品質管理

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方針管理
品質管理を効率的に実施するために、経営トップ
が会社としての品質に関する方針を明示し、各
部門はその方針の達成に向けて行動する一連
の仕組みが必要。
↓
この仕組みが方針管理。
方針管理は、方針の展開と管理により実施される
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方針展開
経営トップが会社方針を明示
↓
各部門がその方針を受け、部門毎の方針を策定
・・・ たとえば部方針
↓
更に、その下位組織が方針を策定
・・・ たとえば課方針
したがって
各方針は上位職の方針を反映したものでなけれ
ばならない。
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方針展開
方針管理で対象にしている方針は、
品質方針だけではない。
利益、原価、納期、生産量、新製品開発などの
重要な経営要素に関する方針も対象となる。
方針の切り替えは、通常1年ごとに行われる。
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QCストーリー
QC的問題解決法の1つ
問題を科学的に解決するために、「事実に基
づく分析」、すなわち、データの収集と分析
を行う
問題を効率的に解決するために、QCストー
リーと呼ばれる手順に従って問題解決活
動を推進する。
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QCストーリーの手順
① テーマの選定 - 改善に取り組むテーマを決定
② 現状の把握 - テーマに関する現在の状態を把握
③ 目標の設定 - 現状をどれだけ改善するか、目標を決める
④ 要因の解析 - 問題(悪さ)を引き起こしている要因を追求
⑤ 対策の立案と実施 - 原因に対する対策案を考え、実行
⑥ 効果の確認 - 対策の効果を確認
⑦ 標準化・歯止め - 効果のあった対策案を標準化し、
再発を防止する
⑧ 残された問題と今後の計画 - 未解決の問題を整理し、
今後の計画を立てる
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テーマの選定
特に困っていることは何か?
テーマの表現は、
悪さを減らす方向のものなのか、
良さを伸ばそうとするものなのか、
わかるようにする。
①テーマ候補の決定
②テーマ候補の評価
③テーマ決定
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現状の把握
現状の悪さ加減を把握する
バラツキ有無を明らかにする
①時系列で変化を見る
・良いときと悪いときがあるのか
・いつも悪いのか
・急に悪くなってきたのか
など癖を把握する
②層別して違いを見る
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目標の設定
到達レベルを設定する
||
以下の点を明確にする
①目標項目
②達成基準・・・目標値
③達成期限
「なにを、どこまで、いつまでに」達成するのか
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たとえば
目標項目:キズ不良率
達成基準:目標値=0.5% (現状値=1.2%)
達成期限:2006年10月31日
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要因の解析
問題の原因を追及し、本当の原因を特定する
要因の解析のステップ
①原因候補の洗い出し
②原因候補の絞込み
③真の原因の確認
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対策の立案と実施
(恒久処置の)対策案を抽出して実施する
・応急処置
ex.不良となった製品を修正し、良品にする
・恒久処置
ex.不良の発生原因を除去し、
再発防止をねらいとした対策をとる
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効果の確認
対策の効果を確認する
対策の効果の把握・・具体的な数値で把握する
①目標の達成基準に到達したか
②現在の状態より改善されたか
③対策のねらいは達成できたか
④副作用は発生していないか
⑤効果を金額で示すといくらになるか
⑥当初は考えなかった別の効果は生じていないか
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効果が認められない場合には
対策を打ったにもかかわらず、効果が見られ
ない場合には、その理由を考える
①目標が高すぎたのか
②対策が間違っていたのか
③真の原因と思っていたものが、
見当はずれであったのか
④効果が現れるのに時間がかかるのか
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対策と効果の関係
効 果
対
策
実 施
未実施
あり
なし
①
③
②
④
①のケース:対策の効果あり →
②のケース:対策の効果なし →
③のケース:-------→
④のケース:-------→
対策案の標準化
対策の見直し
効果ありの原因究明
対策の実施
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標準化
標準化 : 標準を設定し、活用すること
対策案を標準として遵守
対策の効果が確認できたら、
今後はその効果が永続するように維持管理をし、
再発防止に努める。
標準どおりに実施されているかどうかのチェックし、
標準が守られていなければ是正していく
このような管理を維持管理、日常管理と呼ぶ
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ISO9000シリーズ
品質に関する国際標準。
公正な第三者機関によって、品質が規格に合致して
いるかどうかを認証する。
個々の製品・サービスを検査するのではなく、製品・
サービスが生産されるシステムを問題にしている。
ドキュメント・システム。
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ISO9000シリーズの認証
企業
企業
(審査・登録)
審査登録機関 (第三者機関)
(認定)
(
情
報
審査登録認定機関
交
換
(日本適合性認定協会)©ATSUTO)NISHIO
他国の認定機関
ISO9000シリーズ導入の必要性
① EU市場への入場券として必要である。
統合されたEC市場内部での品質トラブル防止のため、
供給者の品質保証能力を第三者に査定させた。
② PL法に的確に対処する上で必要である。
万一、PL問題が発生したとき、ISO9000シリーズによって
品質保証システムが確立していると、事実に沿った論理的な
説明ができる。
③ CS経営を展開する上で必要である。
元来、ISO9000の品質要求事項が顧客の立場に立って
顧客の安心感、満足感、信頼感が得られるように作られている。
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ISO9000シリーズの体系
① ISO9000-1
品質管理及び品質保証の規格-選択及び使用の指針
② ISO9001
品質システム-設計、開発、製造、据付け及び付帯サービス
における品質保証モデル
③ ISO9002
品質システム-製造、据付け及び付帯サービスにおける
品質保証モデル
④ ISO9003
品質システム-最終検査・試験における品質保証モデル
⑤ ISO9004-1
品質管理及び品質システムの要素-指針
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ISO9000シリーズの体系
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ISO9000シリーズ導入のメリット
① 販売上、入札上有利である。
② 業務の標準化が図れる。
③ 文書管理が徹底される。
④ 企業イメージが向上する。
⑤ 第三者からの工場監査が省略される。
⑥ 職務の責任と権限が明確化される。
⑦ 内部品質監査やフォローアップ監査により職場が活性化される。
⑧ QCサークルのマンネリ化の打開策となる。
⑨ PL法に対処しやすくなる。
⑩ ISO14000が取得しやすくなる。
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ISO9000シリーズ導入のデメリット
① 品質向上に直結しない。
② 事務処理が繁雑になる。
③ 記録類を残すことに工数を要す。
④ マニュアル作りが大変である。
⑤ フォローアップ監査への対応が必要である。
⑥ 諸経費が比較的高い。
⑦ 導入に対して、文化的な抵抗がある。
⑧ 創造性が失われる危険性がある。
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製造物責任(Product Liability;PL)
製造物の欠陥によって、人の生命、身体、財産に被害
が生じた場合に、製造業者等が負うべき損害賠償の
責任。 ⇒ 従来は過失の立証が困難であった
製造物の欠陥防止は、品質保証の重要課題。
製造物責任によるトラブルを未然に防ぐためには、製
造物責任制御(Product Liability Defence;PLD)と、製品安全
(Product Safety;PS)で万全を期すことが必要。
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製造物の欠陥
製造物責任で、問題となる製造物の欠陥
____________
____________
PL法以前は、設計上の欠陥と製造上の欠陥が中心。
(使用の欠陥)
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製造物責任の予防と品質保証の関係
予防活動
製造物責任制御
裁判・訴訟の対策
製 品 安 全
製 品 の 対 策
品質保証活動の一環
安全性の確保
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PL法への取り組み
アメリカ
1962年 J.F.ケネディー “Customer’s Bill of Right”
消費者保護に大きな影響を与えた
①知られる権利
②安全である権利
③選択する権利
④苦情を聞いてもらえる権利
1962年 カリホルニア 過失の立証を不要とする判決
ヨーロッパ
1988年までにPL法と各国内立法措置を義務付け
ただし、1988年7月時点では英、伊、ギリシャ3国のみ
日本
1995年7月 製造物責任法施行
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顧客満足度(Customer Satisfaction;CS)
品質保証活動の評価尺度
優れた品質の製品やサービスを提供することで、顧客
満足を向上させる。
苦情がなければ、顧客が満足しているというわけではな
い。-当たり前の品質が保証できているだけ。
評価対象
① 特定の製品・サービスを取り上げる。-品質調査
② 企業が提供する全ての製品・サービスを取り上げる。
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顧客満足度
Q+D+S+・・・
CS =
P
ここで
CS:顧客満足度
P:価格
Q:品質
D:納期への対応性(delivery)
S:技術サービス、アフター・サービス
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リサイクル法(資源有効利用促進法)
パソコンの場合
パ
ソ
コ
ン
メ
ー
カ
ー
① 回収申し込み
② 支払用紙
家
庭
③ 費用支払い
(シール付きは不要)
鉄,銅,アルミ,
ガラス,プラスチ
ック,金,銀・・・
⑧ 再生利用
④ 回収依頼
⑤ 輸送伝票
⑥ 持ち込みまたは戸口回収
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〒
郵便局
⑦ 搬送
工リ
場サ
イ
ク
ル
日本の品質賞制度
デミング賞(Deming Prize)-1951年制定
統計的手法を活用したTQC/TQMを実施している企業または者。
日本経営品質賞(Japan Quality Award)-1996年制定
製品品質や業績だけでなく、経営全体の品質を評価する。
経営の品質(Quality of Management)
日本品質奨励賞-2000年制定
全体として影をさしてきた日本産業の製品や品質を背景に、
もう一度TQMを中心として産業の発展に貢献する。
QCサークル経営者賞-2000年制定
QCサークル活動の推進と活性化のためには企業経営者の指導・支援
が最大要件である。社内および地域のQCサークル活動の発展に多大
の貢献をした経営者。
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デミング賞の種類
デミング賞本賞
デミング賞実施賞
デミング賞実施賞中小企業賞
デミング賞実施賞事業部賞
デミング賞事業所表彰
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デミング賞の枠組み
(7) TQMの考え方・価値観
(5) 人材の育成
(8) 科学的手法
(6) 情報の活用
(3) 品質保証システム
(4) 経営要素別管理システム
(2) TQMにおける管理システム
(1) 経営トップのリーダーシップ、ビジョン、戦略
(9) 組織力(コア技術・スピード・活力)
(10) 企業目的の達成への貢献
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T
Q
M
の
フ
レ
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ム
ワ
ー
ク
T
Q
M
の
目
的
デミング賞のスケジュール
Ⅰ.首脳部との懇談
Ⅱ.Aスケジュール
①重点説明
②職場説明
③資料閲覧
Ⅲ.Bスケジュール
①職場調査
②総括質問
Ⅳ.参考調査
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デミング賞の審査視点 ①
Ⅰ.経営トップのリーダーシップ、ビジョン・戦略
① トップのリーダーシップ
② 組織のビジョンと戦略
Ⅱ.TQMにおける管理システム
① 組織構造とその運営
② 日常管理
③ 方針管理
④ ISO9000、14000との関係
⑤ その他の経営改善プログラムとの関係
⑥ TQM推進・運営
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デミング賞の審査視点 ②
Ⅲ.品質保証システム
① 品質保証システム
② 新製品開発・新技術開発
③ 工程(プロセス)管理
④ 検査・品質評価・品質監査
⑤ ライフサイクル全体にわたる活動
⑥ 購買・外注・物流管理
Ⅳ.経営要素別管理システム
① 機能別管理とその運営
② 量・納期管理
③ 原価管理
④ 環境マネジメント
⑤ 安全・衛生・労働環境管理
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デミング賞の審査視点 ③
Ⅴ.人材育成
① 企業における“人”の位置付け
② 教育・訓練
③ 人の尊厳の尊重
Ⅵ.情報の活用
① 経営における“情報”の位置付け
② 情報システム
③ 解析と意思決定支援
④ 標準化と構成管理
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デミング賞の審査視点 ④
Ⅶ.TQMの考え方・価値観
① 品質
② 管理・改善
③ 人間性尊重
Ⅷ.科学的手法
① 手法の理解と活用
② 問題解決法の理解と活用
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デミング賞の審査視点 ⑤
Ⅸ.組織力(コア技術・スピード・活力)
① コア技術
② スピード
③ 活力
Ⅹ.企業目的の達成への貢献
① 顧客関係性
② 従業員関係性
③ 社会関係性
④ 取引先関係性
⑤ 株主関係性
⑥ 組織使命の達成
⑦ 利益の継続的確保
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日本経営品質賞の枠組み
<業務システム>
6.顧客・市場の理解と対応
(150)
<目標と成果>
<方向性と推進力>
5.プロセス・マネジメント
1.経営ビジョンと
(110)
リーダーシップ(170)
4.人材開発と学習環境
(110)
8.顧客満足
(100)
7.企業活動の成果
(200)
3.戦略の策定と展開
(80)
<情報基盤>
2.情報の共有化と活用 (80)
©ATSUTO NISHIO ( )内は‘98年審査基準(1000点満点)
ボルドリッジ国家品質賞の枠組み
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ヨーロッパ品質賞の枠組み
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日本品質奨励賞の枠組み
TQM奨励賞
日本品質奨励賞
品質技術革新賞
◎TQM奨励賞-TQMを指向している組織においてその展
開を速やかに行うための一つの道程としての位置付け。
◎品質技術革新賞-品質マネジメント・システムを構成する
要素について、その要素に新しい革新的な技術が開発さ
れている場合、その技術を積極的に表彰する。
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日本品質奨励賞の審査項目
Ⅰ.一般基礎項目
① トップのリーダーシップ
② 日常管理と標準化
③ 品質の改善活動
Ⅱ.個別重点項目
④ 新商品開発
⑤ 新技術開発
⑥ 品質情報の収集・分析・活用
⑦ 情報技術の活用
⑧ QC手法の活用
⑨ 小集団活動の展開
⑩ 人材育成
⑪ TQM推進
⑫ その他、上記以外の組織固有の
品質マネジメントの要素
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シクスシグマ
企業活動におけるすべてのビジネスプロセスを対象にした、
データの基づく組織的な管理を行うための経営手法。
1980年代Motorola社によって開発された。
その後、
GE社などでシクスシグマによる経営効果が公表され、
世界中の企業から注目される。
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シクスシグマの推進形態
トップダウン型
顧客視点から見て重要な経営課題を取り上げ、
DMAICモデル、あるいはMAICモデルと呼ばれる論理
的なステップでプロセス改善を全社的な規模で行う。
D:Definition
M:Measurement A:Analysis
I:Improvement C:Control
直接部門だけでなく、従来数値化が難しかった間接部
門を含めたビジネスプロセスの改善に対しても適用。
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品質レベル
σ(シグマ):顧客に不満足を与える頻度
プロセスを最適化することによって、
欠陥を最小限化し、
そのレベルをシクスシグマレベルの状態にする。
6σレベル:100万回当たりの欠陥数が3.4回
3σレベル:1000回当たりの毛関数が5回
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推進体制
組織内の以下の推進者によって進められる。
チャンピオン:
経営の立場から、6σを推進する経営者であり、
実質的な責任者
ブラックベルト:
問題解決の責任者。プロジェクトリーダーに相当
グリーンベルト:
ブラックベルトをサポート。現場改善の兼任者
マスターブラックベルト:
ブラックベルトを技術的・精神的にサポート
イエローブラックベルト:
プロジェクトを後方から支援する
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6σツール
6σで活用される手法の総称
QC7から実験計画法、多変量解析法などの
高度な統計手法が用いられる。
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6σによる改善
DMAIC あるいは DAICステップ
① 問題の明確化プロセスの定義 →
② プロセスの測定
→
③ 要因の推定
→
④ 改善案の提案と対策の実施
→
⑤ 標準化
→
D
M
A
I
C
これは、PDCAサイクルをベースにした考え
QCストーリーとも共通
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統計手法との対応
① D : 特性要因図、パレート図、流れ図
②M :
〃
〃
〃
【現状把握】
③ A : 実験計画法、多変量解析法
【原因推定】
④ I : 管理図、グラフ
⑤C :
〃
〃
【効果の検証】
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問題解決の進め方①
テーマの選定理由
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問題解決の進め方②
現状の把握
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問題解決の進め方③
目標の設定
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問題解決の進め方④
活動計画
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問題解決の進め方⑤
要因の解析
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問題解決の進め方⑥
対策の検討と実施
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問題解決の進め方⑦
効果の確認
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問題解決の進め方⑧
標準化と管理の定着
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問題解決の進め方⑨
反省と今後の課題
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