Transcript I + (λ)

F: エディントン近似
2006年11月13日
単位名
学部 :天体輻射論I
大学院:恒星物理学特論IV
教官名
中田 好一
授業の最後に出す問題に対し、レポートを提出。
成績は「レポート+出欠」でつけます。
授業の内容は下のHPに掲載されます。
http://www.ioa.s.u-tokyo.ac.jp/kisohp/STAFF/nakada/intro-j.html
F.1.平面大気
全ての物理量AがX軸に垂直な平面内で一定と仮定する。 A(X,Y,Z)=A(X)
(1) ーX軸方向(上向き)の輻射強度 I に対する方程式は、dI/dx=κI-ε
(2) X軸に角度θを成す直線(μ=cosθ)に沿って、輻射方程式を考える。
Iλ (μ,τλ=0)
τλ=0
Y
Z
X
τλ
t
θ
Iλ (μ,τλ)
直線に沿っての長さを t とすると、dI/dt= κI-εd l となる。
dt と X軸に沿っての深さdXとの関係は、dt=dx/μ なので、書き直して
μdI(μ,x)/dx=I(μ,x)κ(x)-ε(x)
形式解
μdI(μ,x)/dx=I(μ,x)κ(x)-ε(x) :以下 Iλ 、 κλ等を I、κと省略する
dτ=κdX とおいて、
μdI / dτ=I-S
dτは光線に沿っての光学的深さでなく、X軸に沿っての光学的深さ、に注意。
光学的深さ=τの点で、X軸に対し角度θの輻射 I(τ,μ) は下のように
与えられる。
t=0
μ>0:
I(τ,μ)=∫∞τS(t)exp[-(t-τ)/μ]dt/μ
=
eτ/μ∫∞
τ
μ>0
S(t,λ)e-t/μdt/μ
μ<0:I(τ,μ)= -∫τ0S(t,λ)exp[ (τ-t)/μ]dt/μ
=
-eτ/μ∫τ
0
S(t,λ)
e-t/μdt
/μ
τ
=∫τ0 S(t,λ) e-(τ-t) / (-μ) dt / (-μ)
t
μ<0
表面からの輻射強度
表面から角度θで出る輻射Iの解は下のように与えられる。
I(τ=0 、μ) = (1/μ)∫∞0 S(τ) exp(-τ/μ) dτ
上式を見るとSをSource Function と呼ぶことが納得される。
S(τλ)=S=一定(0<τ<τo)のスラブ表面での I(τ=0 , μ) を計算すると、
I(τ=0 , μ) = (1/μ)∫τo0S exp( -τ/μ) dτ
= S[1-exp (-τo /μ) ]
自己吸収のあるスラブの表面輝度
τo=0.1
τo=0.5
τo=1
τo=2
1
θ
0.8
0.6
Ⅰ/S
I(τ=0 , μ)
0.4
0.2
τo
S(τ)
0
0
30
θ(° )
60
90
線形大気の表面輻射強度
S(τ)= a + bτ
I(τ=0 ,μ>0) = (1/μ)∫∞0S(t)exp( ‐t/μ) dt
=(1/μ)∫∞0(a+bt)exp( ‐t/μ) dt
= (1/μ)[ a∫∞0 exp(‐t /μ) dt + b∫∞0 t exp(‐t /μ) dt]
= a+ bμ= S(τ=μ)
I(τ=0 ,μ<0) = 0
(μ>0)
(μ<0)
θ
下図で光線に沿ったτ=1に注意
τ=0
τ=μ=cosθ
τ=1
リム・ダークニング ( limb darkening )と表面輻射強度
I(θ)
θ
α0
α
1
天体表面で輻射強度が鉛直方向からの角度θにより、
I(cosθ)で表されるとする。レポート問題1.1でやった
通り、I(cosθ)は星の表面輝度分布F(α)に反映される。
上の図で

0
 sin 
逆に、F(α)が求まったら、
2
なので、

 

F ( )  I (cos  )  I  1  

0



 

 
 

2
I (cos  )  F ( )  F  0 1  cos 
ところで、表面輝度分布I(cosθ)は源泉関数S(τ)と関係している。
仮に、S(τ)=a+b・τ+c・τ2+...と展開されたとすると、
2

I (cos  ) 

1
cos 



1
cos 


S ( ) e


cos 
( a  b    c    ...) e
2

θ

cos 
d
0
x

 a   e dx  b  cos   xe
0
d
0
x
dx  c  (cos  )
0
2


x
x e dx  ...
2
0
 a  b  cos   2  c  (cos  )  (1  2  3 )  d  (cos  )  ...
2
3
ここでも逆に I(cosθ) からS(τ)を以下のように求め
られる。
I(cosθ)=A+B・cosθ+C・cos2θ+...
τ
S(τ)
なら、
S(τ)=A+B・τ+(C/2)・τ2+(D/6)・τ3+...
3
恒星大気内でLTEが成立していると、源泉関数S(τν)=B(T, ν)
から、τνの深さでの温度が決まる。
結局、星の表面の輝度分布がある波長(周波数)で決まると、大気内の温度変化
がその波長での光学的深さの関数T(τν)として求まることが判った。
4
前頁の変換をグラフで示すと下図の
T(τν)を逆に表現すると、ある周
波数(波長)での光学的深さτνが
温度Tの関数τν(T)として
ようになる。
I(α)
I(θ)
表される。が
このプロセスを二つの波長λ1と
λ2で繰り返して、τ1(T)と
τ2(T)を得た。
5

これは、同じ温度Tの地点までの
1
0
0
1
光学的深さが波長によって異な
cosθ
るためである。したがって、各波
長での吸収係数をk1、k2とする
と、
1
sinθ
k1
k2

 1 T 
 2 T 
線形大気のフラックス
Fλ=∫μIλ(μ,τ=0)dΩ= 2π∫10μ( aλ+ bλμ)dμ=2π(aλ/2 +bλ/3)
Source Function
Sλ (τ)=aλ+bλτ だったから、
Fλ=π[aλ+(2/3)bλ]=πSλ(τλ=2/3) である。
温度Tの黒体表面からのフラックスがπBλ(T),ここにBλ(T)は輻射強度、
だったことを考えると、線形大気では、τλ=2/3の深さの所を見て
いると言える。
I(τ=0)
τλ=0
a
τλ=μ=cosθ
S(τ=2/3)
τλ=1
S
0
1/3
2/3
1
a+b
a+bμ
F.2. モーメント方程式
n
I(x,θ,φ)= I(x,θ) 輻射が軸対称の時、μ=cosθとして、
N次モメント MN を以下のように定義する。
MN(x, λ)=(1/4π)∫(cosθ)N I (θ, x, λ) dΩ
Ω
=(1/4π) ∫∫ (cosθ)N I (θ, x,λ) (sinθ) dφdθ
=(1/2)∫μN I (μ, x, λ)dμ
0次モーメント
θ
M0(x,λ)= (1/4π)∫I (μ, x, λ) dΩ
= (1/2)∫I (μ, x, λ) dμ
X
= J (x,λ)= 平均輻射強度 (mean intensity)
1次モーメント
M1(x,λ)= (1/4π)∫cosθI(θ,x,λ) dΩ
= (1/2)∫μI(μ, x,λ) dμ
= H(x,λ)
エネルギーフラックス F(n, x ,λ) =∫ cosθ I (θ,x,λ) dΩ
=2π∫μI(μ, x,λ) dμ= 4πH ( x, λ)
M
2(x,λ)=(1/4π)∫ (cosθ)2I(cosθ, x,λ) dΩ
2次モーメント
= (1/2)∫μ2 I(μ, x,λ)dμ
=K (x,λ)
光圧力 P(ν) = (4π/c)K(ν)
斜め方向の輻射方程式
Iλ (μ,τλ=0)
X軸に沿って光学的深さτ
を定める。μ方向の光線に
沿っては、
dI ( ,  )
τλ=0
(表面)
  ( ) I ( ,  )   ( )
dt
θ
dt=dX/μ
dτ=κdX
X
なので、

t
dI ( ,  )
d
τ
 I ( ,  )  S ( )
Iλ (μ,τλ)
μdI/dτ=I-S
( i ) 両辺をdΩ/4πで積分する。
∫[μdI/dτ]dΩ/4π=∫IdΩ/4π- ∫SdΩ/4π
= d[∫μIdΩ/4π]/dτ
dHλ/dτλ= Jλ – Sλ
(ii) 両辺にμをかけてdΩ/4πで積分
d[∫μ2IdΩ/4π]/dτ
=∫μIdΩ/4π-∫μSdΩ/4π
∫1-1μdμ=0 に注意すると、
dK λ/dτλ= Hλ
F.3. エディントン近似 (Eddington approximation)
μdI/dτ=I-S

(平面近似)
モーメント方程式
× ∫dΩ/4π
:
× ∫μdΩ/4π :
dH 
d
dK 
d
 J   S
 H
この系列はμ2 μ3 と上げても閉じない。式の数<変数の数
モーメント方程式をどこかでむりやり閉じる必要。

エディントン近似
K 
エディントン近似が正確に成り立つ例
(i) 完全等方輻射 I(Ω)=Ioの場合
J=Io, K=(1/2)∫1-1Ioμ2dμ=Io/3 =J/ 3
1
3
J
(ii)
I(τ,λ,μ)=Io(λ)+I1(λ)μ
Jλ=(1/2)∫1-1I dμ=(1/2)∫1-1(Io+I1μ)dμ=Io(λ)
Hλ=(1/2)∫1-1Iμdμ=(1/2)∫1-1(Io+I1μ)μdμ=(1/3)I1(λ)
Kλ=(1/2)∫1-1Iμ2dμ=(1/2)∫1-1(Io+I1μ)μ2dμ=(1/3)Io(λ)
θ
(iii)
I(τ,λ,μ)= I+ (λ)
= I‐(λ)
I+
μ>0
μ<0
I‐
J=(I+ + I‐)/2
H=[I+ /2 – I‐/2]/2=(I+ – I‐)/4
K=[I+ /3+ I‐ /3]/2=J/3
4H
F.4.Rossland mean opacity κR
1 dK 
  dx
 H
を全波長積分、K=∫Kλdλ、H=∫Hλdλ、に対
する式に変換したい。
1
dK

dx
 H
のようにならないか?
Kλ =Jλ/3=(1/3) Bλ(T)とすると、 (エディントン近似、局所熱平衡仮定)
1
dB  T 
3 
dx
1 dB  T


それは、



dx
dB  T 
dx
d 
なので上の要求は、
1


dB  T
dB  T  dT


dT
dx
dx
1 dB  T
 H


d
にしたいということである。
dx
を考えると可能である。
 1 dB  T   dT
1  dB  T   dT
d  
d 

d 


dT
 
dT
 dx
 
 dx
したがって、 次のような、平均κを考えると、
1 dB  T
1
R



dT

dB  T


d
つまり
d
1 dB  T 


d 
dT
1
R

dB  T 
d
dT
dT
以下のように初めの要求が達成される。
1 dK 


d 
dx

1
3 R
dB  T
1
 3

dx

 1 dB  T   dT
d  
d 
dT
 3 
 dx
d  H  d
1  dB  T  
1 d  K  d
 dB  T   dT

  dT d   dx  3   dx d    
dx
dx



R 
R
1 dK
 R dx
 H
κRの意味
F   Fi
  4 
1 dB i  x 
i
  4
dT
dx
dx

1 dB i  x 
i

dT
4  dB dT
 R dT dx
κRに効くのは、κiが小さい所とΔBiが大きい所でκiが大きい所は効かない。
F∝∑ΔBi /κi=ΔB /κR
Bi
Fi ∝ΔBi(T) /κi
Bi+ΔBi
F.5. 恒星大気のエディントンモデル
dH 
d
dK 
d
 J   S
(1)
 H
(2)
仮定:(a)∫Jλκλdλ=∫ελdλ
:輻射平衡 ( Radiative Equilibrium)
この仮定は(1)を
dH

dx

dH
dx
   J    S    J   

d 

d  H  d
dx

dH
dx

   J     d 
とすると分かるように、総フラックスH=一定 を意味する。
これは、大気中では新しいエネルギー発生(核反応)が起きていないか
らである。
仮定(b) Jλ(x)= Bλ(T(x))
仮定(c )Kλ(x)=(1/3)Jλ(x)
∫Hλdλ=H,
:エディントン近似
∫Kλdλ=K とする。
(1)式は仮定(a)によって、
(2)式から、
H(x)=Ho
1 dK 
 H
  dx
1 dB  T 
d

1

dT

dB  T 
R
d

dT
1 dK 


dx
d 
(3)
で定義されるκR=Rosseland mean pacityを使うと
dJ 
1
 3

1 dK
 R dx
d 
dx
 Ho
1
1 dB 

3 

d 
dx
(4)
1
R

dK 
dx
d
平均光学深さτRを τR=∫ρ(x)κR(x)dx と定義すると、(3)、(4)から
H(τR)=Ho=一定
K(τR)=τRHo+ C
C=積分定数で後で決める。
J(τR)=S(τR)=B(τR)=3・K(τR)=3(HoτR+C)=(σ/π)T4 (τR)
S=3C+3・Ho・τは、a+bτの形なので、線形大気の結果が適用
できる。
S=a+bτの大気では、F=π・S(τ=2/3) =π・(3・C+2・Ho)
Hの定義から、F=4πH=4πH0
であるから、
C=(2/3)Ho
したがって、
B(τR)=3・[(2/3)Ho+Ho・τR]=3・Ho・[τR+(2/3)]=(σ/π)・T4
ここまでの結果は、エディントン近似モデルの (iii)
でも考えられる。
H(τ)=Ho=一定=(I+ – I‐)/4
K(τ)=τHo+ C=(I+ + I‐)/6 を解いて、
I+ (τ) =2H(τ)+3K(τ)=2 Ho +3(τHo+ C)
I‐(τ)=3(τHo+ C)- 2 Ho
仮定 :
表面τ=0で、I=Io (μ>0)
=0
(μ<0)
とすると、C=(2/3)Ho , Io=4Ho
H(τ)=Ho=一定
K(τ)=τHo+ (2/3)Ho =Ho (τ+ 2/3)
で、前ページと同じになる。
I(τ)= I+ (τ)
μ>0
= I‐ (τ)
μ<0
エディントン近似モデル(iii)
τ=0
Io
4Ho
4Ho
4Ho
有効温度 Te
エディントンモデルに入るパラメターはHoだけである。
パラメターHoを温度で表現する為、F= 4πHo =σTe 4 で有効温度 Te
を導入する。すると、
Ho=σTe 4/4π
J(τ)=S(τ)=B(τ)=(3σTe 4/4π) (τ+2/3)=(σ/π)T4 (τ)
T ( ) 
4
2
4 
 Te     
4
3

3
表面(τ=0)温度 To はTeよりやや低く、
To4 = (1/2)Te4、 (To=0.84Te)
また、 T(τ=2/3)=Te
ここにも、τ=2/3 が現れている。
J,H,Kのτによる変化
温度Tのτによる変化
4H
1.5
J
3H
K
Te
To
2H
H
H
0
2/3 1
2
3
0
τ
2/3 1
2
τ
表面
3
F.6. 黒体輻射スペクトルからのずれ
エディントン大気からの総フラックスFは、
F=σTe4
であることが分かった。ここにTeは、ロスランド平均光学的深さτR=2/3の
ところでの大気温度である。
もし、全波長でκλ=κ0=一定(グレイ)であったら、全波長でτλ=τRである
。したがってτλ=2/3になる深さはτRと共通で、温度はTeである。
グレイ大気からのフラックスは
Fλ=πB(Te)
この大気のスペクトルは温度Teの黒体輻射スペクトルとなる。
通常は波長毎にκλが異なるから、τλ=κλ・Lλ=2/3 となる深さLλが、
したがって波長毎に覗き込む温度T(Lλ)が異なる。このために波長毎に異な
る温度の黒体フラックスが出る。これが、星からのスペクトルが黒体輻射スペ
クトルと異なる原因である。
κ
κλが一定
κ
λ
τλ=0
κλが波長で変化
λ
τλ=0
T0
T1
T2
τR=2/3
τλ=2/3
λ
λ
τλ=2/3
Fλ
Fλ
πBλ(Te)
λ
λ
Fλ=π・Bλ[T(τλ=2/3)] なので、 T(τλ=2/3)を決める必要がある。
大気中の温度はロスランド平均光学的深さτRにより、 T ( R ) 4 
2
4 
 Te    R  
4
3

3
で与えられる。したがって、T(τλ=2/3)をT(τR)で表せばよい。
右図から分かるように L 
R  
R

この式にτλ=2/3を代入して
R
R
R



なので、
2 R
 
3 
L
τλ=κλ・L
τR=κR・L
これをさらに2行目のT(τR)の式に代入して
T (  
結局
κλ = κR
2
3
)  T ( R
4
2 R 4 3
4
 
)   Te
3 
4
 2 R 2 1
4
  
    Te
3 2
 3 
Fλ =πBλ [Te]
κλ < κR
Fλ =πBλ [T>Te]
κλ > κR
Fλ =πBλ [T<Te]

R

 1 


1
ただし、
1 
 R  4

T  Te   1 

2









F.7.温室効果
地球表面の温度は基本的には、
太陽輻射による熱流入(主に可視域)=地表からの熱放射(主に赤外域)
で決まる。
F(λ)
太陽
地球
可視
赤外
F
λ
σTg4
地表
この時の熱平衡の式は、地表温度=Tgとおくと、
F(太陽)=σTg4 である。
(1)単層モデル
地球表面は赤外で不透明な(τ>1)大気に覆われている。
すると輻射の収支は前図から下図のように修正される。
Ta=大気温度、 Tg=地表温度、 A=可視光反射率 である。
F(λ)
太陽
Fo
地球
λ
A・Fo
(1- A)・Fo
大気
可視
Ta
赤外
2(1- A)・Fo
地表
Tg
(1- A)・Fo
単層モデルの仮定
1)大気は一様な温度Taを持つ。
2)太陽光は可視、地上からは赤外のみ放射
3)大気は可視で透明、赤外は不透明で黒体
4)可視太陽光の地表反射率=A
To=太陽有効温度=5780K、 Ro=太陽半径、
D=1AU=215Ro
Fo=σTo4(Ro/D)2 : 太陽から地上に向かう総フラックス(真上からとして)
σTa4 =大気から上方向、宇宙空間への赤外放射=下方向、地表への赤外放
σTg4 = 地表から大気への赤外放射
Fo=σTa4 +AFo
なので、
:大気の上での輻射収支
Fo+ σTa4 = σTg4 +AFo
:大気と地表の間での輻射収支
太陽
Fo
σTa4
AFo
Fo=σTa4 +AFo
大気
Fo
σTa4
σTg4
大地
AFo
Fo+ σTa4 = σTg4 +AFo
σTg4 =2σTa4
(1-A)Fo=σTa4
太陽表面でのフラックス=σTo4、 太陽半径=Ro、 地球太陽距離=D
とおくと、
Fo=σTo4(Ro/D)2
であるから、上の式に代入すると、
Ta= To(Ro/D)1/2 (1-A) 1/4 , Tg=2 1/4 Ta
A
0.1
0.3
0.5
0.7
0.8
0.85
0.9
Ta
384
360
331
292
264
245
222
Tg
455
428
394
347
313
292
263
このように、大気が毛布の役をするので地上温度は大気の1割以上高温
となる。
単層モデルでのTgとTaとの関係が、エディントン大気でのTeとToとの関係と同
じであるのは面白い。
レポート問題F
出題11月13日
提出11月20日
レポートには、問題番号、学生証番号、学科、学年、氏名を書くこと。
次ページの表は太陽表面の輝度分布である。表を見ると分かるように、表面輝度は
中央から縁に向かって低下する。これを太陽のリムダークニングと呼ぶ。
F.1
λ=0.3737μmのI(α)を横軸α/α0、縦軸I(W/m2/μm)のグラフにせよ。
次に与えられた表のαをcosθに直し、横軸cosθ、縦軸I(W/m2/μm)のグラ
フにせよ。
F.2.
I(cosθ)をa+b×cosθで近似するaとbを定めよ。
F.3.
他波長についても Iλ(cosθ)=aλ+bλ×cosθ で近似し、全8波長に対し
aλ と bλ を求めよ。
F.4.
F3より、S(τλ)=aλ+bλ×τλ
だが、LTEを仮定すると、
S(τλ)=B(λ、T)なので、
B(λ、T)=aλ+bλ×τλ
I(θ) θ
α
α0
F.4.(続き)
この式は、波長λでの光学的深さがτλの所での温度がTという意味である。
したがって、大気内で温度Tの地点までの光学的深さτλ(波長毎に異なる)
を定める式と読み替えられる。
T=6000Kまでの光学的深さτλ(T=6000K)を8波長に対して求め表とグラ
フで表せ。グラフの横軸は波長λ(μm)、縦軸はlog10τλとする。
大気内、T=6000Kまでの幾何学的深さをLとすると、τλ=<κλ>L、よって
グラフは平均吸収係数の相対的変化を表している。
κλのピークと谷は何を表していると思うか?
黒体輻射の輻射強度は、下の式を使え。T4=(T/104K)である。
B ( , T ) 
1 . 191  10
 m
5
8
1
 1 . 4388
exp 
 T
 m 4

 1


W/m
2
/ m
λ(μm)
α
0.0
2.0
4.0
6.0
8.0
10.0
12.0
14.0
16.0
0.3737
4.198E+07
4.173E+07
4.096E+07
3.962E+07
3.761E+07
3.476E+07
3.068E+07
2.440E+07
6.027E+06
0.4260
4.476E+07
4.452E+07
4.380E+07
4.253E+07
4.061E+07
3.784E+07
3.381E+07
2.744E+07
7.875E+06
0.5010
4.022E+07
4.003E+07
3.944E+07
3.841E+07
3.686E+07
3.461E+07
3.135E+07
2.621E+07
1.045E+07
0.6990
2.473E+07
2.465E+07
2.441E+07
2.398E+07
2.331E+07
2.232E+07
2.084E+07
1.840E+07
1.032E+07
λ(μm)
α
0.0
2.0
4.0
6.0
8.0
10.0
12.0
14.0
16.0
0.8660
1.547E+07
1.543E+07
1.531E+07
1.510E+07
1.476E+07
1.426E+07
1.351E+07
1.224E+07
7.969E+06
1.2250
7.692E+06
7.678E+06
7.633E+06
7.552E+06
7.425E+06
7.230E+06
6.928E+06
6.412E+06
4.596E+06
1.6550
3.595E+06
3.590E+06
3.576E+06
3.549E+06
3.507E+06
3.441E+06
3.337E+06
3.153E+06
2.482E+06
2.0970
1.598E+06
1.596E+06
1.591E+06
1.581E+06
1.565E+06
1.539E+06
1.499E+06
1.426E+06
1.160E+06
太陽表面での8つの
波長の輝度分布。
α=太陽中央から
の角距離(分)
太陽半径=16分角
輝度 Iλの単位は
W/m2/μm
16′
α