Transcript 江戸のあかりをつくる
江戸のあかりをつくる ► あかりの灯芯をティッシュペーパーでつくる。 ► 2枚重ねのティッシュペーパーを1.5cmくらいの 幅に裂き、固くよじる。 ► 生徒は、指先で器用にコヨリを作ることができな い。 ► 経験不足というよりも、「コヨリ」そのものを理解 していなかった。 灯芯に火をともす ► 小皿に油(サラダ油もし くは廃油でも良い)を入 れる。 ► 灯芯(コヨリ)を浸し、先 端を皿の上に少し出す。 ► 掻き立て(園芸用のアル ミ針金で作製。大型のダ ブルクリップでもよい)を 芯の中央に置く。 ► 先端に火をつける。 紙の筒で火を覆う ► 裸火では広い範囲を照らすあかりとはならない ため、障子紙を貼った木枠(火袋)の中に台を 取り付けて灯明皿(油皿)を置いて使った。 ► 障子紙を通した光は、やわらかい散光の面光 源となるので、裸火より広い範囲を照らすこと ができる。 ► しかし、光は紙に吸収されるため幾分暗くなる。 どれくらいの「あかり」か ► 裸火は、60wの電球の約50分の1の明るさ。 ► 紙を貼った行灯の明るさは、 60wの100分の1。 ► 平均的な行灯では、100個以上並べて 60w電球1個分の明るさと考えた方がいい ► それでも、行灯の明るさに慣れれば、 針仕事や読書はできたようだ。 そこで本物の広重の「品川」を ごく普通の明るさで見ればこんな感じだが、 行灯の明かりを通して鑑賞して見たら… 行灯のあかりを通すと、 幻想的な「広重」となる。 デジタルカメラを通しての撮影なので 本当の色は出ていない。 実際に体験してみてはじめてわかる 浮世絵の楽しみ方のひとつだったのだろう。 枕絵という浮世絵が巷で人気を博していたというが 行灯の明かりを通して見る枕絵は一種独特のエロティックな 空間がかもし出されたのだろうと思われるのだが…。 その他のあかりの道具類として、「ひょうそく」というものがある。 中央部の穴の開いているところに灯芯を立てて灯をともす。 周囲には油を入れておく。よく工夫された道具である。 さまざまな形、種類がありコレクションしたものを展示している 蒲郡(愛知県)の郷土資料館もあるほどだ。 一度訪ねて見たいところである。 おわり ► とりあえず、調べたこと、体験したことをまとめてみたが、江戸人の生活には 学ぶべきところが多いと感じた。ほのかなあかりで楽しむ術を知っていた…。 現代人は便利さや明るさとひきかえに、何か貴重なものを失っているような 気がしてならない。 INDEXへ