Transcript 月のようだった。
明月記の天文記録 藤原定家:1180(19歳)-1235(75歳)の56年間にわたる日記。 1180年:以仁王と源頼政の挙兵 福原遷都。都に残り流星を 目撃の記事 「紅旗征戎は吾事に非ず」 客星の記述が初めて出てくるのは十一月一日(旧暦)、十一月四 日、「この星朧々として光薄し。その勢い小にあらず」。この年と 次年にかけて記録的な飢饉がおきた。 そこで「去る二日、安倍 秦俊朝臣示送す。」 「当時のごとくば、客星の条不審なし」。 十一月五日「客星の事上下殊に驚き恐る由、粗々これを語る」の 後に、客星の先例として5例、4例は「やはり不吉なことが起 こった」。 十一月八日(定家:69歳)の末尾に客星出現例、8例。 明月記 藤原定家 (1162-1241) が過去の記録をまとめた。 実際に観測し、 記録したのは 安倍晴明の子孫 例:晴明の次男 安倍吉昌 (? - 1019) 陰陽頭 (SN1006) 安倍晴明神社 式神を封じた 一條戻橋 (安倍の屋敷跡 土御門通) 稲住神社 (土御門家の屋敷付近) 3C58 高倉院 治承五年 六月廿五日 庚午 戌時 客星見北方 近王良 守伝舎星 高倉院治承5年の客星(3C58)-1181年定家20歳、 でもこの記録は69歳のとき。 X線観測:中性子の温度が低すぎる。クォーク星? 当時は平家物語の世界。 高倉院と小督の悲恋の物語、 徳子(建礼門院)も宮中(雲井)に見たかもしれない。 「思いきや 深山の奥に 住まいして 雲の月をよそに 見んとは」。 王良 (Oh-Ryo) Cassiopeiaβ 伝舎 (Densya) = Camelopardalis Chandra image of 3C58 Crab 後冷泉院 天喜二年 四月中旬以降 丑時 Nebua 客星觜参度 見東方 孛天関星 大如歳星 後冷泉院天喜2年(かに星雲): この記事がアマチュアー天文家 「射場保昭」により、Popular Astronomyに紹介、「超新星爆発の最初 の実証例」として国際的に認められた。(中国、日本、アラビア、アメリカ 原住民のみ、ヨーロッパには一例の記述もない) 天関 (Tenkan) Taurusζ 觜, 参 = Orion Chandra image of Crab SN 一條院 寛弘三年 四月二日 葵酉 夜以降 騎官中 有大客星 如 1006 螢惑 光明動耀 連夜正見南方 或云 騎陣将軍星本体 増変光 「権記」 藤原 行成の日記「権記」 (991-1011)。 藤原道長の日記、 「法成寺摂政記」(「御堂関白記」)(999-1022) (国宝)。 「この世をばわが世とぞ思う望月のかけたることもなしと思へば」 他、「日本紀略」、「吾妻鏡」、「百錬抄」、「玉葉」、「一代要記」、「暦図」 「賀茂史綱」など、全て7月以降の記述 (日没後に見られる) 枕草子:長保3年(1001年)~寛弘7年(1010年)、源氏物語 (1008年脱稿)、 騎官 (kikan) 紫式部日記(~1010年)。共にSN1006の記録はない。真夜中で両人ぐっすり 寝こんでいた? 騎陣将軍 (Kijin-Shogun) Lupusκ すざく SN1006 超新星SN1006の千年紀 記録からは史上最高の明るさ? 南天(観測に不利):世界中の記録:30 参考 かに星雲 北天(観測に有利):10 明るさの記録 (感覚的で明らかに誇張がある?) ○中国: ○エジプト: ○シリア: ○イラク: ○イエメン: ○スイス: 地上の物がはっきり見えた(5日の月-8.5等級) 1/4の月より少し明るかった 月のようだった。 月のようだった 水面がぎらぎら輝き太陽のようだった 目がくらむようだった (アルプスの山々をかすめる) 参考 金星-4.6等級 : 満月 -12.6等級 -magnitude Light Curve of SN1006 記録から再現した光度曲線 相 対 等 級 12 10 8 6 4 2 0 -2 0 -4 50 100 150 200 1006年5月1日からの日にち Days from May 1, 1006 Ia型(核暴走型)絶対等級(極大) = -19.5等級 距離 = 7100光年 = 2.2kpc 視等級 = -8.5等級 250 1. 史上最も明るい超新星だったことを科学的 に裏付けた (核暴走型=Ia超新星だった) ネオン 珪素 硫黄 エ ッ ク ス 線 の 強 度 アルゴン 酸素 鉄 マグネシウム カルシウム X線のエネルギー 3 1 2 1. Ejecta1 : Reverse shock (early heating) 2. Ejecta2: Reverse shock (late heating) 3. ISM : Forward shock \ Ejecta 1 Si S Ejecta 2 Si S Ca Mg Mg O C Ne Fe Large Si, S Ca O C Ne (Nomoto el al. 1984) Large Ca, Fe Fe 超高エネルギー粒子の加速がわかった OVII band 3-5 keV 動く壁の間で「ピンポン 玉が跳ね返る ピンポン玉が早く跳ね返る 玉は早くスピードが増す 土御門家中興の人、安倍泰邦は梅小路 の自宅に大表土台(日時計)と渾天儀台 (天体観測機器)をつくった。 梅林寺の大表土台 6.4 keV line 7.1 keV Edge Sgr B2 1994年 2000年 2004年 2005年 毎日新聞 2008/04/27 明治維新になり、陰陽寮は廃止:安倍=土御門の天文学は京都大学へ 宇宙線を加速する超新星 AD393の痕跡を「あすか」 衛星が発見 キトラ古墳天井画 飛鳥時代:世界最古の正確 な星図 (BC65+-数100年 北緯 38-39度) 超高エネルギーの 電子がだすシンク ロトロンX線放射 Koyama et al. 飛鳥時代 キトラ古墳 キトラ古墳星同定図 北緯;38-39 度 (高句麗の平城あたり、飛鳥、 長安、洛陽、開封は 34-35度) 時代:BC65年 +- 数100年 もくろみはあえなく敗退