Transcript 第13章 顕示選好法
11章 顕示選好法2
ヘドニック価格法
と
過大評価定理
12/06/21
1
11.1 環境質と地代の関係
11.2 環境質変化の等価変分と地代による評価の過大評価定理
11.3 地代を用いた評価方法とヘドニック価格関数
11.4 異質な個人と付け値関数
11.5 市場地代関数を用いた便益評価の近似度
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11.1 環境質と地代の関係
移住コストが小さいときに、個人の居住地選択の結果として、環境質と地代がどのような
関係をもつことになるかを 2 つの地域(地域 A と地域 B)で構成される簡単な一般均衡モ
デルを用いて検討しよう。
N =経済全体での人口(個人の人数)
N j =地域 j に居住する人口( j A, B )
最初は同質的な個人のケー スを検討し、異質な個人が存在するケー スについては後で議論
する。
x =(個人が消費する)消費財の量(価格は 1 に標準化されていると想定)
h =(個人の住居用)土地面積
z j =地域 j の環境質
u U ( x, h, z j ) ;(個人が地域 j に居住するときの)効用関数
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(11-1)
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個人は非弾力的な 1 単位の労働供給からの労働所得と、保有している土地からの地代所得
を得ていると想定する。なお、全ての個人は各地域の土地を均等に所有しているとする。
w =労働所得(賃金率)
H j =地域 j の面積( j A, B )
H H A H B ;経済全体の土地面積
r j =地域 j の地代
s
rA H A rB H B
;個人の地代所得
N
(11-2)
m w s ;個人の所得
x r j h m ;個人が地域 j に居住するときの予算制約式
(11-3)
課税を考慮した議論は最終日。
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(問題 11-1) h x 平面に予算制約式を図示するとともに、無差別曲線を描くことで個人が
地域 j に居住したときの最適な消費量の組 ( h j , x j ) を図示しなさい。
x
m
xj
rj
hj
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h
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財 x は労働のみで生産されるとする。
X =財 x の生産量
N =労働投入量
X kN ;生産関数
(11-4)
このとき、労働需要曲線は w k と N w 平面で水平な直線になる。したがって、労働市場
を均衡させる賃金率 w は必ず k と一致する。そこで、以下では w k のケー スに限定して
議論を進めることにすれば、地域 j に居住する個人の財 x と財 h の需要関数は、それぞれ
x j x(rA , rB , z j )
h j h(rA , rB , z j )
(11-5)
(11-6)
と表すことができる。そして、間接効用関数を v j V (rA , rB , z j ) と表すことにする。すな
わち、
V (rA , rB , z j ) U x(rA , rB , z j ), h(rA , rB , z j ), z j
(11-7)
である。
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個人の移住コストがゼロであり、個人が自由に居住地選択をできるとする。そのとき、地域
j の状態 t における環境質 z tj のもとでの均衡 (rAt , rBt , N At , N Bt ) は次の条件から定まることに
なる。
V (rAt , rBt , z tA ) V (rAt , rBt , z Bt ) [ u t ] ;効用水準の均等化
N tj h(rAt , rBt , z tj ) H j ( j A, B );地域 j の土地市場の需給均衡
N At N Bt N ;人口の制約条件
N At x(rAt , rBt , z tA ) N Bt x(rAt , rBt , z Bt ) kN ;消費財市場の需給均衡
(11-8)
(11-9)
(11-10)
(11-11)
なお、ワルラス法則により上記 5 つの条件のうち 1 つは独立ではないので、以下の議論は
(11-8)から(11-10)までの 4 つの条件を用いて議論を進めることができる。
均衡における所得水準を mt と表すことにすれば、
rAt H A rBt H B
m k
N
t
(11-12)
である。
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(問題 11-2) h x 平面に状態 t のもとでの均衡 r jt と U (h, x, z tj ) u t を図示しなさい
( j A, B )
。なお、 z tA z Bt であるとする。
x
U (h, x, z Bt ) u t
U (h, x, z tA ) u t
rBt
rAt
h
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11.2 環境質変化の等価変分と地代による評価の過大評価定理
状態 1 から状態 2 に環境質が変化する場合の、集計的等価変分について検討しよう。
その変化としては、環境質の劣る地域 A の環境質が地域 B の環境質のレベルまで改善
されるという特殊ケー スに着目する( z A z B z B z A )。
2
2
1
1
簡単化のために、この状態の変化のために必要な社会的費用はゼロであるとする。
社会的費用がゼロで無い場合に関しても、一括固定税だけが存在する場合は同
様の結果を導くことができる。なお、所得税が存在する場合については、最終日
の議論を参照。
変化後の均衡の特徴を確認しよう。 z A z B であるから、地域 A と地域 B が環境質が
2
2
一致しているとともに、個人は同質的であるので、均衡における地代も一致すること
になる。すなわち、 rA rB [ r ] である。
2
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2
2
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地域 j の地代、環境質、 効用水準が与えられたもとでの、消費財の補償需要 関数を
xC (rj , z j , u) 、土地の補償需要関数を hC (rj , z j , u) 、補償所得を E (r j , z j , u ) と表すことにす
る。そのとき、
E ( r j , z j , u ) x C (r j , z j , u ) r j h C (r j , z j , u )
(11-13)
が成立する。
状態 1 から状態 2 への変化により生じる集計的等価変分 EV を、地域 B の変化前の地代を
用いて評価すれば、
EV E (rB1 , z B2 , u 2 ) E (rB1 , z1B , u1 ) N E (rB1 , z B2 , u 2 ) m1 N
(11-14)
である。
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(問題 11-3) h x 平面に EV / N を図示しなさい。
x
E (rB1 , z B2 , u 2 )
EV / N
m1
U (h, x, z 1B ) u 1
U (h, x, z B2 ) u 2
rB1
( z B2 z 1B )
r2
h
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環境質の改善の便益を事前の地代 (rA1 , rB1 ) と地域 A の面積 H A を用いて間接的に表現する方
法について検討しよう。なお、その間接的な便益 B は、
B (rB1 rA1 ) H A
(11-15)
であるとする。
変化後の均衡においては、 z A z B かつ rA rB [ r ] である。したがって、変化後の均衡
2
2
2
2
2
土地需要を全ての個人で一致することになる。すなわち、
h(rA2 , rB2 , z A2 ) h(rA2 , rB2 , z B2 ) [ h 2 ]
(11-16)
となる。したがって、(11-9)より N 2j h 2 H j なので、(11-10)と H の定義より h H / N で
2
ある。
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(問題 11-4)下図の線分 m3m1 の長さが B / N であることを示しなさい。
x
(11-12)
m3
m2 m1
1 2 1
(r rA ) H A (r 2 rB1 ) H B
N
図より
EV / N
m3 m 2
m2
1 1 2
(rB r )( H A H B )
N
m1
m3 m1
1 1 1
B
(rB rA ) H A
N
N
r2
rB1
H /N
h
問題 11-3 と問題 11-4 より、 B EV の成立が示されたことになる。なお、この結果は「過
大評価定理」と呼ばれている。また、無差別曲線がキンクしているときに、 B EV となる
可能性があることになる。
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11.3 地代を用いた評価方法とヘドニック価格関数
財の質的な要素に還元して、その財の価格を質的な要素の関数として表現したものをヘドニ
ック価格関数と呼ぶ。以上の地代決定モデルにおいて、均衡における地代を環境質に対応さ
せた関数(市場地代関数)を考えれば、それはヘドニック価格関数の一例になっているとみ
なすことができる。
r
ヘドニック価格関数
or
1
B
r
市場地代関数
rA1
z 1A
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z 1B
z
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環境変数が z と Z の 2 つある場合は、環境改善の評価を次のように行うことになる。市場
地代関数(ヘドニック関数)が
r z Z
(11-17)
1
1
と求められたとする。そのときは、環境質 z を z A から z B に改善したときの便益は
B ( z1B z1A ) H A
(11-18)
と求められることになる。
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11.4 異質な個人と付け値関数
これまでは同質的な個人で構成される経済を想定してきたが、以下では異なる個人のタイプ
が存在するときに以上の議論がどのように修正されるかを検討する。具体的には、タイプ 1
とタイプ 2 の個人が存在していて、それぞれの人口は N i であるとする( N1 N 2 N )
。
それぞれの効用関数が
u u ( x, h) ;タイプ 1 の個人の効用関数
u u ( x, h) v( z j ) ;タイプ 2 の個人の効用関数
(11-19)
(11-20)
で表されるとする。すなわち、個人1の効用は環境質から独立であるとする。また、個人 2
は環境質に関しては加法的に分離可能であるとする。
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状態 1 から状態 2 に環境質が変化する場合の集計的等価変分について、
11.2 の議論と同様に、
環境質の劣る地域 A の環境質が地域 B の環境質のレベルまで改善されるケー スに着目して検
討する( z A z B z B z A )
。なお、 v( z A ) 0 v( z B ) を仮定する。
2
2
1
1
1
1
このとき、状態 1 における(均衡のもとでの)タイプ i の個人の効用水準を u i とおく。また、
1
状態 2 における個人の効用水準はタイプ間で均等化されるので、その効用水準を u とおく。
2
なお、状態 1 の均衡においけるタイプ i の個人が地域 j に居住している人口を N i , j とおくこ
とにする( N 1, j N 2, j N j )
。そして、
「 N 1, A 0 N 1, B 」
かつ 「 N 2, j 0 ( j A, B ) 」
(11-21)
のケー スに着目する。なお、状態 2 においては両タイプの効用関数が一致しているので、タ
イプごとに居住パター ンを考える必要はない。
タイプ1の個人で地域Aに居住する人口が正であれば、
タイプ2の個人で地域Aに居住する人口はゼロである。
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状態 1 における各地域に居住する各タイプの個人の(均衡点を通る)無差別曲線について
検討しよう。
地域 B に居住しているタイプ 2 の個人の無差別曲線は、v( z B ) 0 であることに留意すれば、
1
u( x, h) u 12 である(その無差別曲線を I B1 とおく)。
また、地域 A に居住しているタイプ 2 の個人の無差別曲線は u ( x, h) v( z A ) u 2 である。
1
1
さらに、地域 A に居住しているタイプ 1 の個人の無差別曲線は u ( x, h) u1 であり、これは
1
u( x, h) v( z 1A ) u 12 と一致している(加法的な分離可能性より)。なお、この地域 A に居住
1
する個人の無差別曲線を I A とおくことにする。
次に、状態 2 における各地域に居住する各タイプの個人の(均衡点を通る)無差別曲線につ
いて検討しよう。このとき、各個人の効用関数が一致しているので、両タイプの無差別曲線
は、 u ( x, h) u であり一致することになる(この無差別曲線を I とおく)
。
2
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2
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(問題 11-5)下図は、状態 1 と状態 2 のもとでの均衡における各タイプの個人の無差別曲線
を描いたものである。どの無差別曲線が I 1A 、 I B1 、 I 2 に対応するものであるかを
説明しなさい。
タイプ1の個人の等価変分がマイナスにな
る理由は、タイプ1の個人は環境質が上昇
してもメリットは無く、地代が上昇すること
によるデメリットを受けているからである。
x
EV1 / N1
I2
I 1A
I B1
EV2 / N 2
m2
m1
r2
rB1
rA1
H /N
h
状態 1 から状態 2 への変化で生じる集計的等価変分を求めるために、タイプ i の個人が得る
集計的等価変分を EVi とおく。つまり、その変化でタイプ i の個人が得る一人当たりの等価
1
変分は EVi / N i である。なお、等価変分は地域 B の地代 rB を用いて評価する。
(問題 11-6)問題 11-5 の図に EVi / N i を図示しなさい。
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(問題 11-5)下図は、状態 1 と状態 2 のもとでの均衡における各タイプの個人の無差別曲線
を描いたものである。どの無差別曲線が I 1A 、 I B1 、 I 2 に対応するものであるかを
説明しなさい。
x
EV1 / N1
m3
I2
3
1
問題11-4 ⇒ m m
I 1A
I B1
EV2 / N 2
1 1
(rB rA1 ) H A
N
EV2 1 1 1
(rB rA ) H A
N2
N
m2
m1
r2
rB1
rA1
H /N
h
状態 1 から状態 2 への変化で生じる集計的等価変分を求めるために、タイプ i の個人が得る
集計的等価変分を EVi とおく。つまり、その変化でタイプ i の個人が得る一人当たりの等価
1
変分は EVi / N i である。なお、等価変分は地域 B の地代 rB を用いて評価する。
(問題 11-6)問題 11-5 の図に EVi / N i を図示しなさい。
09/09/08(11)
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(問題 11-5)下図は、状態 1 と状態 2 のもとでの均衡における各タイプの個人の無差別曲線
を描いたものである。どの無差別曲線が I 1A 、 I B1 、 I 2 に対応するものであるかを
1
B
1
B
1
1
E1 (r , z , u )
説明しなさい。
x
I
EV1 / N1
I
2
E (r , z
1
A
1
1
B
1
B
, u11 ) E1 (rA1 , z 1A , u11 )
EV2 EV1
N2
N1
I B1
EV2 / N 2
m2
m1
E1 (rA1 , z 1A , u11 )
r2
rB1
rA1
H /N
h
状態 1 から状態 2 への変化で生じる集計的等価変分を求めるために、タイプ i の個人が得る
集計的等価変分を EVi とおく。つまり、その変化でタイプ i の個人が得る一人当たりの等価
1
変分は EVi / N i である。なお、等価変分は地域 B の地代 rB を用いて評価する。
(問題 11-6)問題 11-5 の図に EVi / N i を図示しなさい。
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このケー スの便益 B を 11.2 の議論と同様に(11-15)で定義すれば、
問題 11-6 の結果を用いて、
B EV N1 E1 (rB1 , z 1B , u11 ) E1 (rA1 , z 1A , u11 ) 0
(11-22)
の関係を導くことができる。すなわち、異質な個人が存在する場合は、より大きな過大評価
が生じることになる。
(問題 11-7)(11-22)を導出しなさい。
EV2 1 1 1
(rB rA ) H A
N2
N
E (r , z
1
1
B
1
B
, u11 ) E1 (rA1 , z 1A , u11 )
EV2 EV1
N2
N1
1
1
(
r
r
B EV B A ) H A ( EV1 EV2 )
N1
N
EV
(
EV
EV
)
EV2 EV1
2
1
2
N2
N2
N E ( r 1 , z 1 , u 1 ) E ( r 1 , z 1 , u1 ) 0
1
1 B
B
1
1 A
A
1
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11.3 で議論した市場地代関数(ヘドニック価格関数)を用いた、便益評価の方法に関する議
論がどのように修正されるかを検討しよう。
r
ヘドニック価格関数
rB1
○
or
市場地代関数
・
rA1
・
・
○
○
・
○
z 1A
z 1B
z
付け値関数=
・
「 」=タイプ 1 の個人の(土地に対する)付け値関数
「 ○ 」=タイプ 2 の個人の(土地に対する)付け値関数
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・
(状態1に対応する)効用水準を与え
られたもとで、各環境質にその環境質
の地域の地代として支払っても良いと
考える金額の最大値(支払意思額)
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このケー スでは、タイプ 1 の個人の効用は環境質から独立であるので、タイプ 1 の個人の土
地に対する付け値関数が水平になっている。すなわち、環境質が高い地域に対する付け値も
その質が低い地域と同じ付け値になっているのである。
このようなタイプごとに異なる付け値関数は、現実のデー タから直接推定することは困難で
ある。したがって、個人の選好に関する異質性が大きい場合には、ヘドニック価格法にはよ
り一層の留意が必要であることになる。
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11.5 市場地代関数を用いた便益評価の近似度
個人が同質的なケー スに関して、効用関数などを特定化することで、市場地代関数を用いた
便益評価の近似度について検討しよう。まず、効用関数は
u x 2h z j / 2
(11-23)
であるとする。また、 N 1 、 H A H B 1 / 2 とする。
状態 1 と状態 2 においては、
z 1B z 1A 1 かつ
z A2 z B2 0
(11-24)
を仮定する。
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このとき、(11-8)より
1
1
1 1
1
rA rB
であり、(11-9)、(11-10)より
(rA1 ) 2 (rB1 ) 2 1
なので、
2 1 2 2 1 2 1 2 2 1
≒(0.469, 0.883)
(rA1 , rB1 )
,
2
2
1
1
1 2
1 2
( N A , N B ) (rA ) , (rB ) ≒(0.220, 0.780)
B (rB1 rA1 ) H 1 ( 2 1) / 2 ≒0.207
r 2 2 / 2 ≒0.707
となる。また、一人当たりの等価変分 EV / N とすると、
B EV / N
1
rB1 2 ≒0.035
1
2rB
である。すなわち、このケー スの過大評価の割合は約 20%(≒0.035/(0.207-0.035))とい
うことになる。
この例から明らかなように、環境変化により生ずる地代の(時系列的な)変化から便益を捉
えることは、非常に困難である。すなわち、地代を用いた便益評価は、基本的にはクロスセ
クション・ デー タによる市場地代関数の推計から行われる必要がある。
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11.1 環境質と地代の関係
11.2 環境質変化の等価変分と地代による評価の過大評価定理
11.3 地代を用いた評価方法とヘドニック価格関数
11.4 異質な個人と付け値関数
11.5 市場地代関数を用いた便益評価の近似度
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