HACCPの歴史とISO22000

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Transcript HACCPの歴史とISO22000

ISO22000認証取得セミナー
2007年5月2日
有現会社スコットマネジメント
Scott Management, Inc
1
目
1.
2.
3.
4.
5.
6.
7.
次
HACCPの歴史とISO22000
ISO22000 の必要性
ISO22000 の特徴
日本における審査登録制度
ISOの枠組みの中で
ISO22000 の要求事項
Q&A:ご質問及びデスカッション
講師 FSMSコンサルタント 井戸田 鎮
・JRCA登録ISO9000品質審査員 (A16037)
・JFRAB登録ISO22000審査員補 (F0031)
・JHTC登録HACCPコーディネータ (00451)
有限会社 スコットマネジメント
名古屋市中区錦1丁目3番2号中央伏見ビル1階
Tel: 0120-640-220 E-mail: [email protected]
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2
HACCPの歴史とISO22000
年
米国/欧州
1959
NASA:宇宙食ピルスベリー社と共同開発
1973
FDA:低酸性缶詰の規制に導入
1985
NAS(米国科学アカデミー)食品防御委員会
自主管理・法的強制力の導入勧告
1989
NAMCF(米国食品微生物基準諮問委員会)
HACCPの指針:7原則
1991
EC指令:水産物のHACCP規制
1993
CODEX委員会:ガイドライン策定
EU理事会指令:HACCP手法による衛生管理
1995
FDA:水産物のHACCP規制の公布
1996
USDA:食鳥肉製品のHACCP規制の公布
日本
食品衛生法
「総合衛生管理製造過程の承認制度」導入
1998
2001
ISO/15161(9001:94対応)
FDA:ジュースのHACCP規制の公布
ISO/15161(9001:2000を食
品及び飲料への適合指針)
2004
2005
ISO
ISO/DIS22000
海外認定機関による認証登録始まる
ISO/22000.22004:2005
2006
JFAB(食品産業センター)審査員登録開始
2007
JABによる認定開始認証機関による認証始ま
る
ISO22003/TS発行
ISO22000の必要性


食品の安全性確保
規格の構造WTO/世界貿易機関を設立するマラ
ケシュ協定(1994/4/15:1995)
・SPS協定/衛生植物検疫措置の適用に関する協定
:HACCP
・TBT協定/貿易の技術的障害に関する協定
:ISO9001,ISO14001
・その他:「農業に関する協定」、「繊維及び繊維製品に関
する協定」、「原産地規制に関する協定」、
「知的所有権の貿易関連の側面に関する協定」等
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4
ISO22000の特徴

ISO22000は、安全な食品を供給することを目
的としたマネジメントシステム

業務を組織全体の中で整合性をとりながら
達成していく手段を提供している
1.ハザード分析の間に、組織はPRP,OPRP及びHACCPプランの組合せに
よってハザード管理を確実にするために用いる戦略を決定する。
2.規格は、HACCPプラン、PRPを組み合わせている。
3.フードチェーン内で発生することが当然予測するさえるすべての
ハザードが明確にされ、評価されることを要求している
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5
ISO22000の特徴
マネジメントシステムの関係
ISO22000
HACCP
(FSMS)
組織の目的
ISO9001(QMS)
ISO14001
(EMS)
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OHSAS
労働衛生
6
ISO9001とISO22000との違い
ISO22000
ISO9001
食品安全マネジメントシステム
食の安全性
品質マネジメントシステム
顧客
リスクをなくす
製品・品質の差別化
顧客満足
人の消費にとって
危害がない
次工程はお客さま
の考え方
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7
ISO9001のマネジメント
Planコミットメント
Act
レビュ
HACCP
Do
実行
PRPs
(PRPとOPRP)
Chack内部監査
ISO22000のPDCAサイクル
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8
食品安全マネジメントシステム(FSMS)
【規格の構成模式図】
Plan
安全な製品
実現の計画
ハザード分
析のための
準備
改 善
ハザード
分析
・管理手段
・妥当性
確認
・HACCPプラン作成
・OPRP確立
モニタリン
グ
検証
実 施
是正処置
Action
Check
FSMS(ISO22000)4つの要素
1.相互コミュニケーション
3.前提条件プログラム(PRPs)
Do
2.システムマネジメント
4.HACCP原則
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9
認証取得のプロセス
HACCPプランの作成
食品安全チームの編成
FSMSマニュアルの作成
食品安全方針の設定
キックオフ
事前情報書類の作成
PRPの準備
内部監査員の育成と実施
第1次審査の受審
マニュアル修正・経営者による見直し
第2次・3次審査の受審
ハザード分析の実施
是正要求
オペレーションPRPsの作成
判定会議
合格
システム導入の建前と本音
HACCPやISO9001の
認証が目的で形骸化した
システム認証
看板としてアッピール
経営者の意識
コマーシャルベース
管理・運営
システムとは別物(利益優先)
モノつくりの製造現場で機能していない
日本における審査登録制度
認定機関(JAB)
原則:1国1民間機関
認定
認定
審査認証機関
(現在はなし)
07/5/22開始予定
登録審査
認証登録
審査
企業・工場
審査員評価登録機関 認定
(JFARB)
審査員研修機関
「現在はIRCA認定も兼用」
登録審査
登録申請
評価登録
審査員有資格者
研修
合格
申込み
審査員資格取得候補
ISOの枠組みの中で

1.適用範囲
① フードチェーン全体
② 要求事項:食品安全ハザードの明確化・適切な制御

2.枠組み:ISO9001に調和したマネジメントシステム
① ISO9001: 品質全体(QMS)
② ISO22000:食品安全(FSMS)
ハザード分析及びCCPシステムの原則、並びに適用
ステップ及びPRPを組み込んでいる

3.内容
安全な製品の計画及び実現(9001では、製品実現)
食品安全マネジメントシステムの妥当性確認、検証及び改善
(9001では、測定、分析及び改善)
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13
ISO22000:2005規格解説
【規格としての注意点】

適用範囲が広い
規模の大小及び複雑さに関係なく、フードチェーンの全ての組織に適用できるよう意図して
いる。フードチェーンの一つ又は複数の段階に直接又は間接的に関与する組織が含まれる

設計・開発及び購買に踏み込んでいない
考え方が別れるところ・・規格の全てが設計・開発?
フードチェーンの管理を規格は要求している

規格として未成熟:曖昧な部分があり解釈が
分かれる又は分からない
食品が原因となるハザード

食品に由来するハザードでは?その他
重複する部分が多い
「6.3:インフラストラクチャー」、「6.4:作業環境」と「7:安全な製品の設計及び実現」
ISO22000:2005規格解説
【規格としての注意点】

食品安全チームへの要求事項(HACCP手順1)
食品安全チームメンバーは指名されること
食品安全チームメンバーは、食品安全マネジメントシステムを構築し、実施する上で多方面
の知識と経験をあわせもつこと。このことは、食品安全マネジメントシステム適用範囲内の,
製品,工程,機器及び食品安全ハザードなどを含むが、これに限定されない。
食品安全チームが、必要とされる知識及び経験(6.2.3参照)をもっていることを実証
する記録を維持すること。
【推奨事項】
食品安全チームには組織の食品安全に関わる知識が幅広く求められる。
(現場の工程・衛生・設備管理、化学、微生物学など)
組織が必要な専門知識を持つ要員を擁していない場合は、外部の専門家を食品安全チームに加えることができるが、
その外部専門家の保有している知識・経験を証明できる記録が必要となる。(資格証、学歴、職歴、業務経験など)
【ポイント】
1.食品安全チームは指名されなければならない
2.食品安全チームメンバーは、FSMSを構築・実証する上で必要な知識と経験を持ち、そして
それを証明する記録を維持しなければならない
認証取得活動の推進体制

食品安全チーム
HACCP推進チームと同様トップマネジメント及びチームリーダーの
指名を受け組織される
特徴:メンバーには外部者を契約に従い加えることができる
チームリーダ:総括責任者としてトップマネジメントからの指名
メンバーの教育・訓練及び知識の取得推進の責任
(品質・環境では管理層からの選出せよとなっています
経営者自らでも可能は同じです)
推進メンバー:製品、工程、設備及び食品安全危害に関する
専門性の知識及び経験の記録が必要
外部者の加入も可(専門知識の証明と契約文書が必要)
実行メンバー:検査工程等が含まれるときは、知識の証明
の記録(教育・訓練等の記録)が必要
Scott Management, Inc
16
何をすれば
ISO22000は取得できるのか

要求事項が205個(ISO9001は135個)
要求事項にしたがって食品の安全を確保する体制を
確立し、それをマニュアルにし、マニュアル通りに実施して、
やり続け、問題があれば改善を行う。
活動した結果を記録に残し審査に望めば良い。
現在行っていることは、できるだけマニュアル通りにします。
やっていないことは、やさしく決めて、実行し記録に残す。
Scott Management, Inc
17
ISO22000:2005の要求事項








1.
2.
3.
4.
5.
6.
7.
8.
適用範囲
引用規格
用語及び定義
食品安全マネジメントシステム
経営者の責任
資源の運用管理
安全な製品の設計及び実現
食品安全マネジメントシステムの妥当性確認、
検証及び改善
食品安全マネジメントシステムの要求事項の概要
1.効果的な食品安全マネジメントシステムを確立し、文書化、実施、
維持及び改善を求めている
2.適用範囲の明確化
3.適用範囲は、組織の製品分類プロセス生産場所において適用内と
適用外とを明確にする
4.ハザード分析のための情報収集、ハザード分析の実施、其れに基づく
管理手段の決定と実行
5.外部コミュニケーション
6.内部コミュニケーション
7.食品安全マネジメントシステムの妥当性確認、検証及び改善
8.文書化に関する要求事項
1)
2)
3)
4)
5)
食品安全方針及び関連する目標の表明
文書化された手順及び記録
食品安全マネジメントシステムの効果的な構築、実施及び更新を行うための文書
文書管理
記録の管理
Scott Management, Inc
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第 2 章
ISO22000要求事項のポイント
Scott Management, Inc
20
ISO22000要求事項のポイントは?
4.食品安全マネジメントシステム
4.1 一般要求事項
食品安全マネジメント構築にあたり、下記の事項を実施することを
求めている。
① ハザードを明確にし、適切にそのハザードを制御する
:リスクマネジメント
② 適切な情報を、フードチェーン全体に周知する
:リスクコミュニケーション
③ システムに関する情報を組織内に周知徹底する
:情報の共有化
④ 定期的な評価と更新
:マネジメントレビュー
Scott Management, Inc
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ISO22000要求事項のポイントは?
4.食品安全マネジメントシステム
ここで、これから頻繁に使われている「マネジメントとは何か?」
を考えてみよう。 マネジメントとは、成果を出す仕組み
① その仕事をする前に、どうしたらよい仕事ができるか考え
(Plan)
② 仕事が円滑に進められるように、責任や権限を明確にし
さらに、仕事のやり方・ルールを決め、きちんと取り組み
(Do)
③ 取り組んだ仕事は、目標に対してどのような結果であった
かを評価し
(Check)
④ 不十分な点は、どのようにすればよいかを考え、見直し、
改善することです。(Act)
Scott Management, Inc
22
ISO22000要求事項のポイントは?
4.食品安全マネジメントシステム
4.2 文書化に対する要求事項
文書化の目的
① 食品安全方針:食品安全に関する方針や目標を文書化し、
組織の目指す方向を具体的に示す
② 規格で求められた管理の手段と記録:具体的にどのように
システムを運用管理していくのか、そのルールや関連する
情報を文書化して、明確にすること
③ システム運用のための必要な記録:システム運用において、
行われるモニタリングの結果について記録する
ISOにおいて、記録も文書の一部です。ISOが求める文書化とは、文書にしなければ、
システムが機能しない、もしくはその信頼性が著しく低下するものについて求めていす。
文書は、写真・絵・イラストなどを利用した手順書も文書として認められています。
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23
ISO22000要求事項のポイントは?
4.食品安全マネジメントシステム
4.1
アウトソースしたプロセスの管理
[
4.2.1/5.2
食品安全方針及び関連する目標の表明
I
S
O
2
2
0
0
0
で
要
求
さ
れ
て
い
る
19
の
文
書
4.2.2
文書管理の手順
4.2.3
記録管理の手順
7.3.1
ハザード分析を実施するために必要なすべての関連情報
7.3.3.1
すべての原料、材料、及び製品に接触する材料
7.3.3.2
最終製品の特性
7.3.5.1
フローダイアグラム
7.4.4
管理手段の方法、及びパラメータの記述
7.5
オペレーションPRP
7.6.1
HACCPプラン
7.6.3
選択した許容限界の根拠
7.6.5
安全でない可能性がある製品の適切な取り扱いに関する手順
7.10.1
修正に関する手順
]
7.10.2
是正処置を規定した手順
7.10.3.1
安全でない可能性がある製品の適切な取り扱うための管理及び関連する対応、ならびに権限
7.10.4
回収のための手順
8.4.1
内部監査の手順
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ISO22000要求事項のポイントは?
4.食品安全マネジメントシステム
ISO22000で要求されている記録(25記録)
5.6.1
外部コミュニケーションの記録
7.6.1g)
CCPモニタリング記録
5.8.1
マネジメントレビューの記録
7.8
検証活動の記録
6.2.1
外部専門家の責任・権限合意の記録/契約
7.9
トレーサビリティの記録
6.2.2g)
教育訓練と処置の記録
7.10.1
修正を評価した記録
7.2.3
PRPの検証及び実施の記録
7.10.2
是正処置の記録
7.3.1
ハザード分析の記録
7.3.2
食品安全チームの知識/経験を証明する記録
7.10.4
回収の原因、範囲、結果の記録
回収プログラムの有効性評価の記録
7.3.5.1
検証したフローダイアグラム
7.4.2.1
ハザード決定の正当性・及びその結果の記録
7.4.2.3
最終製品でハザードの許容水準決定の記録
7.4.3
食品安全ハザード評価の記録
8.4.1
内部監査の記録
7.4.4
管理手段を判定した結果の記録
8.4.3
検証活動の結果の分析となされた活動記録
7.5 f)
OPRPのモニタリング記録
8.5.2
システム更新活動の記録
モニタリング及び測定機器の管理/校正の記録
8.3
不適合判明時の判定と処置結果の記録
国際、国家標準がない時の校正標準の記録
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ISO22000要求事項のポイントは?
4.食品安全マネジメントシステム
Ⅰ.ルールや手順の文書化ポイント
① 現状をしっかりつかむ
③ 文書の内容を検討する
⑤ 修正
② 文書の構想を立てる
④ シュミレーションの実施
⑥ 実施
Ⅱ.文書の体系化
① 文書体系の全体概要を決定する
準 ② 文書のパターンを検討
・規定書と手順書の両方を作成
備
・規定書と手順書を合わせたものを作成
・手順書のみを作成
手 ① 手順書を作成
順 ② 手順書に書いてあることを整理し、規定書を作成
③ 規定書に書いてあることを総括し、マニュアルを作成
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26
ISO22000で経営者は、何をすればよいのか?
5.経営者の責任(コミットメント)
規格は、経営者自らが責任をもって行うことを求めています。
《コミットメントの内容》
1.食品安全方針と目標を明確にし、文書化し、全従業員に
周知徹底すること
2.食品安全方針について、顧客の要求及び規制要求事項
について遵守することを確実にすること
3.マネジメントレビュー(確認・見直し・改善)を実施すること
4.システムの実施に必要な経営資源(人材・物・資金・情報)
を投入すること
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27
ISO22000で経営者は、何をすればよいのか?
5.経営者の責任(コミットメント)
⑴経営者が食品安全に関する方針や目標を明確にする
経営者が品質保証に関する方針・目標を明確にする
品質保証の方針
段階的目標の決定
品質保証システムの構築
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あるべき姿を明確に
目標のレベルを決め
段階的に取り組む
自社に適した品質システム
28
ISO22000で経営者は、何をすればよいか?
5.経営者の責任(コミットメント)
(2) 品質方針と目標の展開(たな卸し)
品質方針と目標の展開(たな卸し)
経営者の方針と目標
社長の会社全体(目標)
工場全体の方針と目標
各職場ごとの方針と目標
Scott Management, Inc
工場長の工場全体の目標
各部署の目標
29
ISO22000で経営者は、何をすればよいか?
5.経営者の責任(コミットメント)
(3) よい品質目標とは?
よい(実現できる)品質目標には、次のことに留意する
① 品質方針に対応している
経営者が示した品質目標とは関係なく、勝手に目標を
決めてはいけない。組織としての活動なので、上位の
品質方針に沿っているかを確認・遵守することが重要
です
② 自部門の役割、任務に対して合致している
品質目標は、自分の部署が受け持っている任務、役割
に合致している必要がある
Scott Management, Inc
30
ISO22000要求事項のポイントは?
6.資源の運用管理
6.2.1 一般
力量とは、「知識と技能を適用するための実証された能力」
とされています。
ここで、食品安全チーム及び食品安全に影響を与える活動
に従事する要員は、適切な教育、訓練、技能及び経験がある
ことを根拠としての力量の有無が判断される。
食品安全に影響を与える活動に従事する要員は、作業別に
力量を考えるとよい。
・食品安全チームリーダー
・食品安全チームメンバー
・検証活動(検査工程)担当者
・モニタリング(記録記入)担当者 ・製造部門担当
・パート従業員
・外部コンサルタント
Scott Management, Inc
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ISO22000要求事項のポイントは?
6.2.2 力量、認識及び教育・訓練
FSMS(食品安全マネジメントシステム)に必要な人々の、それぞれの役
割に応じた力量の明確化をする。
1.食品安全チームメンバー及び食品安全に影響を与える作業従事者は、
・業務遂行に必要な力量を決め、教育・訓練し、又は他の処置の必要性を決める
・FSMSのモニタリング、修正及び是正処置の担当者には、適切な教育・訓練を
・食品安全チームリーダーは、実施状況及び有効性を評価する
・その教育・訓練及び処置については、適切な記録を維持する
2.すべての社員、パート従業員に対して
・食品安全に貢献するための各自の活動の意味と重要性を認識させるために、
朝礼及び社員会を教育・訓練の場として利用する
・必要な力量を決め、必要に応じて、OJTを実施する
・訓練の有効性を評価し、記録する。
・不具合が発見された場合は、指摘及び再教育・訓練を実施し、評価し、記録する
・教育・訓練の効果の確認は、モニタリング記録・PRPの検証時に確認する
Scott Management, Inc
32
ISO22000要求事項のポイントは?
3. 外部コンサルタントに対しては
・外部コンサルタントに求める力量を決める
例えば、FSMSに必要な微生物学的知識と検証活動に関する知識及び経験
・過去の実績から、現コンサルタントの力量は十分と評価した
(この内容は記録として必要、満たしている証拠を評価として結果を残す)
・契約書として、責任範囲と権限を定めた契約書を作成する
・外部コンサルタントに求める力量を明確にし、評価した後に
契約書を締結し、記録とする。
Scott Management, Inc
33
ISO22000要求事項のポイントは?
6.4 作業環境
インフラストラクチャーの管理に必要、作業環境の基準はPRPに不可欠
インフラストラクチャー
作業環境
敷地
敷地外からの汚染
原料倉庫
温度・湿度・ペストコントロール
建物
汚染防止・ペストコントロール
冷凍庫
温度
冷蔵庫
温度・湿度・排水・交差汚染
作業室(下処理室・加工室・出荷場)
温度・湿度・交差汚染
トイレ、手洗い、更衣室、休憩室
温度・湿度・交差汚染
機械:金属探知機、計量器、焼成機
振動・水平・交差汚染
作業着、手袋、マスク、帽子、前掛
交差汚染
ユーティリティ:水、ガス、電気、廃棄物
ペストコントロール
Scott Management, Inc
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ISO22000要求事項のポイントは?
7.安全な製品の計画及び実現
安全な製品を作るための計画とその実現
安全な製品の計画と実現
HACCP7つの原則
① 前提条件プログラム(PRPs)の整備
② ハザード分析
③ オペレーションPRPの設計
④ HACCP計画書の作成
⑤ 検証
⑥ システムの運用
トレーサビリティ、是正処置、製品回収
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
Scott Management, Inc
危害分析
CCPの設定
CLの決定
モニタリング方法の設定
是正処置の設定
検証方法の設定
記録の維持管理
35
ISO22000要求事項のポイントは?
7.安全な製品の計画及び実現
前提条件プログラム(PRP)の整備
厚生労働省の総合衛生管理製造過程のPPと同じでよい
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
⑧
⑨
⑩
施設設備の衛生管理
従事者の衛生教育
施設設備・機械器具の保守点検
そ族昆虫の防除(ペストコントロール)
使用水の衛生管理
排水及び廃棄物の衛生管理
従事者の衛生管理(個人衛生)
原材料の受け入れ、食品等の衛生的取り扱い
製品の回収プログラム
製品等の試験検査に用いる機械器具の保守管理
Scott Management, Inc
36
ISO22000要求事項のポイントは?
7.安全な製品の計画及び実現
ハザード分析とCCPの重要性
HAとは:何が食品の安全上危害の原因(要因)かを明確にする事
ハザード分析をしっかりと行わないと、CCPの設定ミスになる。
CCPとは:製造工程で絶対ミスすることのできない管理事項
この工程後、食品安全上での管理ができないポイント
HA
CCP
危害分析
重要管理点
何が危害を及ぼす原因
となるのかを明確にする
管理上、絶対にミスする事が
できない管理事項
「管理上の目のつけところ」
システムとして管理する
Scott Management, Inc
37
ISO22000要求事項のポイントは?
7.安全な製品の計画及び実現
オペレーションPRP(OPRP)による管理
OPRPとは:製造工程の中で、明確にCCPと判断できる工程がない場合に、
危害の発生防止のために、工程でのモニタリングを実施し、
記録し、逸脱があれば改善措置を必要がある管理事項。
PRPとOPRPの比較
要求事項
PRP
OPRP
ハザード分析による特定
7.4.4
食品安全ハザードの記述
7.5 a)
管理手段の特定
7.2.3 (望ましい)
7.5 b)
モニタリング手順
7.5 c) . f)
逸脱時の修正・是正
7.5 d)
責任・権限
7.5 e) OPRPごと
検証
7.2.3
7.8 c)
管理手段の組み合わせの妥当性確認
7.8 a)
8.2
手順「文書」の更新
7.7
Scott Management, Inc
38
ISO22000要求事項のポイントは?
7.安全な製品の計画及び実現
7.3.2 食品安全チーム 規格が求めていること
1) 食品安全チームの役割
 内部コミュニケーションとしてシステム更新情報から、FSMSの更新
に対応
 衛生管理方法(PRPs)の承認
 現場点検にて「フローダイアグラム」の検証
 個別検証結果を体系的に評価
 管理手段/管理方法の組み合わせの妥当性確認し、FSMSを
検証し、改善のための必要なプロセスの計画と実行
 内部監査・外部監査結果を含め、検証活動の結果の分析
 取り決めた規定の間隔で、FSMSを評価し、危害分析、確立
された「運用PRP計画」及び「HACCP計画」のレビューの
必要性判断
Scott Management, Inc
39
ISO22000要求事項のポイントは?
7.安全な製品の計画及び実現
7.3.2 食品安全チーム 規格が求めていること
食品安全チームへの要求事項(HACCP手順1)
食品安全チームメンバーは指名されること
食品安全チームメンバーは、食品安全マネジメントシステムを構築し、実施する上で多方面
の知識と経験をあわせもつこと。このことは、食品安全マネジメントシステム適用範囲内の,
製品,工程,機器及び食品安全ハザードなどを含むが、これに限定されない。
食品安全チームが、必要とされる知識及び経験(6.2.3参照)をもっていることを実証
する記録を維持すること。
【推奨事項】
食品安全チームには組織の食品安全に関わる知識が幅広く求められる。
(現場の工程・衛生・設備管理、化学、微生物学など)
なを、組織が必要な専門知識を持つ要員を擁していない場合は、外部の専門家を食品安全チームに加えることができる
が、その外部専門家の保有している知識・経験を証明できる記録が必要となる。(資格証、学歴、職歴、業務経験など
を証明できるの)
【ポイント】
1.食品安全チームは指名されなければならない
2.食品安全チームメンバーは、FSMSを構築・実証する上で必要な知識と経験を
持ち、そしてそれを証明する記録を維持しなければならない
ISO22000要求事項のポイントは?
7.安全な製品の計画及び実現
7.3.2 食品安全チーム 規格が求めていること
2) 食品安全チームメンバーに求められる専門性
チームには、製造・衛生管理・品質保証・工務・検査・試験・研究開発・
営業・購買などの各部門からの幅広い参加を求めチームには工程を
熟知し、日々の活動を直接担当の要員の加入を含める必要がある。
食品安全チームメンバーリスト作成例
氏名
菅井 道徳
佐藤 智弘
内藤
進
役割
専門性
専門性裏づけ資料
備考
チームリーダー
HACCP全般
工場運営
日本食品衛生協会
HACCP講習会終了証
工場長
チームメンバー
検証活動
社内HACCP研修受講
社内認定登録
契約
IRCA(FSMS)
JRCA(QMS)
審査員
IRCA(FSMS)審査員登録証
JRCA(QMS)審査員登録証
HACCPコーディネータ登録証
Scott Management, Inc
製造主任
外部コンサル
41
ISO22000要求事項のポイントは?
7.安全な製品の計画及び実現
7.3.2 食品安全チーム 規格が求めていること
3) チームメンバーに必要な教育・資源
a)
b)
c)
d)
e)
加工ラインで使用される技術や装置、設備
食品取り扱い操作の実際
プロセスや流れ、そこでの各種生産技術
食品微生物の実際的な知識
HACCP原理や技術
4) 食品安全チーム活動に必要な資源
a)
b)
c)
d)
e)
チームが会議や活動をするために必要な時間
教育・訓練の費用と時間
必要な文書類
必要な設備・施設・分析・試験施設の利用
チームが必要とする情報源の利用(科学技術文献・データベースの利用)
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42
ISO22000要求事項のポイントは?
8.4 食品安全マネジメントシステムの検証
8.4.1 内部監査
内部監査とは:
ISO22000が正しく運用されているか、規定書や作業手順書の内容
に製造現場との実情にマッチしてない問題が発生し、不都合が生じて
いないか等をチェックして、その結果により必要に応じて改善(修正措
置)
を行うことの必要を見つけ出すことです
内部監査は、システムが適切に機能しているかについて、運用である
ソフト面と施設・設備などのハード面の両方を対象として、社内で問題
点
を見つけ出すことのみではなく、発見された問題点を解決し、改善する
ことによる管理のレベルアップをするための活動です。
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ISO22000要求事項のポイントは?
8.4 食品安全マネジメントシステムの検証
8.4.1 内部監査
内部監査及び内部監査チーム
内部監査チームの位置づけ
内部監査とPDCAサイクル
経営者の改善指示
内部監査
経営者
マネジメントレビュー
現状把握
結果の報告
改善の見直し
改善の実施
改善計画の立案
被監査
部署
監査実施
アドバイス
内部監査
チーム
改善の結果報告
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ISO22000要求事項のポイントは?
8.4 食品安全マネジメントシステムの検証
8.4.1 内部監査
内部監査チームメンバーのスキル





ISO22000の要求事項について、HACCPの7原則・12手順など
のHACCPに関する事項を十分に把握していること
対象となる製造ライン、製品に関する知識があり、該当部署の
リスクについて把握していること
「問題点」を見つけ出すスキル、「どのように解決すれば良いか」
を指導できるスキルを有すること
監査結果を纏め上げ、その結果を被監査部署に対し、正確かつ
分かりやすく説明できること
従業員に対する強いリーダーシップを有し、その問題点の指摘と
改善のためのアドバイスに対して被監査部署のメンバーが真摯
に受け取ることができること
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ISO22000要求事項のポイントは?
8.4 食品安全マネジメントシステムの検証
8.4.1 内部監査
内部監査の手順について
内部監査チームの編成
自部門の監査はできない
内部監査計画の作成
被監査部署に計画を通知
内部監査基準の摺り合わせ
監査メンバーのばらつきがなきよう
初心者には必要実務のトレーニング
内部監査の実施
チェックシートを使い監査を実施
作業内容の確認・記録確認・ヒアリング
内部監査結果作成
何が問題であったかを正確に
どのように改善すべきかの提示
内部監査是正確認
指摘事項が正しく是正されて
いるかを確認
内部監査結果報告
食品安全チームリーダーを通じ
経営者に報告
内部監査実施後のフォロー
内部監査であるために今後の再発防止を
被監査部門と再度打ち合わせを実施して
予防処置につなげる
ISO22000要求事項のポイントは?
8.4 食品安全マネジメントシステムの検証
8.4.1 内部監査
内部監査実施上のポイント
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
⑧
モニタリングの記録帳票類の確認
生産現場での作業内容確認
生産設備の管理状況
モニタリングに使用する測定機器の管理
原材料の受け入れ検査結果の確認
中間製品及び最終製品の検査結果の確認
該当ラインでの品質事故発生や消費者クレームの確認
システム適合性について確認
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ISO22000要求事項のポイントは?
8.4 食品安全マネジメントシステムの検証
FSMSの検証の関連図
外部監査「取引先・審査機関」
8.4.1
内部監査
8.4.2
個々の検証結果の評価
8.4.3 検証活動の結果の分析
・FSMS成果の適合性の分析
・FSMSの更新、改善の必要性の分析
・不安全の疑いのある製品のFSMS上の重大性分析
・FSMSの状態と重要性の分析
・修正、是正処置の有効性の分析
5.8.2
マネジメントレビューへのインプット
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8.5.2
FSMSの更新
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ISO22000要求事項のポイントは?
8.5 改善 8.5.1継続的改善
8.5.2食品安全マネジメントシステムの更新
継続的改善:要求事項を満たす能力を高めるため繰り返し行われる活動
更新:最新情報の適用を可能にするための、即時の及び/又は計画された活動
(規格に要求に従い最新情報を入手しそれに応じたシステム改善をする)
1.トップマネジメントは、FSMSの有効性を継続的に改善することを確実にする
2.トップマネジメントは、FSMSが継続的に更新することを確実にする
3.食品安全チームは、定めた間隔で、FSMSの評価をし、見直しの必要性を検討する
① ハザード分析
② OPRP
③ HACCPプラン
4.評価及び活動のインプットは次の事項に基づき行う
① 内部コミュニケーション ② システムの適切性、妥当性及び有効性に関する情報
③ 検証活動の分析からのアウトプット ④ マネジメントレビューからのアウトプット
5.システム更新の活動の記録
6.更新活動の結果は、マネジメントレビューのインプットとして報告すること
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用語の解説 (食品安全)

3.1 食品安全
食品が、意図した用途に従って調整及び/又は食されるときに、
消費 者に害をもたらさないという概念

3.2 フードチェーン
一次生産から消費までの、食品及びその原材料の生産・加工・配送
及び取扱いの関わる全ての段階並びに作業の順序

3.4 食品安全方針
TOPから正式に表明される、食品安全に関連する全体的な意図・方向

3.5 最終製品
組織によって、それ以上に加工又は変更がなされない製品

3.17 更新
最新情報の適用を確実にするための、即時及び/又は計画された活動
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用語の解説(前提条件プログラム)

3.8 PRP(前提条件プログラム)
人間による消費にとって安全な最終製品及び安全な食品の生産、
取扱い及び提供に適切なフードチェーン全体の衛生環境を維持するため
に必要な基本条件及び活動。GMPやGHPなどがこれにあたる

3.9 OPRP(オペレーション前提条件プログラム)
食品安全ハザードの製品もしくは加工環境への混入及び/又は
製品もしくは加工環境における食品安全ハザードの汚染もしくは
増加の可能性を管理するための物としてハザード分析により明確
になったPRP
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用語の解説(HACCPシステム)

3.3 食品安全ハザード
健康への悪影響をもたらす可能性を持つ、食品における
生物的、化学的、物理的因子又はその状態
「アレルゲンも含まれる」

3.6 フローダイアグラム
段階の順序及び相互関係の図式的ならびに体系的表現

3.7 管理手段
食品安全ハザードを予防する又は除去するか、又はそれを
許容水準まで低減するために使用できる処置又は活動
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52
用語の解説(HACCPシステム)

3.10 CCP(重要管理点)
制御が適用できて、又食品安全ハザードを予防又は除去
するか、もしくはそれを許容水準まで低減するための不可欠
な工程

3.11 許容限界(CLの設定)
許容可能と不可能とを分ける評価基準

3.12 モニタリング
管理手段が予定通りに動作しているかどうかを評価するため
に、計画された一連の観察又は測定を実施すること
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53
用語の解説(HACCPシステム)

3.13 修正
検出された不適合を除去する処置

3.14 是正処置
検出した不適合又はその他の望ましくない状況の
原因を除去するための処置

3.15 妥当性確認
HACCP計画及びPRPsによって運営される管理手段
が効果的であるという証拠を得る

3.16 検証
客観的証拠を示すことにより、規定要求事項が満たさ
れていることを確認
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食品安全マネジメントシステム認証機関の認定範囲分類
(審査員の技術経験分野記号表とは一致しない)
JAB「FSMS認定・認証スキーム説明会資料」
カテゴリ
コード
カテゴリ
分野の例
畜産・
水産物(動物)
動物;魚;卵生産;魚業;
乳生産;養蜂;狩猟;捕獲
農業(植物)
果実;野菜;穀物;香辛料;
園芸作物
C
加工1
(腐敗し易い動物性製品)
D
A
ISO/TS22003(2007-2-23)概要より
カテゴリ
コード
分野の例
流通
直売店;小売店;卸売り店
I
サービス
給水;洗浄;排水;廃棄物
処理;プロセス及び装置
の開発;獣医サービス
獣肉;家禽肉;卵;
酪農及び魚製品
J
輸送及び保管
輸送及び保管
加工2
(腐敗し易い植物製品)
生果及び生ジュース:生野菜
保存加工された果実・野菜
K
装置の製造
E
加工3
(常温での長期保存品)
缶詰;ビスケット;スナック;油;塩
砂糖;飲料水;飲料;穀物;
パスタ
L
(生)化学薬品製造
添加物;ビタミン;農薬;薬
品;肥料;洗浄剤;培養物
F
飼料生産
動物飼料;水産飼料
M
包装材料製造
包装材料
B
G
ケータリング
H
カテゴリ
工程用装置;自動販売機
ホテル;レストラン
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