INS/GPS複合航法の 精度向上に関する調査報告

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Transcript INS/GPS複合航法の 精度向上に関する調査報告

汎用センサを用いた
低コスト
INS/GPS複合航法システム
○成岡 優(東大・院)
土屋 武司(東大・工)
1
概要
1.
2.
3.
4.
2020/4/28
背景
手法
評価試験
まとめ
日本機械学会 2006年度年次大会
2
背景(1)

位置・速度・姿勢が知りたい
航空機・宇宙機のナビゲーション
 電車・自動車など移動体の監視
 ロボットの制御
 携帯電話やゲーム機など

航空機のナビゲーション技術を転用
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日本機械学会 2006年度年次大会
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背景(2)

INS/GPS複合航法
1つの解決策としてINS/GPS複合航法


慣性航法装置(INS)
Global Positioning System(GPS)
INS
位置
加速度
誤差蓄積
連続動作
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誤差蓄積せず
間欠動作
速度
角速度
積分
慣性センサ
位置
統合
姿勢
姿勢
誤差蓄積せず
位置・速度等
連続動作
GPS
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速度
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背景(3)

既存のシステム

精度を最重視

提案するシステム

ある程度の精度確保
大きく(103cm以上)
小さく(103cm以下)
重い(1kg以上)
軽い(1kg以下)
非常に高価
(数百~数千万円)
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安価
(数万円)
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手法(1)

既存システムの構成

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精度最重視なため、
大きく、重く、高価
 特注の慣性センサ
 特殊GPS

提案システムの構成

構成機器は小さく、軽
く、安価
 MEMS慣性センサ
 民生用GPS
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手法(2)

MEMS慣性センサを用いたINS

微細加工技術(MEMS)を応用した慣性センサ



小さく(12cm程度)、軽く(数グラム)、安い(数千円)
誤差が蓄積する速度が早く、精度維持困難
民生用GPS

カーナビなどに使われている


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小さく(32cm程度)、軽く(数十グラム)、安い(数千
円)
位置で誤差数m程度と、比較的高精度
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手法(3)

INSとGPSの統合方式

INSとGPSの良いところをとりたい


Kalman Filterを使用する
発散しにくいアルゴリズム

センサの性能が悪い


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モデル誤差が大きくなる
クォータニオンでモデルを構築

計算中に特異点が存在しない

クォータニオンの制約条件を考慮した上で線形化
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手法(4)

全体図
センサの観測値が得
られた場合
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
GPSの観測値が得ら
れた場合
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評価試験(1)

プロトタイプの作成


概要
汎用的に使用できるほど小型・軽量・安価か?
航空機にプロトタイプを搭載して実験

提案したシステムの精度はどの程度か?

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GAIAとの比較 (2006/06)
 宇宙航空技術開発機構(JAXA)所有の高精度
INS/GPS装置であるGAIA
 同JAXA所有の実験用航空機MuPAL-aで実験
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評価試験(2)
センサ
加速度計
ジャイロ
温度センサ
プロトタイプ
GPS
24bit
ADC
USB
緯度・経度・高度
速度
PC
サイズ: 100cc以下
重量: 約30g
コスト: 約3万円
⇒汎用的に使用できるほど小型・軽量・安価である
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評価試験(3)
実験風景
GAIA
MuPAL-a
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プロトタイプ
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評価試験(4)

実験結果
プロトタイプ と GAIA の比較
位置
速度 姿勢
⇒移動体の制御や監視等に十分な精度
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まとめ

提案したINS/GPSは有効である
汎用的に使用するのに十分なサイズ、重量、
コストを達成可能
 誤差は位置で数m、姿勢においても最悪値で
十数度と、汎用的な移動体の制御や監視用
途には十分

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おまけ(1) 校正作業

キャリブリーション結果

温度ドリフト(恒温槽利用)
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
取付け誤差(レートテーブル利用)
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おまけ(2) 校正のある・なしの違い

校正あり
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
校正なし
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おまけ(3) 実験結果の考察

運動の周波数の影響

ロール、ピッチよりヘディングが性能悪い
ロールやピッチは比較的周期の短い運動
 ヘディングは周期の長い運動
 ゼロ点変動などの長い周期で変動するノイズ成分
の除去が困難


ピッチの一部にも同じ現象
定常旋回中
 変動なし

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