ネットワーク共生環境を築く 情報技術の創出(パワーポイントデータ)

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21世紀COEプログラム
大阪大学 IST&CMC
ネットワーク共生環境を築く情報技術の
創出
New Information Technologies for Building a Networked Symbiosis Environment
文部科学省平成14年度 「21世紀COEプログラム」
研究拠点形成費補助金(研究拠点形成費)
学問分野:情報・電気・電子
IST
大阪大学大学院情報科学研究科
大阪大学サイバーメディアセンター
西尾 章治郎
CMC
© 2002 Shojiro Nishio All rights reserved.
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21世紀COEプログラム
大阪大学 IST&CMC
情報科学研究科の専攻構成
2002年4月創設
生命系へのアプローチ
バイオ情報
バイオ情報工学専攻
情報の高次処理技術
マルチメディアコンテンツ
マルチメディア工学専攻
インフラストラクチャ形成
ライフサイエンスと
情報技術の融合
インターネット
応用情報システム研究部門
情報ネットワーク学専攻
基盤技術の展開
ソフトウェア
コンピュータサイエンス専
攻
数学的概念の応用
システム・ハードウェア設計
先端ネットワーク環境研究部門
情報システム工学専攻
数理学的アプローチ
情報基礎数学専攻
21世紀における
情報分野の
世界的な拠点形成
情報数理学専攻
サイバーコミュニティ研究部門
コンピュータ実験科学研究部門
情報科学の基礎理論
大規模計算科学研究部門
マルチメディア言語教育研究部門
情報メディア教育研究部門
2002年7月開設
IT産学連携フォーラ
ムOACIS
2000年4月創設
サイバーメディアセンターの研究部門
構成
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21世紀COEプログラム
大阪大学 IST&CMC
本COEプログラムの目指すところ
 21世紀は「共生の時代」
親交のない多くの人間または人間集団が、豊かで持続的に共生可能な
ネットワーク社会を実現する情報環境(ネットワーク共生環境)
の確立が急務
アプローチ
生物界のインタラクションに学ぶ
共生環境の形成過程を解明し、情報
分野のコア技術に反映する
“Computer science is a
Science of interaction”
Society of Minds M.L. Minsky
成果
21世紀の情報技術を創生する
西洋の二元論ではなく、東洋の共生思想
に基づく新たな情報技術の構築
欧米のパラダイムの追従は賢明でない。 後進には日本人
独特の思想と感性で自律的に道を拓いて欲しい。
それがわが国が尊敬されて生きる道である。(野依良治)
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21世紀COEプログラム
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生物界のアナロジーを適用した世界のプロジェ
クト
免疫コンピューティング Belgium国立物理化学研究所
eLisaプロジェクト
IBM
複雑化するシステムの不調や構成変化、外部から
の攻撃に自律的対応し、自己調整を行えるシステム
に関する研究開発。
BioNetプロジェクト California大学Irvine校 +NTT
自然淘汰のアナロジを適用し、ネットワーク資源の
有効活用と個別化サービスを追求する。
リカバリ指向コンピューティング California大学Berkeley校
システムの不調は不可避であるという認識に立脚し、その
回避より、そこからの修復に重点を置いて高信頼性イン
ターネットの実現を目指す。
情報構造化
分散システムの自律調整
University Collage London
複雑化・巨大化するネットワーク資源のマネジメント
に、バクテリアの振る舞いなどの生物界のモデルを
応用した分散システムの自律調整手法の研究開発。
Anthillプロジェクト
ウィルスやノイズ、エラーの影響を除きつつ、特定の複雑な
問題解決に蛋白質免疫系のネットワークを応用する情報処
理技術の原理の確立。
Bologna大学
大規模かつダイナミックで、非中央指向を特徴とす
るP2P型アプリケーションのフレームワークを、生物
界科学界の「複雑系」をモデルにして確立する。
Edinburgh大学
人間の記憶メカニズムを応用した、関係データや階層化
データよりも簡素で効果的な自律的情報構造化手法の研
究開発。
動的・適応的コンポーネントからなる自律的システム
Maryland大学
近傍のコンポーネントと協調的にインタラクションする動的・
適応的コンポーネントの研究開発。
これらと連携しながらも本プログラムは
特に共生環境に着目
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21世紀COEプログラム
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生物共生ネットワークからネットワーク共生環
境へ
進行中の我々の研究からの知見
大腸菌と細胞性粘菌、マメ科の植物と根粒菌などは排他的に存在するのではなく、
独立した2種の生物群がインタラクションにより共存共栄する「共生関係」を構築
生物共生ネットワーク
信号伝達制御による
ネットワーク間の協調的で
緩やかな融合のしくみ
個々のネットワークが各々整合性を保ちながら
別のネットワークと新たな関係を構築
個々のネットワークが周りのネットワークと緩や
かに結合して上位ネットワークを形成
さまざまな要素が複雑に絡み合いながらも
安定している動的ネットワーク
共存粘性コロニー
[出典: M. Todoroki, et al.,
BioSystems, 65, 105-112, (2002)]
ネットワーク共生環境アーキテクチャ
サーバを介さず、情報をクライアント間で直
接交換可能にするP2P型ネットワークを基
盤とした新たなアーキテクチャの構築
拡張性 (Scalability)
生物共生ネットワークの形成過
程の解明に基づいたネットワーク
制御技術、資源提供・発見機構、
コミュニティ形成技術の実現
緩やかなネットワーク結合による拡張性への対応
時々刻々とメンバーが変動するコミュニティへの対応
位置や規模の変動するネットワーク資源やユーザへの動的適応
多様性 (Variety)
移動性 (Mobility)
個別化 (Personalization)
適応性 (Adaptation)
自律性 (Autonomy)
強靭性 (Resiliency)
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ネットワーク共生環境の要素技術と取り組み
[1]生物共生ネットワークの形成過程の解明
[2]ネットワーク共生環境アーキテクチャの構築
[3]ネットワーク共生環境におけるコンテンツ流通機構の構築
[4]ネットワーク共生環境におけるヒューマンインタフェース技術の創出
[5]高信頼性・高安全性を有するネットワーク共生環境の構築技術の創出
組織体制の特徴
・ 世界的なアクティビティをもつメンバーで構成
・ 拠点形成の観点から少数精鋭に徹する
・ 若手教官を重視した組織体制を構築
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テーマ[2]:ネットワーク共生環境アーキテクチャの構築
ネットワーク共生環境に求められるネットワー
ク
集中的なネットワーク管理技術
単一ネットワークアーキテクチャ・プロトコルによるネットワーク制御
従来のアプローチの限界
資源・サーバの存在を前提としたネットワーク資源管理
(IntServ、DiffServ、Webサーバなど)
拡張性 (Scalability)
コミュニティ形成に係わる母集団の人数(ネットワーク利用者) 、ネットワークに
接続される情報機器端末数やノード数の飛躍的な増大への対応
多様性 (Variety)
バックボーンの超高速な回線から末端の無線通信回線に至るネットワーク基
盤の多様性、さらに音声から動画像に至るトラヒック特性の多様性への対応
移動性 (Mobility)
これらの要件
を十分に満た
すネットワーク
アーキテクチャ
は現存しない。
人間の地理的移動、人間のコミュニティ間の移動や多重従属、ネットワーク資
源そのものの移動や生成・消滅の頻繁な発生、ノード自体の移動への対応
達成目標
• 1000人規模の利用者が同時に0.5秒以内で通信できる超分散環境の実現
• 上位層の要求に柔軟に対応できるP2P型ネットワークの構築
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テーマ[3]:ネットワーク共生環境におけるコンテンツ流通機構の構築
個別化と適応性によるコンテンツ流通
個別化 (Personalization)
 大量の情報資源を取捨選択・統合しながら、効果的かつ効率的に利用者に
提供する技術の確立
適応性 (Adaptation)
 コンテンツのさまざまな利用形態に合わせた情報共有手段の確立
連続的なコンテンツの内容記述
エージェント技術
半構造情報の
組織化・構造化
コンテンツの
統合提示手法
データ
ベース
複製管理・版管理
♭
♯
∮
コンテンツ配送機構
放送コンピューティング
マルチキャスト配信技術
データ
ベース
データ
ベース
配送の個別化・適応化
実現目標
フィルタリング技術
人間の相互理解を支援する
シームレスなコンテンツ流通機構の構築
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21世紀COEプログラム
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テーマ[4]:ネットワーク共生環境におけるヒューマンインタフェース
技術の創出
人間中心のインタフェースの開発
あらゆる利用者が、所望するサービスを自然なインタフェースで享受する
ために、
人間中心のインタフェースを開発
適応性
(Adaptation)
移動性
(Mobility)
キーボード、マウス、
ディスプレイに画一化された
従来のインタフェース
ウェアラブルコンピューティング
その存在を意識させないデバイスや
インタフェース
装着型入出力デバイスの開発
マルチモーダルインタフェース
身振り、手振り、顔表情の認識・理解
によるリアルタイムインタラクション
多様性
(Variety)
拡張性
(Scalability)
拡張性・構成変更可能性を
考慮したハードウェア
個別化
(Personalization)
実世界の物体や利用者の位置
情報をセンシング・マッチング
経済活性化
センサー・画像処理用
デバイスの開発
例えば、原宿・渋谷の若者の50%が
ウェアラブルコンピュータを利用
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テーマ[5]:高信頼性・高安全性を有するネットワーク共生環境の構築技
術の創出
安全で安心なサイバー社会
応用・検証
自律性 (Autonomy)
社会システムの復旧(支援)
情報家電
強靭性 (Resiliency)
携帯機器
セーフクリティカルシステム
オブジェクト指向設計・分析
情報の漏洩・不正使用の阻止
強力な暗号・
認証手続き
ソフトウェア工学
個人情報
信頼性評価
自律的
再構成
ディペンダビリティ工学
暗号・認証技術
セキュリティ工学
分散アルゴリズム・通信プロトコル
分散システム工学
達成目標
既存のモデルと比べて、信頼性や生産性を倍加することを目指す。
例えば、単位時間あたりの作成ソフトウェア数の倍増する。
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21世紀COEプログラム
大阪大学 IST&CMC
本プログラムと関連した教育実施計画
 情報技術に関する幅広い知識を基盤とした高い専門性を養う。
 専攻に特化した専攻基礎科目に加えて、他専攻で開講している科
目から専攻境界科目を選択・履修することを課している。
 特徴的な学生育成ユニットを日本で初めて設置
 セキュアネットワーク人材育成プログラム
 ネットワークプロセッサ設計ラボ
 ソフトウェア工房
 博士後期課程の学生への制度的・経済的支援
 21世紀の情報技術分野でリーダシップを発揮できる国際性のある
若手研究者の養成
セキュアネットワーク人材育成プログラム
リーダー的人材の育成
演習風景
・セキュリティの基礎知識
・ネットワーク運用
・セキュリティ対策スキル
• 情報科学研究科大学院生
• ODINS部局運用部
• 他大学、社会人
運用経験
実運用ネットワークを用いたオン
ザジョブトレーニング(OJT)を中心
とするカリキュラム
セキュリティエキスパート
• ネットワーク/セキュリティ研究者
• 部局ネットワーク担当者
• 関連企業、ベンチャー
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21世紀COEプログラム
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本プログラムと関連した教育実施企画
「ネットワークプロセッサ(NWP)設計ラボ」計画
ネットワークプロセッサ(NWP):プログラマブルルータ
 NWP開発システム、ネットワーク測定装置、次世代高速
通信機器、制御用コンピュータを用いたネットワーク制御
メカニズムの設計、実装、実験
 OJTによるネットワークアーキテクチャ、
プロトコル設計、アプリケーション開発
などに対する「センス」の養成
 高度・高機能・高速ネットワークシステ
ムの設計能力やネットワークアプリ
ケーションの開発能力の育成
「ソフトウェア工房」計画
新技術(シーズ)
大学
技術の評価
新テーマの発見
ノウハウの吸収
問題(ニーズ)
成果の産業化
ソフトウェア工房
Princeton大学などで
行われているボード
を用いた実習を国内
で最初に導入
IXA1200ボード
複数の企業で実際に製品開発に供されて
いるIXA1200を演習で使用
習得した技術はそのまま実社会に通
用
演習風景
大学の研究者・学生と企業等からの派遣研究員が対
等な立場で実践的な問題や研究テーマを取り扱う。
産業界
• 高度なソフトウェア技術やコンテンツ技
術をもった社会人・学生の教育
• 社会的ニーズや学術的な価値の高い研
究テーマの発見・育成
• 大学と産業界の人事交流
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21世紀COEプログラム
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本プログラムの運営・評価体制
平成14年度: 各テーマの要素技術に関する研究開発を推進
平成15年度: 今後の研究開発遂行上重要な技術基盤基礎を固める
平成16年度: 構築システム全体に関わる設計・評価の開始
平成17年度: 統合的なプロトタイプシステムを用いた性能評価
平成18年度:成果の統合と評価・改善
海外研究者を招聘し、
国際的な共同研究を推進
IT連携フォーラムOACISを通じて、
開発した技術シーズを
産業界と連携して実用化
研究成果を公開する
シンポジウムの定期的開催
外部評価の実施
連携して研究する機関からのメンバーも含めたアドバイザリー
委員会からプロジェクトの推進に対して定期的に評価と助言を得る。
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21世紀COEプログラム
大阪大学 IST&CMC
まとめ
ネットワーク共生環境
成果
親交のない多くの人間または人間集団が、
豊かで持続的に共生可能なネットワーク社会
21世紀の情報技術の創出
アプローチ
生物界のインタラクションに学ぶ。
生物界の共生環境の形成過程を解明し、
情報分野のコア技術に反映する。
5研究テーマ
[1]生物共生ネットワークの形成過程の解明
自律性
強靭性
♭
♯
[2]ネットワーク共生環境アーキテクチャの構築
拡張性
適応性
[3]ネットワーク共生環境におけるコンテンツ
流通機構の構築
[4]ネットワーク共生環境におけるヒューマン
インタフェース技術の創出
[5]高信頼性・高安全性を有するネットワーク
共生環境の構築技術の創出
♪
♪
個別化
多様性
移動性
関連した教育プログラムの遂行
情報系の人材養成拠点を目指す。
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21世紀COEプログラム
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組織体制
拠点リーダー
西尾章治郎(情報科学研究科 マルチメディア工学専攻)
事業推進担当者
増澤利光(情報科学研究科 コンピュータサイエンス専攻)
井上克郎(情報科学研究科 コンピュータサイエンス専攻)
菊野亨(情報科学研究科 情報システム工学専攻)
竹内良典(情報科学研究科 情報システム工学専攻)
尾上孝雄(情報科学研究科 情報システム工学専攻)
宮原秀夫(情報科学研究科 情報ネットワーク学専攻)
若宮直紀(情報科学研究科 情報ネットワーク学専攻)
村上孝三(情報科学研究科 情報ネットワーク学専攻)
藤原融(情報科学研究科マルチメディア工学専攻)
岸野文郎(情報科学研究科マルチメディア工学専攻)
薦田憲久(情報科学研究科マルチメディア工学専攻)
塚本昌彦(情報科学研究科マルチメディア工学専攻)
室岡義勝(情報科学研究科 バイオ情報工学専攻)
清水浩(情報科学研究科 バイオ情報工学専攻)
四方哲也(情報科学研究科 バイオ情報工学専攻)
村田正幸(サイバーメディアセンター 先端ネットワーク環境研究部門
下條真司(サイバーメディアセンター 応用情報システム研究部門)
生物共生ネットワークの形成過程の解明
ネットワーク共生環境アーキテクチャの構築
ネットワーク共生環境におけるコンテンツ流通機構の構築
ネットワーク共生環境におけるヒューマンインタフェース技術の創出
高信頼性・高安全性を有するネットワーク共生環境の構築技術の創出
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