Transcript 喫煙とたばこ税
喫煙とたばこ税 石田 田中 川島 啓太 美穂 崇 稲田 榊原 高島 中村 幸 正 隆 美 恵 浩 之 友 中京大学 経済学部 湯田ゼミ も く じ 喫煙をとりまく現状について たばこ税とは 税収シュミレーション まとめ 喫煙を取り巻く現状 有料喫煙所・ 分煙スペースの増加 たばこ税 増税 タスポの導入 喫煙環境が変化 たばこ税増税を含んだ 2013年度税制改正要望案が提出 (民主党厚生労働部門会議) 2010年の大幅増税に引き続き たばこ税が増税される・・・? たばこ税 とは? たばこ税の負担割合 1箱(440円/20本)あたりの負担割合 106.04円 122.44円 16.4円 19.52円 約6割が税金! 出典:財務省ホームページ 各商品の税負担内訳 税負担率 64.5% 42.9% 24.5% 46.8% 7.3% (出展 JTホームページ) たばこは税負担率が高い商品のひとつ たばこ税収の推移 平成22年度税収は 2兆1138億円 22758 22992 22875 22704 22400 22048 税額: 170.70円 21194 21138 189.16円 264.60円 20291 過去10年間に3度にもわたる増税 そして、再び増税が迫ってきている・・・ なぜ増税され続けるのか ~1~ たばこによる 社会損失とは? たばこが及ぼす社会への影響 医療面 肺がん・COPD・心疾患をはじめとする さまざまな病気のリスクを高める 非喫煙者を1としたときの喫煙者の死亡の危険度 4.8倍 2.2倍 3.9倍 3.0倍 2008年厚生労働省研究班 環境面 喫煙がもたらす火災 労働面 ・超過罹患・超過死亡 ・火災における負傷に係る 入院・死亡 労働力損失 出典:総務省消防庁 たばこが及ぼす社会への影響 喫煙によるコスト推計(2005年度) 喫煙によるコスト 医療面 環境面 労働面 合計 (出典:医療経済研究機構) 単位/億円 超過医療費 17,680.85 喫煙がもたらす火災の 消防費用 1,879.03 喫煙関連の清掃費用 39.32 喫煙関連疾患による 労働力損失 23,596.15 喫煙がもたらす火災による 労働力損失 68.34 4 兆3,264 億円 なぜ増税され続けるのか ~2~ 世界と比べる 日本のたばこ価格 たばこ1箱当たりの価格と喫煙率の推移 2010年度 たばこ1箱の価格・・・335円 男性の喫煙率・・・36.6% 女性の喫煙率・・・12.2% 出典:厚生労働省 最新たばこ情報 財務省 男女別喫煙率の国際比較 日本の男性の喫煙率は ワースト5位 世界的に見ると 日本の喫煙率は 高い 世界と比較して日本のたばこ価格は・・・ 世界のたばこ価格 1400 (円) 1320円 1232円 1200 1000 925円 835円 800 734円 600 440円 400 200 0 ノルウェー イギリス カナダ フランス ドイツ 日本 出展:Tobacco Reporter 男女別喫煙率の国際比較 喫煙率 男女共に19% 世界と比較して日本のたばこ価格は・・・ 世界のたばこ価格 (円) 1400 1320円 1232円 1200 1000 925円 835円 800 734円 600 440円 400 200 0 ノルウェー イギリス カナダ フランス ドイツ 日本 欧米諸国は日本の2~3倍の価格 →日本のたばこの価格は低額である 出展:Tobacco Reporter たばこ税よりも 損失の方が大きい ・世界と比べて日本の 喫煙率は高い ・価格の低さが問題視 たばこ税の増税は 検討すべき重要な 政策課題である! 現状のたばこ価格 は適切? 増税後の税収は いくらくらい? たばこ税収の計算 価格弾力性の定義 価格弾力性 モデル 弾力値計算 税収シュミレーション 価格弾力性の定義 ・価格の変動によって、ある製品の 需要や供給が変化する度合いを示す数値 たばこの価格が1%値上げされたときに、 販売数量はどう変化するのかという反応度を示した数値 ・この数値が1より大きい 小さい 「弾力性が大きい」 「弾力性が小さい」 (例:たばこの価格弾力性が1より小さい 販売数量の変化も小さい) 価格弾力性モデル P(価格) D2 S´ D1 P2 P1 税 金 T E2 E1 E P* 0 Q1 Q2 Q* 弾力性が大きいときD1 販売量の減少は大きい S 弾力性が小さいときD2 販売量の減少は小さい Q(販売量) 弾力性の大小によって減少量に差がうまれる! たばこの価格弾力性の計測 1箱当たり の価格(円) 販売数量 (億本) 販売代金 (億円) 2585 2458 2339 2102 1975 39131 37270 35460 36163 41080 (セブンスター) 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 300 300 300 335 440 (出展:日本たばこ協会) 価格弾力性算定式 価格弾力性が小さいということは… △Q △Q/Q P = × Ep = △P Q △P/P Ep:価格弾力性 Q: 数量 P: 価格 たばこ価格の上昇 ΔQ:数量の変化分 ΔP:価格の変化分 販売本数も 算出した価格弾力性 さほど変わらない -0.27(2010-11年度) ⇒税収の増加が見込める!? 世界平均 ・・・-0.30~-0.50 厚生労働省の報告書 ・・・-0.4 税収シュミレーション 2013年 たばこ1本あたり3円増税すると仮定・・・ 2011年度のデータ • • • • • • 1箱(20本)当たりの価格・・・440円 たばこ税負担割合・・・64.5% たばこ一本あたりの税金・・・13.22円 販売数量・・・1975億本 販売売り上げ・・・41080億円 価格弾力性・・・-0.27 ▼たばこ1本あたりの税金は・・・ 13.22円+3.0円=16.22円 ▼増税前と比べてたばこ価格の増加分は・・・ (500円-440円)÷440円=13.6% ▼たばこの販売量の減少分は・・・ 13.6%×(-0.27)=-3.675% ▼たばこの販売量は・・・ 1975億本×(1-3.675%)=1902.429億本 ここまでの計算から 1本あたりの税収…16.22円 たばこの販売量…1902.429億本 増税後の予想たばこ税収は・・・ しかし! 16.22円×1902.429億本=3兆857億円 3兆857億円-2兆6110億円 (増税後の税収) =4748億円 (現在の税収) 増収が見込める! たばこ増税が及ぼす影響… 増税 喫煙者の減少 喫煙者の減少率も加味すべき たばこは依存性が強い商品 常習化 たばこを 吸う ちょっとした 息抜き 実際のところ、増税してみないと 心理的 ニコチン わからない部分が多い 依存症 吸わないと 落ち着かない 摂取 満足感 やめたくてもやめられない! 禁煙に関する追跡調査 京都大学 依田教授(2007年実施 ) たばこ価格…270円→300円 禁煙開始者を対象に半年間の追跡調査 五ヵ月後 禁煙継続率は54%で安定 • 禁煙しようと思う人 40% • 禁煙しようと思う人 97% 実際に禁煙に成功する人54% 20%の人が禁煙に成功 50%の人が禁煙に成功 たばこ価格が上がることで 禁煙者の禁煙意思はより固いものに!! 数値の乖離が大きい →禁煙の成功率次第では 減収も十分ありえる! ケース1 ケース2 600円までは確実に税収の増加が見込める! 喫煙者を減らす 税収も増やす 突然の方向転換では、不平不満が出てしまう! たばこ価格500~600円であれば 税収を減少させることなく 喫煙者も減らすことができる 急激な増税ではなく 計画的な軌道修正や バランスも必要! まとめ 日本はまだまだ“たばこ後進国”であり、 今後も対策が必要である 依田教授の研究結果から見ても、 たばこ価格500円なら税収増加が見込める まだ増税余地があるため、計画的に増税を 進めることで、確実な税収増加を図っていくべき 喫煙者も非喫煙者も お互い納得できる道とっていくべきである ご清聴ありがとうございました!