1. - 労災疾病等研究普及サイト

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職場のメンタルヘルス
関西労災病院勤労者予防医療センター
保健師 老谷 るり子
ストレス
・元々は物理学で使われていた用語
外的刺激(熱・圧力など)が物体に加わった時に生じ
る変化をストレスと称した。
・「ストレス」という用語を最初に医学に援用したの
はアメリカ生理学者キャノン。世界的に広めたの
はカナダのノーベル賞学者ハンス・セリエ
ストレスとは
ボールに圧力がかかって、ひずんだような状態
ストレスの
ない状態
ストレスの
かかった状態
人間関係
仕事の忙しさ
人間関係や仕事等のストレッサーが
加わって心身に負荷がかかった状態
「良いストレス」「悪いストレス」
■良いストレス
目標、夢、良い人間関係など自分を奮い立たせてく
れたり、勇気づけてくれたり、元気にしてくれたり
する刺激とその状態。
■悪いストレス
過労、悪い人間関係、不安など、自分のからだやこ
ころが苦しくなったり、嫌な気分になったり、やる
気をなくしたりするような刺激とその状態
ハンス・セリエはストレスは生活のスパイスであると言っている
自殺者の年次推移
(警察庁統計より)
自殺者総数
交通事故死者
4 0 0 0 0人
35000
30000
平成10年以降急激に
1万人増加
25000
20000
15000
バブル崩壊後の自殺者増加の大半が中高年男性(団塊の世代)であった
10000
5000
0
昭和5 3
58
63
平成5
10
15 年
平成18年は自殺者数32,155人 交通事故死者数の約4. 4倍
交通事故死者数 7,272人
男女別自殺者数
(警察庁統計より)
30000 人
25000
20000
15000
男
女
10000
5000
0
昭和5 3
58
63
平成5
10
平成18年
15
年
男性22,813人
女性 9,342人
年齢別自殺者推移
(警察庁統計より)
14000人
12000
10000
8000
60歳代
50歳代
40歳代
30歳代
20歳代
19歳以下
不詳
6000
4000
2000
0
昭和5 3
58
63
平成5
10
15
年
労災自殺の特徴
自殺の原因分類
発病から 自殺ま で の期間
器質性障害
2%
1 2 ヶ 月以上
6%
反応性障害
6%
7 ~1 2 ヶ 月
6%
4 ~6 ヶ 月
18%
気分障害
92%
1 ヶ 月以内
24%
2 ~3 ヶ 月
46%
うつ病(気分障害)が多く、発病から短期間で自殺に至る
( 平成15年 東邦大学精神科 黒木宣夫助教授らの報告による )
うつ病(抑うつ反応)の病状経過
復職
専門医受診
治療開始
軽快
安定寛解期
復職後1~3ヶ月以降
1~6ヶ月
回復期
増悪期
この時期に自殺の実行が多
いので要注意。
過労自殺の場
合は、専門医
を受診以前に
自殺する事が
多い。
うつ病極期
「過労自殺」の特徴
1.バブル経済崩壊の影響が大きい。
2.中高年男性(団塊の世代)が多い。中高年
男性の自殺者率は、日本が世界一高い。
3.うつ病(92% )によることが多い。
4.自殺に至る期間が短い
(発病3ヶ月以内が70%)場合が多い。
5.精神科・心療内科受診以前に自殺(67%)。
6.自殺の実行場所は職場関連施設が多い。
7.家族が気付きにくいことが多い。
「過労自殺」をめぐる裁判


1996年4月神戸地裁(加古川労基署長事件: 神戸製
鋼事例);海外出張中の自殺に関して、労働基準監督署
の業務外判断を覆して、過剰業務による労災と認める判
決。
1996年3月東京地裁、2000年3月24日最高裁(電通
事件);長時間労働によって生じたうつ病による自殺に関
して、会社の健康(安全)配慮義務不履行による損害賠
償責任を認める判決。最終的に1億6800万円(過去最
高の和解額)で和解した。
精神障害等に係る
労災請求・認定件数の推移
精神障害等に係る労災請求・認定件数の推移
職場メンタルヘルス対策の意義
「労働者のメンタルヘルス対策に関する検討会報告書」2000年6月
1.勤労者の生命・健康を守る
ストレス性障害・自殺などから勤労者を守る。
2.職場の機能・活動性を守る
近年の調査結果では、メンタルヘルス不全による労働力・医療費の損
失が各々約10%ずつといわれている。これらの経済的損失を防ぎ、
活気ある職場の雰囲気を保って、生産性や顧客満足度(CS)を高める。
3.職場のリスクマネジメントとして有用である
労災認定(事業者の送検も)や多額の損害賠償の件数が増加してい
るが、これらの事業リスクを軽減させる。また、業務上の事故の発生
を予防して安全管理につながる。
「労働者の心の健康の保持増進のための指針」
厚生労働省:2006年3月31日
事業者による「心の健康づくり計画」の策定
1
労働者自身による「セルフケア」
2
管理監督者による「ラインによるケア」
3
産業医・労働衛生管理者などによる
「事業場内産業保健スタッフによるケア」
4
事業場外の専門家による
「事業外資源によるケア」
「4つのケア」実施のポイント
①事業場の全員が協力して進める。
②プライバシーの保護及び労働者の意思
尊重に留意すること。
③人事労務管理担当者との連携が大切で
ある。
1.労働者自身による「セルフケア」
~ストレスへの早期の気付きと対処~
1.早期の気付き
①「ストレスと健康」に関する研修会の開催や
社内報での情報提供を行う。
②ストレス自己チェックのツールを提供する。
2.相談しやすい環境作り
①上司・部下で風通しの良い職場作り。
②匿名性確保・プライバシー保護に配慮した
相談体制。
ストレス性疾患を生じやすい性格傾向
・モーレツ人間(A型人間:血液型のA型ではない)
団塊の世代に多く見られる
競争・闘争、上昇志向、目標達成
ストレスに打ち勝とうとして無理をしすぎる
燃え尽き症候群・激越型うつ病を生じやすい
狭心症、心筋梗塞を生じやすい
・完ぺき人間(執着気質)
従来、最もうつ病になり易い性格といわれていた
几帳面、凝り性、責任感が強い、頼まれごとを断れない
うつ病、強迫神経症を生じやすい
・くよくよ人間(失感情症:C型人間とも言う)
若年者のうつ状態に多く見られる。未熟・依存傾向・自己愛が強い
内向的で感情を表に出せず、ストレス発散が出来ない
不安が大きく、ストレスに弱い
心身症(とくに胃潰瘍)、仮面うつ病、出勤困難症を生じやすい
★ちなみに、B型人間はマイペース人間でストレス性疾患を生じ難い
朝刊症候群
Aさんは念願の部署に異動になったのも
束の間、最近眠れない夜が続き、朝になる
と体がだるい。
これまで必ず目を通していた朝刊さえも
読む気がしないほど、強い虚脱感に襲われ、
会社に行ってもうつろなまま午前中は仕事
が手につかないが、なぜか午後には元気に
なる。しかし、そのうち出社できなくなっ
てしまった。
サザエさん症候群
Bさんは、日曜日の夕方のテレビアニメ
「サザエさん」が大好きでいつも見ていたが、
最近見ているうちに、「もう休みも終わりか。
明日から仕事だ」と憂鬱でたまらなくなって
しまう。サザエさんを見ている最中や月曜日
の朝には、気分がふさぎこんで、出社するの
が苦痛になる。
勤労者のストレス点数(夏目誠 他1988年)
ストレッサー
ストレッサー
点数
ストレッサー
点数
点数
配偶者の死
83
23
法律的トラブル
52
45
社会活動の大きな変化
42
2 会社の倒産
74
24 300万円以下の借金
51
46
職場のOA化
42
3
親族の死
73
25
上司とのトラブル
51
47
団欒する家族メンバーの大きな変化
41
4
離婚
72
26
抜擢に伴う配置転換
51
48
子供が新しい学校へ変わる
41
5
夫婦の別居
67
27
息子や娘が家を離れる
50
49
軽度の法律違反
41
6
会社を変わる
64
28
結婚
50
50
同僚の昇進・昇格
40
7
自分の病気やケガ
62
29
性的問題、障害
49
51
技術革新の進歩
40
8 多忙による心身の過労
62
30
夫婦げんか
48
52
仕事のペース。活動の増加
40
9
300万円以上の借金
61
31
新しい家族が増える
47
53
自分の昇進・昇格
40
10
仕事上のミス
61
32
睡眠習慣の大きなトラブル
47
54 妻(夫)が仕事を辞める
40
11
転職
61
33
同僚とのトラブル
47
55
職場関係者に仕事の予算がつかない
38
12
単身赴任
60
34 引っ越し
47
56
自己の習慣の変化
38
13
左遷
59
35
住宅ローン
47
57
個人的成功
38
14 家族の健康や行動の大きな変化
59
36
子供の受験勉強
46
58
妻(夫)が仕事を始める
38
15
会社の立て直し(リストラ)
59
37
妊娠
44
59
食習慣の大きな変化
37
16
友人の死
58
38
顧客との人間関係
44
60
レクリエーションの大きな変化
37
17
会社が吸収合併される
58
39
仕事のペース・活動の低下
44
61
職場関係者に仕事の予算がつく
35
18
収入の減少
58
40
定年退職
44
62
長期休暇
35
19
人事異動
58
41
部下とのトラブル
43
63
課員が増える
32
20
労働条件の大きな変化
55
42
仕事に打ち込む
43
64 レクリエーションの増加
28
21
配置転換
54
43
住宅環境の大きな変化
42
65
25
22
同僚との人間関係
53
44 課員が減る
42
絶えられるストレス平均点数(1630人)
1
収入の増加
74
自分自身が気付く変化
・不眠傾向
・疲れやすく、食欲がない
・気力、意欲の低下
・考えがまとまらず堂々めぐりする
・楽しくなく、生きる自信がない
・失敗、悲しみ、失望から立ち直れない
・緊張しやすくなった
・他人の評価が強く気になる
ストレス対処法
1.上手なガス抜き:「愚痴・弱音」を吐き出すのが
最善。ひとりで長い「ため息・吐息」を出すだけで
も良い。「陰切れする(怒り)」「陰泣きする」の
も良い。
2.とりあえず寝る:身体だけでも休ませる事が大切。
運よく眠れたら心身ともに疲れがとれる。
3.好きなことをする:適度の飲酒(女性では甘い
物)やカラオケ・ショッピング等であるが、好きで
もない事を無理にするのは禁物。
★個人的な趣味の世界に没頭する。
4.リラクセーション:自律訓練法(自己暗示)、
入浴、音楽、香り(アロマセラピー)
考えを切り替えることが
できることの重要性
・いやな考えが浮かんできた時にどうするのか?
・メンタルヘルス上、一番良くないのはその考えに
ずっとはまりこんでいること。
・考えを切り替えることが必要。
⇒テレビでもいやなチャンネルは切り替えている
・切り替えることができなければ、何か行動をおこす。
⇒運動する
・運動することにより考えは自然に切り替わっている。
⇒運動やスポーツは重要
考え方をどう切り替えていくか
・仕事は食べるための手段にすぎない。人生の目的
ではない。
・仕事は自分の一部にすぎない。すべてではない。
・リセットする。
自分が世界で一番困っている訳ではない。世界に
は、その日の食べ物にも困っている人もいる。
・人生の目的は、楽しく生きること。仕事はその手
段にすぎない。
・ストレスの対価として、お金をもらっている。
ストレスのセルフチェック
※中央労働災害防止協会(Web Check)
・労働者の疲労蓄積度チェックリスト
労働者用・家族用
・職業性ストレス簡易評価ページ
仕事のストレス・最近一ヶ月のストレス
相談できるための情報提供
いつもと違う自分に気づき、症状が改善しない時は
早めに相談してもらう必要がある。
(職場の同僚や、先輩、事業場内産業保健スタッフ、
事業場外資源等)
★普段から誰に、もしくはどこに相談すれば良いか
情報提供しておき、相談体制を整えることが必要。
2.管理監督者による
「ラインによるケア」(1)
1.「早期の気付き」のために
①うつ病などの初期症状を熟知しておく。
②早目に・さりげなく・繰り返し声掛けする。
2.「気付いてから」すべき事
①傾聴:気の利いた助言より聞き上手に。
②休養:積極的に休ませる。
③受診勧奨:専門家受診を勧める。
管理監督者による
「ラインによるケア」(2)
3.一人で抱え込まない
管理監督者自身が最もストレスで疲れている。
4.専門部署へのホウ・レン・ソウ
①産業保健スタッフに相談する
安易な素人判断は避ける。
②上層部・人事労務担当者に報告する。
業務量適正化・人員補充を要請する。
教訓とすべき対応事例(1)
モーレツ型上司が、部下を追詰めた事例。
服飾卸業の営業課長Aさんの部下B君が、販売ノル
マを達成できずに悩んでいた。当初は、同僚にも相
談していたが、その後の数週間は誰にも相談もせず
にふさぎ込んでいた。しかし、モーレツ型のAさん
はこの変化にすぐには気付かず、他の営業社員と同
様にB君を叱咤激励した。B君は素直に「頑張りま
す」というものの、良い成績が出ないどころか益々
口数が減り目を合わす事すら避けるようになった。
さらに、その後2ヶ月経過して、部下C君からB
君は「うつ」ではないかと言われて、Aさんは初め
てその変化に気付いた。
とりあえず話を聞こうと、或る日の退社時に飲みに
誘った。話を聞くと、確かに「うつ」のようにも思え
たが、単なる弱音のようにも聞こえた。しかし、「う
つ」に励ましは禁物と聞いていたので、自身の営業経
験から販売のノウハウを改めて具体的に示して助言し
た。しかし、それに対するB君の返答が、もうひとつ
意欲の無いものに感じられ、酔いも手伝って、つい
「ヤル気があるのか」と怒鳴ってしまった。
翌日、B君は無断欠勤したので、AさんがB君の自
宅(一人暮らし)に電話連絡したが、誰も出なかった。
心配した同僚のC君が訪問したところ、B君は自宅寝
室にて自殺していた。
教訓とすべき対応事例(2)
部下思いの上司が、部下と
共倒れになった事例
地方自治体の課長Dさんの部下Eさんが、年度末
の多忙な時期に時間外労働が1ヶ月当たり80時間
を超えて、全身倦怠感・抑うつ状態を生じるように
なった。課長のDさんも同じ部署で同様に残業が続
き疲れていたが、何とか助け合いながら業務をやり
こなそうと、部下のEさんの仕事を助け、また愚痴
も聞いてやっていた。しかし、年度末は忙しく疲れ
るのが当たり前と、産業保健スタッフや上司である
局長に対して相談することなく過ごしていた。
その後、Eさんが風邪をこじらせて病気欠勤したの
を契機に、休んだEさんの代わりに仕事の大半を引き
受けたDさんに、或る朝から変調が生じるようになっ
た。毎朝、何気なく読んでいた新聞が全く読めない
(字面を追うが、頭に入らない)。出社する為に着替
えようとするが、簡単な着替えができない。疲れてい
るのに、夜に寝付けない(少しウトウトしても、すぐ
に目が醒める)。妻が心配して、近くの病院に連れて
行ったが、身体に異常は無いとの事で、内科医から心
療内科受診を勧められた。抵抗はあったが、受診した
ところ「うつ状態」と診断された。また、同時期に部
下のEさんも風邪が治ったにもかかわらず全身倦怠感
が抜けないために精神科を紹介されて、「うつ病」の
診断を受けた。この2人が休職となった為に、同課で
は残された係長以下3人で5人分のすることになったが、
間もなくアルバイトを3人補充する事で何とか多忙な
時期を切り抜けた。
周囲が気付く変化
・欠勤、遅刻、早退の増加
・仕事の能率の低下、ミスの増加
・以前と言動が変化
・周囲との折合いが悪くなる
・とりとめのない訴え(体調など)の増加
・アルコールの問題(酒量、酒癖)
・他人の言動を異常に気にする
悩みを抱えた人への声かけ①
・「頑張れ」ではなく「よく頑張ってるよ」
「ガンバレ」の一言で崖っぷちに立っている人を谷底に突き
落とす事がある。
・少し休んだら
思いつめている人ほど休養のブレーキが効かない。
・「自分で自分を責めないように。」
自責の念を軽減させる。
悩みを抱えた人への声かけ②
・人生を左右するような重要な事柄に関して、具体的
アドバイスは最小限にする。
退職や離婚などの重大事は、精神状態が改善して健全な判断
能力が回復してから結論を出すように勧める。
・「またいつでも話を聴くからね。」
独りではないよという意味を込めて。相談相手の孤独感・孤
立感を癒す。
・小さなアドバイスは差し支えない。
生活の工夫、服薬の勧め、相談機関・医療機関の情報提供など。
部下に対する関心度チェック
・毎朝、部下に声をかけていますか?
・部下からの提案は何でもまず聴きますか?
・部下の日常の行動の変化に気づくほうですか?
・部下とのコミュニケーションを良くするために、
何か工夫や努力をしていますか?
・部下に対する自分の発言をチェックしますか?
・部下の相談には、時間を割って応じますか?
・部下の仕事以外の面を知っていますか?
・職場の雰囲気に気を配っていますか?
・部下をほめますか?
・職場環境の改善に積極的ですか?
『職制ご法度10の“べからず集”』
管理監督者が部下にしてはいけない事
・偏見を持つべからず
・責める(怒鳴る、説教する)べからず
・初期サインを見落とすべからず
・励ますべからず
・自分の価値観をおしつけるべからず
・重大な決定(契約、転職、退職等)をさせるべからず
・休養を妨げるべからず
・(部下の)医療情報を勝手に得ようとするべからず
・復職後、一度に加重を与えるべからず
・再発しないと思うべからず
中部労災病院心療内科部長 芦原 睦 著
「実践!ここから始めるメンタルヘルス
-予防から復職まで-」より
リーダーのための
メンタルヘルス10か条
・ストレスサインを見逃さない
・疲労は早めに回復させる
・異動・転勤前後の疲労回復に心掛ける
・早めに休息をとる
・休日を有効に過ごす
・熱中できる趣味をもとう
・本音を語れる人を大切に
・自分に優しくする
・好奇心を失わない
・時には専門家に相談を
3.「事業場内産業保健
スタッフによるケア」
1.職場環境等の改善
・職場環境等の実態の把握及び評価
・管理監督者との協力
2.労働者に対する相談対応
・気づきの促進と相談への対応
・職場適応、治療及び職場復帰の指導
3.ネットワークの形成及び維持
・事業場と事業場外資源とのネットワークの形成
及び維持に中心的役割を担う
4.事業場外の専門家などによる
「事業外資源によるケア」
事業場外資源の活用
・専門医、カウンセリング職
・地域産業保健センター
・都道府県産業保健推進センター
・中央労働防止協会
・労災病院勤労者メンタルヘルスセンター
・外部EAP(イープ:従業員支援プログラム)
→企業が外部団体と契約して社員の心の健康をサポートするシステム
健康診断センターでの取組み
ストレス・チェック
総合人間ドック(半日コース、 44,100 円)の一部と
して実施.SDS(抑うつ状態の評価)の結果により、医師心理士
の面接を行い助言する。
ストレス・ドック
ストレス専門ドック
GHQ(心身疲労・ストレスの評価)
TEG(人格特性・性格傾向の評価)
MMSE(物忘れの評価)
GHQ+ TEG
; 4,200円
GHQ+ TEG+ MMSE ; 5,250円
◎診療内科医師との面接を行い助言する。
勤労者 心の電話相談
※無料相談(電話通話料は自己負担)
・月曜日~金曜日 ; 午後2時~午後8時
・日本産業カウンセラー協会より派遣された専
門カウンセラー10名が交代で相談に当って
います
・勤労者以外にも、一般の方々の心の悩みに
も広く対応しています
06-6414-6556(直通電話)
「勤労者心の電話相談」
年間相談件数の推移
3 0 0 0 (人)
2471
2500
2326
2000
1916
1500
1303
922
1000
400
500
609
283
40
0
H 11
H 12
H 13
H 14
H 15
H 16
H 17
H 18
H 19
勤労者 メンタルヘルスセンター
(心理カウンセリング)
臨床心理士による面接カウンセリング
カウンセリング料; 50分 3,750円
(初回のみ:30分 無料)
勤労者以外にも、一般の方々の心の悩みにも
広く対応しています
リラクセーション室(音楽・振動機器使用)を併設し
ています。
予約制:当院医事課医事係まで
(総合受付カウンターまたは電話06-6416-1221)
過労死予防のための健康電話相談
放置しておくと過労死につながる生活習慣病
(高血圧・高血糖・高脂血症・肥満等)の相談
に保健師が応じます(無料相談)
月・火・金 : 午後2時~午後7時
(祝日を除く)
0120-64-1664
(フリーダイヤル:通話料も無料)
心の問題は「心の電話相談」へお願いします。
関西労災病院でのメンタルヘルス・ケアの流れ
健康診断センター
「ストレスドック」
心の健康が気掛かり
心の悩みが
ある
06-6416-1221
プライバシー
が気になる
勤労者 心の電話相談
はい
06-6414-6556
いいえ、しかし精神科
電話では解決できない
受診には抵抗あり
いいえ
勤労者 メンタルヘルスセンター
(心理カウンセリング)
06-6416-1221
薬物療法が必要
カウンセリングが必要
心療内科・精神科
06-6416-1221
時間外労働と健康障害のリスク
時間外労働
月100時間
または
2~6か月平均で
月80時間
長くなるほど
月45時間以内
健康障害のリスク
を超えると
高
徐々に
高まる
低
職場のストレス負荷要因と脳・心臓疾患との関連
職場のストレス負荷要因
長時間労働
その他の就労態様
不規則な勤務
拘束時間の長い勤務
交代制勤務・深夜勤務
出張の多い勤務
精神的緊張を伴う業務
作業環境
暑熱・寒冷
騒音
時差
異常な出来事
職場外のストレス負荷要因
家事労働
家族関係、友人関係
経済問題
社会・環境問題
異常な出来事
個人要因(2)
個人要因(1)
飲酒、喫煙
肥満、不摂生
基礎疾患
自主健康努力不足
治療・受療不良
年齢
性別
性格
仕事熟練度
ストレス反応・疲労
心理的反応:抑うつ
職務不満
生理的反応:
血圧・心拍上昇
不眠・疲労感
緩和要因
社会的
支持・支援
ストレス対処法
疾病
脳・心臓疾患
疲労の蓄積
負荷要因
緩和要因
一部関係する要因
米国国立労働安全衛生研究所
(NIOSHストレスモデル)
健康の3原則
栄養
運動
休養
長時間労働をすると・・・。
・毎日、起きて、仕事して、帰って寝るだけ
毎日の生活で好きなことをする時間の余裕はない
・長時間ストレスのある環境の中で過ごす
・睡眠が不足する
・休みの日はごろごろ寝ていたい
・自宅に仕事を持って帰り、
休日でも関係なしに仕事をしている
長時間労働者への医師による
面接指導の実施(改正労働安全衛生法)
・対象 全ての事業場
(常時50人未満の労働者を使用する事業場は平成20年4月から適用)
・事業者は、労働者の週40時間を越える労働が1月当たり100時間を超え、
かつ、疲労の蓄積が認められるときは、労働者の申出を受けて、医師に
よる面接指導を行わなければなりません。
・次の①または②に該当する労働者にも、面接指導を実施する、又は面接
指導に準ずる措置を講じるように努めなければなりません。
①長時間の労働(週40時間を越える労働が1月当たり80時間を越えた場合)
により疲労の蓄積が認められ、又は健康上の不安を有している労働者
(申出を受けて実施)
②事業場で定める基準に該当する労働者
長時間労働者への医師による
面接指導の実施
・医師は、労働者の勤務状況、疲労の蓄積の状況その
他心身の状況(メンタルヘルス面も含む)について確認
し、労働者本人に必要な指導を行う
・事業者は面接指導を実施した労働者の健康を保持す
るために必要な措置について、医師の意見を聴かな
ければならない
・事業者は意思の意見を勘案して、必要があると認め
るときは、当該労働者の実情を考慮して、就業場所
の変更、作業の転換、労働時間の短縮、深夜業の回
数の減少等の措置を講ずる
傾聴
傾聴とは
「黙って聴く」というのではなく、相手の
いいたいことや訴えたい気持ちをつかむ、
積極的な技法である。
普段は?
さて、日常生活ではどのような態度で
話をきかれていますか?
相手の話をきく時、どんなことに
注意してきいていますか?
3つのきくとは・・・
・訊く(ask)
人にものを尋ねる場合に用いるきき方
・聞く(hear)
音が聞こえてくるとか、話し声や話の内容を聞くと
いう聞き方
・聴く(listen)
言葉の内容や理論性ではなく、その背後にある気持ち
を聞いたり、表情や態度などのボディーランゲージを
読みとったりすることである
態度の見直し
・視線
・凝視しないで自然に視線を相手に向ける
・なるべく視線をそらさないこと
・姿勢
・リラックスしてやや前傾になる
・優しく自然にゆったりとした表情や身振り
・上体や脚を揺すらさない。脚はしっかり床につける
・腕組みをしない
傾聴スキルの6つのポイント(1)
1.話をさえぎらず、最後まで聴く
「でもな~」「しかしな~」「気の利いた助言」な
どで相手の言葉をさえぎったり、話題をかえない
2.受容的なうなずきやあいづちを打つ
真摯なあいづち(演技であっても)が気持ちを癒す
3.相手の感覚を大切にし、それを受容する
しゃべりすぎない
傾聴スキルの6つのポイント(2)
4.話のキーワードを繰り返す
「つらいんだね」「腹がたっているんだな」と
苦悩をなぞる
5.相手の話を要約し、確認する
「今までの話は~ということ?」
「~だと理解したが、よかったか?」
6.相手に共感する
オーバーアクションがちょうどよい
沈黙にも意味がある
・話し手が聴き手や話題に抵抗を持っている時
・何か行き詰ってしまい、どう答えてよいかわからな
い場合
・何かを考えていたり、自分の考えをまとめていたり
する場合
・何かに気づき、心境に変化が起こった場合
★相手をよく見守り、矢継ぎ早に質問したり、あせっ
て話を進めたりせず、しっかり間をおくことが大切