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地球バウショックにおける
衝撃波統計加速機構
宇宙研 岡 光夫
背景と動機
宇宙において普遍的なベキ型エネルギー
スペクトル
標準的理解は「衝撃波統計加速理論」
Diffusive Shock Acceleration (DSA)
Blandford & Ostriker, 1978
Bell, 1977; Axford, 1977; etc.
もともとAstro分野の理論
背景と動機
ただちにSpace分野へ適用
Terasawa et al., 1979
バウショックのイオン加速を説明
単なる理論が観測データに基づく確かな理解に
その後、惑星間空間衝撃波や終端衝撃波、
太陽フレア衝撃波などに応用された。
提唱から20有余年、イオン加速については
おおむね理解は深まった。
背景と動機
電子DSAの謎
超新星残骸・太陽フレア
電子加速の証拠は多数だがDSAでよいのか?
バウショック・惑星間空間衝撃波
DSAであることはおろか、
そもそも電子の加速が少ない
電子加速が
少ない理由は
未だに不明
通称「Shimada Shock」の観測
電子DSAの確かな証拠(Shimada, 1997)
同時に反作用効果の証拠も(Terasawa et al., 1999)。
背景と動機
観測をDSAで説明する試み
イオン加速
電子加速
惑星間空間
衝撃波
Scholer et al., 1983
Kennel et al., 1986
Tsurutani et al., 1985
Shimada et al., 1997
Terasawa et al., 1999
Ho et al., 2003
Nakata et al., 2005
地球
バウショック
Terasawa et al., 1979
Terasawa et al., 1981
Lee et al., 1981
Forman et al., 1981
Eichler, 1981
DSAとは?
証明のポイント
ポイント1
上流に粒子はしみだしているか?
ポイント2
粒子は散乱されているか?
ポイント3
散乱体(ホイッスラー波)はあるか?
ポイント4
エネルギースペクトルはベキ型か?
ポイント1
上流にしみだしているか?
ポイント2
粒子は散乱されているか?
散乱体はあるか?
共鳴条件を
満たしている
平行に近い
斜め伝播で
上流方向の
ホイッスラー波
ポイント3
拡散係数
エネルギースペクトルは
ベキ型か?
f (E) ∝ E -
=4.3
N1=21/cc,
N2=52/cc
なので r = 2.51
standard = 2.5
ポイント4
標準モデル
無限の空間で擾乱を積分
どこまで行っても必ず散乱される
SHOCK
-∞
+∞
FAB モデル (free escape boudary)
有限の空間で擾乱を積分
そこから出るともう散乱されない
SHOCK
x=L1
x=L2
FAB モデル
FEB,1のモデル
距離2000-4000km
速さは250km/s
8-16 secに相当
観測されたLを入力
するとハードになる
センス
FAB モデル
FEB,2のモデル
ピッチ角分布の傾き
期待されるベキは2-4
観測されたAを入力する
とハードになるセンス
NUD モデル (non-uniform diff.)
非一様な空間
拡散係数
ショック面から
遠ざかると拡散
されない
SHOCK
-∞
+∞
NUD モデル (non-uniform diff.)
空間拡散係数の
不定性が大きいが
観測データの不定
性が大きいがとくに
矛盾しない結果
まとめ
地球のバウショックにおける電子加速
初めてDSAを適用
空間分布やピッチ角分布は期待通りだったが、
エネルギースペクトルは期待よりソフトだった。
FEBモデルよりもNUDモデルの方が
「もっともらしい」結果を得た。
臨界マッハ数を超えてなければ、上流に
ホイッスラー波が伝播するため、これまで
考えられていた以上に電子DSAが
バウショックで起きている可能性がある。