ハザードコミュニケーション

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ハザードコミュニケーション
Hazard Communication
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ハザードコミュニケーションとは
化学物質への暴露は、心臓病、腎臓や肺の損
傷、不妊症、癌、薬傷、発疹のような多くの重大
な健康への影響を引き起こす。作業環境におい
て化学物質の危険にさらされる作業員に、暴露
の有害な影響から自分自身を守る方法としての
情報と指示を与えることは重要である。米国で
はこれをハザードコミュニケーション
(HAZCOM)という。
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ハザードコミュニケーションとは
日本においてもようやく労働安全衛生法や
PRTR法などにより供給者の通知義務が定めら
れたが、米国では化学物質の危険性を作業者
に通知する義務がOSHA基準
29CFR1910.1200で“Right to Know”、 ハ
ザードコミュニケーションHAZCOMとして定めら
れている。
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目的
この基準の目標は、事業者と従業員が化学物
質の危険と自分自身の保護方法を知ることを
確実にすることである。
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適用範囲
次の危険化学物質はHAZCOMでは免除される。
 CERCLA(Comprehensive
Environmental Response
Compensation and Liability Act)の下に
移された危険物質
 タバコまたはタバコ製品
 加工されない木材または木製品
 製造の間特定の形に形成された製品
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適用範囲
 小売店で売られる、使用される、準備される、または
個人消費のための食物やアルコール飲料
 処方が必要な、処方のいらない薬品
 化粧品
 事業者が消費者が経験するよりも、作業場で使用さ
れる消費物資の暴露の方法、持続期間、頻度が小さ
いことを示すことができる
 放射性物質
 生物学的危険
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HAZCOMの方針
HAZCOMは、化学物質製造業者、販売者、輸入業
者に、製造、販売、輸入する危険化学物質を評価し、
使用者に通知することを要求するとともに使用する事
業者に対しても要求を課している。
 責任
事業者の責任は次のとおりである。




容器へのラベリングを確実化
MSDSの調達、維持、使用
情報提供と訓練
HAZCOMプラン文書の作成
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HAZCOMの構成要素
HAZCOMには次の主な要求がある。
 化学物質インベントリー
 ラベリング
 製品安全データシート
 非定常作業
 トレーニング
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化学物質インベントリー
インベントリー(目録)はHAZCOMでカバーされ
る全ての化学物質の記録を残すために使われ
る。MSDSで参照される危険化学物質の存在
を知らせるリストである。インベントリーには通
称、商標、危険化学物質の製造業者、保管また
は使用場所、量を含むとよい。
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容器およびラベル
作業場で使われる化学物質の容器は次に大別される。
 初期容器は、製造業者または販売者から購入する、
事前にラベルがつけられた容器である。
 二次容器は事業者が危険化学物質を製造者の初
期容器から、保管や少量の使用のためにもうひと
つの容器に移すときに使われる。
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容器およびラベル
 据付容器は大きな常置の容器である、保管タ
ンクがよい例である。
 ポータブル容器は即時の使用のために少量
の化学物質がもう別の容器に移されるときに
使われる。多くの場合、二次容器はポータブ
ル容器の一種である。
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容器およびラベル
 初期容器ラベリング
初期容器には製造、輸入または販売業者が次の
項目を表示しなければならない。たとえば“危険”
というラベルでは十分ではない。“危険、目に刺
激”のように表示することが必要となる。
 製品名
 製造業者名および住所
 健康影響と関連臓器
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容器およびラベル
 二次容器ラベリング
事業者は最低限次の情報と共に、全ての危険化学物質の
二次容器にラベル、タグなどにより表示することを確実にす
る責任がある。
 危険化学物質であること
 適切な危険警告、文字、絵、最低でもその危険化学物質に
関する一般的な情報を与える表示は他の情報(例えばと
MSDS)と共に、使用者に危険化学物質の物理的および健
康障害に関する明確な情報を提供する。
注:JIS、NFPA、HMISまたは事業所独自のラベリングシ
ステムが使われる場合、従業員に対してラベルの読み方と
解釈の方法の訓練を提供しなければならない。
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容器およびラベル
 ポータブル容器ラベリング
OSHAでは、ポータブル容器にはラベルを貼
ることが要求される。 例外としてはポータブ
ル容器に充填した従業員のみがそれを使用
する場合である。
 据付容器ラベリング
事業者は二次容器に必要とされるのと同じ情
報を含むラベルを据付容器にも貼付しなけれ
ばならない。
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MSDS
 製造業者と輸入業者の責任
 MSDSを準備し、情報が正確であることを確実に
する。
 新しい情報が発生した際にMSDSを更新する。
 最初の化学物質の納入時に、または事業者の要
求に応じてMSDSを提供する。
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MSDS
 販売業者の責任
MSDSが最初の製品に、または要求されたと
きに事業者または他の販売業者に提供するこ
とを確実にする。
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MSDS
 事業者の責任
 MSDSの最新情報を従業員に提供する。
 化学物質の初回納入時に製品と共にMSDSを入
手する。
 各作業シフトの間、全てのMSDSが簡単に利用で
きることを確実にする。
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MSDS
MSDSに含まれるべき内容
 製品情報
 名前
 日付
 電話番号
 成分情報
 爆発限界
 CAS#
 濃度
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MSDS
 物性および化学特性
 MSDSには外観、比重、蒸気圧、蒸気比重を含む
物理的、化学的特徴のセクションも含む。
 引火点
 液体がその表面付近の空気中に可燃性混合物を
形成できる最低温度。引火点が低いほど、引火し
やすく燃えやすい物質である。
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MSDS
 消火方法
 消火剤
 例:霧状の水、乾燥砂または二酸化炭素を使う。直接水を
使ってはいけない。化学物質が浮遊し水面で再点火する可
能性がある。
 反応性
 安定性
 避けるべき状況と物質
例:酸化剤、熱、火花、電気設備、炎から離す。
 危険な重合
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MSDS
 健康障害の情報
 化学物質暴露の症状と暴露によって悪化させられ
る病状
 体内への侵入経路
 The OSHA Permissible Exposure Limit
and the ACGIH Threshold Limit Value
 化学物質がNTP (National Toxicology
Program)と発癌性物質報告書に載っているか、
発癌性の可能性があるかどうか。
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MSDS
 その他の情報
 応急手当の手段
事例
 目に入ったら直ちに多量の水で最低15分洗い流し、医師
を呼ぶ。
 皮膚の接触の場合は、石鹸と水で徹底的に洗う。痛みが
続く場合、医師の手当てを受ける。
 高い蒸気暴露の後、新鮮な空気の場所に移す。呼吸が難
しい場合、酸素を与える。呼吸が停止した場合、人工呼吸
を行う。直ちに医師を呼ぶ。
 飲み込んだ場合、吐かせない。直ちに医師を呼ぶ。液体の
肺への吸入を避けるために頭を腰より下に保つ。意識の
ない人物に口から何も与えてはいけない。
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MSDS




安全な取り扱いと使用のための注意事項
管理手段
輸送情報
ラベル情報
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トレーニング
 対象者
事業所内に立入るフルタイム、パートタイム従
業員、臨時雇用者は訓練を受けなければなら
ない。さらに事業者は各従業員の作業場にあ
る危険化学物質に関する知識レベルを評価す
ることが必要である。また、請負者に対しても
従業員と同様のトレーニングが必要である。
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トレーニング
 トレーニングの頻度
就業前および新しい物的危険または健康障
害が伝えられたときにHAZCOM訓練を提供
することが要求される。また、要求はないが、
年次訓練が推奨される。
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トレーニング
 HAZCOM訓練の間に提供すべき情報
 法令の要求事項(29 CFR 1910.1200)
 危険化学物質の存在する作業場での作業内容
 危険化学物質の存在や放出を検出する方法と報
告
 作業場で使用される化学物質の物的危険と健康
障害
 従業員が化学的危険に対して自分自身を保護す
るためにとる方法
 HAZCOM計画の場所、利用方法、詳細
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非定常作業
HAZCOMプログラムは、事業者が従業員に
日常的でない非定常作業の危険を知らせる方
法も含まなければならない。この情報は次を
含む
 特定の化学物質の危険
 事業者が講じる予防/安全対策
 危険を低減するために講じる手段