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個人用保護具
Personal Protective Equipment
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個人用保護具
保護具は、米国ではPersonal Protective
Equipment(個人用保護具) あるいはPPEと
呼ぶ。PPEは、安全衛生管理上の最善の、そ
して最優先される対策ではないことは日米に
は相違はない。
日米の相違としては、選定のプロセスと管理
の明確化である。米国においてはPPEもリスク
アセスメントに基づき選定される。
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OSHA
米国では、OSHAは1994年、個人保護具基
準を制定した。この基準は、雇用者は従業員
のために効果的なPPEプログラムを制定し、
管理しなければならず、従業員は適切なPPE
使用の訓練を受けなければならないことを要
求している。
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目的
騒音の低減対策、化学物質暴露対策における局所
排気装置の設置などの技術的対策つまりエンジニア
リング・コントロールは作業場での危険の除去または
最小化のために使用されるべき主要な方法である。
このような制御装置が働かないかまたは適切でない
場合の手段としてPPEが、作業者個人の危険への暴
露の減少、除去のために用いられるべきである。PPE
は、着用が必要であり、着用することによって業務上
の災害や疾病の可能性が減少すると決定されたとき
に、提供され、使用され、維持される。
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責任
PPEの管理については次のような責任と権限
の明確化が必要である。
 管理者
 特定の職務のための特定のPPEを見極めるため
に、危険評価を行う。
 従業員に特定のPPEの選択、使用、点検、保管、
清掃、限界の訓練をする。
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責任
 監督者(職長)
 PPE着用の監視
 必要なときにPPEの代替品を供給する。
 PPEの使用が必要とされる新しい危険を確認する。
 従業員
 与えられたPPEの適切な使用と管理
 PPEに損傷があるまたは効果のない場合は、直ち
に監督者に知らせる。
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リスクアセスメントとPPE選択
リスクアセスメント手順を使い、PPEの使用が必
要とされる危険が存在するか、または存在する
可能性があるかを決めるための作業場の評価
を行う。
その結果、許容できないリスクが存在する、ま
たは存在の可能性がある場合、次のアクション
をとる。
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リスクアセスメントとPPE選択
1.作業場にある様々な危険源を評価する
物理的危険源には次を含む:






動作
低、高温
放熱(溶接、高温物の扱いなど)
強烈な光
落下物
鋭利な物体
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リスクアセスメントとPPE選択








回転または巻き込み
電気的危険
フロアの状態
健康障害源には次を含む:
危険化学物質
有害ダスト
放射線
過度の騒音
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リスクアセスメントとPPE選択
2.PPEを着用すべき“影響を受ける従業員”を選
定する。
3.影響を受ける従業員にPPE指定の決定を伝
える。
4.影響を受ける従業員に適したPPEを選ぶ。
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トレーニング
PPEの使用が必要とされる全ての従業員に対し、少
なくても次のことを知らせるための訓練を行う。





PPEの必要な状況
どのPPEが必要か
適切な装着、脱着、調節の方法
PPEの限界
PPEの適切なケア、メンテナンス、寿命、処分
影響を受ける従業員は、PPEの必要な作業を行うこと
が許可される前に、訓練で理解したこととPPE使用の
能力の確認が必要である。
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PPEの選定
PPE選定の一般的な手順は:
① 潜在的な危険と利用可能なPPEの種類とその能力を知る、
例;スプラッシュ(液はね)からの保護、衝撃からの保護な
ど。
② PPEに関連する因子、たとえば衝撃速度、大きさ、化学的
耐久性、放熱の強さ、と利用できる保護具の性能を比べる。
③ サイズ、耐久性、メンテナンスの難易度、コストも勘案し、
危険からの保護レベルが確実なPPEを選定する。
④ 使用者にPPEを合わせ、PPEの管理と使用の指示をする。
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PPEのフィッティング
選定したPPEについて快適さと適合のために
慎重なフィッティングの考慮が必要である。十
分にフィットしないPPEは必要な保護を期待で
きない。快適なフィットが継続した着用のため
に要求される。通常、PPEは様々なサイズが
手に入る。正しいサイズが選ばれることを確実
にするための配慮が必要である。特にマスク
の場合はフィットテストと呼ばれる事前の定性
的または定量的テストが不可欠である。
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各身体部位のリスクコントロールとPPE
PPEのマネジメントに続き、個々のPPEについ
て解説する。身体の各部位に対しては、それ
ぞれに異なる危険源が存在し、そのリスクも異
なる。それぞれのリスクとリスクコントロールの
方策を特にPPEを中心に解説するが、PPEが
最優先のリスクコントロール策でないことは繰
り返し述べているとおりである。
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目の保護 -リスク-
米国では労働災害により毎年数千人が視力
を失うと言われている。従業員が目または顔
のPPEを使用してさえいれば防ぐことができた
災害である。特に重要な点は目の傷害が多く
の場合“永久的”であることである。
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目の保護 -リスク-
目は言うまでもなく非常にデリケートである。目
は次により構成される。




光の焦点を合わせる水晶体
目に入る光の量をコントロールする虹彩
見たイメージを受け取る受容体
目の受容体から脳に情報を送る視覚神経
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目の保護 -リスク-
目に傷害を受ける可能性のある主な事故の
種類は:
 微粒子の目への混入
例として、ダスト、粉体、ヒューム、ミストのよう
な微粒子が目に入り傷つける。グラインディン
グ、サンディング、ハンマリング、ポリッシング、
散布のような作業は、微粒子を作り出す。微
粒子は目を傷つける可能性を有す。
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目の保護 -リスク-
 化学物質または他の危険物質との接触
ガス、蒸気、液体の状態の有害化学物質は、
目にダメージを与える。化学物質を使用する
前には、適切なMSDSを確認することが必要
である。
 飛来物体との衝突
グラインディング、サンディング、ポリッシング、
ハンマリングのような作業は、しばしば目にダ
メージを与える飛来物体や小片を作り出す。
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目の保護 -リスク-
 チェーンやロープのようなゆれる物体による殴
打
次のような大きな物体による殴打
 揺れるチェーン、ケーブル、ロープ
 投げられたまたは落下する工具
 ナイフ、はさみ、鉛筆などのような鋭利な物
 障害物の中への進入かたは落下
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目の保護 -リスク-
 溶融金属
溶融金属に関連する作業は、目にはねる、か
かる、落ちた場合に重いやけどと組織の損傷
を引き起こす。
 電気的危険
電気の周囲で作業する場合は、アークと火花
が生じる可能性がある。
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目の保護 -リスク-
 溶接作業放射エネルギー源の凝視
溶接、金属切断、溶鉱炉の周りでの作業は、目を
熱、光、紫外線、赤外線放射にさらす。
 レーザー光の照射
レーザービームは新しい危険を引き起こす。様々
なタイプのレーザーが存在する。
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目の保護
-リスクコントロール-
 マシーンガード
旋盤、粉砕機、研磨機のような多くのタイプの
機械がガード、シールド、スクリーンを装備し
ている。これらの機械を使用する前に、ガード、
シールド、スクリーンが正しい場所にあり、正
常に働くことを確認する。目のPPEを着用する
ことも忘れてはならない。
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目の保護
-リスクコントロール-
 作業場バリア(防壁)
研磨、溶接、旋盤のような作業は、ダスト、蒸
気、飛散小片を発生する。他の作業者を保護
するために、可動式スクリーンやバリアのよう
な作業エリアバリアが作業者と作業場内の人
員を危険な作業から隔離するために設置され
る。
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目の保護
-リスクコントロール-
 排気
蒸気、ガス、ミスト、ダスト、粉じんなどの空気
伝達微粒子粒子を使用または発生する作業
は、従業員の呼吸ゾーンと作業から汚染物質
を取り除くために排気されるべきである。加湿
システムと併せて行う排気は、目の危険となる
かなりの量の微粒子を低減することができる。
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目の保護
-リスクコントロール-
 照明
適切な照明は作業エリアにおいて重要である。
適切な照明は目の負担とまぶしさを低減させ
る。また安全と生産性の向上を促進する。
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目の保護
-リスクコントロール-
 サインと警告
作業場において
 障害物と突起物は、その周辺での作業時の注意喚起の
ために明示が必要である。
 装置や危険物質に示される全ての警告と注意事項を確
認し従う。
 工具類を投げたり、作業場で悪ふざけに参加しない。
 鋭利な、またはとがった物体を目から離す。
 監督者または安全管理者の安全作業に関する手順、指
示、忠告に従う。
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目の保護
-リスクコントロール-
 洗眼施設
(米国においては、洗眼施設は作業エリアから100フィー
ト以内に設置されることが要求される。)
目に何かが入った場合、直ちに洗眼場所へ行き、15分
間水で洗い流す。必ず指で目を開け、水流をまっすぐに
見る。決して目をこすらない。目をこすることは目の中に
傷をつけ、小片を埋め込む可能性がある。水で目を洗い
流したら、直ちに医療機関による手当てを受ける。
警告:いくつかの化学物質は水と反応し、水と混ざるとよ
り有害になる。このような化学物質に対しては事前に
MSDSを確認し、対処方法を決定しておくことが必要であ
る。
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目の保護
-リスクコントロール-
 安全メガネ
 安全メガネはおそらく最も広く使用されるタイプの
PPEであろう。通常のメガネに似ているが、より強く、
衝撃や熱に耐える。さらに、最も安全なメガネには、
側面からの危険から保護するサイドシールドが付加
される。処方を必要とするものも、しないものも利用で
きる。さらに、特別な作業状況のために多様なレンズ
コーティングも利用できる。安全メガネは国家認定を
受けたものでなければならない。
 (OSHA規定:ANSI Z-87.1-1989承認)
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目の保護
-リスクコントロール-
 ゴーグル
ゴーグルは、顔によりフィットするため安全メガネよりも保
護することができる。ゴーグルは目の周りを囲むため、液
体のスプラッシュ(飛びはね)、ヒューム、蒸気、粉じんの
飛散により保護ができる。様々な種類のゴーグルが利用
でき、化学物質スプラッシュゴーグルのような特定の目的
のために着用されることを示さなけれ
ばならない。
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目の保護
-リスクコントロール-
 フェイスシールド
フェイスシールドは顔全体を保護し、し
ばしば溶解金属、化学物質のはね、飛
散小片にさらされる作業に対して使用さ
れる。
注意:付加的な保護としてフェイスシー
ルドを使用する際に、常に安全メガネま
たはゴーグルを着用しなければならない。
フェイスシールドのみでは十分な目の保
護とはされない。
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目の保護
-リスクコントロール-
 吸収レンズ
溶接工でなくても、安全メガネとゴーグルに
様々な吸収レンズが利用できる。これらの吸
収レンズは、明るい光のある場所やまぶしい
場所で働かなければならない場合に付加的な
保護を提供する。
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目の保護
-リスクコントロール-
 コンタクトレンズ
コンタクトレンズをつけている場合、次の安全
情報を覚えておく
 フルフェイスマスクを使用する間はコンタクトレン
ズを使用してもよい。
 ヒューム、ダスト、粉じん、蒸気、化学物質の液は
ね、溶解金属、強烈な熱、光にさらされる場所で
作業する場合、注意してコンタクトレンズをつける。
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目の保護
-リスクコントロール-
 コンタクトの下に何かが入った場合、取り除き、消
毒する。
 コンタクトレンズを扱う前に手がきれいであること
を確かめる。
 眼科医の指示に従い、手入れをする。
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目の保護
-PPEの保守管理 -
 目のPPEの汚れを取り除くとき、通常刺激の
弱い石鹸と水を使う。また目のPPEのために
作られた特別なワイプも使うことができる。装
備に傷をつけ、ダメージを与えるため、研磨剤、
粗い紙、タオルを使ってはならない。
 常にPPEを良好な状態に保ち、もし、ダメージ
があれば、直ちに補修または交換する。
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目の保護
-PPEの保守管理 -
 PPEは清潔な冷暗所で乾燥した場所に保管す
る。
 使用前にPPE製造者の指示および注意事項
を確認する。
 何らかの質問や懸念事項がある場合には監
督者や安全管理者に確認する。
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頭部の保護 -リスク-
頭部には目、鼻、口、耳そして脳があり、頭部
への傷害は非常に重大であり、そのため頭部
の保護と安全は非常に重要である。
頭部から守ることが必要な危険要因は次のと
おりである。
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頭部の保護 -リスク-
 電気ショックややけどをひきおこす電気的な事
故
 酸、腐食性化学物質、溶融金属のような有毒
な液体は目や皮膚の薬傷や熱傷
 落下または飛来物体による打撲、頚椎捻挫、
脳震とう、頭蓋骨骨折
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頭部の保護 -リスクコントロール-
 エンジニアリング・コントロール
 落下防止対策として、作業ステージの整備および安全柵の
設置、はしごの適正化など作業場を整備する。
 機械からの飛来防止として、安全ガードを設置する。
 高所からの飛来防止として、作業ステージにはトープレート
を設置する。
 プレス、インジェクション(射出成型機)その他の自動機械に
対して光線式安全装置などの侵入検知装置によるインター
ロック機構を設置する。
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頭部の保護 -リスクコントロール-
 ヘルメット
ヘルメットは次を供給することで頭部を保護す
る。
 頭部への衝撃に耐え、そらす堅い外装
 衝撃吸収装置として働くヘルメット内部のサスペン
ションシステム
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頭部の保護 -リスクコントロール-
 電気ショックに対する絶縁
 はね、漏れ、滴りに対する頭皮、顔、首、肩の保護
 フェイスシールド、ゴーグル、フード、イヤーマフの
付加
 これらの機能はヘルメットの種類により異なるため、
危険要因に適合するヘルメットの選定が必要であ
る。
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頭部の保護 -リスクコントロール-
ヘルメットは次に留意し着用する。
 潜在的な頭部の危険がある場所で作業する
間、常にヘルメットを着用する。
 快適に、安全になるようにヘルメット内部のサ
スペンションを調節する。
 毎日、ヘルメットのクラック、穴、くぼみを点検
する。
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頭部の保護 -リスクコントロール-
 ストラップの擦り切れや切断を確認するために、毎日
サスペンションシステムを点検する。ヘルメットの修理
が必要な場合、直ちに修理させる、または事業者に
新しいものを頼む。
 決してヘルメットにペイントしたり、傷つけたり、“空気
穴”を設けるなどの加工をしてはならない。
 夜間作業に際しては、反射テープをつける。(電気を
伝えるので金属テープは使わない。)
 ヘルメットの中にたばこ、ライター、ペンのような所持
品を保有しない。
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頭部の保護 -PPEの保守管理 -
ヘルメットは重要なPPEであり、次の保守が必
要である。
 ヘルメットの内部および外部につく油、グリー
ス、化学物質、汗を取り除くために、最低月1
回(必要に応じて)手入れする。
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頭部の保護 -PPEの保守管理 -
 刺激の弱い石鹸と湯の溶液に5-10分浸すこ
とで、ヘルメットをきれいにできる。きれいな水
で洗い流し、ふき取り、空気乾燥させる。また
は製造者の推薦に従う。
 日光と熱はヘルメットのサスペンションにダ
メージを与えるので、常に清潔で、乾燥してい
て、涼しい場所に保管する。
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聴力保護 -リスク-
騒音は多くの作業場の共通の問題である。聴
力喪失は段階的であり、他の傷害に比べて発
見が遅れるのが特徴である。しかしながら、そ
れは永久的な障害となる。
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聴力保護 -リスク-
 聴力の構造
聴力は次により構成される。
 内耳
中耳が振動を拡大し、それを内耳に送る。振動
は内耳にある細胞を刺激し、電気的インパルスを
作る。
 聴覚神経
このインパルスは聴覚神経を通って脳に伝わり、
音の感覚をもたらす。
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聴力保護 -リスク-
 中耳
音の波動が鼓膜にあたると、振動し、中耳に音
を送る。
 鼓膜
音の波動が鼓膜にあたると、振動し、中耳に音
を送る。
 外耳
外耳で音が集められ、鼓膜に送られる。
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聴力保護 -リスク-
 二つのタイプの聴力損失
デリケートな構造の耳へのダメージは聴力を失うこと
となる。二種類の聴力喪失がある:
 伝導性の聴力喪失は外耳または中耳へのダメージ、また
は機能不全で起きる。聴力を低下させるが、話を理解する
ことはできる。
 感覚上の聴力喪失は、内耳、聴覚神経、脳へのダメージま
たは機能不全で起こる。感覚上の聴力喪失は、医学的にま
たは手術によって治すことができない。永久的である。作業
場での聴力喪失の大部分が感覚上の聴力喪失である。
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聴力保護 -リスクコントロール -
 エンジニアリング・コントロール
 設備、システムを低騒音設計、施工する。
 騒音発生設備を囲い、または遮蔽する。
 消耗した、または不均衡な部分を交換し適切に整
備する。
 騒音発生源の装置を防振または免震装置上に設
置する。
 消音器、マフラー、バッファを取り付ける。
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聴力保護 -リスクコントロール -
 聴力PPE
様々な種類の聴力保護具が利用できる。ポピュラー
なタイプは
 ウレタンフォーム製イヤープラグ(耳栓)
 PVC製イヤープラグ(耳栓)
 イヤーマフ
聴力保護は最大29デシベルまでの騒音を削減できる。
聴力PPEは8時間等価で85デシベル以上の騒音にさ
らされるときは、着用するべきである。
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聴力保護 -リスクコントロール -
 イヤープラグ(耳栓)
長所
 小さく、軽く、使い捨てが可能である
 暑い環境で快適
 簡単に他の装備とともに使用できる
短所
 時々ゆるみ、再装着が必要
 特定のフィッティング教育が必要であり、全従業員にフィット
しない可能性がある
 しばしば不潔となる
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聴力保護 -リスクコントロール -
 フォームイヤープラグの装着方法
 装着する耳の反対側の手を後頭部に伸ばし、やさ
しく耳を後ろ、上に引く。
 きれいな手で、栓を小さな直径に丸める。
 耳道に挿入する。
 広がり、密閉されるまで数秒間待つ。
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聴力保護 -リスクコントロール -
 イヤーマフ
イヤーマフはもう1つのタイプの聴力保護装置である。
長所
 着用の管理をしやすい
 1つのサイズで全員に適応する
 長時間でもよくフィットする
短所
 頭にきつくフィットする(きつ過ぎる)
 高温環境では不快
 他のPPEとともに使用するときに問題が生じる
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聴力保護 -リスクコントロール -
 装着方法
イヤーマフは耳の外に取り付ける。イヤーマフの効力
は耳の周囲を覆うことに限られているため、イヤープ
ラグと同じ効力はない。この理由で、いくつかの作業
環境では、イヤープラグとイヤーマフの組合せが利用
される。
 イヤーマフを装着する際は、キャップ部が耳の周りにフィッ
トしていることを確かめる。
 耳の周りを密閉すること妨げるメガネ、イヤリング、髭があ
る場合は、耳栓を使用することを検討する。
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聴力保護 -PPEの保守管理 -
 フォームイヤープラグ
 使用しないときは、清潔で、涼しく、乾燥した場所
に保管する。可能なら、使い捨てが好ましい。
 汚れ、傷つき、堅くなった場合は処分し、監督者ま
たは安全管理者に交換を要請する。
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聴力保護 -PPEの保守管理 -
 PVC イヤープラグ
 使用しないときは、清潔で、涼しく、乾燥した場所
に保管する。
 汚れた場合、刺激の弱い石鹸と水の溶液で洗い、
やわらかいタオルでふく。
 傷つき、または硬くもろくなった場合、廃棄し、監督
者または安全管理者に交換を要請する。
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聴力保護 -PPEの保守管理 -
 イヤーマフ
 使用しないときは、清潔で、涼しく、乾燥した場所
に保管する。
 キャップ部の周囲(クッション部)に傷がないか常
に点検する。損傷のある場合、直ちに修理させる、
または監督者に交換を要請する。
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手の保護 -リスク-
 外傷
様々な状況で外傷を受ける可能性がある。
 鋭利な端のある道具と機械は手を切る。
 針、ねじ回し、釘、のみ、硬いワイヤーは手に穴を
あける。
 機械に手を巻き込まれると、捻挫、つぶれ、または
指と手が座滅する。
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手の保護 -リスク-
 接触傷害
腐食性や有害化学物質、生物学的物質、電
気源、極温冷物への接触は、炎症または薬傷、
熱傷が起きる。
警告:有害物質には皮膚から吸収され体内に
入るものもある。
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手の保護 -リスク-
 反復運動傷害
長期間、同じ手の動きを繰り返す時は、反復
性運動の問題の危険にある。反復性運動の
問題はしばしばしびれまたは痛みを伴ったう
ずく感覚と握力の低下として現れる。
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手の保護 -リスクコントロール -
 エンジニアリングコントロール
機械ガードと安全装置は、手と指を保護する
ために設置される。
警告:機械ガードや安全装置を決して取り除
かない。機械の中に手を入れる前に、組織の
ロックアウト-タグアウト手順をチェックする。
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手の保護 -リスクコントロール -
 ハウスキーピングと衛生管理
整備されていない機械と道具、よごれた作業
エリア、散らかった通路は全て手のけがの原
因となる。
良い衛生法は手を洗うことを含む。手を洗うこ
とは手から細菌や汚れを取り除く。清潔な手
は感染症や皮膚炎のような皮膚の問題に感
染しにくい。
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手の保護 -リスクコントロール -
 安全手袋
手を保護するために作られた様々な種類の安
全手袋がある。作業で使用するべき安全手袋
について、監督者または安全管理者と協議す
る必要がある。
選定
 金属メッシュ手袋、ケブラーなどの強化樹脂性手
袋は鋭利な端に耐え、切傷を防ぐ。
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手の保護 -リスクコントロール -
 革の手袋はざらざらした表面から保護する。
 ビニールやネオプレンの手袋は腐食性化学物質
から保護する。
 絶縁のゴム手袋は、電気周りの作業時に保護す
る。
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手の保護 -リスクコントロール -
 パッドの入った布の手袋は、鋭利な端、細長い小
片、よごれ、振動から保護する。
 耐熱手袋は熱や炎から保護する。
 ラテックス使い捨て手袋は、細菌やバクテリアから
保護する。
 鉛手袋は放射源から保護する。
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手の保護 -PPEの着用・保守管理 -
 行う作業に適した種類の手袋を選び、使用する。
 フィットする手袋を選ぶ。
 いくつかの手袋は耐用化学物質が明記され、寿命が
ある。期間が終わった後は処分する。
 手袋を切り、破る可能性のあるリング、時計、ブレス
レットは取り外す。
 手袋を着用する前後に手を洗う。
 使用前に手袋を点検する。漏れる穴や裂け目を探す。
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手の保護 -PPEの着用・保守管理 -
 使い古した、または破れた手袋を交換する。
 化学物質を使用した後、手袋を取る前に、化学物質
または汚れを洗い流すために、流水で洗い流す。
 必要に応じてコットン手袋を洗う、または処分する。
 手袋を借りることを避ける。手袋は個人保護具である。
 清潔で、涼しく、乾燥し、換気されたエリアに保管する。
 ドリル、旋盤のような電動で回転する設備の周りでゆ
るい手袋を着用しない。
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足の保護 -リスク-
 物理的傷害
作業場においては、重いものが足に落ちる、
鋭利物を踏み抜くなどの物理的危険がある。
 漏洩による熱、化学的傷害
腐食性化学物質や溶解金属のような液体は、
靴やブーツの中にもれることがある。これらの
危険物質は薬傷、熱傷を引き起こす。
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足の保護 -リスク-
 電気的傷害
電気の関わる事故は、ひどいショックややけどを引き
起こす。
 極度の高低温および湿度傷害
極度に寒い環境では凍傷に、一方、極端な熱さでは
火傷、火ぶくれを生じさせる。また、靴またはブーツ内
の極度の湿気は菌性の伝染病となる。
 転倒、落下傷害
油、水、石鹸、ワックス、その他の化学物質は、スリッ
プや落下を引き起こす。
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足の保護 -リスクコントロール-
 ハウスキーピング(5S)
未整備の機械、道具、濡れて汚れた作業エリ
ア、散らかった通路は全て足の傷害の原因と
なる。
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足の保護 -リスクコントロール-
 安全靴およびブーツ
足を保護するために作られた様々なタイプの
靴がある:
 つま先を鉄などでガードした靴は、落下物や圧迫
からつま先を保護する。
 長靴タイプは足首からつま先に足全体に特別な
ガードがあり、足全体を保護する。
 強化ソール靴には、強化材により踏み抜きから保
護する。
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足の保護 -リスクコントロール-
 ラテックス/ゴムの靴は、化学物質に耐久性があり、またス
リップを防止する。
 PVC 靴、ブーツは、ほとんどのケトン、アルデヒド、アル
コール、酸、塩、アルカリから保護できる。
 ビニール靴は、溶剤、酸、アルカリ、塩、水、グリース、血液
を防ぐ。
 二トリル靴は動物性脂肪、オイル、化学物質を防ぐ。
 静電気を取り除く靴は、静電気の帯電を防止する。
 電気安全靴は、電気からのショックとやけどを防ぐために硬
質ゴムで絶縁する。
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足の保護 -リスクコントロール-
 安全靴、ブーツの選定
 作業に適した種類の安全靴を選び、使用する。安
全靴は国家認定で定められた基準を満たす、また
はそれ以上のものを選択する。
 酸または腐食性化学物質の周辺で作業する場合、
革や布で作られた靴を避ける。これらの化学物質
は、革や布をすぐに腐食させ、薬傷を引き起こす。
 フィットする靴を選ぶ。
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足の保護 -PPEの保守管理 -
 靴が磨り減っていないか、破れていないかを
点検する。
 化学物質を使用する作業の後、靴を脱ぐ前に
化学物質や汚れを洗い流すために、水で靴を
洗う。
 靴を借りることを避ける。靴は個人保護具であ
る。
 清潔で、涼しく、換気され乾燥したエリアに保
管する。
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呼吸器の保護 -リスク-
作業場における健康被害で最も懸念されるのは化学
物質への暴露である。化学物質は次の経路で体内に
侵入する。




摂取
皮膚吸収
吸入
注入
このうち、最も多く、危険性の高いルートは空気伝達
による吸入であり、溶剤や様々なガスからのダスト、
ヒューム、オイルミスト、蒸気の吸入を含む。呼吸組
織の保護方法を知ることは大変重要である。
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呼吸器の保護 -リスク-
 肺のダメージ
危険物質の吸入は、肺のデリケートな組織に
ダメージを与える。ダメージを与えられた肺は
呼吸器官の病気になりやすい。これらの病気
は治らないことがあり、やがては死に至ること
もある。呼吸器保護は重要な問題である。
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呼吸器の保護 -リスク-
 呼吸器に関連する潜在危険源
 煙
煙は炭素を含む物質の不完全燃焼で生じる微粒子ででき
ている。煙は、製造過程の一部で高熱または燃焼を必要と
するプロセス中にしばしば生じる。
 ガス
ガスは室温で空気伝達となる物質である。ガスは臭いがあ
るものもあるが多くは無臭である。見えるガスもあるが見え
ないガスもある。ガスは空気より重いか軽いが、どちらの場
合も、広範囲に拡散する。
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呼吸器の保護 -リスク-
 ミスト
ミストは空気中に浮遊する液体物質の非常に小さい
雫である。これらはスプレーやコーティング作業で生
じる。
 霧
霧は、小さな空気伝達粒子や小滴に凝縮された蒸
気である。危険な霧の例は殺虫剤である。
 蒸気
蒸気は固体または液体の物質が蒸発して発生する。
有機溶剤は室温で容易に蒸発する物質の例である。
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呼吸器の保護 -リスク-
 粉じん(ダスト)
粉じんは固体物質の微細な粒子である。粉
じんは研磨やグラインド作業で発生する。
 ヒューム
ヒューム(煙霧)は、金属、プラスチック、ポリ
マーが溶接、切断、はんだづけ作業の間に高
温となるときに生じる。
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呼吸器の保護 -リスクコントロール -
 エンジニアリング・コントロール
エンジニアリング・コントロールは次の優先順位にて
検討するべきである。
 有害な化学物質を使用しない、または健康影響の低い物
質に代替する。薬品洗浄を純水洗浄に転換する、塗料を油
性から水性に代替するなどの例がある。
 発生源を密閉化する。
 発生源の可能な限り近くで捕捉するよう、局所排気装置を
設置する。局所排気装置は設計やメンテナンスの不良によ
り、排気風速が不足し、有効に機能していないケースが多く
注意が必要である。
 全体換気する。
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 呼吸器PPE
 呼吸器PPEの種類
呼吸器PPEはPPEの中でも生命に直結する重
要なPPEの一つである。マスクには主に2つの
種類がある。
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呼吸器の保護 -リスクコントロール -
 空気浄化呼吸器
カートリッジやキャニスターを用い、呼吸する空気を浄化するマス
クで次を含む。





使い捨て粉じんマスク
空気浄化半面マスク
空気浄化フルフェイスマスク
ガスマスク
送気空気浄化マスク
 空気供給マスク
圧縮空気タンクや外部の空気供給につながれたマスク。
 エアラインマスク
 ライフゼムSelf-contained breathing apparatus (SCBA)
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 呼吸器PPEの選定
適切なマスクを選ぶ最初のステップは、作業する環境に
よって問題となる危険のレベルを確認することである。次の
4つの基本事項を明確にしなければならない。
 どの種類の汚染物質が存在するか?
 汚染物質の形状は何か?
 汚染物質はどれくらいの毒性か?
 汚染物質の濃度は?
これらの決定においては作業環境測定など、測定データに
基づき専門家による評価が必要となる。また、この決定に
はPPEメーカーのデータが役に立つ。
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 呼吸器保護プログラム
米国では、呼吸器の保護については次のような管理プロ
グラムを作成し、運用することが必要である。(OSHA呼吸
器保護プログラム)
 マスクの使用と選択を決定するSOP(標準作業手順)
 暴露レベルを測定する作業環境調査
 健康診断と評価
 フィットテスト
 着用者の訓練
 定期的なメンテナンス、クリーニング、消毒
 適切な保管
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 フィットテスト
米国では、マスクが個々の着用者に適合する
ためにフィットテストを義務付けている。これは
如何に捕集効率の良いマスクを用いてもフェ
イスピース(面体)を顔の間から漏れては意味
がないからである。
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呼吸器の保護 -リスクコントロール -
 事業者は、従業員に対しマスクを支給する前に、
使用するものと同じ種類、モデル、様式、サイズの
マスクでフィットテストを行わなければならない。




最初のマスク使用前
最低でも年1回
異なるマスクフェイスピースが使用されるとき
マスクの装着に影響のある身体状況の変化を見つけ
たとき(顔の傷、歯の変化、美容手術、明らかな体重
の変化等)
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呼吸器の保護 -リスクコントロール -
 フィットテストには、OSHAの認めるQLFT(定性テ
スト)またはQNFT(定量テスト)がある。
 QLFTは、苦味や甘みの雰囲気中でマスクを着用し、
苦味や甘みの臭いまたは味を感じたらフィットしてい
ないと判定する。
 QNFTは、ダスト濃度計によりマスクの内外のダスト
を測定し、透過率によりフィット性を判定する。
 どちらの場合も静止状態のみでなく、歌を歌うなど頭
と顔の運動、ジャンプなど全身の運動時の漏れにつ
いてもテストする。
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 フィットテストの結果、そのマスクの着用が受け入
れられない場合、別のマスクフェイスピースを選び、
再テストする。
 フィットテストは記録を残す。
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 呼吸器PPEの監視
作業時には、呼吸器PPEが十分に機能していることをチェックしな
ければならない。次のときにマスクが機能していないことがわか
る:
 汚染物質の臭いまたは味がする
 呼吸が困難になる
 めまいまたは気分が悪くなる
 フィルターやカートリッジの製造者が推奨する有効期限が過ぎて
いる
 マスクに損傷がある
完全に機能しないマスクを使用し続けることは絶対に避けなけれ
ばならない。
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呼吸器の保護 -PPEの保守管理 -
 クリーニングと消毒
事業者は各マスク使用者に清潔、衛生的で、
完全に機能するマスクを提供しなければなら
ない。個々の従業員に支給したマスクの清掃
と保管は、その従業員の責任である。
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呼吸器の保護 -PPEの保守管理 -
 次により、マスクが清潔にされ消毒されることを確実
にする。
 標準作業手順SOPの作成
 クリーニングと消毒用の機材の常備
 マスクは次の場合に清潔にされ、消毒する。
 個人用マスクは、清潔な状態を保つためによく洗い、消毒
する。
 緊急時の使用のために維持されるマスクは、各使用後に
洗い、消毒する。
 フィットテストまたは訓練で使用されるマスクは、各使用後
に洗い、消毒する。
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 マスクの点検
マスクは次のとおり点検する。
 日常的に使用される全てのマスクは、各使用前と
清掃の間に点検されなければならない。
 緊急時の使用のために維持された全てのマスク
は、最低月1回と製造者の指示に従い点検されな
ければならない。また各使用前後に適切な機能の
ために点検されなければならない。
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呼吸器の保護 -PPEの保守管理 -
 マスクの点検は次の事項を含む。
 マスクの機能、接続の堅さ、フェイスピース、ヘッドス
トラップ、バルブ、接続チューブ、カートリッジ、キャニ
スター、フィルターを含む各部分の状態の点検
 空気ボンベ式呼吸装置は月1回点検し記録する。空
気ボンベは完全に満たされた状態で維持され、製造
者の推薦圧力レベルの90%に圧力が落ちた場合に
再補充が必要である。責任者は調節装置と警告装置
の機能を適切に測定する。
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 マスクの保管
マスクは次のとおりに保管する
 全てのマスクは損傷、汚染、ほこり、日光、極端な気温、過
度の温度・湿気、有害な化学物質を避けて保管する。
 フェイスピースと呼吸バルブの変形を防ぐよう保管する。
 緊急マスクは作業場で利用しやすい状態で保管する。また、
明確に表示する。
 その他、製造者の指示に従う。
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 マスクの修理
 点検等により欠陥が発見されたマスクは次の手順に従い、
処分、修理または調節する。
 マスクの修理または調節は、適切に訓練された人物によっ
てのみ行われ、マスク製造者の承認部品のみを使用する。
 修理は製造者の指示に従い、自社にて修理が可能な範囲
に限定する。特に調節装置、アラームは製造者または製造
者によって訓練された専門家によってのみ調節または修理
される。