Transcript 1/36度中領域モデル
熊野灘海流予測システム開発 進捗状況報告 2007.12.25 (株)三菱総合研究所 熊野灘海流予測システム • 内容 – 熊野灘で作業中である、地球深部探査船「ちきゅ う」のために海流予測を行う • 黒潮の変動を数キロメートルのオーダーで予測 – JCOPEをネスティング » 日本近海1/36度モデル(同化あり) » 熊野灘1/108度モデル(同化なし) – 現在、1/36度モデルを使って2003年から2004年ま での再解析を実行中 システムの概要 海洋モデル: 1/36度中領域モデルと1/108度 小領域モデルによるネスティングモデル 海表外力 NCEP/NCAR Reanalysis 側面境界条件 JCOPE2 Reanalysis & Forecast QuikSCAT 1/108度 1/36度 データ同化(1/36度モデルのみ) Data Assimilation (3DVAR,IAU) 衛星海面水温 SST data 衛星海面高度 SSH data 現場観測水温・塩分 ARGO/ship data (T/S) 1/36度モデル • JCOPEモデル(POMベース)を利用 – プリミティブ方程式 • ブシネスク近似、静水圧近似 – 水平1/36度、鉛直45層、s座標系 – モード分割法 • 自由表面波と内部波を別々に解く • 地形はJTOPO30(1/120度間隔)から作成 • 海面高度、水温、塩分濃度、東西方向流速、 南北方向流速を出力(2日平均値) 1/36度モデルの領域 1/12度モデル JCOPE2(117-180E,12-62N) 1/36度中領域モデル (133-142E,28-36N) 1/36度大領域モデル (125-148E,28-44N) 1/36度モデルの特徴と使い方 1/36度中領域モデル (133-142E,28-36N) 計算負荷が少ない →1週間毎の予測計算に利用 1/36度大領域モデル (125-148E,28-44N) 計算負荷が大きい →1ヵ月毎の予測計算に利用 長期的な予測に有効 例:九州南東からの小蛇行の伝 播の影響 これまでの作業(概要) • 地形データの作成 – 圧力勾配項の誤差に注意 • FRSの効果を中領域モデルで検証 – 1/108度モデルで導入 • 水温・塩分移流項の高精度化 – FCT (Flow Collected Transport)の導入 • データ同化の設定 – JCOPE用にチューニングされた最新バージョン を使用 • 倍調和型の水平粘性・拡散係数を導入 – 数値誤差の低減 FRSの効果を検証 FRS→Flow Relaxation Schemeの略 1/36度モデルの計算結果 JCOPE2計算結果 i ex (1 )m 1 1 tanh( (i 1)) 2 i 1,2, ,10 格子のインデックス(i=1が境界) 1.2 ・境界では外側モデルの計算結 果を与える 1 α 0.8 ・内側ではα:1-αの割合で外側 モデルと内側モデルの計算結果 を混ぜ合わせる 0.6 0.4 0.2 0 1 2 3 4 5 6 i i 7 8 9 10 計算結果 (海面高度場) 通常の境界条件 JCOPE2再解析値 FRS (T・S、境界から4格子分) 計算結果 (海面高度場,100日目) 通常の境界条件 FRS (T・S、境界から4格子分) JCOPE2再解析値 海洋速報 135 140 FRSを導入することで、黒潮流路の再現性が向上する 145 再解析値の比較 (海面流速絶対値) JCOPE2 1/36度中領域モデル※1 黒潮流速の強化が確認できる ※1 : 水平粘性・拡散はスマゴリンスキーモデルで算出 再解析値の比較 (海面流速絶対値) 136E線上での海面流速最大値(m/s) 3.5 1/36度中領域モデル JCOPE2 3.0 2.5 2.0 1.5 JCOPE2 1.0 JUL AUG SEP 1/36度中領域モデル※1 潮岬先端から東方に向かって生じる強流帯が強 化された ※1 : 水平粘性・拡散はスマゴリンスキーモデルで算出 海面 水深5m ノイズ 水深10m 水深50m 136.75E,33.20Nでの流速絶対値 時系列 深 さ JCOPE2 1/36度中領域モデル※1 高解像度化したことにより流れの変化を細かく表現できている ※1 : 水平粘性・拡散はスマゴリンスキーモデルで算出 倍調和型水平粘性・拡散の効果 ・海面における流速絶対値 スマゴリンスキーモデル 倍調和型 2 2 4 xk xk xk xk 倍調和型水平粘性・拡散の効果 ・海面における流速絶対値 スマゴリンスキーモデル 倍調和型 水平粘性・拡散を倍調和型で計算することによりノイズが消えた 今後は倍調和型を採用 今後の予定 • • • • 中領域モデルの高度化、予測可能性等の精度検証 大領域モデルの予測可能性等の精度検証 1/108度小領域モデルの構築、精度検証 中領域モデルと小領域モデルの結合 1/108度 1/36度