所:21ヶ所(5,336名⇒在1,567名、通3,769名)
(1)市立高田一中内救護所(8-21、21-8:急患) 電話:090-4626-6077
日本赤十字社岩手県支部、北海道支部
(2)高田町内巡回診療
※高田町サン・ビレッヂ
日本赤十字社秋田県支部
眼科巡回バス(火9-15)
(3)高田一中内
小児科(日本小児救急医学会)、眼科(岩手医科大学:火13-15)
(4)高寿園(9:30-12、13-15:30)
東京都医療チーム(~5/8)
(5)松原クリニック(透析)
電話:090-8252-9572
(6)希望ケ丘病院(精神科)
(7)鵜浦医院(鳴石地内4/26~、9-12、14-16、木・土PM、日・祝は休診)
医療支援チームの状況②
2 気仙町(長部エリア)

避難所:13ヶ所(1,543名⇒在534名、通1,009名)








(1)長部地区コミュニティーセンター救護所(10-15、
休診なし)
北海道大学医療チーム
(2)気仙町内巡回診療
浜松市医療チーム
⇒※5/9~岩手県立高田病院に引き継ぎ予定
医療支援チームの状況③
3 米崎町(米崎エリア)

避難所:21ヶ所(1,847名⇒在379名、通1,468名)
 (1)米崎町コミュニティーセンター(9-11:30、13-14:30、休診無)
 県立高田病院(※市内巡回診療含む)電話:090-4632-6569

⇒※仮設病院(プレハブ)建設診療開始(目標:7月25日)

三重県医療チーム、東京都医療チーム、

秋田大学医療チーム、桑名市民病院チーム

○皮膚科:墨東病院チーム(AM外来、PM巡回)

○眼科:眼科チーム(月~木9-16、金9-12)

○整形外科:大竹整形外科チーム(土PM、日AM)

○こころのケア外来:東京都チーム(金13-15)

○小児科(健診・予防接種):

健診⇒火(13:30~4カ月、14:30~10か月)

予防接種⇒木(13-15)

健康運動・地域リハ支援チームの状況
1 健康運動チーム
 健康運動指導士(一関市:藤野恵美、佐藤恵)
 ⇒ 市内の主な避難所を9~12ヶ所/日まわり、~15分程度のスト
レッチ
 運動を音楽にあわせて実施中(ボランティア)
 ⇒ これまで健康運動については統一した内容での実施ができて
いなかったため、
 4/25に関係機関で協議し、現在、全国から災害派遣支援に入って
いる保健師チームも軽体操を各地区で実施することとした。
 ⇒ 閉じこもりを防ぐ意味でも震災前から市内で普及を行っていた
玄米ニギニギ体操等取り入れながら運動の場を提供していく。
 2 地域リハビリテーションチーム
 日本理学療法士会、岩手県理学療法士会、県立高田病院
 ⇒全戸訪問等から、ADLが低下した要フォロー者への対応を
実施中

保健師等支援チームの状況
(県内外からの支援チーム)
◆受持ち地区(担当地区)
 1 高田町(高田エリア): 岐阜市、平泉町、藤沢町、日本看護
協会(~4/29)
 2 気仙町(長部エリア): 浜松市
 3 米崎町(米崎エリア): 神戸市(※全体及び医療調整、行政
支援含む)
 4 小友町(小友エリア): 長野県
 5 矢作町(矢作エリア): 三重県
 6 広田町(広田エリア): 横浜市、岐阜県、福井県
 7 竹駒町(竹駒エリア): 長野県
 8 横田町(横田エリア): 陸前高田市、金ヶ崎町在宅保健師
チーム

(⇒ ※陸前高田市は原則、全体調整)

各派遣支援チーム調整・統括
○ 陸前高田市災害対策本部(市学校給食センター内)

〒029-2205 陸前高田市高田町字鳴石112番地11

電話:0192-59-2111
FAX:0192-59-2212
 ○ 陸前高田市民生部健康推進課(保健医療関係担当)

市立第一中学校内保健室(衛星電話:090-4626-6077)
 ○ 岩手県大船渡保健所(保健部門支援チーム調整・統括)

電話:0192-27-9913(衛星電話:080-1689-0877)
 ○ 岩手県一関保健所(大船渡保健所サポート・後方支援)

電話:0191-26-1415
 ○ 保健医療福祉行政支援(長期派遣⇒1年間):名古屋市3名、一
関市2名
 ○ 全体調整・統括支援

日本赤十字秋田看護大学(佐々木亮平)


公益社団法人地域医療振興協会ヘルスプロモーション研究センター(岩室紳也)
健康・生活調査(全戸調査)の実
施状況
1 目的
 調査=ケア提供(支援)の一環として位置づけ、全市民を対象
に現在の健康や生活の状況を確認し、緊急性の高い要支援者
や、継続して支援を必要とする者を関係機関につなげるととも
に陸前高田市の保健医療福祉にかかる復興計画立案の基礎
資料とする。
 2 調査期間
 平成23年4月6日~4月下旬(※5月下旬までかかる見込み)
 3 調査方法
 全国からの災害派遣支援保健師チームによる全戸訪問
 (⇒ ※様式・記入要領等はHP「災害時の公衆衛生」を参照の
こと)

健康・生活調査(4/6~4/24:19日分)途中経過
※5日単位で約4千人ずつの規模をカバー
(人)
14,053/24,277名
⇒57.89% 済
健康相談(3/20~4/23:30日分)1週間毎集計
※寝たきり、生活習慣病、心身障害が増加傾向
5,971件の内訳
市内福祉関係機関の状況①
1 地域包括支援センター

・保健師チームの健康・生活調査から要フォローと
なったケースへの対応を行っており、担当ケアマネへ
の引き継ぎや新規対応等を仮設庁舎を中心に実施し
ている。

2 居宅介護支援事業所

・市内7か所で、6か所で順次、活動開始、対応中

⇒派遣ケアマネもきている。

市内福祉関係機関の状況②
3 介護老人福祉・保健施設
 (1)特別養護老人ホーム 高寿園
 (2)老人保健施設 松原苑

⇒ いずれも一般避難者を受け入れながら実施中

⇒ 日本赤十字社介護支援チーム

※並行して、市内外避難所での足湯・ホットタオル
の提供

市内福祉関係機関の状況③


4 訪問介護事業所
・市内5か所で、順次、活動開始、対応中

5 訪問看護事業所


・市内2か所中、1か所(松原訪問看護ステーション)が活動開始
⇒ ※今後、県立高田病院の訪問診療とのタイアップにより、負
担が増加していくことが予想される。

6 訪問入浴事業所

・市内1か所(高寿園)が、対応中
⇒ ※水と電気が必要なため、供給可能な地区をまわっている。

QOLのさらなる
向上にむけて
復活期
(地域・生活・行政面)
復興期
(平成25年4月~)
地域の絆、ソー
シャルキャピタル
の醸成
生活(住居、仕事、
面)の充実
行政機能の回復
回復支援期
(~平成25年3月目標)
自治会活動、絆
の回復への道筋
確認
生活再建の道筋
確認
応援体制(新規採
用を含む)による
行政対応の充実
応急対策期
(~平成23年9月末)
避難所単位で
リーダーが調整
役
仮設住宅棟の確
保
応援体制による
最小限の行政機
能の回復
応急対応期
(目標:5月GW明け)
住民同士の声か
け、助け合い
避難所生活の確
保
緊急対応
東日本大震災にかかる
第9回 陸前高田市保健医療福祉
包括ケア会議
平成23年6月6日(月)10:00~11:30
陸前高田市立第一中学校(避難所兼保健チーム拠点)
陸前高田市
岩手県大船渡保健所 岩手県一関保健所
公衆衛生ボランティア一同
※このPowerPointは、6 /6 (火)に行われた第8回陸前高田市保健医療福祉包括ケア会議に
おいて使用した内容に、当日の出席者の皆様からのご意見等をふまえ、加筆修正し作成し
たものです。
※内容についてのご意見、お気づきの点等お問い合わせは下記までお願いします。
日本赤十字秋田看護大学 佐々木亮平 [email protected]
①震災前(当たり前にあった)
地 域
大船
渡病
院
薬
局
薬
店
地
区
組
織
社
協
市 内
市
役
所
診
療
所
訪
問
看
護
保
健
所
高
田
病
院
事
業
所
施
設
医
師
会
②震災直後(地域も組織も人もダウン)
地 域
大船
渡病
院
薬
局
薬
地店
区
組
織
保
健
所
社
協
市 内
市
役
所
診
療
所
訪
問
看
護
高
田
病
院
事
業
所
施
設
医
師
会
陸前高田市避難者数推移
18000
15507
16000
13408
14000
16579 16096
12630 12402
11813
12000
10000
15299 15804
14550
11867 12458 11630
9757
9252
8720
7954
8000
5750
6000
4000
2000
※ここ2週間で一気
に減少傾向・・・。
6991
3949 3694 3432 3346
2920
0
避難者
在避難者
在宅通所避難者
6420
1729 1534
医療支援チームの状況①‐1










1 高田町(高田エリア)
避難所:18ヶ所(823名:5/30) 仮設住宅:502戸(5/30)
(1)市立高田一中内救護所(9-19、19-9:急患) 電話:0904626-6077
日本赤十字社北海道支部、岩手県支部(1日おき夜間のみ)
小児科(8-19、日本小児科学会 5/11~)
⇒ ※6月中旬に高田一中敷地内に仮設診療所完成予定
⇒ ※県医師会トレーラーハウスでの診療調整中
(2)高田町サン・ビレッヂ眼科巡回バス(火9-15)⇒※5/24終了
※6/2:57名 小児11名
※6/4:42名 小児12名
(3)高寿園(9:30-12、14-15:30) 電話:0192-55-3700
東京都医療チーム(日本大学板橋病院) ⇒※終了
※6/2: 12名
医療支援チームの状況①‐2


1 高田町(高田エリア)
避難所:18ヶ所(823名:5/30) 仮設住宅:502戸(5/30)



(4)鵜浦医院(鳴石地内 4/26~、9-12、14-16、木・土PM、日・
祝は休診)
仮設診療所 電話: 090-8252-9572
※6/4: 28名



(5)松原クリニック(透析)
(6)希望ケ丘(のぞみがおか)病院(精神科)
医療支援チームの状況②
2 気仙町(長部エリア)

避難所:10ヶ所(206名:5/30)、仮設住宅:175戸
(5/30)







(1)長部地区コミュニティーセンター救護所(10-15、
土日休診)
※6/2: 12名
※6/3: 14名
電話:080-1667-1142
小児1名
北海道小樽市民病院チーム
(2)気仙町内巡回診療
⇒※5/9~、岩手県立高田病院
医療支援チームの状況③‐1
3 米崎町(米崎エリア)

避難所:12ヶ所(156名:5/30)、仮設住宅:292戸(5/30)
 (1)米崎町コミュニティーセンター(9-12、13-15、休診なし)

県立高田病院(※市内巡回診療含む)
 ⇒※仮設病院(プレハブ)建設中(7月中旬~診療開始予定)

7/1~保険診療開始
 三重県医療チーム、東京都医療チーム、秋田大学医療チー
ム、
※6/2: 119名
※6/4: 34名
 浜松市医療チーム
※6/5: 25名
 ○眼科:月・火・木9-16、水・金9-12
 ○整形外科:東京都医療チーム

⇒ ※大阪医科大学3回/週を1~2年派遣予定
 ○皮膚科:岩手医科大学週1回応援予定

医療支援チームの状況③‐2




3 米崎町(米崎エリア)
避難所:12ヶ所(156名:5/30)、仮設住宅:292戸(5/30)
(1)米崎町コミュニティーセンター(9-12、13-15、休診なし)
県立高田病院(※市内巡回診療含む)





○こころのケア外来:東京都チーム(金13-15)
○小児科(健診・予防接種)
健診⇒火(13:30~4カ月、14:30~10か月)
※外来も実施中(9-12)、予防接種は別途
③震災以後~(外部からの支援の集中)
県
社
協
心
のケ
ア
大
学
大船
渡病
院
薬
局
薬
地店
区
組
織 保
健
師
地 域
薬
剤
師
社
協
UNI
CE
F 市 内
市
役
所
診
療
所
NP
O
訪
問
看
護
医
療
日
赤
高
田
病
院
事
業
所
地
域リ
保
健
所
施
設
関
係
機
関
介
護
医
師
会
歯
科
栄
養
士
④震災~半年後(復旧と支援の収束・撤
退)
県
社
協
心
のケ
ア
大
学
大船
渡病
院
薬
局
薬
店
地
区
組
織
保
健
地 域
薬
剤
師
社
協
UNI
CE
F 市 内
市
役
所
診
療
所
NP
O
訪
問
看
護
医
療
日
赤
高
田
保 病
健 院
所 事
業
所
地
域リ
施
設
関
係
機
関
介
護
医
師
会
歯
科
栄
養
士
⑤これから~(復旧=自立から、復興=創造
へ)
地 域
大船
渡病
院
県
社
協
NE
W
薬
局
薬
地店
区
組
織
心
のケ
ア
NE
W
NE
W
社
協
診
療
所
大
学
市 内
市
役
所
訪
問
看
護
保
健
所
高
田
病
院
事
業
所
NP
O
施
設
UNI
CE
F
医
師
会
NE
W
他
機
関
陸前高田市
医療保健福祉未来図会議
平成24年度 第4回 陸前高田市
保健医療福祉未来図会議
平成24年8月10日(金)13:30~15:30
陸前高田市役所 第4号棟 第6会議室
※このPowerPointは、8/10(金)に行われた平成24年度第4回陸前高田市保健医療福祉未来図会
議において使用した内容に、当日の出席者の皆様からのご意見等をふまえ、加筆修正し作成した
ものです。
※内容についてのご意見、お気づきの点等お問い合わせは下記までお願いします。
陸前高田市地域包括ケアアドバイザー 日本赤十字秋田看護大学 佐々木亮平 ryohei-
改めて・・・、陸前高田市保健医療未来
図
(たたいてちょう台)
復興計画との整合性と、意識の持ち方
を・・
※保健福祉医療未来図(たたいてちょう台)
応急対応期
応急対策期
(H23.5月明
(H23.半ば
け)
)
)
回復支援期
(~H25.3月
~)
復興期
(H25.4月
未来期
⑥中期・長期~(復興=創造を“意識”した今日)
大船
渡病
院
県
社
協
NE
W
薬
局
薬
地 店
区
組
織
心
のケ
ア
NE
W
社
協
診
療
所
大
学
地 域
市 内
市
役
所
訪
問
看
護
NE
W
保
健
所
高
田
病
院
事
業
所
NP
O
施
設
UNI
CE
F
医
師
会
NE
W
他
機
関
「“はまってけらいん”
“かだってけらいん”運動」の
スタート
住民同士による「こころのケア」
誰でも・いつでも・どこでもできる
⇓
必要なのは「心のケア」を意識すること
普段の生活の中で“している”
居場所未来図へご意見をくださ
い。
居場所未来図へご意見をくださ
い。
居場所未来図へご意見をくださ
い。
「こころのデイケア」巡回型
支援共同活動
2012/4/18 第1回準備会議
「モバイルデイケア説明、過去の取り組み」
 2012/5/23 第2回準備会議
「心のデイケア概要について」
 2012/6
個別訪問開始
対象仮設住宅、在宅への訪問調査、参加呼びかけ
 2012/6/12 第3回準備会議
「心のケア講演会打ち合わせ」
2012/6/13 心のケア説明会開催
仮設住宅入居者向け説明会「心のケア講演会」
日時:平成24年6月13日 10:00~12:00
対象:仮設住宅入居者
【プログラム】
10:00~10:10
10:10~10:20
10:20~11:10
11:20~12:10
公民館長挨拶
サポートセンター説明
講演「認知症とうつ病の予防教室」
講演「脳の機能とリハビリテーション」
2012/7/9 第4回準備会議
「心のデイケア開始手順、方法、内容について」
 2012/7/18
第5回準備会議
「心のデイケア説明会打ち合わせ」


2012/7/19 「心のデイケア説明会」開催

2012/7/26 「第1回心のデイケア」開催
仮設支援員、健康推進員向け説明会
「心のデイケア説明会」
日時:平成24年7月19日 10:00~11:30
対象:近隣の仮設支援員、健康推進員
【プログラム】
・巡回型心のデイケアの概要と実施時の留意点
・末崎地区巡回型心のデイケア実施概要
・実施に際しての同意書と事前協力事項
・第1回心のデイケアについて






実施期間 平成24年7月26日~11月8日
実施日時 毎週木曜日 10:00~12:00
実施回数 全15回
実施場所 大船渡市末崎地区ふるさとセンター
実施内容 レクリエーションプログラム
*認知、心理、運動プログラム
作業プログラム
家族・介護者プログラム
自主活動プログラム
実施主体 東八幡平病院、 典人会、 勝久会
旭神経内科リハビリテーション病院

被災地域高齢者における認知症、うつ症状
の改善、悪化予防を図るとともに、閉じこもり
や不活発状態を予防、改善し生活不活発病
を予防する。

認知症、うつ症状のある高齢者をかかえる家
族に対し、介護負担感の軽減を図る。

安心できる居場所を提供する
大船渡市末崎地区で訪問調査を行い、認知症・うつ
症状が認められ、生活不活発状況が予測される方。
また家族介護負担が大きくなってきている方。
7名(男性2名、女性5名)
・仮設住宅在住 3名
・在宅
3名
・グループホーム 1名
10:00~10:10 健康チエック、活動量計回収 、今日の予定説明
10:10~10:20 棒体操
活動量計データ取り込み
10:20~10:30 発声練習~歌
10:30~11:10 菓子作り&体操用棒作り・写真撮影
*女性は菓子作り、男性は体操用棒作り
11:10~11:30 日記作成
11:30~11:55 第1~第5回の写真鑑賞会と談話会
*第1回~第5回の様子を見ながら振り返る
*第1回からの活動量の変化をお知らせする
11:55~12:00 終了のあいさつ
*終了時に活動量計を返却
介入初期
第1回~第5回
介入中期
第6回~第10回
活動目標
・自由に話せる
居場所づくり
・初回評価
プログラム
・軽体操、散歩
・調理
・談話会
・日記の練習
・家族介護者相談会
活動目標
・心身活動性の向上
プログラム
・体操、踊り、散歩
・馴染みの作業活動
・認知、心理レク
・談話会
・日記
・家族介護者相談会
介入後期
第11回~第15回
活動目標
・自主活動への移行
・最終評価
プログラム
・体操、踊り、散歩
・馴染みの作業活動
・活動の日課化
・談話会
・日記
・家族介護者相談会

評価を行う目的
『心のデイケア』の効果を判定する

評価内容
①孤立閉じこもりの評価
②認知評価
J-CPTAT
③生活状況評価
④抑うつ評価(GDS)
⑤意欲の評価(CAS標準意欲評価法)
⑥身体機能評価
(10m歩行、FR、TUG、開眼片足立ち、握力)
⑦活動量評価(活動量計装着による活動量の評価)
⑧介護負担感評価(日本語版Zarit介護負担尺度)
回数
日
時
参加人
数
内
容
介入初期(第1回~第5回)
第1回
平成24年7月26日(木) 4名/7名 初回評価、TV体操、調理、
日記練習
第2回
平成24年8月 2日(木) 5名/7名 TV体操、デジカメ操作練習、
調理活動、日記練習
第3回
平成24年8月 9日(木) 5名/7名 TV体操、デジカメ操作練習
レクリエーション、日記
第4回
平成24年8月23日(木) 5名/7名 棒体操、ウオーキング&撮影会
日記、家族相談会
第5回
平成24年8月30日(木) 5名/7名 棒体操、調理、体操用棒作り
歌、第1回~5回の振返り、日記

介入中期の活動目標として家族の参加を促
すことを加える

参加者個々人の目標を設定し活動内容に
反映させる

馴染みの活動や、かつての役割なども活動
内容に反映させ活動性の向上を図る
回数
日
時
内
参加人
数
容
介入中期(第6回~第10回)
第6回 平成24年 9月 6日 4名/7名
(木)
棒体操、海辺ウオーキング、撮
影会、写真鑑賞、談話会、日記
第7回 平成24年 9月13日 5名/7名
(木)
棒体操、歌、反射板作り、
日記、敬老会演芸鑑賞
第8回 平成24年 9月20日 4名/7名
(木)
棒体操、歌、調理活動、撮影会
地元の踊り、日記、家族相談会
第9回 平成24年 9月27日
(木)
棒体操、歌、作業活動
記念写真撮影会、日記
第10回
平成24年10月4日
棒体操、歌、秋の運動会
日記

家族介護負担間の軽減のための取り組み
の強化

参加拒否傾向の参加者に対する対応方法
(訪問活動との連携)

全15回終了後の継続方法の検討
災害時支援活動の課題と留意点
国内の歴史的大津波災害
689年 貞観津波 宮城県沖から福島県沖まで連動する巨
大地震を、長期評価の対象に追加し、大津波を伴う1150
年前の巨大地震の全体像が明らかになる
 1611年 慶長の大津波 大被害不詳
 1771年 八重山地震津波 死者約1万2千人 大津波
 1854年 安政倒壊地震・南海津波(安政元年) 死者2~3

千人の大津波
 1896年 明治三陸地震津波 死者2万2千人 24.4m
 1933年 昭和三陸地震津波 死者3千人 28.7m
 1944年 昭和南海地震 死者1200人 10m
 1960年 チリ地震津波 死者140人 5~6m
 1968年 十勝沖地震 死者50人 3~5m
 1983年 日本海中部地震 死者約100人 6m以上
 1993年 北海道南西沖地震 約230人 29m

譜代村の奇跡
岩手県北・譜代村の和村村長は明治三陸大津波で
302名、昭和三陸大津波にて137名の犠牲者を出し
た経験から、高さ15.5メートルの大田名部防潮堤
と譜代水門を昭和59年に35億6千万円をかけ完成
させた。
 和村村長は平成9年に88歳で亡くなりましたが、和
村村長の自ら「置き土産」と称した「防潮堤」が没後
14年目で襲った平成三陸大津波から譜代村民を守
ったのです。その勇気と決断が評価されています。


平成三陸大津波における死者ゼロの記録は歴史に
学んだ「地域指導者の勇気と決断の賜物」です。
津波に対する教育の必要性

日本では1993年の北海道南西沖地震以来これまで約20年間大
きな被害がなかった。しかし小さな津波はあったが油断していた。

戦前には小泉八雲の「稲村の火」が教科書に載せられ、津波の恐
ろしさから守ることを教えた。
(1854年安政南海地震の際、津波の来襲に気付いた庄屋の儀兵
衛が、高台にある自分の住居に刈り取った稲に火をつけて住民を
高台に避難させ、住民を津波の被害から守った。)

小泉八雲Lafcadio Hearnが「仏陀の国の落穂」の「生ける神」
“A Living God”の章でこの「稲村の火」を紹介し、海外でも津波
の恐ろしさが知られた。
津波を乗りこえた子どもたち

3月11日、釜石市鵜住居小学校の子ども達は消防団の
情報から、先生の避難訓練指示により 「ございしょの
里」を急ぎ目指した。
 しかし気象庁の津波警報は3メートルから6メートルに
修正された。
 そのため、さらに高台にある介護福祉施設を目標に避
難し、小中学生がともに、低学年の小学生の手をひき、
助けあいながら避難した中学生が中心に居りました。
 無事介護福祉施設にたどり着いた時、「津波が堤防を
こえた!」というさけび声が聞こえ、全員こどもたちは無
事に津波から逃げ生き延びることが出来たのです。
東日本大震災防災策への反省
津波への防潮堤、防波堤に対する防災準備基準が、51年前の
チリ地震津波を想定していたため、今回の巨大津波への対策に
は例外を除いて効果は極めて低かった。
 前述したが岩泉町と田野畑村の中間に位置し、北山崎の北辺に
ある譜代村は強い和村村長のリーダーシップにより、二重の15
mの堤防を築き、今回は死者はゼロ、住宅等の倒壊170棟に留
まったことは注目すべき歴史的事実である。
 今回は大津波による大災害が主体であり、津波から如何に逃げ
るかが、生死を決した。毅然とした地域避難民の危機の中での
生き方を郷土の誇りとしたい。
 東京市復興計画を立案した水沢出身の後藤新平の早急な決断
による復興計画立案は有名である。また昭和8年三陸大津波の
い復興に尽くした斉藤実の活躍も知られて居る。早急な復興・復
旧計画実行が地域住民から求められている。

防災無線・避難場所の問題点
陸前高田や大槌では、避難場所の設定に問題があ
った。釜石鵜住居では常日頃の一般避難訓練場所
が高地ではなく多大な犠牲者を出した。小学生・中学
生が日常訓練の行動にそって高台に逃げて全員が
助かったことと比べて大きな反省が残った。
 加えて地震直後の防災無線の内容にも問題があっ
た。高さ3mの津波発生の恐れあり、と伝えたため、
これで3mでは防潮堤は越えるまい。超えても2階に
上がって津波が来るのを見たため、家と共に流され
た人も多かった。

アマチュア無線による緊急連絡網
岩手県県南の室根山にアマチュア無線の中継局が故
岡崎宣夫先生を中心に設置され、沿岸部と内陸部の
情報通信網が昨年2011年6月末に完成した。非常時
に内陸と沿岸部を結ぶ情報ネットワークとして民間有
志により維持されています。(Wires II のソフトとインタ
ーネットを用いて運用)
 「三陸復興ネットワーク」との名前で、緊急時の災害等
の連絡網として重要な役割を果たしております。
 現在は毎月第1土曜日の午後8時から定時通信が継
続維持され1年半以上経過した先日の10月6日(土)
にも定時通信が行われ、16局が参加し防災意識の存
続が証明されております。

東八幡平病院アマチュア無線クラブ(ノード局)
佐々木忠和(兄)の油絵
改修が完成した小生の生家
大津波の初動期、「想定外」への課題
地震から津波来襲まで30~40分間にどう行
動すべきか。ほとんど年中行事化した避難訓
練のあり方、情報伝達の仕方などについて
再検討すべきである。
 限度を超えた津波「想定外」の津波について
①縄文人の職住分離の生活形態をモデルに
地形に即した市街地形成を図る必要がある。
②安全な避難路、避難場所を確保する。
③正確な情報伝達手段を確立する。

おわりに
「地域リハビリテーション:CBR」の概念を越
えた平成三陸大津波への対応の共同活動は
これからが正念場であり、街作り等への「CB
R」からの先見的観点が求められている。
 被災地支援活動のあり方がリハスタッフの専
門分業的なものではなく幅広く統合化された
地域に根ざす具体的活動が求められる。
 「全人間的復興の概念」がさらに吟味され、
生物・心理・社会的・実存的存在の地域被災
住民へ寄り添う宗教哲学的検討が必要。

新渡戸先生:地域の絆:橋になる
新渡戸先生は国際的であるばかりでなく地域の農民を心から愛した。地方学を提
小生の父親
気仙農学校へ講演に来られた新渡戸稲造先生(昭和6年5月)
艱難・忍耐・練達・希望
 患難は忍耐を生み出し、忍耐は練達を生
みだし、練達は希望を生みだすことを、知
っているからである。
 新約聖書
ローマ人への手紙 第5章5節
口語訳聖書1995年版
忍耐の象徴 石割桜
宮沢賢治・雨ニモマケズ(魂の言葉)











雨ニモマケズ
風ニモマケズ
雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ
丈夫ナカラダヲモチ
欲ハナク
決シテ瞋ラズ
イツモシズカニワラッテヰル
一日ニ玄米四合ト
味噌ト少シノ野菜ヲタベ
アラユルコトヲ
ジッブンヲカンジョウニ入レズ










ヨクミキキシワカリ
ソシテワスレズ
野原ノ松ノ林ノ蔭ノ
小サナ萱ブキノ小屋ニヰテ
東ニ病気のコドモアレバ
行ッテ看病シテヤリ
西ニツカレタ母アレバ
行ッテソノ稲ノ束ヲ負い
南ニ死ニサウナ人アレバ
行ッテコワガラナクテモイイトイヒ

北ニケンクワヤソソショウガアレバ
ツマラナイカラウヤメロトイヒ
ヒデリノトキハナミダヲナガシ
サムサノナツハオロオロアルキ
ミンナニデクノボートヨバレ
ホメラレモセズ
クニモサレズ
サウイウモノニ
ワタシハナリタイ

「雨ニモマケズ」が欧米各地で感動を呼んだ








佐々木忠和(兄)が描いた三陸海岸