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1
米国におけるHIV治療に伴う
現在の課題:
非AIDS関連合併症の長期マネージメント
ケーススタディ
Ann Khalsa, MD, MSEd, AAHIVS
Centro de Salud Familiar La Fe CARE Center
Texas-Oklahoma AIDS Education
and Training Center
El Paso, Texas, USA
2
概要
症例
合併症
• Francisco
• Richard
• Juan
• 腎および骨
• 骨およびアンドロゲン
• 糖尿病
3
症例: Francisco
• 48歳、ヒスパニック系MSM
• 1992年よりHIV陽性、多剤治療歴があり3系統
の多数の抗HIV薬の耐性変異あり
• TDF/FTC+LPVrを3年投与中、VL<50, CD4>500
• 合併症:
– 高脂血症, 高血圧, 逆流性食道炎で、オメガ3系
脂肪酸(遊離脂肪酸), ACE阻害薬, PPIを服用中
• CrCl低下が新たに発現: 45 (eGFR)
Case: Francisco
Question #1
• 彼の腎機能障害を評価するためには、
どの検査をオーダーすべきですか?
1. 単回の尿中タンパク:クレアチニン比
2. 血清および尿中リン
3. 血清および尿中糖
4. 24時間蓄尿クレアチニンクリアランス
5. 1, 2 および 3
4
5
Case: Francisco
Question #1
• 彼の腎機能障害を評価するためには、
どの検査をオーダーすべきですか?
1. 単回の尿中タンパク:クレアチニン比
11%
2. 血清および尿中リン
5%
3. 血清および尿中糖
3%
4. 24時間蓄尿クレアチニンクリアランス
5. 1, 2 および 3
36%
45%
6
Case Francisco
Q#1 検査結果
検査
結果
正常値
単回尿中タンパク:クレアチニン比 425 mg/g
<200 mg/g creat
単回尿中クレアチニン値
135 mg/dL
N/A
尿中ランダムリン
118 mg/dL
N/A
血清クレアチニン値
1.8 mg/dL
~< 1.5 mg/dL
血清リン酸
2.0 ng/dL
2.5-4.5 mg/dL
亜リン酸分画排泄量 (FE PO4):
解釈:
(尿中PO4 x 血清Cr x 100) / (血清 PO4 x 尿中Cr)
血清 PO4 &  FEPO4:
(118 x 1.8 x 100) / (2.0 x 135) = 79%
= 尿細管, ファンコニ症候群など
FE PO4上昇 = >5%
7
HIV患者における腎疾患
• 急性腎障害
– 入院合併症
– 感染症, 薬物療法, 肝不全
• 抗HIV薬腎毒性
– TDF: 近位尿細管障害
– IDV, ATV: 尿路結石、腎結石
• HIV腎症 (HIVAN)
– 進行したHIV, 黒人(MYH9遺伝子)
• 合併症
– HBV, HCV, 糖尿病, 高血圧
末期
腎疾患
TDFの毒性:
近位尿細管障害
典型的症状
リン酸喪失
代謝性アシドーシス
正常血糖性尿糖
評価方法
FE PO4
血清重炭酸
血清および尿中グルコース
 クレアチニンクリアランス MDRD, CG GFR
スポット尿蛋白/クレアチニン比
蛋白尿
• ほとんどは無症候性の異常値を有する; 1-2%が重篤な毒性
• リスク: 既存の腎機能不全、遺伝的素因、
併用薬 (ddI, RTVブーストPI)
8
Case Francisco
Question #2
9
・ 彼の慢性腎疾患(CKD)のマネージメントには、
以下のどれが重要でしょうか?
1.TDFを含まない抗HIVレジメンの検討
2.血圧と蛋白尿のコントロールのための至適なACE / ARB阻害薬
3.他の合併症の可能性の評価
4.上記全て
10
Case Francisco
Question #2
・ 彼の慢性腎疾患(CKD)のマネージメントには、
以下のどれが重要でしょうか?
1.TDFを含まない抗HIVレジメンの検討
12%
2.血圧と蛋白尿のコントロールのための至適なACE / ARB阻害薬
4%
3.他の合併症の可能性の評価
8%
4.上記全て
76%
Case Francisco
Q#2 マネージメント
• 合併症:
– 糖尿病なし
– HBV,HCV陰性
• 抗HIV薬アレルギー / 耐性:
– NNRTI: 181C, EFVアレルギー
– NRTI: 151M 変異
– PI: 10I,71V,73S,77I,90M: 第一世代 PI, DRV 耐性変異なし
• 薬物治療の変更:
– TDF  RAL; FTC 投与量モニター (CrCl正常化)
– ACE阻害薬増量 (血圧および蛋白尿正常化)
– NSAID中止
11
Case Francisco
Question #3
• リン酸喪失を伴うCKDであることを考えると、
他にどのような検査をすべきでしょうか?
1. 血清25-OH ビタミンD
2. DEXA骨密度スキャン
3. 1及び2
12
13
Case Francisco
Question #3
• リン酸喪失を伴うCKDであることを考えると、
他にどのような検査をすべきでしょうか?
1. 血清25-OH ビタミンD
11%
2. DEXA骨密度スキャン
9%
3. 1及び2
80%
14
Case Francisco
Q#3 検査結果
骨ミネラル密度 (BMD)
Dual Energy X-ray Absorptiometry (DEXA) スコア
T-Score
Z-Score
L1
-1.8
-0.7
L2
-1.7
-1.7
L3
-2.2
-2.2
ビタミンD
25-OH Vitamin D
検査結果
正常値
24 ng/ml
32-100 ng/ml
Case Francisco
Question #4
• 彼は骨粗鬆症でしょうか?
1. はい
2. いいえ
3. 不明
15
16
Case Francisco
Question #4
• 彼は骨粗鬆症でしょうか?
1. はい
2. いいえ
3. 不明
51%
26%
23%
17
骨粗鬆症の定義
• WHO定義(DEXA):
– 骨粗鬆症:
– 骨減少症 :
– 正常:
T-Score  -2.5 SD
T-Score -1.0 ~ -2.5 SD
T-Score  -1.0 SD
• 1.0SD減少ごとに骨折リスクが1.5-3.0 倍増加
• Z-Scoreは50歳未満の男性および閉経前の
女性に使用
参考
18
骨粗鬆症の予防と治療GL作成委員会/編(06年)/ガイドライン
どの測定法を使うか(表10)
すべての骨密度測定法は,あらゆる骨粗鬆症性骨折リスクを予知するのに役立つ(レベルI)が,躯幹
骨二重エックス線吸収法(DXA)は,骨折リスクをよく反映する椎体や大腿骨計測に最もよい適応で
あり,骨粗鬆症の診断に最適な測定法である(レベルI)。(以下略)
参考
19
WHO指標
Tスコア:
若年齢の平均BMD値(基準値)を0として、標準偏差を1SDとして指標
を規定した値をいう。骨粗鬆症診断基準に用いられる。
Zスコア:
同年齢の平均BMD値を0として、標準偏差を1SDして指標を規定した値
をいう。骨粗鬆症診断には用いられない。(年齢とともに平均値が下
がるため)
診断基準
正常
Tスコアが-1SD以上
骨減少症
Tスコアが-1 ~ -2.5SD
骨粗鬆症
T スコアが-2.5 以下
脊椎
右大腿骨
* 標準偏差:
SD(standard deviation)
左大腿骨
Case Francisco
Question #5
• 彼はビタミンD欠乏症でしょうか?
1. はい
2. いいえ
3. 不明
20
21
Case Francisco
Question #5
• 彼はビタミンD欠乏症でしょうか?
1. はい
55%
2. いいえ
3. 不明
29%
16%
22
ビタミンD欠乏症
• 定義
– 欠乏症:
– 不全症:
25 OH ビタミンD <20 ng/ml
25 OH ビタミンD 20-30 ng/ml
• ビタミンD補充 (“タンクを充填”)
– エルゴカルシフェロール(ビタミンD2)を 50,000 ユニット、
週2回経口投与、6-12週 (計600,000ユニット以上)
• ビタミンD維持療法
– コレカルシフェロール(ビタミンD3)  800-2000 IU /日
– エルゴカルシフェロール 50,000 ユニット、2-4週ごと
23
骨軟化症
•
•
•
•
•
BMD低値の場合の最も重要な鑑別診断
骨ミネラル化の障害
症状:脱力感, 骨折, 疼痛, 食欲不振, 体重減少
主な原因:重篤なビタミンD欠乏症, リン酸喪失
治療: ビタミンD, リン酸; ビスホスフォネートではなく
24
Case Richard
• 51歳 ヘテロセクシュアル男性
• 合併症:
– 肝硬変を伴うHCV
– アルコール依存症
• HIVはAZT-3TC-EFVできちんと抑制されている
• 合併症:
– 高脂血症, 低BMIを伴う重篤なリポアトロフィー
– 糖尿病でグリピジド 10mg1日2回服用,
HgbA1c 6.8%
Case Richard
Question #1
• この患者に対して骨粗鬆症のスクリーニング
を行うべきでしょうか?
1. はい
2. いいえ
3. わからない
25
26
Case Richard
Question #1
• この患者に対して骨粗鬆症のスクリーニング
を行うべきでしょうか?
1. はい
2. いいえ
10%
3. わからない
5%
85%
HIV患者における骨粗鬆症の
スクリーニングの適応
•
•
•
•
•
•
•
•
•
BMI低値
性腺機能低下症 / 閉経後
ビタミンD不足(骨軟化症)
副腎皮質ステロイド投与
アルコール依存症
喫煙
加齢
TDF投与歴?
VL AUC(=長期のウイルス血症)? (HIV未治療期間)
27
FRAX WHO骨折リスク評価ツール :
28
骨折10年リスク
リスクファクター
パラメータ
年齢
女性: 65歳, 男性: 70歳; 50-70歳(リスクを有する場合)
性別
女性
体重、身長
BMI低値
骨折既往歴
成人になってから自然に、または軽度の外傷での骨折
親が大腿骨骨折している
現在喫煙
(本数依存性)
糖質コルチコステロイド投与 >3 ヶ月 @プレドニゾロン 5mg /day
関節リウマチ
診断確定
二次性骨粗鬆症
関連する状況の存在
アルコール
3 単位 毎日 (8-10g/u)
大腿骨頸部BMD
Gm/cm2
http://www.shef.ac.uk/FRAX/
29
30
アルコール3単位とは
31
Case Richard
Q#1 検査結果
骨密度 (BMD)
Dual Energy X-ray Absorptiometry (DEXA) スコア
L1-L4
大腿骨頸部
腰椎全体
T-Score
-1.9
-2.8
-2.0
Z-Score
-1.6
-2.0
-1.7
Case Richard
Question #2
• この患者は骨粗鬆症でしょうか?
1. はい
2. いいえ
3. 不明
32
33
Case Richard
Question #2
• この患者は骨粗鬆症でしょうか?
1. はい
2. いいえ
3. 不明
66%
18%
16%
34
骨粗鬆症の定義
• WHO定義(DEXA):
– 骨粗鬆症:
– 骨減少症 :
– 正常:
T-Score  -2.5 SD
T-Score -1.0 ~ -2.5 SD
T-Score  -1.0 SD
• 1.0SD減少ごとに骨折リスクが1.5-3.0 倍増加
• Z-Scoreは50歳未満の男性および閉経前の
女性に使用
Case Richard
Question #3
• 次のステップは?
1. ビスホスフォネートによる治療
2. カルシウムおよびビタミンDによる治療
3. BMD低値の二次的原因の評価
4. 全て (1, 2, 3)
35
36
Case Richard
Question #3
• 次のステップは?
1. ビスホスフォネートによる治療
9%
2. カルシウムおよびビタミンDによる治療
14%
3. BMD低値の二次的原因の評価
BMD低値の二次的原因の評価
10%
4. 全て (1, 2, 3)
67%
37
二次性骨密度低値の原因
HIV患者によく見られる
ビタミンD欠乏症
25-OH ビタミンD値
リン酸喪失
血清リン酸 (尿中分画排泄)
性腺機能低下症
男性: テストステロン; 女性: 月経歴; FSH/LH
追加の基本的検査
副甲状腺機能亢進症
PTH, 血清カルシウム
無症候性甲状腺機能亢進症 TSH
その他
•
•
•
•
欠乏: カルシウム セリアック病, 吸収障害, 栄養不良
内分泌: クッシング症候群, 副腎不全, 糖尿病
炎症: HIV, 関節リウマチ, 炎症性腸疾患,
血液疾患、腫瘍疾患: 血友病, リンパ腫, 多発性骨髄腫, サラセミア
38
Case Richard
Q#3 検査結果
検査
結果
正常値
25-OHビタミンD
36 ng/ml
>30 ng/ml
血清リン酸
3.5 ng/dL
2.5-4.5 mg/dL
PTH
血清カルシウム
TSH
18 pg/ml
9.4 mg/dL
0.99 mU/L
8.5-10.5 mg/dL
0.45-4.5 mU/L
テストステロン?
Case Richard
Question #4
• HIVにおける性腺機能低下症の評価に最良
の検査は?
1. ランダムのテストステロン
2. 朝の総テストステロン
3. ランダムなフリーテストステロン
4. 朝のフリーテストステロン
39
40
Case Richard
Question #4
• HIVにおける性腺機能低下症の評価に最良
の検査は?
1. ランダムのテストステロン
5%
2. 朝の総テストステロン
33%
3. ランダムなフリーテストステロン
16%
4. 朝のフリーテストステロン
46%
41
テストステロンの調整
フリーテストステロンは2%のみ
Adapted from Braunstein GD. Basic and Clinical Endocrinology. 5th edition.
Stanford, Conn: Appleton & Lange; 1997:422-452.
42
性ホルモン結合グロブリン(SHBG)の変化
SHBG減少
SHBG増加
•中程度の肥満
•ネフローゼ症候群
•甲状腺機能低下症
•糖質コルチコステロイド, プ
ロゲステロン, タンパク同化
ステロイド
•加齢
•肝硬変
•甲状腺機能亢進症
•抗痙攣薬
•エストロゲン
•HIV
症状を有するHIV陽性男性におけるアンドロゲン欠乏症の診断法

“朝のフリーテストステロン”を検査
43
Case Richard
Q#4 検査結果
検査
結果
正常値
25-OHビタミンD
36 ng/ml
>30 ng/ml
血清リン酸
3.5 mg/dL
2.5-4.5 mg/dL
PTH
血清カルシウム
TSH
18 pg/ml
9.4 mg/dL
0.99 mU/L
8.5-10.5 mg/dL
0.45-4.5 mU/L
朝のフリーテストステロン
32 ng/dL
46-224 ng/dL
Case Richard
Question #5
• 次のステップは?
1. エナント酸テストステロン200 mg IM 2週ごと を開始
2. テストステロンゲル 1%, 5 g 毎日 を開始
3. LH および FSHを測定
4. 血清プロラクチンを測定
5. 下垂体MRIを実施
44
Case Richard
Question #5
• 次のステップは?
1. エナント酸テストステロン200 mg IM 2週ごと を開始
16%
2. テストステロンゲル 1%, 5 g 毎日 を開始
11%
3. LH および FSHを測定
4. 血清プロラクチンを測定
33%
11%
5. 下垂体MRIを実施
29%
45
46
テストステロン低値の原因例
一次性
(精巣)
• 先天性
• 化療 / 放射
線
• ムンプス/
ウイルス
• 外傷
• 特定の薬物
二次性
(中枢)
• 急性疾患
• 下垂体腫瘍 / 浸潤
• ヘモクロマトーシス
• クッシング症候群
• 肝硬変
• 病的肥満
• 特定の薬物
混合
• AIDS
• 肝不全
• 尿毒症
• アルコール
依存症
• 加齢
• 副腎皮質
ホルモン
テストステロン治療の際に
推奨されるモニタリング
検査
症状評価
テストステロン値
PSA/DRE
ヘマトクリット
1-2ヶ月
X
X
3-6ヶ月
X
年
X
ゴール/コメント
効果と副作用
中等度~正常域
AcuteXillnesses
X
X
尿検査:
PSA >4 ng/ml または
12ヶ月で1.4以上上昇
X
hct >54になったら 正
常レベルまで治療を中
止
47
Case Richard
Question #6
• テストステロンゲル 1% (5 g/d)、カルシウム 1200
mg/d、ビタミン D 800 IU/dを開始。
他に何を勧めますか?
1. 特になし。DEXAを毎年繰り返す
2. ビスホスフォネート治療を開始
3. 組み替えPTH治療を開始
48
49
Case Richard
Question #6
• テストステロンゲル 1% (5 g/d)、カルシウム 1200
mg/d、ビタミン D 800 IU/dを開始。
他に何を勧めますか?
1. 特になし。DEXAを毎年繰り返す
36%
2. ビスホスフォネート治療を開始
3. 組み替えPTH治療を開始
15%
49%
50
骨粗鬆症治療
ビスホスフォネート
一般名
Alendronate
日本の製品
フォサマック/ボナロン アクトネル/ベネット
投与頻度
毎日
毎週
副作用
• 消化器: 胃腸障害, 疼痛, 嘔気
• 下顎骨壊死 (破骨細胞 の過剰抑制?)
Risedronate
毎日
毎週
Ibandronate
-
Zolendronate
ゾメタ
毎日
年1回 (IV)
毎月
四半期毎 (IV)
これらの副作用症例の多くは、抜歯などの侵襲的歯科処置や局所感染
に関連して発現しており、抜歯した場合にはその部位の付近で発現する
ことが明らかになっている。
組み替え副甲状腺ホルモン
Teriparatide
• 骨芽細胞性骨形成を刺激
• 用法: 毎日皮下注
• ビスホスフォネート投与中に骨折した患者または骨減少が持続
する患者のために取っておく
骨粗鬆症
全般的マネージメント
• ライフスタイルの改善:
– 禁煙, アルコール減量, ウエイトトレーニング
• 治療薬オプション
– ビスホスフォネート
– ホルモン: エストロゲンまたはテストステロン
– 副甲状腺ホルモン
• カルシウム + ビタミンD
– カルシウム1200 mg以上 + ビタミンD 800 IU以上
51
52
Case: Juan
• 53歳ヒスパニック系MSM
• HIV陽性歴20年, 2000年より抗HIV療法
– VL <50: TDF-FTC-EFV
– 軽度リポアトロフィ: 顔, 臀部, 足
• 合併症:
– 軽度高血圧, 脂質および腎は正常, 喫煙なし
– 強い糖尿病家族歴
– BMI 27 kg/m2
Case: Juan
Question #1
空腹時血糖値は110 mg/dlだった。次に何をし
ますか?
1.空腹時血糖値検査を繰り返す
2.2時間ブドウ糖負荷試験をオーダー
3.HgbA1c値をチェック
53
Case: Juan
Question #1
空腹時血糖値は110 mg/dlだった。次に何をし
ますか?
1.空腹時血糖値検査を繰り返す
6%
2.2時間ブドウ糖負荷試験をオーダー
40%
3.HgbA1c値をチェック
54%
54
Case Juan
検査結果
• 空腹時血糖値
108 mg/dL
• 2時間ブドウ糖負荷試験 167mg/dL
• HgbA1c
6.4%
55
56
American Diabetes Associationの定義
検査
1
2
空腹時血糖値
前糖尿病状態
糖尿病
100-125 mg/dL,
 125 mg/dL,
Plasma Fasting Glucose
(IFG: 空腹時血糖障害)
確定
確定
2時間糖負荷試験
140-199 mg/dL
200 mg/dL
--
 200 mg/dL
2 hour Oral Glucose Tolerance Test
(OGTT)
(IGT: 耐糖能障害)
3
ランダム血糖値
症状あり
4
HgbA1c
6.0-6.5%
 6.5% *
糖尿病診断のためのHgbA1c– (注記):
• 検査を繰り返して確定, #3が存在しないかぎり
• もしヘモグロビン異常症や赤血球ターンオーバー亢進があれば:
• 妥当でない, #1 と 2で判定
57
HIV陽性患者ではHgbA1cを使用
すると血糖値を過小評価する

450
HIV (n=100)
- - -  Control (n=200)
400

Glucose (mg/dL)
350
300
250
200
HgbA1c の差
= 29mg/dL
150
100
50
0
4
5
6
7
8
9
HgbA1c (%)
Kim P, et al. Diabetes Care, 2009; 32:1591-1593.
10
11
12
13
14
Case: Juan
Question #2
前糖尿病状態と診断された。何を推奨しますか?
1.ライフスタイルを修正し5-10%体重を減少させる
2.ライフスタイルの修正とメトフォルミン
3.ライフスタイルの修正とピオグリタゾン
58
59
Case: Juan
Question #2
前糖尿病状態と診断された。何を推奨しますか?
1.ライフスタイルを修正し5-10%体重を減少させる
86%
2.ライフスタイルの修正とメトフォルミン
9%
3.ライフスタイルの修正とピオグリタゾン
5%
60
HIV感染者における糖代謝異常の評価
空腹時血糖(FG)
(HIV診断時、抗HIV療法開始時およびその後年に1回)
< 100 mg/dL
100-125 mg/dL
125 mg/dL
Repeat FG 125 mg/dL
2 hr OGTT
< 140 mg/dL
正常
FGを毎年測定
140-199 mg/dL
前糖尿病: IFG alone 前糖尿病: IFG/IGT
ライフスタイル
修正
Brown, Clinical Care Options, 2008.
ライフスタイル修正
メトフォルミン検討: 他のリスク
ピオグリタゾン検討: リポアトロフィ
No
Yes
200 mg/dL
糖尿病
ライフスタイル修正
処方: メトフォルミンまたはピオグリタゾン
61
メトフォルミン
• 糖尿病を31%減少1
• 以下の項目がある場合に前糖尿病状態に推奨され
る (IFG & IGT) :2
60歳未満, BMI >35kg/m2, FH DM (1st-degree relative),
 中性脂肪,  HDLコレステロール, 高血圧, A1c >6.0%
• 禁忌 / 合併症:
–
–
–
–
腎不全
肝不全
抗HIV薬による乳酸アシドーシス
リポアトロフィの悪化3
1) Knowler WC, et al. NEJM 2002;346:393-403. 2) Nathan, Diabetes Care 2007. 3) Kohli et al, HIV Med. 2007;8:42-426.
62
グリタゾンの長所と短所
長所
• 糖尿病発症リスク低下
(82% risk)1
• CVDに好影響(ピオグリタ
ゾン)
短所
•
•
•
•
• リポアトロフィに対し中等度 •
のベネフィット (~200•
500gm)
1: Knowler, Diabetes, 2005
高価
体重増加
体液貯留
CVDリスク (ロシグリタゾン)
骨粗鬆症
肝毒性
63
糖尿病リスクファクター
典型的な2型糖尿病の
リスクファクター
• 肥満 (腹部)
• 身体活動減少
• 遺伝的
– 家族歴
– 人種/民族
• 高齢
• 脂質代謝異常
インスリン
抵抗性
HIVに関連する
リスクファクター
•
•
•
•
•
•
•
•
末梢リポアトロフィ
アディポネクチン減少
肝/筋脂肪増加
炎症性サイトカイン
テストステロン低値
酸化ストレス
HCV感染症
PI
64
重要なポイント
合併疾患
マネージメント
腎疾患
• 尿検査とクレアチニンクリアランスを定期的に
モニター;
• FE PO4で評価; 単回尿タンパク:クレアチニン
• 糖尿病、高血圧、HCV、HBVの最適なマネージ
メント
• 抗HIV療法および他の治療を調整
• ACE阻害薬/ARB
骨粗鬆症
• 年齢、ホルモンの状況およびリスクファクター
に基づくスクリーニング
• ビタミンD (25-OH) および二次的原因の評価
• カルシウム、ビタミンD、ウエイトトレーニングで
マネージ;
禁煙、禁酒、ビスホスフォネート
65
重要なポイント
合併疾患
マネージメント
性腺機能
低下
• 症状およびリスクに基づいたスクリーニング (朝の
フリーの検査)
• 一次的・二次的原因の評価
• モニター治療: Hct., PSA & exam, levels
糖尿病
• 空腹時血糖値をモニター; OGTT &/or HgbA1c
• 予防 / 治療: 食事, 運動, 抗HIV療法変更?
• リポアトロフィにピオグリタゾン、他のリスクにメトフォル
ミン
心血管疾患
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ライフスタイルの積極的な改善 (特に喫煙)
合併症のマネージ (糖尿病, 高血圧, 脂質)
高脂血症治療を追加
毎日アスピリン, 抗HIV薬の選択または変更?