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核物理研究センターの現状と将来
阪大RCNP 中野 貴志
2009/6/1
日本学術会議シンポジウム
核物理研究センター(RCNP)

サイクロトロン加速器@吹田キャンパス
 リングサイクロトロン(陽子400MeV、重イオン
)
 AVFサイクロトロン(陽子80MeV、重イオン)(
入射器)
 分光器系



LEPS@SPring8
大塔コスモ観測所@奈良県五條市大塔町
コンピューターとスーパーコンピューター
大阪大学
核物理研究センター
大阪大学核物理研究センター・サイクロトロン施設
中性子測定100mトンネル
リングサイクロトロン K=400 MeV
不安定核ビーム
超冷中性子
生成コース
1m×1m×10cm×6
シンチレータ
AVFサイクロトロン
K=140 MeV
ユーザー
~300人/年
外国人
~40人/年
大阪大学
超高分解能
磁気分析装置
核物理研究センター
リングサイクロトロン+磁気分析器系
陽子非弾性散乱の0度における
超低バックグラウンド・超高分解能測定
48Ca(p,p)
0 300 MeV
精密角度分布
圧縮振動数ω
⇒ 原子核の非圧縮率
様々な同位体からN/Z比依存性
⇒ 高密度核物質・中性子星の
基本情報
圧縮振動(L=0)の抽出
0度が重要
open
close
annular
disk
phonon
UCN
世界最高のUCN強度
~15個/cm3
(E = 90 neV)
c
n
陽子ビーム
Super Photon ring-8 GeV
•
•
•
•
•
SPring-8
Third-generation synchrotron radiation facility
Circumference: 1436 m
8 GeV
100 mA
62 beamlines
大阪大学
1/30/2008
核物理研究センター
ユーザー
~70名/年
外国人
6 ~20名/年
LEPS(レーザー電子光ビーム)の特徴と成果
0.7
0.6
0.5
0.4
0.3
0.2
0.1
0
00
.5
11
.522
.5
3
E (GeV)
Intensity(Typ.): 2.5106 cps
Linear Polarization : 95 % at 2.4 GeV
•低バックグランドビーム+前方スペクトロメーター
•交換粒子のパリティフィルターとしての縦偏極ビーム
•励起バリオンの生成しきい値領域の精密測定
•ペンタクォーク(Q+)の存在を強く示唆するデータ
•L(1405)(メソン・バリオン共鳴候補)の生成断面積の高い
エネルギー依存性
•f中間子のしきい値領域での生成断面積のピーク構造
PRC79 (2009) 025210
RCNPの現在と今後
8

サイクロトロン加速器施設




LEPS



共同利用・共同研究による原子核物理学の発展
放射化学、医学利用、半導体等の応用の発展
入射器の増強による大強度化: UCN, ミューオン
共同利用・共同研究
偏極標的からLEPS2へ
サブアトミック科学研究拠点


重要テーマへの挑戦
 LEPS 2計画:新しいハドロンの解明
 プリズム計画:レプトンフレーバー混合
 CANDLES計画:宇宙の物質創成の解明
連携研究拠点へ
 理学研究科付属原子核施設との連携(統合)+他機関
大阪大学
核物理研究センター
サブアトミック科学とは?
9
“宇宙誕生直後から、
宇宙の晴れ上がりまでを解明す
大きさの
階層構造
我々の
住む世界
る”
原子(アトム)
10-10m
サブアトミック科学
10-14m
バリオン
(陽子、中性子など)
10-15m
レプトン
現在:137億年
38万年
原子核
宇宙の晴れ上がり
“宇宙のバリオンはどの様
に
宇宙の初めの3分間
生成されたのか?”
なぜ反クォークよりもクォークの方が多いのか?
3分
クォーク
<10-18m
レプトジェネシスの可能性を探る
未知の素粒子
なぜクォークやレプトンの種類が3世代12種類なのか?
サブアトミック科学
拠点の研究課題
標準理論を超える現象を探る
クォークはどの様にバリオンの中に閉じ込められたのか?
ビッグバン
大阪大学
クォークモデルの限界を探る
核物理研究センター
期待される研究成果
10
なぜクォークやレプトンの種類が3世代12種類なのか?

レプトンフレーバー混合研究



標準理論を超える現象を探る
荷電レプトン混合現象(標準理論では説明できない現象)の発見
基本的相互作用の統一、ニュートリノ質量の謎を解明する手掛かり
大強度ミューオン源による、学際領域の基礎科学、応用科学の進展
クォークはどの様にバリオンの中に閉じ込められたのか?

ハドロンの存在形態研究


クォークモデルの限界を探る
通常のハドロンとは異なるペンタクォークやメソン・バリオン共鳴
クォーク閉じ込め機構を解明する糸口に
なぜ反クォークよりもクォークの方が多いのか?

レプトン数非保存研究



大阪大学
レプトジェネシスの可能性を探る
2重ベータ崩壊の観測レプトン数の保存則の破れ
初期宇宙から現在の宇宙への発展の解明
ニュートリノ物理学の進展に寄与
核物理研究センター
MUSIC
なぜクォークやレプトンの種類が3世代12種類なのか?
標準理論を超える現象を探る
期待されるミューオン収量
0.4 kWの陽子ビームで
約109 muons/sec
(世界最高値)
11
位相空間回転システム
ミューオン輸送システム
パイオン捕獲システム
大阪大学
核物理研究センター
平成 20年度二次補正予算
としてパイオン捕獲シス
テムが認められた。
CANDLES
なぜ反クォークよりもクォークの方が多いのか?
レプトジェネシスの可能性を探る
12

宇宙は物質で出来ている(反物質は無い)
 粒子数は保存しない
 CPが破れている(物質と反物質の世界は異なる)
電子
ニュートリノを伴わない
2重ベータ崩壊の観測
超低バックグラウンド検出器



n
マヨラナ質量
(反粒子⇔粒子)
n
48Caの二重ベータ崩壊
反ニュートリノ
ニュートリノ
p
p
電子
大型科研費から概算要求へ
大塔コスモ観測所  神岡(東大宇宙線研究所)
CANDLES検出器
フッ化カルシウム(蛍石)結晶と
PMT
大阪大学
核物理研究センター
大塔コスモ観測所
PRC78 058501(‘08)
1.76 y
神岡
Q of 48Ca
大阪大学
核物理研究
センター
大塔コスモ観測所
大阪大学理学部
845m
国道168号線
22
T10/

5
.
8

10
year (90 % C.L.)
2
大塔村側
m  3.5 ~ 22 eV (90 % C.L.)
西吉野村側
Not limited by backgrounds
5039.5 m
第二観測室
第三観測室
第一観測室
ELEGANT VI
But only 6.4g of 48Ca
LEPS2
クォークはどの様にバリオンの中に閉じ込められたのか?
クォークモデルの限界を探る
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大強度フォトンビーム
BL31ID
SPring-8 8GeV電子ビー
ム
逆コンプトン散乱
全方向をカバーする検出器

30m長直線部

紫外線、深紫外線
レーザー

BNL(E949)スペクトロメーター
の有効利用
阪大ブランドの高速データ収集
回路の開発
LEPSでの膨大なノウハウの蓄
積
GeV ガンマ線
10倍強度のビーム
パラレル・レーザー入
射
生成と崩壊の同時精密測定によるハドロンのクォーク構造の研究
クォークモデルによって簡単に説明できないハドロンに焦点
ペンタクォーク、メソン・バリオン共鳴、スカラー中間子、、、
大阪大学
核物理研究センター
SPring
x線散乱による逆コンプトン光ビームの生成
単色偏極高エネルギー光ビーム
重いスカラー中間子の生成と崩壊の研究
グルーボール、テトラクォーク等の探索
S=-2の励起バリオンの構造の研究
8
大規模研究所との相乗効果
16
既設の加速器や
大型実験施設
阪大核物理研究センター
大阪大学
SPring-8
J-PARC
新しいアイデア
独創的な実験装置
ブレークスルー
東大宇宙線研
MUSIC


CANDLES
LEPS2
コアとなる実験装置や装置開発に国内外の研究者が集まる
既設の大型研究施設の魅力を一層高める効果
核物理研究センター
16
連携型研究拠点へ
17
 標準理論を超えた現象を発見する可
能性。
サブアトミック科学の急速な発展
サブアトミック科学研究の二つの方向性


超大型加速器など、ミッション指向なビッグプロジェクト
独創的な発想に基づく、ボトムアップ型の研究  大学の果たす役割が大
きい。
科学の
大学:独創的なアイデアの宝庫
進展
技術
革新
研究の
大型化
柔軟、迅速、組織的に
対応する体制が必要
大阪大学

大学の活性化が革新的な成果を産む。
分野の枠、大学の枠を超えた
中小の研究機関の連携
↓
大学で萌芽した独創的なアイデアや手法
を、人員とリソースの全国的かつ効率的
な運用で発展させ、世界トップレベルの
成果として結実させる。
核物理研究センター
大強度高分解能パイオンビーム@JPARC
18
Spectrometer
Dispersive Beam
pion: 108~109 Hz
pbar: 107 Hz
fL
0.3 MeV
0.6 MeV
0.9 MeV
1.6 MeV
Prod. T
90
L Zr
dL
ES1
pL
sL
Ex(MeV)
大阪大学
核物理研究センター
重イオン蓄積リング
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• Shottky信号による新しいタイ
プの測定が可能
•不安定核のβ崩壊の精密測定
•不安定核と陽子やα粒子との
散乱
•安定線近傍原子核の精密測
定・高運動量移行測定による
アイソスピン依存性およびテン
ソル力の研究
•宇宙環境でのベータ崩壊変化
の研究
大阪大学
核物理研究センター
まとめと展望
20
•全国共同利用研として原子核物理学の発展に寄与
•精密測定原子核実験における豊かな実績と経験
•原子核物理学からサブアトミック科学へ



レプトンフレーバー混合研究:MUSIC
ハドロンの存在形態研究:LEPS2
レプトン数非保存研究:CANDLES
•リングサイクロトロンの強度増強と新たな利用の開拓
UCN, ミューオン科学、重イオン蓄積リング
•機関や分野の枠を超えた連携型研究拠点への発展
大強度高分解能パイオンビームライン
大阪大学
核物理研究センター