Actor-Criticを用いた 知的ネットワークシステムの提案

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Actor-Criticを用いた
知的ネットワークシステムの提案
廣安 知之(同志社大学)
三木 光範(同志社大学)
○中村 康昭(同志社大学 大学院)
研究背景
近年の人工物には知的性質を備えているものが存在する
Ex.)
自動温度調節を行う電子レンジ
人の存在を感知する照明
人の存在で風量を調節する空調
知的人工物
人工物におけるパラメータを環境に合わせて変更可能
利用者や環境にとってより高い効用をもたらす人工物
Intelligent Systems Design Lab. Doshisha Univ.
知的メカニズムの発現
状態を認識するSense部
適切な行動判断を行うJudge部
判断に従うAct部
自身に組み込まれたセンサ,駆動部から目的達成
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知的ネットワークシステム
知的人工物が持つ知的性質を利用して,目的をネットワークに
与えることにより自律的に動作するネットワークシステム
柔軟な対応が不可欠
柔軟なJudge部
強化学習の適用
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強化学習
教師が存在せず,報酬を手がかりに学習を進める
試行錯誤から選択すべき行動を学習する
代表的な強化学習手法
• Q-Learning
• Actor-Critic
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Q-Learning
それぞれの状態に,状態と行動のセットで評価値が存在
S+A
S
+A
-A
S-A
Boltzman選択 :exp(Q(s,a)/T)に比例して行動選択
ε-greedy選択:確率εでランダム,それ以外で最高評価の行動を選択
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Actor-Critic
状態評価部と行動選択部が独立して存在
状態評価部
行動選択部
確率設定可能
確率変動可能
状態S
良い状態へ遷移したとき
標準偏差:
外:標準偏差を広げる
内:標準偏差を縮める
中心値:行動方向へ移動
-
0
A
+
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シミュレーション:知的照明システム
目標:人を快適にする
(快適=100±5 [lx])
状態数:0~300 [lx]を60分割
ライト:1.5m間隔で3台設置
人:中央のライトの下に存在
Sense:人のいる地点の照度
各ライトのSense・Judge・Act
Judge:判断基準との比較
Act:ライトの光度の変更
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システムの動作
照度計算
[逐点法]
I  I cos
I
E  2 cos3 
h
I:ライトの光度
E:人のいる地点の照度
1ステップ
ネットワークに接続された
各照明が全て1回の動作を
行ったとき
1回の学習
人のいる地点が快適な
照度に達したとき
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システムへの学習手法の適用
Q-Learning
各照明は±X[cd]という二つの行動から選択
ε-greedy選択を用いて行動を選択(ε=0.2)
Actor-Critic
各照明は正規分布に基づいて値を出力させ,それに従い行動
正規分布の初期中心値を0とする
中心値と標準偏差の変化は実際にとった行動との1/2
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人のいる地点の照度の履歴
学習により目標状態へ到達するまでのステップ数が少なくなる
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目標状態までのStep数の収束
大きな値を選択させるとステップ数は小さくなる
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機器が故障したときの柔軟な対応
各学習手法で100回の学習後,目標に到達したときの障害を想定
他の機器が柔軟に対処することが望ましい
行動選択
Q-Learning:±200[cd]から選択
Actor-Critic:初期標準偏差=200
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障害時の行動(Q-Learning)
一つのライトの動作が大きいため,柔軟な対応が不可能
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障害時の行動(Actor-Critic)
個々の機器が少しずつ明るくなることによって調整を行う
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まとめ
知的ネットワークシステムの提案
知的人工物をネットワークに接続することにより
様々な要求に対応可能なシステムを目指す
Q-LearningとActor-Criticの比較
Q-Learningではパラメータへの依存が大きい
Actor-Criticではパラメータへの依存が少ない
Actor-Criticが有効である
Intelligent Systems Design Lab. Doshisha Univ.
Intelligent Systems Design Lab. Doshisha Univ.
以降:参考資料
Intelligent Systems Design Lab. Doshisha Univ.
知的ネットワークシステム
知的人工物をネットワークに接続するシステム
他の機器のセンス・アクトを利用可能
システム全体で利用の可能性が広がる
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Judge部の問題点
判断基準
書き換え部
判断基準が固定
柔軟な対応が困難
判断基準の書き換え
実動作部
強化学習
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TD誤差学習
St+1
St
α
γ
報酬R
TD誤差
V (St+1) -V(St)
V(St)
TD誤差>0:良い状態へ遷移した
TD誤差<0:悪い状態へ遷移した
V(St+1 )
γ:割引率(0≦γ ≦ 1)
α:学習率(0<γ ≦ 1 )
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Actor-Criticにおける正規分布の中心値
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