犀川大橋 - 中 登史紀のホームページ

Download Report

Transcript 犀川大橋 - 中 登史紀のホームページ

辰巳ダム訴訟
意見陳述
平成27年7月6日
中 登史紀
犀川で起きる洪水は
どれくらいの大きさか?
1 【写真1】上流左岸から
犀川大橋地点(NO8600)を望む
犀川大橋地点で川幅約60メートル、橋桁下端から河床まで約9メートル。
No.20
過去の洪水の規模は
(犀川に降る雨の範囲は)
犀川大橋
No.3
犀川基準点の基本高水ピーク流量と過去の洪水との比較
藩政期
17世紀 18世紀19世紀
洪
水
氾
濫
洪
水
氾
濫
洪
水 洪
氾 水
濫 氾
濫
20世紀
6 石川県が作成した流出計算との比較
過去57年間の基準点最大流量
8
47
7
辰巳ダム計画では、
想定する洪水が、倍になった!
8 No.2
犀川大橋基準点の基本高水ピーク流量の推移
犀川ダム
辰巳ダム
9
辰巳ダム計画で
想定されている洪水は
どのようにして決めたか?
10
想定する洪水を決める考え方は2つ
① 既往最大洪水で決める
犀川ダム
② 統計学的な考え方を入れて目標を設定
内川ダム、 辰巳ダム
11
統計的手法で決める
• 川へ流れて出てきた洪水のデータか
それとも
• 川へ流れる前の降雨のデータか
辰巳ダムの対象としている雨は、2日雨量
辰巳ダム計画の
100年確率の2日雨量
12
314ミリ
46年間の毎年最大値
100年確率
辰巳ダムの
100年に一回の雨とは
13
計画規模・対象降雨量
314ミリ
特大のバケツ
14
この雨がどのように降るか
314ミリ
小分けしたバケツ
小分け
特大のバケツ
小分けしたバケツから流す
33通りの小分けをして
24通りを選んでいる
地域分布や時間分布を入れた対象降雨群
15
314ミリ
雨が洪水になる
小分けしたバケツ
特大のバケツ
小分けしたバケツから流す
地表を流れて川へ
犀川大橋
犀川
16 洪水の大きさは
24通りを選んでいる
ハイドログラフ群
犀川大橋
バケツリレー
17
24個の洪水は
順番
犀川大橋
要員
不足
511
ダム組
応援
3ダム
①
H.7.8.30
②
S.36.7.10 1,312
82
犀川ダム
③
S.56.8.22 1,288
58
犀川ダム
④
S.43.8.28 1,236
36
犀川ダム
⑤
S.45.6.14 1,222
0
無し
・・・・・
・・・・・
0
無し
⑫
S.53.6.27
954
0
無し
⑬
S.34.8.12
938
0
無し
・・・・・
・・・・・
0
無し
H.9.7.8
547
0
無し
河道組で用意できるのは
1230人
型
必要
要員
1,741
24
S36.9.15第二室戸台風 2,729
H10.9.21台風7号
2,195
バケツリレー
18
順番
最大値を取る
犀川大橋
要員
不足
応援
1,741
511
3ダム
①
H.7.8.30
②
S.36.7.10 1,312
82
犀川ダム
③
S.56.8.22 1,288
58
犀川ダム
④
S.43.8.28 1,236
36
犀川ダム
⑤
S.45.6.14 1,222
0
無し
・・・・・
・・・・・
0
無し
⑫
S.53.6.27
954
0
無し
⑬
S.34.8.12
938
0
無し
・・・・・
・・・・・
0
無し
H.9.7.8
547
0
無し
24
バケツリレー
型
19
順番
2番目を取る
犀川大橋
要員
不足
応援
1,741
511
3ダム
①
H.7.8.30
②
S.36.7.10 1,312
82
犀川ダム
③
S.56.8.22 1,288
58
犀川ダム
④
S.43.8.28 1,236
36
犀川ダム
⑤
S.45.6.14 1,222
0
無し
・・・・・
・・・・・
0
無し
⑫
S.53.6.27
954
0
無し
⑬
S.34.8.12
938
0
無し
・・・・・
・・・・・
0
無し
H.9.7.8
547
0
無し
24
バケツリレー
型
20
順番
3,4番目を取る
犀川大橋
要員
不足
応援
1,741
511
3ダム
①
H.7.8.30
②
S.36.7.10 1,312
82
犀川ダム
③
S.56.8.22 1,288
58
犀川ダム
④
S.43.8.28 1,236
36
犀川ダム
⑤
S.45.6.14 1,222
0
無し
・・・・・
・・・・・
0
無し
⑫
S.53.6.27
954
0
無し
⑬
S.34.8.12
938
0
無し
・・・・・
・・・・・
0
無し
H.9.7.8
547
0
無し
24
バケツリレー
型
21
順番
不足
応援
1,741
511
3ダム
H.7.8.30
②
S.36.7.10 1,312
82
犀川ダム
③
S.56.8.22 1,288
58
犀川ダム
④
S.43.8.28 1,236
36
犀川ダム
⑤
S.45.6.14 1,222
0
無し
・・・・・
・・・・・
0
無し
⑫
S.53.6.27
954
0
無し
⑬
S.34.8.12
938
0
無し
・・・・・
・・・・・
0
無し
H.9.7.8
547
0
無し
24
バケツリレー
要員
①
中位数以上を取る
中位数
犀川大橋
型
22
最大か、2番目か
順番
型
要員
不足
応援
1,741
511
3ダム
石川県・国の主張
最大値を取るか
①
H.7.8.30
原告の主張
2番目を取るか
②
S.36.7.10 1,312
82
犀川ダム
③
S.56.8.22 1,288
58
犀川ダム
④
S.43.8.28 1,236
36
犀川ダム
⑤
S.45.6.14 1,222
0
無し
犀川大橋
・・・・・
・・・・・
0
無し
⑫
S.53.6.27
954
0
無し
⑬
S.34.8.12
938
0
無し
・・・・・
・・・・・
0
無し
H.9.7.8
547
0
無し
24
S36.9.15第二室戸台風 2,729
H10.9.21台風7号
2,195
バケツリレー
23
最大値を取る
基本高水ピーク流量の決め方の変更
旧基準の決め方は、中位数から最大の間で
決めるという考え方
新基準の決め方は、最大値を取ると考え方
24
最大値を取るのは
便宜的な考え方
• 「標準的な棄却を行ってもなお生き残る最大
値としての基本高水流量を無視できない」
• 断定的に決めることはできないが、大きめに
見ておこうという便宜的な考え
• 検証して妥当性を確認するという制約
25
最大値を取る新基準の欠陥は
• 一つは、特定の雨に左右されること
• 一つは、非常に確率の低いケースを選ぶ懸
念
2日雨量とピーク流量の規模(発生確率)の
乖離
26
2日雨量とピーク流量の確率が
一致しない
27
検証が必要だ
検証として、
流量確率評価をしなければ、洪水(最大流量)
の生起確率を求めることはできない。
辰巳ダム計画ではこの検証をしていない。
計画が合理的で公益性があったかどうか確認
されていない。
28
合理的かどうか、経済合理性の
検討
石川県が算定した
辰巳ダムの費用対効果は、
効果(735億円)÷費用( 200億円)=3.67
経済合理性がある
基本高水ピーク流量1750m3/秒の生起確率
を検討しないで単に100年確率相当としてい
るため。
流量確率評価で生起確率を求め
ると
29
流量
3,000
2,500
2,000
1741
1,500
1,793
1,709
992
901
1,000
500
2
3
5
10
20
30
50
80
100
150
200
400
600
800
1000
1500
2000
3000
0
確率年
34年
25年
辰巳ダム
基本高水ピーク流量が
800年確率値とすると
30
費用200億円に対して、
効果は111億円、
費用>効果であり、
得られる利益(=効果ー費用)は、マイナスにな
る
公益性がない→法20条3号の要件を満たさな
い
31
一審判決の治水の問題点
①ピーク流量が要素の積み重なりで過大になる危険
性を審査していない
②過去の洪水を考慮していない
③石川県の流出計算の結果で検証していない
④流量確率評価をしていない
⑤比流量は検証ではない
①ピーク流量が要素の重なりで
過大になる危険性を審査していない
32
3要素(対象降雨量、棄却基準、飽和雨量)
社会通念上、常識的に、小さな誤差でも積み上
げれば大きくなって無視できない、著しい不
相当な点があることはわかる。
この指摘に対して、裁判所は何の判示もしてい
ない。
33
②過去の洪水を考慮していない
• 基本高水ピーク流量>既往最大洪水
である検討しかなされていない
• 基本高水ピーク流量≒既往最大洪水
であることを確認するべきである
34
過去の洪水と基本高水ピーク流量の
比較
基本高水ピーク流量
1750
1800
1600
1400
流量(m3/秒)
1200
過 去 100 年 間 の 大 洪 水
降雨からの推計値
1000
930
観測値
観測値
650~750
864
第二室戸台風
平成10年台風7号
800
600
400
200
0
昭和8年豪雨
石川県想定
45
36
35
③石川県による流出計算の結果
で検証していない
非毎年最大流量による流量確率評価
昭和17年から平成10年までの57年間雨量データ
100年確率値は、
1,269m3/秒(飽和雨量0mm)
↓
964m3/秒(飽和雨量100mm)
36
④流量確率評価をしていない
• 石川県は、解説の検証に明記されている、流
量確率評価、合理式による値との比較のい
ずれもやっていない。
37
④流量確率評価をすると
流量
3,000
2,500
2,000
1741
1,500
1,793
1,709
992
901
1,000
500
2
3
5
10
20
30
50
80
100
150
200
400
600
800
1000
1500
2000
3000
0
確率年
34年
25年
辰巳ダム
38
⑤比流量は検証ではない
新基準の「基本高水の決定」のフローチャート
「流量確率、比流量による検証」
との記載があるが、これは
「流量確率、比流量による検証(とバランス考
慮)」
が省略されてもの。
39
土地強制収用のための緊急性は
なかった
20世紀の最大規模の洪水、昭和36年の第二
室戸台風の後、犀川ダムが造られて堤防を
越える氾濫もなくなった。
石川県はデータを集め、流量確率評価して検
証して、ダムの合理性を調べるべきだった
事業認定処分庁もデータ集めを指示するべき
だった
40
現状のパラペットを利用する代替
案は現実的な対応である
目的を達成するためにどちらを選ぶか
どちらが住民のためになるのか
●ダメージポテンシャルを小さくするために
ダムを造る
あるいは、
●既存のパラペットを利用、費用はいらない
41
(利水)水はソフト対策で確保できた
目的を達成するためにどちらを選ぶか
どちらが住民のためになるのか
●水を確保するためにダムを造る
あるいは、
●既存の水利権の一部を返上させるソフト対
策をとる、費用はいらない
42
得られる利益はマイナス
辰巳ダム建設の目的は、
治水、利水ですが、
いずれも得られる利益はマイナス
43
失われる利益
自然環境、
文化遺産、
地すべり、
穴あきダム。
辰巳ダムは
公益性も緊急性もない
44
得られる利益ー失われる利益=プラス
公益性がある
△得られる利益ー失われる利益=マイナス
公益性がない
公益性がなく、法20条3号の要件を満たさない
緊急性がなく、法20条4号の要件も満たさない