INS/GPS複合航法の 精度向上に関する調査報告

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Transcript INS/GPS複合航法の 精度向上に関する調査報告

小型INS/GPS
航法システムの開発
東京大学 工学系研究科
修士2年
成岡 優
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概要
1.
2.
3.
4.
5.
2015/9/30
背景
手法
評価試験
まとめ
今後の課題
2006年8月 研究内容のまとめ
2
背景(1)

位置・速度・姿勢が知りたい
航空機・宇宙機のナビゲーション
 電車・自動車など移動体の監視
 ロボットの制御
 携帯電話

航空機のナビゲーション技術を転用
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2006年8月 研究内容のまとめ
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背景(2)

INS/GPS複合航法<1>
1つの解決策としてINS/GPS複合航法


慣性航法装置(INS)
Global Positioning System(GPS)
誤差蓄積
誤差蓄積せず
連続動作
間欠動作
誤差蓄積せず
連続動作
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2006年8月 研究内容のまとめ
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背景(3)
INS/GPS複合航法<2>
INS
位置
加速度
角速度
慣性センサ
速度
積分
位置
統合
姿勢
速度
姿勢
位置・速度等
GPS
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2006年8月 研究内容のまとめ
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背景(4)

既存のシステム

精度を最重視

提案するシステム

大きく(103cm以上)
小さく(103cm以下)
重い(1kg以上)
軽い(1kg以下)
非常に高価
(数百~数千万円)
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ある程度の精度確保
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安価
(数万円)
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手法(1)

既存システムの構成

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精度最重視なため、
大きく、重く、高価
 特注の慣性センサ
 特殊GPS

提案システムの構成

2006年8月 研究内容のまとめ
構成機器は小さく、軽
く、安価
 MEMS慣性センサ
 民生用GPS
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手法(2)

MEMS慣性センサを用いたINS

微細加工技術(MEMS)を応用した慣性センサ



小さく(12cm程度)、軽く(数グラム)、安い(数千円)
誤差が蓄積する速度が早く、精度維持困難
民生用GPS

カーナビなどに使われている


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小さく(32cm程度)、軽く(数十グラム)、安い(数千
円)
位置で誤差数m程度と、比較的高精度
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手法(3)

INSとGPSの統合方式

INSとGPSの良いところをとりたい


Kalman Filterを使用する
発散しにくいアルゴリズム

センサの性能が悪い


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モデル誤差が大きくなる
クォータニオンでモデルを構築

計算中に特異点が存在しない

クォータニオンの制約条件を考慮した上で線形化
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手法(4)

全体図<1>
センサの観測値が得られた場合
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手法(5)

全体図<2>
GPSの観測値が得られた場合
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2006年8月 研究内容のまとめ
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評価試験(1)

プロトタイプの作成


概要
汎用的に使用できるほど小型・軽量・安価か?
航空機にプロトタイプを搭載して実験

提案したシステムの精度はどの程度か?


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より精度のよい既存の機器との比較実験
できるだけよい結果を出すため、プロトタイプ
の校正作業をした
2006年8月 研究内容のまとめ
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評価試験(2)

プロトタイプ<1>
構成図
センサ
加速度計
ジャイロ
GPS
緯度・経度・高度
24bit
ADC
USB
温度センサ
その他生データ
処理用
PC
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3軸速度
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(擬似距離・搬送波位相)
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評価試験(3)
プロトタイプ<2>
サイズ:
100cc以下
重量:
約30g
コスト:
約3万円
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2006年8月 研究内容のまとめ
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評価試験(4)

校正作業
キャリブリーション結果

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温度ドリフト

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スケールファクタ
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評価試験(5)

性能評価実験<1>
Crossbowとの比較 (2005/10,2006/04)
Crossbowは100万円台で購入可能な
INS/GPS装置
 軽飛行機Cessnaで実験


GAIAとの比較 (2006/06)
JAXA所有の高精度INS/GPS装置である
GAIA
 実験用航空機MuPAL-aで実験

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評価試験(6)

実験風景
性能評価実験<2>
GAIA
MuPAL-a
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プロトタイプ
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評価試験(7)

性能評価実験<3>
プロトタイプ と GAIA の比較
位置
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速度
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姿勢
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評価試験(8)

性能評価実験<4>
プロトタイプ と GAIA の比較
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2006年8月 研究内容のまとめ
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評価試験(9)

校正あり
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性能評価実験<5>

校正なし
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評価試験(10) 実験結果のまとめ

精度は移動体の制御や監視等に十分
位置にして数m、姿勢でも最悪値で十数度
 GPSの補強が効果を発揮している


位置・速度に比べ姿勢の成績が悪い
GPSから直接的な補強がないため
 MEMSセンサの性能の悪さを反映


温度補正や取付け誤差補正は有効
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評価試験(11) 実験結果の考察

運動の周波数の影響

ロール、ピッチよりヘディングが性能悪い
ロールやピッチは比較的周期の短い運動
 ヘディングは周期の長い運動
 ゼロ点変動などの長い周期で変動するノイズ成分
の除去が困難


ピッチの一部にも同じ現象
定常旋回中
 変動なし

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2006年8月 研究内容のまとめ
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まとめ

提案したINS/GPSの有効である
汎用的に使用するのに十分なサイズ、重量、
コストを達成可能
 誤差は位置で数m、姿勢においても最悪値で
十数度と、移動体の制御や監視には十分

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2006年8月 研究内容のまとめ
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修士論文にむけて

対象物体の運動のモードと精度が深く関
係しているのではないか?

時間-周波数解析を試みる


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Waveletによる多重解像度解析
適切なフィルタをかけることにより、より精度向
上を目指す
2006年8月 研究内容のまとめ
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博士課程で何をするか

よりインテリジェントなナビゲーション
ネットワークで各ノードを接続する
 位置や速度、姿勢といった基本情報に加えさ
らに有益な情報の提供

進路予測
 DGPSで用いられているような補強情報


複数UAVを用いての実験

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例えばフォーメーションフライト
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