子どもを受動喫煙から 守るためにすべきこと

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Transcript 子どもを受動喫煙から 守るためにすべきこと

子どもを受動喫煙から
守るためにすべきこと
十文字学園女子大学人間生活学部
教授 齋藤麗子
第22回日本禁煙医師連盟総会
子どもとタバコ シンポジウム
2010-14年までに達成
・健やか親子21
妊婦の喫煙をなくす
未成年の喫煙をなくす
育児中の両親の自宅での喫煙をなくす
・健康日本21
たばこの害の知識の普及
受動喫煙の防止
禁煙支援(やめたい人がやめる)
子どもの健康と環境に関する全国調査
エコチル調査
全国3万3千人の妊婦調査
・現在も喫煙する妊婦
5%
24歳以下は10%
・妊婦の夫の喫煙率
45%
24歳以下の妊婦の夫 63%
若い母親の家庭における
子どもの受動喫煙の危険が大
日本の児童公園
少年野球場
灰皿を設置している公園の有無(N=149)
無回答
5.4% 灰皿を設置している
公園・遊園がある
16.1%
灰皿を設置している
公園・遊園はない
78.5%
回答が得られた市区町村の
「児童公園・遊園数」の合計数
そのうち
「灰皿設置公園」の合計数
28579
375
(全児童公園・遊園の1.3%)
7
管轄内児童公園・遊園における「灰設置」「禁煙表示」の現状
禁煙表示をしている公園の有無(N=149)
無回答
6.7%
禁煙表示をしている
公園・遊園がある
10.7%
禁煙表示をしている
公園・遊園はない
82.6%
回答が得られた市区町村の
「児童公園・遊園数」の合計数
そのうち
「禁煙標示あり」の合計数
28579
993
(全児童公園・遊園の3.5%)
8
■「灰皿の撤去」・「禁煙の表示」意向(N=149)
進める予定
まあ進める予定
どちらともいえない
進める予定はあまりない
進める予定はない
設置がない
その他
無回答
0%
灰皿の撤去
禁煙の表示
20%
12.1 5.4
6.0 2.7
40%
23.5
40.3
60%
1.3 12.1
6.0
14.1 6.7
25.5
「灰皿の撤去」進める予定・計
17.5%
「禁煙の表示」進める予定・計
8.7%
80%
100%
24.8
19.5
9
問6.管轄の児童公園・遊園における「灰皿の撤去」意向
10
児童公園・遊園の灰皿撤去の意向
撤去を進める予定
どちらともいえない
撤去を進める予定はない
その他
0%
全体(N=137)
政令指定都市行政区分(N=89)
区
分
別
東京23区(N=22)
東京都下市町村(N=26)
人口20万人未満(N=80)
人
口
別
人口20万人以上(N=57)
まあ撤去を進める予定
撤去を進める予定はあまりない
灰皿の設置がない
無回答
20%
12.4 5.8
40%
20.4 1.512.4
7.9 2.2 21.3 1.1 14.6
27.3
22.7
15.4 3.8 15.4 - 15.4
11.33.8
14.0
60%
20.0
8.8
- 17.5
21.1
80%
14.6 7.3
14.6 3.4
22.7
25.5
18.2
34.8
4.5-
26.9
18.2
10.1
4.5
11.5 11.5
15.0 6.3
3.55.3 14.0
100%
8.8
進
め
る
予
定
・
計
50.0
19.2
26.3
15.1
24.6
22.8
政令指定都市担当者の自由意見
11
表1
・
本市においては「○市分煙化ガイドライン」に基づき、市立施設の分煙を推進するための基本方針を定めており
ます。この中では屋外施設については喫煙場所を限定した空間分煙としており、吸殻入れ等の管理が可能な
A市
有人施設については分煙化を図っております。ただし、街区公園等につきましては吸殻入れなどを 設置し喫
煙場所を限定し管理する事が困難であるため、利用者マナー遵守」という扱いにしております。
B市
公園内での分煙を行うため、灰皿の移動を行っている状況ですが、受動喫煙に関する意識はまだ市民に浸透
していないと感じております。分煙に反発する利用者も結構おります。
C市
屋外での受動喫煙について科学的根拠の開示と積極的なアピールがあれば、公園施設の受動喫煙対策も進
むのではないかと思われます。
路上喫煙等による市民や観光客、市内への通勤通学者の皆さんなどの身体や財産への被害を防ぐとともに、
健康への影響を抑え、誰もが安心・安全で健康な生活が確保できるよう「○市路上喫煙等の禁止等に関する条
H市 例」を制定し、平成19年6月1日から施行しています。この条例により、市内全域の屋外の公共の場所では路
上喫煙等をしないように努力する義務を課しています。また、路上喫煙禁止区域を指定し、違反者には2千円
以下の過料を科しています。
○市における受動喫煙対策の取り組みについては、保健福祉局が策定した「受動喫煙防止対策ガイドライン」
J市 に沿って進めており、道路・公園は禁止区域を除き周囲の迷惑とならないようなマナーが必要と位置づけされて
います。
まとめ
・本調査で回答を回収した市区町村のうち、「灰皿設置してい
る公園・遊園はない」との回答は8割に及んだ。
・しかし「禁煙表示をしている公園・遊園がある」との回答は
1割しかなかった。
・子供の受動喫煙への取り組みが「進んでいる方だと思う」と
の回答は全体の2割に留まり、「どちらともいえない」あるい
は「進んでいない」との回答が6割と過半数を占める。
・管轄内の児童公園・遊園における今後の取り組み意向を
尋ねたところ、「灰皿の撤去意向がある」としたのは2割弱、
「禁煙表示を進める」は1割弱に留まり、積極的な取り組み
意向が見られない現状が窺える。
・回答協力自治体へこの結果報告とともに、子どもを
受動喫煙から守るための施策の実施を強く要望した。
喫煙は家族に害を与える
ママの吸う たばこ 車をガス室に
高 信太郎 作
表2
小児を同乗させた車内の喫煙禁止条例
•
•
•
•
•
•
•
•
•
キプロス
アーカンソー州
ルイジアナ州
プエルトリコ
ニューヨーク
南オーストラリア
カナダ ノバスコシア
カリフォルニア州
タスマニア
16歳未満 2002年制定
6歳未満 2006年制定
17歳未満 2006年施行
13歳未満 2007年施行
18歳未満 2007年制定
16歳未満
2007年制定
19歳未満 2008年施行
17歳未満 2008年施行
18歳未満 2008年施行
要望により灰皿が撤去された児童公園
子どもを守るための提案
•
•
•
•
受動喫煙は虐待の一つ
屋内、屋外ともに子どもの周囲は禁煙に
喫煙所への未成年入室禁止の法制化
小児保健法制定に向けて、
受動喫煙防止は子どもの生存権
第22回日本禁煙医師連盟総会
子どもとタバコ シンポジウム