SS-520-2 ロケットキャンペーン期間における 極域 N2+イオンアップフロウ

Download Report

Transcript SS-520-2 ロケットキャンペーン期間における 極域 N2+イオンアップフロウ

極域電離圏分子イオン上昇流の
供給源に関する研究
山田学,渡辺重十(北大・理)
阿部琢美(ISAS)
佐川永一(CRL)
Greyish-blue Aurora:
Vallance Jones[1960] 等古くから4001000kmでの発光がしられている
粒子観測
?
DE1:あけぼの衛星 etc.:
数千km~数Reで分子イオンを観測
光学観測
MSX衛星
Romick et al.[1999] 千km以上に
N2+の発光が広がったのを確認
(upflow?)
どうすると分子イオン
が数千kmに存在でき
るのか?

どこが供給源? (高
度,MLT)
どのように運ばれる?

N2+ オーロラ

O[630nm]よりも
上空で窒素イオン
の発光が観測さ
れる.
衛星で観測される分子イオン
1) 粒子観測
DE1衛星による分子イオンの観測例.
(Craven et al., 1985)
多くの観測例は Kp > 4
(2程度の観測例もある)
主に昼側カスプ,オーロラオーバル付近

あけぼの衛星/SMSによる分子イオンの観測例
本研究の目的
いままで詳しく研究されてこなかった分子イオ
ンの振る舞いを調べることでイオン加熱・加速
高度に新たな制限を加える.
行なったこと

分子イオンの供給高度の推定

手法: 分子イオンを含めた多種イオン系で密
度・速度プロファイルを数値的に計算し,これ
までのあけぼの/SMS観測結果と比較.
1次元極域電離圏モデル
計算結果
夏,昼側条件
太陽天頂角:50゚
F10.7:145
Ti=1200
GLAT=80゚

F
E
計算結果
夏,昼側条件
太陽天頂角:50゚
F10.7:145
Ti=2000
GLAT=80゚

計算結果
夏,夜側条件
太陽天頂角:81.8゚
F10.7:145
Ti=1200
GLAT=80゚

計算結果
冬,昼側条件
太陽天頂角:91.8゚
F10.7:145
Ti=1200
GLAT=80゚

計算結果
冬,夜側条件
太陽天頂角:134.7゚
F10.7:145
Ti=1200
GLAT=80゚

観測データとの比較と考察 1
計算は妥当なものか?
SMSで観測されたH+,He+,O+速度プロファイル

高度とともに速度増大
軽いイオンほど大きな速度
H+
He+

O+
この傾向は再現
できた.
1989年-1999年にSMSで観測したイオン速度の高度プロファイル
観測データとの比較と考察 2
分子イオンConicsの観測
H+
Log(Count)
He+
N2+
SMSでの観測
 数Reで分子イオンフラッ
クスがみつかる
 特殊な分布(conics)に
なっている場合がある
モデル計算の上端高度で分子イ
オンは上向き速度を持たない.
O+
観測高度より下で何らかの
加熱・加速がおきている.
分子イオンconicsの観測例
観測データとの比較と考察 3
供給高度の推定
分子イオンのフラックス比
+) > f(O +)
f(N2+)~
f(NO
2
~
Craven et. al.(1985) DE1衛星,Yau et al.(1993) :あけぼの
衛星の観測結果による
フラックス比 ~
~ 密度比 を仮定し
分子イオンの供給高度を推測.
あけぼの衛星SMSによる分子イオンの観測例.
各質量でのカウント積分値.
+イオンと比較して
SMSの観測でO
高度300~400km前後でO2
+イオンのカウントは2~3桁小さい
N
2
密度が他の分子イオン密度を下回る.
+イオンの
多くの観測でN2+が最大であることから
この高度より上空に加熱・加速域が
存在すべき.
分子イオン供給高度の上限は
800~1000kmより下であると推定.
まとめ
モデル計算を用いて極域電離圏の分子イオン密度を求めた.
これをあけぼの衛星/SMSの観測によるイオンアップフロウの
フラックス比と比較し分子イオンの供給高度を推定した

フラックス比
密度比 を仮定すると
~
~
供給源高度は400~1000km程度
今後の課題
•エネルギーの式等を加えより現実的なモデルへ改善
•供給高度の変化から分子イオンがアップフロウを起こしやす
い条件の推測 → 地上からの観測の手がかりに