Transcript 研磨手法の確立に向けて
研磨手法の確立に向けて 2 (株)ナノオプトニクス・エナジー 高橋啓介 11/14 技術検討会@岡山 はじめに 前回技術検討会 7/25からの進捗 9月:研磨軸プロトタイプ完成、テスト台上にてテスト開始。 パッド形状の選定、ジョイント部の改良 10月:研削機上に研磨軸設置、3段階の研磨テストを行う ストライプ研磨 全面研磨 補正研磨 研磨(量、形状)予想のためのシミュレータを作成 ・ ・ ・ 研磨軸の現状 中空ロータリーアクチュエータ スラリー供給用チューブ 振り子運動用モーター 錘 ユニバーサルジョイント 全面研磨の様子 1um酸化セリウムスラリー パッド形状 形状決定に重要なこと ・中心付近は周速が小さく研磨効率は良くない →くりぬき ・スラリーを不足なくパッド全面に行き渡らせる ・作りやすさ→条件を変えないため ・テストにてよい結果が得られること (研磨跡、異音等) 「連絡付き星型」 ・外周部にもスラリーが流れ易い ・内周部にも入り、滲み出す ・それなりに作りやすい ストライプ研磨(10/5~10/7) 目的:研磨によってCGH測定が可能な面を作れることの確認 研削機上で位置制御をした場合の研磨テスト ・首振り機能を用いて、進行方向の角度のみ調節 ・進行方向と垂直に±30mmのジグザグ(2mmピッチ) ② ① ④ ③ 進行方向 60mm 2mm ・パッド:Φ60、230rpm、530Nパッド、錘:3.6kg ・②、③は同じパッドを連続使用(耐久性テスト) ストライプ研磨を行った領域ではCGH測定に十分な面が得られた ストライプ研磨測定結果 Fig.4 A-A' 断面形状 1.6 A テーブル回 転中心 A’ 1.4 1.2 1 Y [μm] 研削加工時の 誤差 0.8 0.6 ③ 0.4 0.2 0 ④ ① -60 ② -40 -20 0 20 40 60 X [mm] rms粗さ(nm) 2D Fig.3 干渉縞から求めた形状 ・パッド滞在時間が最も長い中央が 深く(1.6um)研磨されたV字型の谷に 50 45 40 35 30 25 20 15 10 5 0 ① ② ③ ④ 0 10 20 30 帯中心からの距離(mm) 40 50 ・帯中心付近でのP-V:~60nm、rms:~5nm ・パッドを連続使用した③の粗さは①、②に比べ 悪い(特に、周速の大きい部分) →パッドの「へたり」の影響 全面研磨(10/20~10/27) 目的:CGHでセグメント全体の測定が可能な面を作る ・首振り機能は使わず、ジョイントでワークにならわせる →パッド回転数を小さいものに変更(230→100 rpm) ・セグメントの端→パッドを15mmはみださせる ・パッド:Φ60、46,100rpm、錘:5.8kg,3.6kg 研磨パスサンプル ・5往復(58h)→研削痕は残るものの、 CGH測定には十分な面(写真は4.5往復後) ・端に研磨不足の領域→パッド滞在時間が短い 対策 小さいパッドで補正 縁にダミー硝材をつけパッドを完全通過 補正研磨(10/29~10/30) ・CGH測定によって得られた形状誤差の大きい領域6箇所に対して実施 目的:狙い通りの形状、除去量に研磨する方法の確立 →研磨シミュレーションを行った後、研磨開始 ③ ④ ① ② ⑤ ⑥ ①、②:スパイラル ③~⑥:ジグザグ (①~⑤はΦ60パッド、⑥はΦ30パッド、~110rpm) 補正前後の形状比較 補正前 補正後 ・形状誤差を減らすことはできているが、細かい構造(帯の端に深い領域) を作ってしまっている。 ・パッドよりも小さな形状誤差を補正するのは非常に困難 →誤差の拡がりに応じて、パッド径を変更して対応する必要 研磨シミュレータの開発 1:概念 目的:実際の加工を行う前に、形状、除去量についての見積りを行う ・非常にシンプルなシミュレータ(パッドの切り方、ワークの傾き、形状無視) 1:ワークにメッシュを切り、パッドの軌跡(点)と滞在時間を決める 2:点を中心としたパッドを仮定し、周速(点からの距離)、圧力、滞在時間に応じた 除去量(相対値)を与える 3:実際の研磨(ストライプ研磨)と比較することで除去量の絶対値を求める T5 T5 T4 T4 T3 T3 T2 T1 z x T2 T1 研磨シミュレータの開発 2:テスト ・各補正ごとにシミュレーションを行い(①と②は併用) それぞれに目標(予想)除去量を決定し、パッドの 移動速度を決定する。 共通条件 錘:3.6kg、回転数:~110rpm 番号 ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ パッド径 (mm) 60 60 60 60 60 30 移動速度 (mm/min) 25 25 108 108 54 108 予想除去量 (um) 0.48 0.48 0.25 0.25 1.0 0.67 研磨シミュレータの開発 3:結果 シミュレーションと実際の研磨の除去量比較 番号 ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ 予想除去量 (um) 0.48 0.48 0.25 0.25 0.9 0.67 実際の除去量 (um) 0.8 0.5 0.27 0.3 0.8 1.0 ①と⑥においてズレが顕著(5~6割) 圧力、周速、滞在時間以外の要因? →パッドのへたり、スラリーの実質的な供給量、 ワークとパッドの角度、ワーク表面の状態…等 原因を明らかにして、改良する必要 研磨シミュレータの開発 4:まとめ シミュレーション結果拡大 補正前後の差(CGH) z x ・得られる形状と除去量共にある程度再現できる →加工前のチェックには使える ・予想値とのずれ→パッド径を変えた場合に顕著、 へたりの影響? ・受動的なシミュレータ(パス→研磨量)なので、 補正パスを決める(誤差→パス)ことはできない まとめ 実験的な研磨を行い、それぞれ一定の成果を得た ・ストライプ研磨:研磨によりCGH測定可能な面を作れることの確認、 研磨による除去量の見積り ・全面研磨:全面にわたるCGH測定可能な面を作り、形状を確認する ・補正研磨:開発中のシミュレータを用いて研磨を制御する手法の第一段階 これから ・研磨の効率向上(時間短縮)が必要 → 圧力、回転数を大きくする 強いモーターが必要 ・補正パスについて検討、研磨シミュレータの改良 ・研磨軸の機能をフルに使った研磨