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Reduced light increases hervibore
production due to stoichiometric affects
of light/nutrient balance
J.Urabe et al. 2002,Ecology
0612昼ゼミ 加藤
この論文の概要
生態学的な常識による予測
• 光の供給量の増加は一次生産者の生産
性とアバンダンスを増加し、消費者の生産
性を促進させるはず
Graze
この論文の概要
理論と実際の観察での違い
• 栄養塩供給量が低い環境で光が強くなる
と藻類のアバンダンスは増加したが、植食
者の成長は低下した。
Graze
この論文の概要
仮説→予測
• この原因は、光が増加すると光合成量に
よって炭素量が増加し、生産者の炭素:栄
養塩の比が高くなる(=エサとしての質が下
がる)ためである
• この仮説が正しければ,光が減少すると光
合成量が下がればエサの質が上がって動
物プランクトンは増加するはずである
この論文の概要
検証→結果
• 野外の湖で光と栄養塩の供給条件を変
えてエンクロージャを行い、藻類と植食性
プランクトンのバイオマスの変化を観察し
た
• 実際に栄養塩の供給量が低い環境では、
光の供給が減少することで植食者のバイ
オマスが増加した。
この論文の概要
考察
• これは、藻類の栄養塩比率と植食者の要
求比率についてのミスマッチの度合い
(=stoichiometric imbalance)が低下し
たためである。
Stoichiometryとは何か?
• エサの持つ栄養塩の比率は消費者の要
求比率とは異なる
• 生産者と消費者の間の比率の違いが小さ
いほど、消費者にとっては効率の良いエサ
といえる
• 利用されなかった栄養塩は排出される
(=消費者による栄養塩リサイクル)
Stoichiometryとは何か?
I want
×5
×3
植物プランクトン
動物プランクトン
Stoichiometryとは何か?
I want
×5
!!
×3
Stoichiometryとは何か?
I want
used
×5
×3
Stoichiometryとは何か?
I release
×4
動物プランクトンによる
栄養塩リサイクル
生態系の予測を行うためには、資源のバラ
ンスを考えることが重要
• 気候の変化等によって生態系への光と栄
養塩の絶対的/相対的な供給量は変化す
る
• 生態系の栄養的な相互作用は複数の環
境要因により制約を受ける
• 生態系プロセスの変化の予測を行うとき、
単一の環境変数に対する応答のみに着目
するのは不適切
この研究では光と栄養塩の供給バランスに
着目した
• 単一の環境要因が変化する影響について
はこれまでよく研究されてきた
• 光と栄養塩の供給バランスの変化が生態
系プロセスに与える影響についてほとんど
理解されていない
エンクロージャによる実験観察
1m
4m
×12
エンクロージャによる実験観察
Control
shaded
0μg
0.75
1.5
0μg
0.75
1.5
3
6
12
3
6
12
セストンの平均炭素量(C)は、光の遮蔽に
よってcontrolに比べて20-30%減少した
。(Fig.1A, E)
セストン中のC:Chl-a比は、shadedが
controlに比べて平均で10-20%低かった
。(Fig.1B, F)
セストン中のC:P比は、shadedが常に
controlよりも低かった。(Fig.1C, G)
セストン中のC:P比は、shadedとcontrol
の両方でリンの添加量が増加すると減少
した。(Fig.2B)
Enriched P+1 (μg/L)
リン添加量が大きいcontrolと全ての
shadedで増加した。(Fig.1D, H)
リンの添加量が大きいとき、shadedと
controlの両方で顕著に増加した。
(Fig.2C)
リン添加量が低いとき、shadedでは
controlに比べて明らかに大きかった。
(Fig.2C)
リンの添加による動物プランクトンへの
影響は、動物プランクトンの種によって
異なった(Fig.3)
動物プランクトンのバイオマスは
セストンのC量とは相関を持たなかった
。(Fig.4A)
動物プランクトンのバイオマスは
セストンのC:P比とは強い相関を示した
。(Fig.4B)
Daphniaの成長速度は,リン添加量が低い
とき,shadedのほうがcontrolを上回った
。(Fig.5A)
まとめ
• 光/栄養塩の不均衡な供給は、食物網間
の変換効率に影響を与える。
• 光/栄養塩バランスの変化は生態系の栄養
塩リサイクルの割合と効率を変化させる
• stoichiometricな影響を組み込んだ生
態学的理論が必要である。
• 生産者と消費者のelemental imbalanceは水
界や陸上の系で広く見られる。
• 生態学的意義