Transcript 自動車重量譲与税
20.個別消費税と利子所得課税 20.1 個別消費税と一般消費税 20.2 利子所得税と労働所得税 19.1 個別消費税と一般消費税 個別消費税=特定の財・サービスを課税対象とする税 (一般)消費税=原則的に全ての財・サービスを課税対象とする税 課税標準 所得 国税 地方税 所得税 道府県民税 法人税 市町村民税 事業税 資産 消費 相続税・贈与税 固定資産税 地価税 都市計画税 1998年以降当 分の間非課税 印紙税 特別土地所有税 登録免許税 不動産取得税 消費税 酒税 石油ガス譲与税(1/2) たばこ税 たばこ特別税 地方道路譲与税(100%) 航空燃料税 石油石炭税 揮発油税 自動車重量譲与税(1/3) 石油ガス税 自動車取得税 地方道路税 自動車重量税 軽油取引税 自動車税 関税 特別とん税 とん税 電源開発促進税 軽自動車税 地方消費税 (注1) 「○譲与税」の後のカッコの中の値=「○税」の税収のうち地方に譲与される割合 (注2) ガソリン税=揮発油税+地方道路税 (注3) =道路特定財源諸税 <道路特定財源> (出所)国土交通省道路局HP <道路特定財源> (出所)国土交通省道路局HP <消費税等> 消費税等=消費税(国税)と地方消費税の総称 付加価値=売上高-仕入高 消費税額=4%×付加価値 地方消費税額=25%×消費税額=25%×(4%×付加価値)=1%×付加価値 消費税額+地方消費税額=4%×付加価値+1%×付加価値 =(4%+1%)×付加価値=5% ×付加価値 消費税=付加価値税=Value-Added Taxes (VAT) <税の存在しない場合の予算制約式> 財1と財 2 に関する個人の消費選択のモデルを用いて個別消費税と一般消費税の 効果の相違を比較検討しよう。 x i =財 i の量( i 1, 2 ) 。 p i =税が存在しないもとでの財 i の価格( i 1, 2 ) 1 m =所得 予算制約式は p 1 x1 p 2 x 2 m 1 1 (20-1) である。 なお、以下では議論を単純化するために財2の価格は1であるとする( p 2 1 )。 1 <税が存在する場合の予算制約式と税額> t i =財 i に対する税率(従価税) 1 「生産者価格」は課税されても p i のまま変化しないとする(水平な供給曲線) 。 生産者価格=税抜価格 そのとき、 (i) 財 1 にのみ個別消費税を課すケース( t 1 t 2 0 ) (ii) 一般消費税を課すケース( t 1 t 2 [ t C ] ) を比較検討する。 (1 t 1 ) p 1 x 1 x 2 m 1 (1 t C ) p 1 x 1 x 2 m 1 (20-2) :個別消費税のケースの予算制約式 (20-3) :一般消費税のケースの予算制約式 p 1 =個別消費税を導入したあとの財1の「消費者価格」( p 1 (1 t 1 ) p 1 ) 2 2 1 消費者価格=税込価格 x * 1 , x 2 =税率 t 1 の個別消費税が課されたときの最適な消費の組み合わせ * そのとき、個別消費税のもとでの税収 T 1 は T1 t 1 p 11 x1* であり、 x 1* , x 2* は(20-2) を満たすので T1 t 1 p 1 x 1 = m ( p 1 x 1 x 2 ) 1 * 1 * (20-4) * t1 p1 x1 p1 x1 x 2 m 1 と変形できる。 * 1 * * (1 t1 ) p1 x1 x 2 m 1 x ** 1 ** * * , x 2 =税率 t C の一般消費税のもとでの最適な消費の組み合わせ 一般消費税のもとでの税収 T C は T C = t C p 1 x 1 x 2 1 を満たすので T C = t C p 1 x1 x 2 1 と変形できる。 ** ** = m p 1 1 x1 x 2 ** ** ** ** であり、 x ** 1 ** , x2 は(20-3) (20-5) p 1 x1 x 2 t C p 1 x1 x 2 1 ** ** 1 ** ** m (1 t C ) p1 x1 x 2 1 ** ** m (問題 20-1) x 1 x 2 平面に個別消費税を導入する前の予算線と導入した後の予算線を描き、 2 縦軸の切片の値を書き入れなさい。また、無差別曲線 I を描き加えることで、税 率 t 1 のもとでの最適消費点 x 1 , x 2 を図示しなさい。 * * x2 p1 (1 t1 ) p1 2 1 p1 x1 x 2 m 1 m * x2 (1 t 1 ) p 1 x 1 x 2 m 1 2 p1 * x1 1 p1 I 2 x1 (問題 20-2)問題 20-1 の図のなかに税収 T 1 を図示しなさい。 x2 T1 t 1 p 1 x 1 = m ( p 1 x 1 x 2 ) 1 * 1 p1 x1 x 2 m 1 1 * 1 1 m p x T1 T1 * x2 (1 t 1 ) p 1 x 1 x 2 m 1 2 p1 * x1 1 p1 I 2 x1 * * (問題 20-3)問題 20-1 で求めた税率 t 1 の個別消費税のもとでの最適消費点 x 1* , x 2* と税率 t C の 一般消費税のもとでの最適消費点 x 1** , x 2** が同じ無差別曲線 I 2 上にあるとする。最適 消費点 x 1** , x 2** を問題 20-1 の図に描き加えなさい。また、そのときの税収 T C を図示し なさい。 x2 T1 t 1 p 1 x 1 = m ( p 1 x 1 x 2 ) 1 * 1 T C = t C p 1 x1 x 2 1 ** ** 1 T1 1 ** 1 1 p x * x2 TC TC (1 t C ) p1 x1 x 2 m 1 ** x2 (1 t 1 ) p 1 x 1 x 2 m 1 1 p1 * x1 ** x1 I * = m p p1 x1 x 2 m m * 2 x1 1 ** 1 1 x x2 ** <個別消費税・一般消費税と超過負担> 課税の結果、個人の効用水準は低下することになるが、その効用低下の大きさを金銭的に評価し たものが「実質的租税負担額」である。なお、課税で得られた財源で公共財などを供給すること で生じる効用の上昇についてはここでは考慮しないこととする。 課税による実質的租税負担額と租税負担額は必ずしも一致するとは限らず、 「実質的租税負担額」 から「租税負担額」を差し引いた値は「超過負担」と呼ばれる。そのような超過負担が生じる基 本的な理由は、課税により個人が租税回避行動(節税行動)をとることにより歪みが生じるから である。以下では、そのような超過負担が労働所得税と利子所得税に関して生じるかどうかを検 討する。 1 課税されていない状況での最適消費点を通る無差別曲線を I とする。また、一般消費税率 t C と 個別消費税率 t 1 は、問題 20-3 のように、その課税の結果として実現される効用水準が同一であ るケースに着目して以下の分析を進める。そして、その課税後の最適消費点を通る無差別曲線を 。 I とする(問題 20-3 参照) 2 1 1 E ( p 1 , I ) =課税前の効用水準を 価格 p 11 のもとで実現するための補償所得 (20-6) E ( p1 , I ) m 1 1 1 2 E ( p 1 , I ) =一般消費税の課税後の効用水準を 1 価格 p 1 のもとで実現するための補償所得 E ( p1 , I ) p1 x1 x 2 1 2 1 ** ** (20-7) x2 T1 t 1 p 1 x 1 = m ( p 1 x 1 x 2 ) 1 * 1 T C = t C p 1 x1 x 2 1 ** ** p1 x1 x 2 m E( p , I ) m 1 T1 1 2 E ( p 1 , I ) p 1 x1 x 2 1 ** ** * x2 TC ** x2 I (1 t 1 ) p 1 x 1 x 2 m 1 1 p1 * x1 ** x1 I * = m p 1 1 1 * 1 2 x1 1 ** 1 1 x x2 ** (20-5)、(20-6)、(20-7)より、一般消費税により生じる効用の変化を変化 前の価格 p 11 を用いて金銭的に評価した等価変分 EV x は EV x E ( p 1 , I ) E ( p 1 , I ) p 1 x 1 x 2 1 2 1 1 1 ** ** m T C (20-8) となる。 したがって、一般消費税のもとでの超過負担 EB C は EB C EV x T C 0 (20-9) である。すなわち、一般消費課税のもとでの超過負担はゼロである。 x2 T1 t 1 p 1 x 1 = m ( p 1 x 1 x 2 ) 1 * 1 T C = t C p 1 x1 x 2 1 ** ** p1 x1 x 2 m E( p , I ) m 1 T1 EV x 1 2 E ( p1 , I ) * EV x TC x2 TC EB C EV x TC 0 ** x2 (1 t 1 ) p 1 x 1 x 2 m 1 1 p1 * x1 ** x1 I * = m p 1 1 1 * 2 x1 1 ** 1 1 x x2 ** 個別消費税により生じる効用の増分を変化前の価格 p 11 を用いて金銭的に 評価した等価変分は、一般消費税のときと同じ EV x である。 したがって、個別消費税による超過負担 EB 1 は EB 1 EV x T1 (20-10) である。 したがって、(20-9)と(20-10)より、超過負担 EB 1 は、次のように求めるこ とができる。 EB 1 T C T1 (20-11) (問題 20-4)問題 20-1 の図のなかに超過負担 EB 1 を図示しなさい。 x2 T1 t 1 p 1 x 1 = m ( p 1 x 1 x 2 ) 1 * 1 T C = t C p 1 x1 x 2 1 ** ** p1 x1 x 2 m E( p , I ) m 1 EB 1 EV x T1 TC T1 T1 EV x 1 2 E ( p1 , I ) * x2 TC ** x2 (1 t 1 ) p 1 x 1 x 2 m 1 1 p1 * x1 ** x1 I * = m p 1 1 1 * 2 x1 1 ** 1 1 x x2 ** (問題 20-5)無差別曲線(の集まり)が x 2 x 12 4 x 1 u ( u は実数)で与えられており、 所得が m 3 、財 1 の価格が p 11 1 であるとする。このとき、 ① 税率 100%( t 1 1 )の個別消費税を導入した場合の最適消費点 x 1* , x 2* と個 別消費税の税収 T 1 を求めなさい。 ② x * 1 , x 2 を通る無差別曲線 I に対応する u の値 u を求めなさい。 2 2 * ③ 一般消費税のもとでの最適消費点 x 1 , x 2 が②で求めた u に対応する無差 ** ** 2 別曲線 I 上にあるとする。 x 1 , x 2 と一般消費税の税収 T C を求めなさい。 2 ** ** ④ 超過負担 EB 1 の大きさを求めなさい。 20.2 利子所得税と労働所得税 <税の存在しない場合の予算制約式> 消費財の価格は 1 に標準化されているとする。 c t =第 t 期の消費量(=消費支出額) w t =第t期の労働所得( t 1, 2 ) s =(第1期の)貯蓄 1 r =利子率 そのとき、2 期間を通じた予算制約式は c1 c2 1 r 1 w1 w2 1 r 1 (20-12) となる((19-3)参照)。なお、左辺は消費の割引現在価値、右辺は労働所得 の割引現在価値である。 <税が存在する場合の予算制約式と税額> t r =利子所得税率 1 r s =利子所得 第 1 期と第 2 期の予算制約式は、それぞれ c1 s w1 c 2 w 2 (1 r ) s t r r s w 2 1 (1 t r ) r s である。 1 r 2 (1 t r ) r 1 1 (20-13) (20-14) 1 (20-13)、(20-14)より 2 期間を通じた予算制約式は c1 となる。 c2 1 r 2 w1 w2 1 r 2 (20-15) t r =利子所得税率 c1 s w1 * c t =第 t 期の最適消費量 * * c 2 w 2 (1 r ) s t r r s * * s =最適貯蓄水準 1 * 1 * T r = t r のもとでの利子所得税額の割引現在価値 1 * Tr = tr r s 1 r c 2 w 2 (1 r )( w1 c1 ) (1 r )T r * 1 1 * ( c 1 , c 2 , s ) は(20-13)と (20-14)を満たすので、次のように求められる。 * * * 1 Tr = tr r s * 1 r 1 * w2 * c2 = w1 c 1 1 1 1 r 1 r (20-16) 1 労働所得税率 t w のもとでの 2 期間を通じた予算制約式は c1 c2 1 r 1 w2 (1 t w ) w 1 1 1 r (20-17) である((19-6)参照) 。 c ** 1 ** , c2 =税率 t w のもとでの最適な消費の組み合わせ T w =第 1 期と第 2 期の労働所得税額の割引現在価値 T w = t w w1 c ** 1 ** , c2 tw w2 1 r 1 は(20-17)を満たすので、次のように求められる。 ** w2 w 2 ** c2 T w = t w w1 w1 c 1 1 1 1 1 r 1 r 1 r (20-18) (問題 20-6) c 1 c 2 平面に利子所得税を導入する前の予算線と導入した後の 予算線を描き、横軸の切片の値を書き入れなさい。また、無差別曲 線を描き加えることで、税率 t r のもとでの最適消費点 c 1* , c 2* を図 示しなさい。 c2 c1 c c2 1 r 1 w2 w1 1 r 1 c1 * 2 I 2 c2 1 (1 t r ) r w2 1 w1 1 (1 t r ) r 1 r * c1 w1 1 w1 w2 1 r 1 w1 w2 1 (1 t r ) r c1 1 1 w2 1 (1 t r ) r 1 (問題 20-7)問題 20-6 の図のなかに税収 T r を図示しなさい。 * w2 * c2 Tr = = w1 c1 1 1 1 1 r 1 r 1 r 1 * tr r s c2 c1 c2 1 r 1 w2 w1 1 r 1 Tr c c1 * 2 I 2 c2 1 (1 t r ) r w2 1 w1 1 (1 t r ) r 1 r * c1 w1 Tr 1 w1 w2 1 r 1 w1 w2 1 (1 t r ) r c1 1 1 w2 1 (1 t r ) r 1 (問題 20-8) 問題 20-6 で求めた税率 t r の利子所得税のもとでの最適消費点 c 1* , c 2* と 税率 t w の労働所得税のもとでの最適消費点 c 1** , c 2** が同じ無差別曲線上 2 ** ** 最適消費点 c 1 , c 2 I にあるとする。 を問題 20-6 の図に描き加えなさい。 また、そのときの第 1 期と第 2 期の労働所得税額の割引現在価値 T w を図示 しなさい。 (問題 20-8)問題 20-6 で求めた税率 t r の利子所得税のもとでの最適消費点 c 1* , c 2* と税率 t w の労 働所得税のもとでの最適消費点 c 1** , c 2** が同じ無差別曲線上 I 2 にあるとする。最適消費 点 c 1** , c 2** を問題 20-6 の図に描き加えなさい。また、そのときの第 1 期と第 2 期の労働 所得税額の割引現在価値 T w を図示しなさい。 * w2 * c2 Tr = = w1 c1 1 1 1 1 r 1 r 1 r 1 * tr r s c2 ** w2 w 2 ** c2 T w = t w w1 w1 c1 1 1 1 1 r 1 r 1 r c1 c2 1 r 1 w2 w1 1 r 1 Tw ** Tr c2 c c1 * 2 I 2 c2 1 (1 t r ) r w2 1 w1 1 (1 t r ) r 1 r ** c1 * c1 w1 1 w1 w2 1 r 1 w1 w2 1 (1 t r ) r c1 1 1 w2 1 (1 t r ) r 1 <利子所得税・労働所得税と超過負担> 1 I =課税されていない状況での最適消費点を通る無差別曲線 利子所得税率 t r と労働所得税率 t w は、問題 20-8 のように、その課税の結果として 実現される効用水準が同一であるケースに着目して以下の分析を進める。 2 I =課税後の最適消費点を通る無差別曲線 1 1 E ( r , I ) =課税前の効用水準を 利子率 r 1 のもとで実現するための補償所得 E ( r , I ) w1 1 1 w2 1 1 r (20-19) 1 2 E ( r , I ) =労働所得税の課税後の効用水準を 利子率 r 1 のもとで実現するための補償所得 ** E (r , I ) c 1 2 ** 1 c2 1 r 1 (20-20) c2 c1 c2 1 r w2 w1 1 1 r 1 Tw ** Tr c2 I c 1 c1 * 2 I 2 c2 1 (1 t r ) r 1 w1 w2 1 (1 t r ) r 1 r ** c1 * w1 c1 1 w1 w2 = 1 r 1 1 2 E (r , I ) 1 1 E (r , I ) w1 w2 1 (1 t r ) r c1 1 1 w2 1 (1 t r ) r 1 EV c =労働所得課税により生じる効用の増分を金銭的に評価した等価変分 (20-18)、(20-19)、(20-20)より、 EV c E ( r , I ) E ( r , I ) 1 2 ** ** c2 c1 1 1 r 1 1 w2 w1 Tw 1 1 r ** w 2 ** c2 T w w1 c1 1 1 1 r 1 r (20-21) E ( r , I ) w1 1 1 w2 1 r 1 (19 ) ** E (r , I ) c 1 2 ** 1 c2 1 r 1 ( 20 ) EV c =労働所得税の実質的租税負担額 EB w =労働所得税による超過負担 EB w EV c T w 0 すなわち、労働所得課税のもとでの超過負担はゼロである。 (20-22) (18 ) c2 c1 c2 1 r w2 w1 1 1 r 1 Tw ** Tr c2 I c 1 c1 * 2 I 2 c2 1 (1 t r ) r 1 w1 w2 1 (1 t r ) r 1 r ** c1 * w1 c1 1 w1 w2 = 1 r 1 1 2 1 E (r , I ) 1 E (r , I ) EV c w1 w2 1 (1 t r ) r c1 1 1 w2 1 (1 t r ) r 1 利子所得税により生じる効用の増分を金銭的に評価した等価変分は、労働 所得税のときと同じ EV c であるので、利子所得税のもとで生ずる超過負担 EB r は、 EB r EV c T r (20-23) である。 したがって、(20-22)と(20-23)より、超過負担 EB r は次のように求めること ができる。 EB r T w T r (20-24) (問題 20-9)問題 20-6 の図のなかに超過負担 EB r を図示しなさい。 c2 c1 c2 1 r w2 w1 1 1 r 1 EB r EV c Tr T w Tr Tw ** Tr c2 I c 1 c1 * 2 I 2 c2 1 (1 t r ) r 1 w1 w2 1 (1 t r ) r 1 r ** c1 * w1 c1 1 w1 w2 = 1 r 1 1 2 1 E (r , I ) 1 E (r , I ) EV c w1 w2 1 (1 t r ) r c1 1 1 w2 1 (1 t r ) r 1 (問題 20-5)無差別曲線(の集まり)が x 2 x 12 4 x 1 u ( u は実数)で与えられており、 所得が m 3 、財 1 の価格が p 11 1 であるとする。このとき、 ① 税率 100%( t 1 1 )の個別消費税を導入した場合の最適消費点 x 1* , x 2* と個 別消費税の税収 T 1 を求めなさい。 ② x * 1 , x 2 を通る無差別曲線 I に対応する u の値 u を求めなさい。 2 2 * ③ 一般消費税のもとでの最適消費点 x 1 , x 2 が②で求めた u に対応する無差 ** 2 ** 別曲線 I 上にあるとする。 x 1 , x 2 と一般消費税の税収 T C を求めなさい。 2 ** ** ④ 超過負担 EB 1 の大きさを求めなさい。 ① 税率 100%( t 1 1 )の個別消費税を導入した場合の最適消費点 x 1* , x 2* と個別消費税 の税収 T 1 を求めなさい。 t 1 1 のもとでの予算制約式は 2 x1 x 2 3 である。また、無差別曲線の x1 , x 2 にお * * ける接線の傾きは 2 x1 4 である。したがって、 2 x1 4 2 より x1 1 であり、 * * x 2 3 2 x1 1 となる。そして、 T1 t1 x1 1 である。 * * * * ② x 1* , x 2* を通る無差別曲線 I 2 に対応する u の値 u を求めなさい。 2 * 2 u x 2 x1 * * 4 x1 1 1 4 4 * 2 ③ 一般消費税のもとでの最適消費点 x1** , x 2** が②で求めた u に対応する無差別曲線 I 2 上に 2 あるとする。 x1** , x 2** と一般消費税の税収 T C を求めなさい。 無差別曲線の x1** , x 2** における接線の傾きは 2 x1** 4 であり、一般消費税のもとでの予算 制約式は (1 t C )( x1 x 2 ) 3 だから、その傾きは-1である。したがって、2 x1** 4 1 よ り、x1** 3 / 2 だから、x 2** x1** 4 x1* u * ( 3 / 2 ) 2 4 ( 3 / 2 ) 4 1 / 4 となる。そして、 2 TC m ( x1 x 2 ) 3 ( 3 / 2 1 / 4 ) 5 / 4 である。 ** ** ④ 超過負担 EB 1 の大きさを求めなさい。 EB TC T1 5 / 4 1 1 / 4 <個人所得課税の計算例> 個人所得課税=所得税(国税)+個人住民税(地方税) 給与収入=500(万円)、社会保険料支払額=50(万円)で、夫婦のうち 1 人のみに収入があり、 2 人の子供(うち 1 人は特定扶養親族)がいるケースについて計算する。 所得税=所得税の課税所得より計算 個人住民税=個人住民税の課税所得より計算 ① 所得税の課税所得=給与所得-所得税の所得控除 ② 個人住民税の課税所得=給与所得-個人住民税の所得控除 給与所得=給与収入-給与所得控除 ① 所得税の所得控除=社会保険料控除+所得税の人的控除 ② 個人住民税の所得控除=社会保険料控除+個人住民税の人的控除 (1) 給与所得控除と給与所得 給与所得控除≒給与所得者にとっての必要経費 給与等の収入金額 (万円) 給与所得控除額 (65万円以上の場合) 180以下 40% 180~360 30% 360~660 20% 660~1000 10% 1000超 5% 給与収入が 500 万円のときは、給与所得控除は次のように求められる。 給与所得控除=0.4×180+0.3×(360-180)+0.2×(500-360)=72+54+28=154 給与所得=給与収入-給与所得控除=500-154=346(万円) (2) 社会保険料控除=社会保険料支払額(=50 万円) (3) 人的控除 夫婦のうち 1 人のみに給与収入があり、2 人の子供うち 1 人は特定扶養親族なので、人的控除 は次のようになる。 所得税 個人住民税 人的控除額の差 基礎控除 38 33 5 配偶者控除 38 33 5 (一般)扶養控除 38 33 5 特定扶養控除(16 歳から 22 歳まで) 63 45 18 合計 177 144 33 (単位=万円) (4) 課税所得 給与収入 Y=500 かつ社会保険料控除=50 なので、所得税と個人住民税の課税所得は 次のように定まる。 所得税の課税所得=給与所得-社会保険料控除-所得税の人的控除 =346-50-177=119 個人住民税の課税所得=給与所得-社会保険料控除-個人住民税の人的控除 =346-50-144=152 (5) 個人所得課税 ○所得税 所得税=0.05×119=5.95 課税所得(万円) 税率(%) 195 330 695 900 1800 ∞ 5 10 20 23 33 40 (←課税所得が 195 万円までは(限界)税率が 5%) ○個人住民税 個人住民税=0.1×個人住民税の課税所得-(個人住民税の)調整控除 調整控除=国から地方への税源移譲にともなう調整措置 このケースの調整控除=1.65(注) 個人住民税=0.1×152-調整控除=15.2-1.65=13.55 ○個人所得課税 年収に対する個人所得課税の割合 =19.5/500=3.9% 個人所得税=所得税+個人住民税=5.95+13.55=19.5 (注)「人的控除額の差の合計(33)≦個人住民税の課税所得(144)≦200」が成り立つときは、 調整控除=0.05×人的控除額の差の合計=0.05×33=1.65 と計算される。 19.個別消費税と利子所得課税 19.1 個別消費税と一般消費税 19.2 利子所得税と労働所得税