Transcript 講義資料 - FC2
広域副専攻・数学
知能情報学部
松本茂樹
この写真の中央の細長いものは何?
ピーター・アトキンス著(早川書房)
Galileo Galilei
自然という書物は
数学の言葉で書かれている
http://www.wolframalpha.com/
「自然という書物は数学の言葉で書かれている」
(Galileo Galilei)
「万物は数である」 (ピタゴラス)
「虚数が無ければ核兵器も生まれなかった」
「数学の限界が世界の限界である」
John von Neumann
(1903-1957)
複素数
二進数
量子力学
デジタル化
ピタゴラス(B.C.582-B.C.497)
• サモス島に生まれ、ターレスの教えを受け
る。南イタリアのクロトンで学校を開き、学
者を養成した。「万物は数である」という教
義を掲げ、ピタゴラス教団という結社を作っ
たという云い方もされる。
ピタゴラス(B.C.582-B.C.497)
•
ピタゴラスの生涯は半ば伝説のベールに
覆われているが、自然(森羅万象)は数や
数関係によって説明される、すなわち、「数
は実在の本質である」、というピタゴラス学
派の精神は、プラトンによって哲学的基盤
を与えられ、西洋科学思想の根底に決定
的な影響を与えた。「五つの正多面体(プ
ラトンの図形)」と「六つの惑星の軌道」の
結び付きを論じたヨハネス・ケプラーの宇
宙論は有名。
ピタゴラス学派の四つのマテーマタ
•離散と連続
相対的離散と絶対的離散
動的連続と静的連続
マテーマタ
• Mathematics(数学)の語源となったギリシャ語。 四つ
の「マテーマタ」(この四つに、「文法」・「修辞」・「弁証」
を加えたものが「自由学芸」。) 近年発見された「アイ
ザック・ニュートンの手稿」のなかで、万有引力の逆自
乗則の先駆がピタゴラスの研究のなかに見出されるこ
とを、ニュートン自身が認めている。ピタゴラスの「天界
のハープ」のアイデアとはおよそ次のようなものである
。「太陽から各惑星まで一定の強さ(張力)で弦を張っ
てあったとして、それが掻き鳴らされる音は、一定の長
さの弦をもつ楽器があるとして、その各弦を惑星まで
の距離の二乗に反比例する大きさの力で張って鳴らし
たときの音階に等しい」。
排中律
• 円周率πは無理数である。
• 円周率πは無理数ではない。
• この文章の最後の文字は「る」である。
• この文章の最後の文字は「る」ではない。
自己言及の逆理(パラドックス)
第2回(April 19, 2010)
• 講義の内容: テキスト「数学の花束」(中
村滋著)に沿って“野に咲く花を楽しむよう
に”数学の小径を逍遙する。数学の果たす
社会的役割や諸学問の基盤としての重要
性を強調することよりも数学本来の魅力や
楽しさについて語っていくことにしたい。
美しさ、勁さ(つよさ)、ロマン
『博士の愛した数式』をめぐる花旅
http://en.wikipedia.org/wiki/Euler's_identity
「博士の愛した数式」をめぐる花旅
Application of Euler’s identity
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円周率πの超越性
円積問題(三大作図問題のひとつ)の解決
加法定理の複素指数法則への統合
二項方程式と正多角形の作図
ヘロンの公式の新証明
公式の理解の鍵:ネイピア数 e
「連続複利」としての指数関数
複利(非線形)と単利(線形)
◆ 金利裁定
Case 1
100円
損得が生じないという方程式
Case 2の金利rはいくらか?
1年間の預金
×(1+0.03×1)
100(1+0.03×1)
= 103
Case 1と同じ結果
となるように決まる
0.03 (3%)
100(1+r/2)2=103
1年
Case 2
同じ金利で半年ごとに預金し直す
1年の預金・・・半年ごと複利の預金
100(1+r/2)2
100(1+r/2)
100円
×(1+r/2)
金利
r
1/2年
×(1+r/2)
r=2
103
-1
100
=0.029778
Case1とCase2とで損得が
生じないように金利が決まる
これを金利裁定が働くという
金利 r
1/2年
参考文献
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『オイラーの等式』
『一瞬の利息(連続複利)』
『数学が経済を動かす』
『社会を変える驚きの数学』