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1
首都圏人口成熟問題の
本質と対処策
2006年3月13日
日本政策投資銀行
もたに
地域企画部 参事役 藻谷浩介
E-mail: [email protected]
2
正しいのはどれとどれ?
・ 常に若者が流れ込み続ける首都圏と違って、若者を出す
方の地方圏では、人口減少や少子高齢化が深刻だ。
・首都圏では、ここ数年、新規のオフィス投資が活況を呈し
ており、地価は長期的な上昇局面に入った。
・ 東京都心部を中心に旺盛なマンション投資が続いている
のは、不況の地方圏から上京する人口の流れが、高度
成長期なみに大きなものになり始めているからだ。
・トヨタ自動車(ダイハツなどグループ企業含む)は、昨年度の世界販売
台数がフォードを抜いて2位、今年度は1位になりそうだ。
国内でも販売台数は堅調に増えている。
3
首都圏一都三県の人口の謎
(住民基本台帳準拠の以下の数字をどう説明しますか?)
一都三県の人口増加:2000年→05年 +95万人
← うち転入-転出: 2000年→05年 +56万人
← うち出生-死亡: 2000年→05年 +39万人
一都三県の20-59歳人口:
2000年 1,993万人 → 2005年 1,966万人 △27万人
↑絶対数 ↑増減
4
東京圏マンション・オフィス着工床フロー推移
バブル期の東京をめぐる言説
東京圏オフィス
バブル期
のピーク
357
都心回帰
マンション増加
222
323 279 349
REITの隆盛
232
319
773 920
354
907
615
713 731 728
804
632
698 721
604
903
839
899 811
855
579
686
366
271 291 276 275 236
355 308 335
227 289
358
267
19
86
19
87
19
88
19
89
19
90
19
91
19
92
19
93
19
94
19
95
19
96
19
97
19
98
19
99
20
00
20
01
20
02
20
03
20
04
20
05
1,500
1,400
1,300
1,200
1,100
1,000
900
ha 800
700
600
500
400
300
200
100
0
東京圏マンション
「東京一極集中により首都圏でオフィス床が不足する」
出所:
国土交通省「
建築統計年報 18年度版」
、三井不動産「
不動産関連統計集2007」
不動産経済研究所「
全国マンション市場動向 2005年実績・
展望」
また、東京圏とは、東京都・
神奈川県・
埼玉県・
千葉県の1都3県を対象としている。
注:マンションは発売ベース、オフィスについては着工ベースでの認識となっている。
暦年
長期的に弱まる首都圏の人口流入
万人
高度成長期
図1 首都圏一都三県の人口転出入超過数
39
40
資料: 住民基本台帳人口移動報告年報
人口転出入超過数=転入者数-転出者数 / 年度(2005*は暦年)
注: 住民票を移さない移動は含まない
30
「東京一 極集中 」期
「地方の時代」
20
「東京再 一極集 中」期
17
14
「新・地方の時代」
10
11
60
61
62
63
64
65
66
67
68
69
70
71
72
73
74
75
76
77
78
79
80
81
82
83
84
85
86
87
88
89
90
91
92
93
94
95
96
97
98
99
00
01
02
03
04
05*
0
万人
85-90(「東京一極集中」期)
00-05(「東京再一極集中」期)
資料: 85-90 は国勢調査
00-05 は住民基本台帳
万人
150
図3 年 齢階層別人口 増減
首都圏一都三県
( 参 考) 就業 者数
資料: 75-00 は国勢調査
00-05 は住民基本台帳
100
50
00-05
95-00
期間
7 0 歳 以上
90-95
-100
20-59歳
85-90
15-34歳
80-85
-50
75-80
55-59→60-64
50-54→55-59
45-49→50-54
40-44→45-49
35-39→40-44
30-34→35-39
25-29→30-34
0
20-24→25-29
期初 の
年齢
首都圏一都三県
15-19→20-24
期末 の
年齢
図2 コーホート別人口増 減
10-14→15-19
50
40
30
20
10
0
-10
5
6
以下でいう東京都市圏の範囲
栃木県
寄居 熊谷 羽生
埼玉県
小川 吹上 加須 北川辺
94万人
600万人
つくば
野木
守谷 牛久
2万人
45万人
秩父 日高
東
京
都
土浦
茨城県
栄
千葉県
佐倉
青梅
福生
羽村
八王子
418万人
相模原
相模湖
城山
厚木
海老名
666万人
川崎
大和 茅ヶ崎 葉山 横浜
綾瀬 平塚 三浦 横須賀
八街
茂原
市原
365万人 813万人
あきる野
神奈川県
特別区
千葉
成田
東京都市圏
2,994万人
人口自然増減率 = (出生者数-死亡者数)÷人口
東京都市圏の市町村の人口動態
7
2005年国勢調査要計表に準拠した動向
5% 首都圏市区町村の人口動態資料: 国勢調査、住民基本台帳人口動態表
(社会増減=国勢調査人 口増減-自然増減で試算し住民票を移さない移動を把握)
都筑
2000-2005年の人口流出 入と出生死亡
4%
3%
2%
1%
0%
-1%
-2%
差し引き
人口増加
和光
戸田
朝霞
青葉
宮前
高津 自然増加かつ
社会増加
浦安
12.9%
多摩(川崎) 海 中原 美浜
伊奈
緑(千葉)
老
富士見
差し引き
緑
(埼玉)
座 市川
草加 名 港北 八千代
人口減少 福生 八
潮 花見川松 間 越 相模原
稲城
横浜・川崎市内
戸
谷
戸塚 江戸川 守谷 麻生 府中
綾瀬
さいたま・千葉市内
瀬谷 牛久 吉川
自然増加だが
流 柏 龍
社会減少 春 港南
特別区
松伏
山
ヶ 泉 さいたま
日
幸
栄
崎
部 若葉
三郷
町田
鶴見
蓮
練馬
立川
狭山 田 旭 磯子多摩
板橋
中央(千葉)
江東
東松山
神奈川
足立
鳩ヶ谷
野木 杉戸
中央34.8%
取手
葛飾
酒々井 清瀬
蕨
栗橋
大田 世田谷
港16.2%
宮代
川崎(区)
西
二宮
渋谷
目黒
品川 墨田
飯能
幸手 栄
東
杉並
新宿
自然減少だが 中
中野南
鎌倉 金
逗子
北川辺
社会増加
小川 伊奈
嵐山 毛呂山
葉山 長生 大
荒川 文京
13.2%
(茨城)
北
網
山武
豊島
鳩山
千代田
白
大磯
三浦
自然減少かつ
17.2%
里
利根大利根
台東
長柄
社会減少
-4%
-2%
0%
2%
4%
6%
8%
△2.
4%
人口社会増減率 = (転入者数-転出者数)÷人口
10%
人口当たりの課税対象所得額 (万円/人)
東京都市圏市町村の所得と消費
200
三鷹 国立
浦世
杉
逗子
中 文
安田
並
野 京
谷
練馬 市
狛江
川
川崎
和光
横浜
府中
東京都市圏平均
大
180
茅
磯 板 志
朝
全
日野 我 霞 ヶ
橋 木 所 習志野
江東 国
孫
崎
沢
稲城 子
平
さ
江戸川
い 船橋 均
蓮
二宮
牛久
た
田
荒川
ま 相模原
北
鳩山
東村山
160
新座
三芳 川越
富士見
白岡 葛飾
鎌ケ谷
ふじみ野
草加
鷲宮
伊奈
越谷
利根 栗橋
坂戸
春日部 足立
三
野木 郷
宮代
幸手
飯能
野田
杉
140
鳩ヶ谷
八 嵐山 武蔵
戸
本埜
小川
村山
大利根
加須 潮
毛呂山
松伏
葉山
北川辺
120
20
(資料) 小売販売額:商業統計 / 人口:住民基本台帳
課税対象所得額:日本マーケティング教育センター
都市圏: 2000年国調10%通勤通学圏
40
目黒
8
品川
台東
多摩
藤沢
千
葉
八
王
子
龍
ヶ
崎
町田
柏
守谷
蕨
立川
墨田
鶴 久喜
ヶ
島
上尾
東松山
全国平均
東京都市圏平均
所得水準と小売販売額
23区+東京都市 圏110市町村
2003年(度)
60
80
100
120
140
ト
たかたを除いた試算
人口当たりの小売商業販売額 (万円/人) ※佐世保はジャパネッ
増加してきた首都圏の商業床
9
ところが年々減り続ける総売上
住民の所得は下がっているのに、商業
施設だけが増え続けているのだから、
当然売上は上がらないしどこかに必ず
無理が出てくる
10
減り始めた商業での雇用
施設を増やしたのに売上は伸びないの
で、お店は従業員を減らしてコストダウ
ンに走る
11
以上を一枚にまとめてみると
店が増えただけで、売
上は減る一方だし雇用
も減っている!
12
名古屋絶好調説も誤り
13
大阪はもちろん不調
店が増えただけで、売
上は減る一方だし雇用
も減っている!
14
大丸進出の札幌も基本的には下り坂
15
福岡でも面積と売上が乖離
16
17
定価販売のコンビニは成長していた
売上で明暗を分けるコンビニと一般小売業
指数(1997=H9=100)
140
130
120
デフレというのは消費者に金がなく、
高いものが売れないこと
今起きているのが本当に 「デ
フレ」なのだったら、なぜ定価
販売のコンビニの売上が減ら
ないのか?
販売額(コンビニエンスストア)
店舗数(コンビニエンスストア)
売場面積(全小売商業)
110
店舗当たり売上(コンビニエンスストア)
100
販売額(全小売商業)
90
坪効率(全小売商業)
80
1997
1998
1999
2000
2001 2002
2003
2004
※ 全商業データは商業統計より、コンビエンスストアデータは日本フランチャイズチェーン協会統計より作成
※ 商業統計では、 97→99年の間に調査対象店舗が増強され、また99年は中間年の簡易調査、02年は本調査
なので、データはこの間連続していない(対象が2回拡大)。にもかかわらず販売額は減少した。
18
なぜ小売販売額は伸びないのか
× 長期不況による「デフレ」が原因だ。デフレさえ
克服すれば小売販売額は回復する。
← ではなぜコンビニの売上は、最近まで落ちなかったのか?
← コンビニの売上が、景気回復が鮮明になった昨年から落ち込み始めた理由は?
← そもそも、日本が稼ぐ外貨はバブル期の3倍に増えたのに、それでも不況か?
○: 96年をピークに定年退職者>新卒就職者と
なったために、消費者の所得が落ち始めた。
○ 地域の所得が増えないのに店を増やしすぎたた
め、過当競争で値崩れが起きている。
○ 市街地の解体で高度な消費を誘発できる空間
が失われ、所得がますます消費に回らない。
19
1996年を境にひっくり返った日本
個人所得とモノ消費 (1990-1996増減)
個人所得とモノ消費 (1996-2003増減)
人口10万人以上の158都市圏
人口10万人以上の157都市圏
30%
20%
10%
20%
小売販売額(年度)
小売販売額(年度)
名古屋
福岡
札幌
千葉市
10%
名古屋
横浜市
0%
△9.8%
-10%
0%
さいたま市
東京
大阪
福岡
横
浜
市
0%
札幌
特別区
-10%
東京
大阪
さいたま市
千葉市
-20%
特別区
10%
20%
30%
40%
個人所得(歴年)
個人所得: 課税対象所得額
/ 小売販売額: 商業統計
50%
-30%
-20% -15% -10% -5%
0%
5%
10%
個人所得(歴年)
資料: 同左
市町村合併の関係で、左図より都市圏数が一つ少ない
減少し始めた大都市圏の雇用
ここでの都市圏:
2000年国勢調査による10%通勤通
学圏 - 中心市に通勤通学している
住民の比率が高い市町村を合算
東京
人口2,924万人
(さいたまも含まれる)
大阪
人口1,214万人
名古屋 人口 528万人
福岡
人口 237万人
札幌
人口 231万人
広島
人口 177万人
仙台
人口 158万人
20
失業者増減と就業者増減の実数
21
就業者増減と失業者増減は別物!
22
①90年代前半の場合
就業者数増減と失業者数増減(90-95)
人口5万人以上の256都市圏
12%
福岡
仙台
札幌
8%
広島
北九州
4%
名古屋
大阪
室蘭
釧路
大牟田
0%
東京
日立
延岡
豊岡
桐生
全国平均
失業者増
就業者増
失業者増
就業者減
釜石
全
国
平
均
-4%
0%
人口5万人以上の256都市圏
20% 40% 60% 80% 100%
失業者数増減率(90-95年)
就業者数増減率(90-95年)
就業者数増減率(90-95年)
R2乗 0 .10
12% (微弱ながら
正の相関)
就業者数増減と人口ピラミッド要因(90-95)
福岡
仙台
札幌
8%
広島
北九州
4%
全国平均
室蘭
延岡
0%
大牟田
豊岡
大阪
釧路
日立
桐生
釜石
-4%
名古屋
東
京
全
国
平
均
R2乗 0 .59
(正の相関)
-6%
-3%
0%
3%
6%
9%
[15~19歳-55~59歳]÷20~59歳(90年)
ここでの都市圏: 中心市+郊外市町村(10%通勤通学圏) - 平成合併前基準
資料: 国勢調査
就業者増減と失業者増減は別物!
23
②90年代後半の場合
就業者数増減と失業者数増減(95-00)
人口5万人以上の256都市圏
4%
-2%
北九州
-4%
名古屋
大阪
釧路
室蘭
失業者減
就業者減
釜石
-20%
全国平均
広島
桐
生
大牟田
-6%
仙台
全
国
平
均
豊岡
延岡
R2乗 0 .00
(両者無相関)
失業者増
就業者減
0%
20%
40%
失業者数増減率(95-00年)
ここでの都市圏: 中心市+郊外市町村(1 0%通勤通学圏) - 平成合併前基準
就業者+失業者+非労働力人口=総人口 / 資料: 国勢調査
就業者数増減率(95-00年)
就業者数増減率(95-00年)
札幌
失業者減
就業者増
東京
-10%
福岡
失業者増
就業者増
0%
-8%
人口5万人以上の256都市圏
福岡
4%
2%
就業者数増減と人口ピラミッド要因(95-00)
2%
札幌
仙台
名古屋
0%
東京
-2%
広島
全国平均
大阪
-4%
大牟田
延岡
-6%
-8%
室蘭
釜石
-10%
R2乗 0 .50
(正の相関)
豊
岡
北九州
桐生
釧路
全
国
平
均
-6% -4% -2% 0% 2% 4% 6%
[15~19歳-55~59歳]÷20~59歳(95年)
ここでの都市圏: 中心市+郊外市町村(10%通勤通学圏) - 平成合併前基準
資料: 国勢調査
24
高齢化の実態をわかっていますか?
甘い甘いと批判される国立社会保障・人口問題研究所予測の数字
高齢化率=65歳以上人口÷総人口
島根県
高齢化率: 2000年 24.8% → 2015年 30.5%
65歳以上: 2000年 18万9千人 → 2015年 21万8千人 15%増
15-64歳: 2000年 46万人 → 2015年 40万人 13%減
東京都市圏(特別区+111市町村・人口3,000万人)
高齢化率: 2000年 14.0% → 2015年 23.9%
65歳以上: 2000年 408万人 → 2015年 727万人 78%増
15-64歳: 2000年 2,115万人 → 2015年 1,951万人 8%減
石油ショックの頃の首都圏住民
20-59歳
1,402万人
70歳以上
76万人
25
26
安定成長の頃の首都圏住民
20-59歳
1,484万人
70歳以上
101万人
プラザ合意の頃の首都圏住民
20-59歳
1,579万人
70歳以上
132万人
27
28
バブルの頃の首都圏住民
20-59歳
1,684万人
70歳以上
162万人
29
阪神震災の頃の首都圏住民
20-59歳
1,759万人
70歳以上
200万人
2000年問題の頃の首都圏住民
20-59歳
1,772万人
70歳以上
262万人
30
31
今の首都圏住民
20-59歳
1,740万人
70歳以上
340万人
5年後の日本人の首都圏住民
20-59歳
1,665万人
70歳以上
424万人
32
10年後の日本人の首都圏住民
20-59歳
1,633万人
70歳以上
513万人
33
15年後の日本人の首都圏住民
20-59歳
1,622万人
70歳以上
602万人
34
35
定年退職と新卒就職が逆転した東京
高齢者が増え現役は減る東京
37
足元の活況の理由は:
①輸出産業の好調→金余り
②新設物件の競争力→需要集中
③郊外を衰退させての都心集中
働いて税金や年金を払い、旺盛に消費
する現役世代は年々減少
30年前から少子化の影響で、
若者の数は年々減少
+ 昭和20-22年春の出生の少なさ
→ 来年春までの2年半は、退職者<新卒者
2007年問題は冗談ではない
高齢者は年々増加して行く
38
一昨年~昨年に需要が回復した理由
毎四半期に60歳を越えた(越える)人口の概算 - 全国
240
210
戦時中の出産奨励のため、2000~2004
年は定年退職が多かった
60
180
50
150
40
120
毎四半期の数字 (左軸)
30
20
10
昭和20・21年に出生が少なかったため
、2005・2006年は定年退職が一時的に
非常に少なかった
90
60
30
0
0
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2014
2015
毎四半期 (万人)
70
各年合計の数字 (右軸)
今年から3年間
定年退職が激増する
各年合計 (万人)
80
暦年
資料: 2005年国勢調査時点での年齢( 四半期別) をもとに概算
日本に居住する外国人を含む
死亡や国際移動を勘案していないので、実際の数字はやや異なる
39
首都圏でも時間は全国同様に流れる
毎四半期に60歳を越えた(越える)人口の概算 - 一都三県
15
45
今年から3年間
定年退職が激増する
10
30
毎四半期の数字 (左軸)
5
各年合計 (万人)
60
戦時中の出産奨励のため、2000~2004
年は定年退職が多かった
15
昭和20・21年に出生が少なかったため
、2005・2006年は定年退職が一時的に
非常に少なかった
暦年
2010
2009
2008
2007
2006
2005
2004
2003
2002
0
2001
0
2000
毎四半期 (万人)
20
各年合計の数字 (右軸)
資料: 2005年国勢調査時点での年齢( 四半期別) をもとに概算
日本に居住する外国人を含む
死亡や国際を勘案していないので、実際の数字はやや異なる
41
構造的な20-59歳人口減少の帰結
都市開発はゼロサム競争へ…
・ 少なくとも今後半世紀、わが国の20-59歳人口は構造的に
減少を続ける。就業者数もこれに連動して減少していく。
需要総量は伸びない中、
・20-59歳人口減少は10年で700万人というようなペースであり、こ
れを移民受入れやいまさらの出生者数増加努力で補うのは不
土地流動性が増し建替が進む。
可能
→ 優勝劣敗が年々加速する
・ 就業者数減少は、人手不足→失業率低下/機械化・情報化
投資増加と、生産性向上→企業収益向上をもたらすので、
客は立地×価格=値頃感で動く。
数字上の「景気」を年々改善させる
後出しじゃんけんに勝てる質と、
デフレ耐性の兼備が必要。
・しかし就業者数の減少=可処分所得の減少であり、多くの商品の
消費は年々冷え込む → 小売販売額低下は止まらない
・ 主として20-59歳にしか消費されない商品の需要も減少を続
ける (戸建住宅・ファミリーカー・オフィス・通勤定期・職場旅行・結婚式…)
10%
人口ピラミッドの比較
東京都 市圏
8% (2000)
島根県 (2000)
東京都 市圏
(2025)
6%
4%
2%
0%
年齢
階層
資料: 2000年は国勢調査
2025年は国立社会保障・人口問題研究所中位推計
東京都市圏:特別区の10%通勤通学圏180市区町村
0~4
5~9
10~14
15~19
20~24
25~29
30~34
35~39
40~44
45~49
50~54
55~59
60~64
65~69
70~74
75~79
80~84
85~
各年齢階層人口÷総人口
20年後の首都圏は今の島根県
42
43
急速に高齢化する首都圏各自治体
32%
70歳以上人口÷総人口(2020年)
28%
24%
20%
16%
利根
全
国
平
均
長柄
三浦
鎌倉
逗子
葉山
鳩山
首都圏市区町村の今後の高齢化
2000→202 0年に起きる変化
伊奈(茨城 )
二宮
日高
資料:社会保 障・人口問 題研究所 市町村別予 測
三芳
取手
幸手
狭山
毛呂山
鎌ヶ谷
久 杉戸
嵐山
坂戸
四街道
北
宮代
白井
東久留米 喜
鷲宮
千
栗橋
足立
鶴ヶ島
新座
葉
大利根 葛飾
川越 柏
春日部
町田
多摩
全国平均
豊島 品川
三郷
志木
板橋加須
船橋
越谷
台東
伊奈(埼玉 )
目黒大田
東
稲城
墨田
松伏
富士見
江東
松 八王子
荒川
杉並 世
山
守谷
横浜
田 練馬
渋谷
座間 吉川
谷
日本一高 齢化した島根県の
国分寺
さいたま
千代田
府中
20 00年時点 での水準
相模原
新宿 港
小
文
金 国立 川崎 江
京 中野
朝霞
多摩
戸 印西
中央
井
浦安
本埜
戸田
東京特別区
川
和光
13.8%
1.0
1.5
大磯
小川
2.0
清瀬
2.5
13.3%
3.0
70歳以上人口の増加倍数(2000年→2020年)
3.5
4.0
45
東アジア全域で進む出生率低下
•
•
•
•
•
•
•
中国では2020年頃に
日本
1.29 (東京都1.00、最低は渋谷区の0.76)
人口増加が止まり、2030年頃
台湾
1.24
から減少が始まるとも言われる
シンガポール
1.20
韓国
1.17
大量生産モデルは行き詰まり
香港
0.94
低所得国からの移民は中国に
上海
0.7 (中国人口問題専門家よりの聞き書き)
集中するのではないか?
中国全体
1.3~1.8(NYタイムズ記事にあった推定値)
※儒教の影響で男尊女卑傾向が強いほど、出生率が低く、しかも
男児ばかりを生もうとする傾向がある(中国では118:100)
中国も20年遅れで追いかけてくる
46
高齢者数増加で増える福祉需要
47
図1 わが国の高齢化率と高齢者数
14.9
18.3
30
26%
32.8
25.4
1990 1995 2000 2005 2010 2015
20
10
0
図3 高齢者数と社会保障費
150
国の予算 70歳以 上人口
(年金関 係)
人口 :各年 10月 1日基準
予算 :年度
65歳以 上人口
100
2015
2005
2006
2000
0
1995
50
2010
国の予算
(医療・介護・
福祉関 係)
1990
指数(1990=100)
200
3.2
0% 2.5
4.1
5.1
30%
6
20%
24% 4
6.2
7.3
1990 1995 2000 2005 2010 2015
資料: 国勢調査 / 国立社会保障・人口問題研究所中位推計
250
30% 65歳 以 上人 口実 数 (右 軸 )
24%
19%
20%
15%
12%
17%
14%
10%
9% 11%
国の予算: 財務省資料 / 人口(04以前): 国勢調査・総務省人口推計)
人口(0 5以降): 国立社会保障・人口問題研究所中位推計
2
0
資料: 国勢調査 / 国立社会保障・人口問題研究所 市町村別予測値
ここでの首都圏: 東京特別区+その10%通勤通学圏=5都県111市町村
居宅介護サービス利用者数(人)
0%
22.0
40
百万人
40% 65歳 以 上人 口実 数 (右 軸 ) 35%
30%
30%
26%
21%
20% 17%
23%
20%
17%
28.7
10% 12% 15%
37% 8
40%65歳 以 上人 口÷ 15-64歳 人 口
42%
2004年度・人口1万人当たり延人数
65歳 以 上人 口÷ 15-64歳 人 口
65歳 以 上人 口÷ 総 人 口 (=高齢 化 率)
百万人
65歳 以 上人 口÷ 総 人 口 (=高齢 化 率)
図2 首都圏の高齢化率と高齢者数
図4 介護サービス利用者数水準
47都道府県 ・2004年度
700
600
和歌山 大分
500
400神奈川
東京
300
千葉
島根
徳島
富山
高知
石川
全国平均
北海道 福井
全国平均
200 埼玉
30 40 50 60 70
80 90 100 110
介護老人福祉施設在所・在院者数(人)
2004年9月末・人口1万人当たり換算
資料:介護サービス施設・事業所調査、住民基本台帳
居宅介護サービス利用者数は、福祉用具貸与を除く12メニ ューの単純合計
まだまだ幾らでもいる未就労女性
図1 15歳以上人口の労働力状態 図2 女性の年齢別労働力状態
2005年・日本国居住者(外国人含む)
資料: 国勢調査(2005 年は1%抽出推計)
1950
1955
1960
1965
1970
1975
1980
1985
1990
1995
2000
2005
70 48% 51% 50%
46% 47% 45% 50%
60 女性就業率 45%
54 56 57 40%
50 (右軸)
52
49
40
44 46
30%
41
38
15歳以上女性総数
34
30
20%
29 31
26 26 26
24
20
23
19 21 20 21
10%
10 14 16 17
女性就業者数
0
0%
100
200
300
その他
400
500
図4 20-39歳女性の労働力状態
45% 46% 48% 47%←「主に仕事」
万人
2,000
の比率(右軸)
38%
1,500 771 675 561 525
482
1,000
主に仕事
403 家事のほか
仕事
750 783 825 761
500 652 680
0
2005
図3 女性就業率の推移
百万人
万人→ 0
2000
1000 2000 3000 4000 5000
家事
176
115 資料: 図1に同じ
224
79
200 59
154
161 85
143
158 108 110
163 108 93
187 108
128
193
112
189
20~24歳
25~29
30~34
35~39
40~44
45~49
50~54
55~59
1995
0
家事のほか仕事
1985
万人→
主に仕事
1980
主に仕事
3,409 1,682
家事のほか仕事 806
通学の傍ら仕事
男
休業者
女
完全失業者
1,655
家事
資料: 2005年国勢調査
通学
1%抽出推計
その他 827 869
1990
2005年・日本国居住者(外国人含む)
家事
その他
資料:
図3に同じ
48
女性が働く県ほど出生率も高い
女性の就業率と出生率
女性の家事労働率と出生率
2000年・47都道府県比較
1.6
2000年・47都道府県比較
1.7
沖縄(1.81)
福島・佐賀 島根
R2乗 0.326
宮崎
福
井
1.5
愛
知
1.4
兵庫
神奈川
千葉
1.3 大阪 埼玉
京都
東京(1.03)
奈良
鳥取山形
合 計 特 殊出 生率
合 計 特 殊出 生率
1.7
49
1.2
40%
45%
50%
55%
60%
65%
20-39歳女 性 に占 める「 主 に仕 事 」 の 比 率
1.6
山形
島根 佐賀
鳥取
福井
沖縄(1.81)
福島
宮崎
1.5
愛知
1.4
R2乗 △0.206
1.3
東京(1.03)
兵庫
神奈川 大阪
千葉
奈良
埼玉
京都
1.2
15%
20%
25%
30%
35%
20-39歳女 性 に占 める「 家 事 」 の 比 率
資料 ・注: 同左
資料 : 縦軸 =人口動態 調査、横軸 =国勢調査
注: 合計 特殊出生 率は1999~2001年の3ヶ年の単純 平均
日本経済再生の鍵:男女共同参画
女性の就労を増やすことで:
・家計収入が安定し、保育所を利用でき、出生率が上がる
・家計所得が増え、税収が増え、年金も安定する
・女性の収入が増え、モノ消費が増え、消費税収も増える
女性経営者を増やすことで:
・消費者の感性に対応した商品を出せる企業が増える
・客を軽んじ自分の権威にこだわる類の男性経営者を減らせる
しかもコストはない:
・外国人受入と違い教育コストは低く、福祉コストも増えない
・生きがいのある元気な日本人が増える
50
地域活性化の鍵:男女共同参画
日本はモノ余り・カネ余りの高度消費社会 → 客はバブル
期までとは別人種 → 欲求が高度化、抽象化、多様化
→ 自分自身が客としてのセンス・能力を磨いていない人間(豊かさ
を知らない人間)にこれからの経営はできない
ところが多くの地方では、客の気持ちに無関心な高齢の
男性が、30年前のままの感覚でトップを取り続けている
→ そのために客が逃げ、経済の衰退が著しい
地域活性化のためにいま一番必要なのは、地域の様々な主導的
立場から、その任にない人や団体を退場させ、新しい人材や団体
に厳しい役割を与えて練成していくこと
必要なのは、性別年齢を問わない地域の人材力の総結
集 → 結果として必ず、女性が地域づくりの前面に出てく
51
52
障害は男の側の「人格形成不全」
・ 男女共同参画の最大の障害は、女性への
侮りが染み付いた、一部男性の存在
彼らにして見れば:
・男の方が、より能力のある女性よりも地位を得やすい今まで
の世の中の仕組みは、ライバルが減って好都合
・「しっかりした個を確立し、集団に頼らない本当の自信を持
つ」ことができていないので(人格形成不全)
→自分が「男であること」「女ではないこと」という、個性とは
言い得ないほど大括りなものに、心の支えを頼ってしまって
いる
頭さえ白紙に戻せれば対処可能
54
出生増加: 「男性の育児分担は当たり前」に戻す
日本の新たな使命!
人間は男女共同で働き子育てする生物 (人口激増への対処で近時分業していただけ)
→ 江戸時代以前の農民のように、男性も子育てという重労働を分担するよう戻せ
明治期:欧米植民地主義打破の先鋒
労働力確保:
移民受入の前に女性と高齢者を活用
→ 産業革命・近代軍創設・国民教育水準向上
女性就労率の2割上昇で労働力は1千万人以上増える / 元気な高齢者の活用も当然
→ 女性就労率が3→7割上昇し出生率が0.5ポイントも上がったオランダに学べ!
戦後高度成長期:平和産業振興の旗手
→ 技術革新・平和産業振興・民生安定による内需拡大
福祉・年金:同じ世代の貯金での互助で問題消滅
年金不安は、減り行く年下世代に高齢者を養わせるという「賦課方式」の産物
石油ショック以降:脱工業化社会の先駆者
→ 年金福祉の費用を生年別に分割・完結させれば、日本人は全員左団扇になれる
→ 大衆文化の創造と世界発信・世界文化多様化への貢献
諸産業: 安価大量生産販売→高価少量生産販売へ
21世紀:成熟化社会のモデル
貯蓄を消費に回させるには、規格品の安価大量生産販売にオサラバすることが不可欠
→ 高度成長で感覚が狂ってしまった高齢経営者の世代交代こそ最重点の課題
→ Social Capital 維持強化による、福祉と環境と
経済の両立・少子化の軟着陸
まちづくり: 土地減反
(開発停止/市街地再集中)
日本人一人当たりの土地面積は年々増える → 地価は暴落、インフラ維持管理コストは爆発
この事態を避けるには、土地亡者どもを切り捨てる政策大転換が必要
56
変わってゆく日本の消費者
大量生産消費時代は終わった
欲求5段階
簡単にいうと…
観光にあてはめれば
自己実現
欲求
他者との相対的な優劣に関係な
く、個として絶対的に満ち足りた境
地に至りたいとの欲求
価格やブランドにこだわらず自
分自身の感性に合う生活文化を
じっくりと味わう境地
属した集団のメンバーに何らか
の点で勝りたいとの欲求
人があこがれる場所で、高いも
のを楽しみたいという状態
これに対応
できるかどう
かが、観光
の盛衰を分
かつ
需要総量が減少していく中、
現在
安物の大量販売に活路はない。
バブル
優越欲求
→ 少量で価値あるものが残る
期
安定
成長期
地域の価値は、環境と景観と文化
独自性のないものは通用しない
高度
帰属欲求
→ 洗練を続けた地域が栄える 成長期
被認知欲求
生存欲求
属した集団のメンバーに己の存
在を気づかせたいとの欲求
人が行った場所は自分も一通り
押さえたという状態
何かの集団に属したい、仲間に
紛れ込みたいという欲求
できれば人並みに旅行くらいは
してみたいと願う状態
食べて生きて生殖したいという
最も本能的・基本的な欲求
物見遊山に出かける暇もゆとり
もまったくないという状態
終戦後
57
モノ大量生産特化型経済の限界①
–
「いい品をどんどん安く!」が経済を成長させた幸せな時代の成功体験 –
値段が高過ぎて
あまり売れない
(価格弾力性>1)
実例:特割導入後の国内航空
登場した頃のスーパー
殿様商売の会社は困
るが、業界全体では売
上が増える
→消費者も得する
→国全体の経済の
パイも拡大する
→企業は生産能力を
増やして、コストダウン
する路線に走る
( )
商
品
の
価
格
水
準
P
値下げによる売上
減よりも、販売量
増加による売上増
加の方が大きい
値段が下がると
販売量は増える
0
商品の販売量(Q)
いわゆる
需要曲線
58
モノ大量生産特化型経済の限界②
–
成功体験に溺れ、量と価格での勝負を続けていることの帰結 –
いわゆる
需要曲線
( )
商
品
の
価
格
水
準
P
0
そこそこの値段と販
売量だったのに
値下げによる売上
減の方が、販売量
増加による売上増
よりも大きい
(価格弾力性<1)
実例:外食業界
通信業界
自動車業界
生産能力過剰の会社は、生産量
を維持して限界利益を確保する
ため、おしなべてこの路線に走り
やすい
→業界全体ではデフレとなる
→しかし消費者は得をするし、
貯蓄率ゼロの米国ならば、 それ
がまた消費に回る
シェア拡大目的の
価格破壊始まる
商品の販売量(Q)
→ところが日本では、消費者 は
その分を貯金してしまい、 国全
体がデフレに向かう
「低価格」は本当に価値なのか?
大量廉価販売だけが活路なの
か?

貯蓄過剰の日本と、貯蓄過少の米国との違い
米国では「Value (価値)」とは安いこと、「Saving (貯金)」は安物買いのこと
←→ 日本では価格自体は価値ではない / 貯金は貯金であって消費ではない

100円ショップは安さを売っているのか?
100円ショップに行く人は、必要なものを安く買いたいから行っているのか?
←→ そうではなく、気持ちよくお金を使う快感を味わいに行っているのでは?
←→ 100円という小銭の価値が思わぬほど拡大する快感に惹かれるのでは?

「欲しいモノはあるが金がない」人向けの商売
「良い品をどんどん安く」路線が最適(だがこの路線の実需は本当は多くない!!)

「気持ちよくお金を使いたい」人向けの商売
「損をしていない」という実感が得られる範囲でお金を使いたい人は、本当は多い
→ 値段>価値という印象さえ与えなければ、高く売ること自体には問題はない
→ 消費者に「賢い買い物だという言い訳」さえ与えられればモノは売れる!
59
生産性とは何か?
どうやったら向上するのか?
60
こっちしかカウントしない資本市場絶対主義は、長期
平均的な付加価値の低下を必然的に招く
こっちをも一定程度評価する経済シ
ステムの構築が求められる
付加価値額
= 利益 + 地域に落ちるコスト
(人件費や、設備投資の一部)
本当はこっちを増やすこ
とこそが、求められる生
産性向上だ!!
生産に携わる人の頭数
生産技術の切磋琢磨で
こっちを減らす方ばかり
が注目される。
直接部門+間接部門
ものづくり and/or 情報生産
しかし実は、分子の方の
人件費も減るので、効果
は減殺される…
それでは付加価値額は
どうやったら向上するのか
付加価値額=f(売上)
利益を稼げ、「地域に落ち
るコスト」をふんだんに使
えるのは結局、売上の上
がっている企業!
売上 = 数量 × 単価
高度成長時代には、大量生産技術の切磋琢磨
で数量拡大を追求できたが、今はもう限界
61
売上アップ
の方法は、数
量増加か単
価上昇かど
ちらか
需要成熟で数量が伸びない今後は、こ
っちの追求しかない(需要創造!)
 結局、商品単価上昇こそが、付加価値向上→生産性改善の王道
 ものづくり技術の切磋琢磨と商品単価の相関関係は限りなく薄い
 単価上昇に直結するのは、経営技術、特にマーケティングの改善!
62
値下げ競争を脱するための革新
– 各産業を「ラーメン屋業界」の構造に近づけよう!
( )
商
品
の
価
格
水
準
P
差別化された個々の
商品ごとに、新たな需
要曲線が生まれる
(本当はそれぞれの曲線が左軸に
貼り付いているのだが、
ここでは、累積的な効果を
示すために、各曲線を右に
ずらして図示している)
客層を細かく分類し、それぞれに対
応して微妙に異なる付加価値をつけ
た少量生産品を、少量販売
(価格差別化=Price Discrimination)
地域密着の中堅・中小・零細企業が、優れた商品
力・マーケティング力を備えることで、初めてこの路
この増加部 線を採れる(例えばラーメン屋の世界)
分が、売上 生産販売ロットが小さいので、普通ならコストが上
がって対応できない → 「値上げのためのコストダウ
の 再拡大 ン」に成功した企業だけが取れる道!!
をもたらす
0
商品の販売量(Q)
その分、大手企業の大
量生産規格品の 販売
量は減るかもしれない
が、経済全体のパイは
逆に拡大する!
技術経営(Technology Management)では
なく経営技術(Management Technology)
• 付加価値を創造するのは経営技術
 従来型の量産指向モノづくりはデフレを脱却できない (総
売上が伸びない自動車や家電の生産工程に参加しているだけでは、
コストダウン→付加価値低減の循環に呑み込まれる)
 高度な個人需要に対応し、個別化した商品・サービスを提
供することがデフレ脱却の道 → 経営技術が必要
• 事業家にとっての経営技術とは?
 ファイナンス:自分の事業の価値を、資金の出し手(株主・債権者)の
視点から自己査定し、その増加を図っていく技術
 マーケティング:自分の事業の価値を、商品・サービスの買い手(顧
客)の視点から自己査定し、その増加を図っていく技術
(これは講師の定義ですが、真実の一端を突いています)
63
Segmentation & Targeting
Positioning
こっちの視点よりも客からの視点
セグメンテーション
ターゲテイング
客を細分化して、狙いをつけることが大事
 誰を相手に売るのか、アイディア倒れにならないことがとても重要
(技術から発想すると、ここのところがどうしても後付けになる…)
 しかしそのためには、客の心が読めなければだめ
(要は「無知の知」と「イマジネーション」そして「トライ&エラー」)
ポジショニング
もっと大事なのが、客にとって私は何?という視点
 狙った相手にしてみれば、当社の商品も「たくさんある中の一つ」
(別段当社に思い入れのない人の立場に立って考えてみなければならない)
 相手がどこのところで当社を選ぶのか、そこのところを明確につかめ!
(「他人の数だけ自分がある」ということをかみしめよう)
低迷企業は皆、ポジショニング喪失症。
64