三陸沿岸海域における 底質中ダイオキシン類について

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Transcript 三陸沿岸海域における 底質中ダイオキシン類について

三陸沿岸海域における
底質中ダイオキシン類について
○先山孝則 (大阪市立環境科学研究所)
川合真一郎, 山本義和 (神戸女学院大学 人間科学部)
宮崎信之 (東京大学 海洋研究所)
目的
・水産資源が豊富な海域の底質中ダイオキシン類濃度の把握
・ダイオキシン類の成分組成から汚染の特徴について考察
調査地点
Yamada Bay
St.3
1999.7.26
St.1
St.4
St.2
St.5
1999.7.27
St.7
St.6
試料採取:2000.7.25
試料採取
2001.7.30
St.1
St.2
Ofunato
Bay
0
2
4
km
Otuchi Bay
0
2
4
km
St.1
St.3
St.4
St.5
St.7
St.5
St.6
St.7
0
0.5
1.0
km
St.4
St.6
St.3
St.2
試料採取
(1)1999.7.26
(2)2000.7.24
(3)2001.7.31
本調査の結果
海域
n
大槌湾 16
大船渡湾 7
山田湾
7
宮古湾
1
釜石湾
1
平均
930
2100
500
1400
5300
実測濃度(pg/g.dry)
中央
範囲
720
180 - 3100
1800
19
- 4700
420
19
- 1100
毒性等量(pg-TEQ/g.dry)
平均
中央
範囲
3.9
4.0
0.86 13
5.8
5.5
0.11 13
1.6
2.2
0.063 - 3.0
4.9
7.9
既報値(pg-TEQ/g.dry)
環境省(1999)
n Total
1
2.3
1
5.9
1
2.7
1
1
7.5
岩手県(2000-2001)
n
2
2
2
2
平均
底質中のダイオキシン類濃度
2.8
1.8
1.7
2.3
範囲
1.4
1.4
1.1
1.4
-
4.1
2.2
2.2
3.1
日本沿岸海域の底質中ダイオキシン類濃度の比較
Yamada Bay
Otuchi Bay
0
St.3
2
4
km
St.1
St.4
St.1
St.2
St.7
St.7
St.5
St.5
St.6
0
2
4
St.2
St.4
km
St.3
Ofunato
Bay
St.1
10
St.6
St.2
St.3
5
St.4
St.6
St.5
0
pg-TEQ/g.dry
St.7
0
0.5
1.0
km
底質中ダイオキシン類
の分布
底質中ダイオキシン類の化合物組成(実測濃度)
底質中ダイオキシン類の化合物組成(TEQ)
山田湾
大船渡湾
大槌湾
宮古湾
釜石湾
底質中ダイオキシン類の同族体組成(PCDD)
山田湾
大槌湾
大船渡湾
宮古湾
釜石湾
底質中ダイオキシン類の同族体組成(PCDF)
底質中ダイオキシン類の異性体組成(1)
PCDF同族体組成
底質中ダイオキシン類の異性体組成(2)
各異性体の底質中TEQへの寄与率
まとめ
• 三陸沿岸海域の宮古湾、山田湾、大槌湾、釜石湾、
大船渡湾における底質中のダイオキシン類濃度は、
0.063〜13pg-TEQ/g.dryの範囲にあった。
• 調査した三陸沿岸海域の底質中ダイオキシン類濃
度は、大阪や東京など都市域周辺海域と比べて明
らかに低かった。
• ダイオキシン類の組成から、これらの海域の底質
では農薬不純物由来のダイオキシン類の影響が相
対的に大きいことが窺えた。また、比較的濃度の
高い地点は、燃焼系発生源由来のダイオキシン類
の影響を強く受けている可能性が示唆された。
宮古湾
(宮古港)
採取年月日:1999.7.26
釜石港
(釜石漁港)
採取年月日:1999.7.27
実測濃度
PCDD
PCDD
PCDF
Co-PCB
PCDF
TEQ
各湾底質中ダイオキシン類の化合物毎の濃度比較
Co-PCB